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訪日中国人「爆泊」で急増する「ホテル難民」〜大都市の宿泊費はこんなに高い! 常連客が泊まれない(週刊現代)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/866.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 27 日 10:31:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           ビジネスホテルはサラリーマンの友だったのに……〔PHOTO〕gettyimages


訪日中国人「爆泊」で急増する「ホテル難民」〜大都市の宿泊費はこんなに高い! 常連客が泊まれない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48502
2016年04月27日(水) 週刊現代 :現代ビジネス


家電や化粧品ならまだいいが、ホテルの部屋まで丸ごと買い占められたらたまらない。そもそも、インバウンドなんて一般庶民には関係ないこと。中国人より常連客を大事にするのが筋じゃないのか。


■シングル素泊まり2万円!


東京の大手飲料メーカーで営業職を務めるA氏は、今年2月、大阪への出張を命じられた。


「大阪に行くときにいつも使っていたビジネスホテルの価格を見て驚きました。シングル素泊まりで、なんと2万円もした。以前は8000円で済んだのに……。会社の宿泊手当は1泊1万円が上限だから、とても泊まれない。現地で見つければどこか安いところがあるだろうと、宿を決めないまま大阪に向かいました。


ところが、大阪市内でホテルを見つけては手当たり次第に飛び込むも、どこも満室。結局、梅田界隈を歩きまわって、ようやく空きが見つかったのはカプセルホテル。まるで蛸壺のようなベッドで一夜を明かしました。シャワーしかないので、風呂でゆっくり疲れを癒やすこともできない。結局、次の日の商談も、いまひとつうまくいきませんでした」


A氏のように、ビジネスホテルの宿泊料金高騰のあおりをうけ、「ホテル難民」になる人が続出している。『ホテルに騙されるな!』などの著書があるホテル評論家・瀧澤信秋氏が言う。


「中国の景気減速もあり、外国人観光客によるホテル供給への圧迫は一段落するかと思われていました。しかし、フタを開けてみれば、今年に入ってもインバウンドの勢いは衰えず、東京や大阪、京都などの都市部でホテルの予約が取れない状況は相変わらずです」


実際、昨年の訪日外国人数は1973万人で、'14年に比べ実に47%も増加した。そのうち約500万人と、全体の4分の1以上を占めるのが中国人観光客だ。


政府は'20年までに年間の訪日外国人数を4000万人まで増やす計画を発表しており、その勢いはとどまるところを知らない。訪日外国人が増え、ホテルの需要が増すにつれて、大都市圏にあるホテルの宿泊費もまた上昇している。


宿泊予約サイト大手のホテルズドットコムが2月に発表した調査結果によれば、東京は8%、京都は14%、大阪に至ってはなんと24%も前年より宿泊費が上がっているのだ。


「本来ホテルには、国土交通省に申請しなければいけない正規の料金があります。従来は、この正規料金を下回る価格設定はあっても、大幅に上回る料金はあり得ず、急激な値上げは認められていなかった。しかし、今はこの料金基準が有名無実化していて、まったく機能していない。


ここ数年ホテル業界は全体的に急激な値上げを繰り返しているのですが、それに歯止めをかける方法がなくなっている。国交省も見て見ぬふりなのが現状なのです」(観光ジャーナリスト)


■80%以上が外国人客


インバウンド特需に乗じ、ここぞとばかりに値上げを進めるホテル業界。


中でも、宿泊価格の極端な変動が話題になったのが、アパホテルだ。かつて一室7000円程度と思い切った低価格設定で話題となったアパだが、いまは、右の表にもあるように、普段9900円から1万1900円で販売されている部屋が、一番高い日になると3万2300円まで跳ね上がる。


アパ広報担当が言う。


「販売価格については、過去の実績や現状の空室状況などから需要を予測し、支配人がルールに沿って設定しております。


外国人宿泊者数が急増したことにより、観光需要の高い東京・大阪・京都地区ホテルの'15年の客室単価は'14年比でプラス2000円超になりました。今年に入ってからも、'15年比プラス600円超で推移しており、客室単価は引き続き上昇しています」



数年前まで、出張のたびにアパを利用してきたという中堅商社勤務の会社員・B氏は愚痴る。


「この値段でも、外国人観光客には売れるから、嫌なら他のところに泊まってください、という理屈なのでしょうか。


でも、外国人がこれだけ溢れるはるかに前、アパがまだ無名の時代から継続的に利用し、支えてきたのは我々サラリーマンのはず。それが、いちど需要が出てきたら、いつもの値段では泊まらせませんというのは、ちょっと勘弁して欲しいですね」


こうして、インバウンド特需の割を食っているのが日本人の出張族というわけだが、予約が取りにくいのは、なにもビジネスホテルに限ったことではない。


大阪・ミナミの中心にある難波駅の真上にそびえ立ち、548室を抱える外資系ホテル、スイスホテル南海の副総支配人が言う。


「現在のお客様のうち、約20%が中国、19%が香港からのお客様。その他アジアからお越しの方も含めると、外国からのお客様の割合は80%強にもなります。そうした海外からのお客様はだいたいご到着の3ヵ月くらい前から本格的にご予約をされるのに対し、日本人のお客様はご到着の2週間前から。


ご予約はスタンダードルームから埋まっていくので、後になるとどうしても高価格のお部屋ばかりが残ってしまう。それが、日本人のお客様に、価格が高いという印象を与えてしまうのかもしれません」


ミナミは深夜になっても、大勢の外国人観光客が行き交う。ほとんどが中国や韓国などからの観光客だ。


「中国人の爆買いをあてにして、ドラッグストアの数が急激に増えています。大型の家電量販店に行くと、ほとんどが中国人客。いちどエレベーターに乗ったら満員だったのですが、話し声を聞いていると自分を除く全員が中国人で、びっくりしたことがあります」(大阪の会社員)


