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(回答先: コラム:円安加速を阻む3つの要因=佐々木融氏 投稿者 軽毛 日時 2016 年 4 月 25 日 10:21:31)
Business | 2016年 04月 25日 18:44 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
アングル:通貨オプションで根強い円高警戒、緩和効果の持続に懐疑的
[東京 25日 ロイター] - 通貨オプション市場では、長期的な円高警戒感が払しょくされていない。日銀緩和期待を背景に短期では円安方向の織り込みが進んでいるものの、1カ月や1年物のリスクリバーサル(RR)はドル安/円高を予想したドル・プット・オーバーが依然続いている。
追加緩和の経済効果に期待感が高まらないなか、円安効果の持続力に懐疑的な動きとなっている。
<1週間物と1カ月物で異なる様相>
通貨オプション市場では、1週間物ドル/円RR25%デルタが、18日に1.288%のドル・プット・オーバーだったが、週半ばにかけて徐々にその傾きを縮め、21日には1月末以来となるドル・コール・オーバーに転換、円安方向の予想が優勢になった。
日銀緩和に関する一部の観測報道が出た前週末から今週初にかけて、一時ドル・コール・オーバー1.525%に傾きを拡大する場面もあった。足元では1.338%のコール・オーバーとなっている。
しかし、もう少し長期の1カ月や1年物のRRをみると、様子がやや異なる。
1カ月物RRのドル・プット・オーバーの傾きは、2月にドル/円が急落した際には一時2.994%まで拡大した。足元ではミドルレートでプット・オーバー0.725%に縮小してきてはいるが、依然として円高方向の予想が優勢だ。
1年物もドル・プット・オーバー2.050%に傾きを縮めたものの、依然、ドル・プット・オーバーの状態にとどまる。「長めのところは、和らいだとはいえ依然、円高警戒を崩しておらず、状況はあまり変わっていない」(邦銀)との指摘が出ている。
<セル・ザ・ファクト的なリスクも>
ドル/円相場は前週初めごろから、ジリジリと上昇基調をたどっていた。世界的にリスク選好ムードが回復するなか、投機筋を中心に円・ロングポジションが巻き戻されたためだ。
前週末は、日銀が金融機関の貸出にマイナス金利を適用することを検討するとの一部報道が出たこともあって、ドル/円JPY=は一時111円後半まで急上昇した。
ただ、あおぞら銀行・市場商品部部長、諸我晃氏は、為替市場の日銀緩和期待について「期間の短いところに比べ、長いところではそれほど盛り上がっていない。日銀緩和への短期的な期待感が入っていた様子だが、それが中長期的な円安圧力になるには、まだ懐疑的というところだろう」と指摘している。
週明け25日の東京市場では、日本株が反落したこともあって、ドル/円も111円前半までジリジリと値を下げた。
ソシエテ・ジェネラル銀行・為替資金営業部長、鈴木恭輔氏は、仮に日銀が4月会合で追加緩和を打ち出したとしても「当初2回の日銀バズーカのように、ぐいぐい円安に行けるかわからない。セル・ザ・ファクトのリスクが出てきている可能性もある」と述べている。
(平田紀之 編集:伊賀大記)
http://jp.reuters.com/article/forex-option-idJPKCN0XM0W0?sp=true
World | 2016年 04月 22日 18:34 JST 関連トピックス: トップニュース
アングル:「AAA」の憂うつ、豪州にのしかかる維持コスト
[シドニー 21日 ロイター] - ソブリン格付け「AAA」を獲得しているのは現在、オーストラリアを含めて世界でわずか10カ国に過ぎない。しかし「エリートクラブ」の維持コストが、離脱した場合のコストより高いというのはどうなのか。
これが今、ターンブル豪政権が直面しているジレンマだ。総選挙が7月2日に行われる可能性が濃厚な中、政治的にはインフラ支出よりも「AAA」維持のほうが重要となり、政権にとって重荷になっている。
ムーディーズは、オーストラリアが財政赤字を抑制して「AAA」を維持するには、来月発表の予算案に増税と歳出削減を盛り込む必要があると警告。新聞の1面で大々的に報じられ、豪国民の注目を集めた。
これは、全体の税負担を引き上げないことをかねてから国民に約束しているターンブル首相にとって、歓迎すべきアドバイスではない。
ターンブル首相率いる自由党は債務の削減を重視しており、労働党を「浪費家」だと非難することで政権の座についたという経緯がある。
ただ、オーストラリア国民の大半にとっては、ソブリン格付けが引き下げられても、痛くも痒くもないだろう。豪政府にとってすらも、借り入れコストへの影響はごく小さなものにとどまると見られている。
日興アセットマネジメントで債券を担当する、在シドニーのジェームズ・アレクサンダー氏は「AAAとAAにはほとんど違いはない」と話す。「いろいろな意味で政治問題になっている。自分が政権の座にあるときに、AAAを失うことは避けたいと、誰もが考える」と述べた。
世界的な金融危機を受けて多くの国が大幅に格下げされるなか、今や「AA」が「AAA」とほぼ同じ意味合いを持つようになっている。
格付けが低めでも、借り入れコストが急増するとは限らない。例えば、スペインの格付けは「BBBプラス」だが、欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れの影響もあり、期間10年の借り入れに支払う金利は1.47%にとどまる。オーストラリアは2.57%だ。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)でリサーチを担当するピーター・ジョリー氏は、格付けが1段階引き下げられた場合の借り入れコストへの上乗せ幅はわずか数ベーシスポイント(bp)に過ぎないと試算。ニュージーランドはオーストラリアよりも格付けが2段階低いが、借り入れコストはあまり変わらないと指摘し「借り入れコストという点では、オーストラリアはさほど有利ではない」との見方を示した。
<インフラやインターネットの整備急務>
「AAA」を失ったとしても財政的な打撃は大きくはないかもしれないが、オーストラリア政府は格付けの維持にやっきになっており、機会費用が相当膨らんでいる。豪政府は、格付けを意識するあまり、インフラ整備に必要な借り入れをためらうようになっている。
オーストラリア経済は世界12位の規模だが、公共交通とインターネットの整備状況は大幅に遅れを取っている。公的統計によると、交通渋滞が昨年、企業や市民に与えた損失は160億豪ドルに上るという。
インターネットはインドなどの新興国より遅く、米調査によると、接続スピードの世界ランキングでオーストラリアは48位にとどまる。
オーストラリアは本来、借り入れを通じて必要な支出を賄う余地は十分にある。オーストラリアの一般政府債務(グロスベース)の対国内総生産(GDP)比率は37%程度であり、G7(主要7カ国)平均の117%よりずっと低い。健全財政にうるさいドイツですら68%だ。
実際、ファンドマネジャーの間では、オーストラリアが借り入れを増やすことを望む声が上がっている。運用会社キャップストリーム・キャピタル(シドニー)のマネジングディレクター、クマー・パールガート氏は「格下げは大した問題ではない。豪国債の供給は十分でなく、オーストラリアは利回りがプラスの数少ない国の1つだ」と話す。
パールガート氏は、オーストラリアは史上類を見ない低金利を活用し、インフラ支出を増やすべきとし「支出が目的の借り入れではなく、投資のための借金であるなら、赤字も悪いことではない」と語った。
(Wayne Cole記者、Cecile Lefort記者 翻訳:吉川彩)
http://jp.reuters.com/article/angle-australia-rating-idJPKCN0XI304?sp=true
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