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独政治家の欧州中銀批判 通貨同盟の土台揺るがす:マイナス金利など金融緩和策を批判、ECBに公然と政策転換を要求
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/818.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 4 月 26 日 03:40:04: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


<FT特約>独政治家の欧州中銀批判 通貨同盟の土台揺るがす

 この1カ月間、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ほぼ絶えずドイツの政治家による非難にさらされてきた。彼らは常に金融緩和政策に強く反対し、ECBの金融刺激策の中でも特にマイナス金利政策の導入について、ドイツの預金者を圧迫し、過激政党の台頭を促し、同国の金融機関に負担を強いていると批判している。

 受け入れがたいのは、彼らがECBの政策にもっとドイツの意見を取り入れることを求め、次の総裁はドイツ人にするよう要請するなど、公然とECBに政策転換を迫っていることだ。

 ドラギ氏は21日、ECBが従うのは法律であって政治家ではなく、政策理事会は現在の方針と独立性を維持することで全会一致していると強調。さらにマイナス金利は機能していると主張した。2014年に導入したこの政策なしではデフレになり、ユーロ圏の成長率はかなり低かっただろう。

 それでもドラギ氏は、ドイツの政治家の懸念を認識している。マイナス金利を導入した1年目は欧州の銀行の利益は全体的には拡大したが、ドイツの小規模の貯蓄銀行や年金基金、生命保険は苦境に立たされた。ユーロ圏経済にとって理にかなう金融政策は、長期的にはユーロ圏最大の債権国であるドイツの金融に破壊的な影響を与えるかもしれない。

 とはいえ、ドラギ氏が米国の年金基金や保険会社は長期的なほぼゼロ金利の試練の中で崩壊しなかったと指摘したのは正しい。ドイツの金融機関が苦しんでいるのは、主として同国の規制や特有の事業モデルのせいだ。

 ECBの法的義務はインフレを目標値まで回復させることであり、この先数年は金利を現在の低水準に維持する以外、選択肢はほぼないだろう。

 ECBの政策を国益同士のせめぎ合いとして描こうとすれば、欧州経済通貨同盟の土台を揺るがすことになる。これはドイツの国益にはならない。同国が通貨同盟を成功させたいなら、ドイツ連邦銀行のクローンをつくろうとするのをやめて引き下がるべきだ。

(22日付、社説)

=英フィナンシャル・タイムズ特約

[日経新聞4月23日朝刊P.6]

 

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