日本に観光に来て、お金を落としてくれる。経済効果を考えればありがたいことではある。だが、彼ら中国人観光客のマナーに関して、多くの不満が聞かれるのもまた事実。そうしたマナーの悪さによるトラブルはホテル内でも頻発している。


大阪市内、JRの京橋駅からほど近いところにあるシティホテルで、中国人の団体客と同じフロアに宿泊したという、東京在住の銀行員・C氏が語る。


「大阪旅行を楽しみたいと少々奮発してとった、落ち着いた雰囲気のホテルでした。ところが、彼らは部屋の扉を開け放ち、まるで我が家かのようにパジャマ姿で廊下を闊歩していました。そのうえ、夜11時くらいになると、ひとつの部屋に集まって、飲めや歌えの大騒ぎを始めた。


異国の地でついハメをはずしたくなったのでしょうが、彼らが明け方まで騒ぎ続けたせいで、その夜は全然眠れませんでした。ホテルの環境は気に入ったけれど、またああいうことが起きるかもしれないと考えると、もう二度と泊まりたくありません」


■東横インは値上げをしない


東京・麹町にあるビジネスホテルの従業員もこう眉をひそめる。


「うちは朝食をビュッフェ形式で提供するのですが、中国人の観光客は、皿に盛れるだけ盛って、大量に汚く食べ残す人が少なくない。目にあまるので、テーブルに中国語で『食べきれるだけの量をお取りください。食べ残された場合は別途料金を頂戴します』と書いたプレートを置くようにしました。


また、部屋の備品のコップやドライヤー、酷いケースだと電気ポットまで持ち去られてしまったこともあり、『備品は持ち帰らないでください』という張り紙もしてあります」


こうした中国人観光客の振る舞いに嫌気がさし、ホテルを敬遠する日本人客は、決して少なくない。


「ゆっくり時間を過ごしたいからと、それなりの金額を支払って泊まっているのに、大騒ぎする中国人団体客と一緒にされる。目先の利益を確保するために、外国人の旅行者を優遇して、日本人をないがしろにする。なんだか悲しくなりました」(前出・C氏)


しかし、ホテル業界に活況をもたらしているインバウンド特需も、いつかは必ず終わる。引くときはあっという間だ。


「もしも、中国の経済が大きくクラッシュするようなことがあればこのインバウンド熱はあっというまに冷めてしまうでしょう。例えば、日本への外国人旅行者数は、リーマン・ショックの翌年は前年比マイナス18・7%、東日本大震災のあった'11年はマイナス27・8%にまで落ち込んでいます。


あの頃のホテル業界は稼働率がガタ落ちし、大打撃を蒙りました。いまインバウンドへの依存度が高いホテルほど、訪日外国人減少で大きなダメージをうけてしまう」(瀧澤氏)


そんな中、インバウンド需要や「爆泊」にかかわらず、マイペースを貫くホテルチェーンも存在する。


例えば、ビジネスホテルチェーンとしてアパホテルに次ぐ規模を誇る東横インは、外国人観光客で稼ぐチャンスの現在でも、ほとんど宿泊料を変えないという。


「繁忙期は客室単価を変えることはありますが、上限でも7800円になっています。下限は店舗それぞれですが平均5000円台くらい。我々の強みはお値打ち感。いつも利用して下さるサラリーマンの味方というスタンスです。


おかげさまで、都内での稼働率はほぼ100%。結果的に予約が取りづらくなりお客様に御迷惑をおかけしているかもしれません」(東横イン・広報担当者)


他にも、東京都内の有名ホテルなどでは、「あらかじめインバウンド客の受け入れ数をコントロールして日本人客の予約を取りやすくし、環境を維持できるようにしているところもある」(瀧澤氏)という。


こうして、日本人の顧客にも配慮した対応をみせるホテルも増えてきているとはいえ、今の動向が続けば、ホテルの予約が取りにくい状況はまだまだ続く。急な出張や旅行でも、手頃な値段で上手く予約をとる方法はないのだろうか。


瀧澤氏は、直前での予約のタイミングには「3つの3の法則」があるという。


「3とは、それぞれ『宿泊当日の3日前』『当日の午後3時』『チェックインの3時間前』のことです。


まず、なぜ『3日前』かというと、日本の場合、キャンセル料が発生するのは3日前からというホテルが多いから。幾つかのホテルを押さえている人や、予定が変わりそうな人がこのタイミングでキャンセルをするので、空室が出やすい」


■「電話してみる」のが効果的


「次に、『当日の午後3時』というのは、たいていのホテルの規定のチェックイン時刻にあたり、当日キャンセルの多くは正午から午後3時前後に入るので、このタイミングはちょうど空室が出やすい。


そして、『チェックインの3時間前』。仕事が終わってから午後11時位にチェックインしたいという場合、その3時間前にあたる午後8時ごろに、もういちど諦めずに電話を掛けてみましょう。キャンセルがでている可能性はもちろん、その時間帯になるとホテルは空室を残さず稼働率を高めるために、『当日限定プラン』のような割安価格の部屋を用意して売り切ろうとする可能性もあります。


何より電話をかけて確認することの効果は大きい。こうした直前のキャンセルで出た空室は、手数料の発生する予約サイトで売るよりも、直接連絡をしてきた客に売りたい、というホテルは少なくないのです」(瀧澤氏)


インターネットの予約サイト上は満室でも、実際は空いているケースもある。諦めずに知恵を絞り、上手にホテルを見つけたい。


「週刊現代」2016年4月30日号より


 

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