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2015年度業績予想の修正記者会見で説明を行い席に戻る室町正志代表執行役社長=26日午後、東京都港区・東芝本社ビル(納冨康撮影)
東芝、脆弱な財務体質 “負の遺産”解消も綱渡り経営は避けられず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00000004-fsi-bus_all
SankeiBiz 4月27日(水)8時15分配信
東芝は、WHの資産価値の評価を引き下げ、減損損失を計上し、負の遺産の解消に踏み切った。東芝メディカルシステムズもキヤノンに売却し、今後はエネルギーと半導体の両事業を中心に再起を図るが、富士通、ソニーから独立したVAIO(バイオ)と進めていたパソコン事業の統合交渉が白紙に戻るなど前途は多難だ。経営の健全性を示す株主資本比率も5.5%と依然として危険水域にあり、財務体質の早期改善が求められる。
「財務体質が安定化したとは決して言えない」。26日会見した東芝の室町正志社長は険しい表情で、こう述べた。
東芝がWHを買収した際に期待したブランド価値に当たる「のれん代」の大部分を取り崩し、減損処理を実施することが報道などを通じて濃厚となったのは19日。その前日から26日までに東芝の株価は8.2%も上昇している。
株主資本比率も従来予想の2.6%から5.5%に改善したものの、平田政善上席常務は「電機メーカーとしては30%は欲しい」とし、経営改善からは程遠い状況にあることを認めた。
富士通、VAIOとのパソコン事業の統合交渉は、生産拠点の集約や出資比率などをめぐって折り合いがつかず、白紙に。「まだまだ粘り強く、さまざまな選択肢を検討している」(室町社長)といい、海外大手への事業売却なども模索するが、うまくいかなければ、構造改革が滞ることになる。
WHの資産評価の見直しによる減損処理で、本業のもうけを示す営業損益の赤字幅は6900億円にまで膨らむ。
室町社長は「原子力事業は粛々と計画どおりに進んでいる。前向きに進めたい」と自信を見せるが、もう一つの柱となる半導体事業は、韓国サムスン電子などライバルとの競争が激化するなど楽観はできない状況だ。
自らの進退の決定について、室町社長は「指名委員会に全てお預けしている」としながら、「連休明けが一つのめどだ」とし、5月12日に予定している2016年3月期連結決算会見までに明らかにする考えを示した。新体制になっても、綱渡りの経営は避けられそうにない。(宇野貴文)
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