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東証大引け、3日ぶり大幅反発 米株高、円高一服で心理改善(日経新聞)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/642.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 19 日 15:58:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

東証大引け、3日ぶり大幅反発 米株高、円高一服で心理改善
http://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_Z10C16A4000000/
2016/4/19 15:38 日経新聞


 19日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに大幅反発した。終値は前日比598円49銭(3.68%)高の1万6874円44銭だった。前日の米国株式相場が上昇し、投資家心理が改善した。外国為替市場で円相場が1ドル=109円台前半まで円安・ドル高方向に進み、企業の輸出採算悪化への懸念も後退した。投資家が運用リスクを取る動きにつながり、東証1部の上場銘柄の9割が上昇するほぼ全面高の展開となった。

 日経平均は前日に572円も下げていたこともあり、短期的な買い戻しも誘った。前日の東京市場で投資家心理を冷やす原因となった原油や銅など商品価格の下落が一服したことで、19日は一転、市場で買い安心感が広がった。前日に大きく水準を切り下げたトヨタやソニーなどが大幅反発したことが、相場全体の地合い改善にもつながった。

 もっとも後場に入ってからは、積極的な売買は手控えられた。主要企業の2016年3月期の決算発表を目前に控え、市場参加者の間ではその内容を見極めようとの機運が高まり、様子見ムードも広がった。

 JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発した。終値は前日比390.56ポイント(3.27%)高い1万2325.05だった。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、同42.88ポイント(3.25%)高の1363.03できょうの取引を終えた。

 東証1部の売買代金は概算で2兆863億円、売買高は20億9797万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1792、値下がりは118、変わらずは42だった。

 三菱UFJや三井住友FG、みずほFGなどメガバンクがそろって大幅上昇した。前日18日に16年3月期の業績が従来予想を上回ったと発表したヤマトも高い。TDKやアルプス、村田製など電子部品株の一角も大きく水準を切り上げた。半面、前日に上昇が目立っていた若築建や大林組、鹿島などの建設株が売りに押された。

 東証2部株価指数は3日ぶりに反発した。ラオックス、朝日インテク、アートSHDが上昇し、象印や土木管理が下げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 

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コメント
 
1. 2016年4月19日 16:38:29 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[425]

日本株V字反発、為替・海外株落ち着き安心−政策期待も、ソニー急伸
佐野七緒
2016年4月19日 08:04 JST 更新日時 2016年4月19日 15:48 JST

19日の東京株式相場は3営業日ぶりにV字反発、前日に500円を超す急落を演じた日経平均株価は一気に500円以上戻した。為替の円高一服と欧米株堅調、原油価格の下げ渋りで世界市場混乱への警戒感が後退、大規模災害の発生で政府・日本銀行の政策支援期待もある。九州工場の生産を再開したソニーが急反発し、熊本地震による過度なサプライチェーン懸念も和らいだ。
  東証1部33業種は銀行、保険、証券・商品先物取引など金融株、電機や輸送用機器、機械、精密機器など輸出株、海運や非鉄金属株など全て高い。TOPIXの終値は前日比42.88ポイント(3.3%)高の1363.03、日経平均株価は598円49銭(3.7%)高の1万6874円44銭。日経平均の上昇率は3月2日以来、1カ月半ぶりの大きさだ。
  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は、「持続するかどうかまだ不透明だが、為替はこれ以上円高にいかないのとのムードになっている」と指摘。米国は利上げに慎重になりつつあるほか、「中国の景気に対する見方も前向きになっている。グローバルなリスクオンになり、その流れに乗っている」と話した。
  きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=108円90銭台ー109円20銭台で推移、18日の日本株終了時点107円98銭からドル高・円安方向で取引された。18日のニューヨーク原油先物は1.4%安の1バレル=39.78ドルと続落。産油国会合の増産凍結の見送りで時間外取引では急落していたが、クウェートの産油量がストの影響で2日連続で減少したことを受け、下げ渋った。同日の欧米株は、企業決算の期待が先行し、反発した。
  為替の円高一服、海外株、原油市況の落ち着きを受けたきょうの日本株は朝方から先物主導で幅広い業種に見直し買いが先行、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジストは、「短期のシクリカルプレイ。長期資金の流動性が低いので、インパクトが出やすくなっている」と言う。
  また、ソニーは18日、熊本地震発生後に一部停止していたスマートフォン向けイメージセンサーの長崎工場のほか、大分県工場の生産を17日から再開したことを明らかにした。ゴールドマン・サックス証券は、熊本地震のモバイル向けイメージセンサー供給に対する影響が軽微になることが確認できた点はポジティブ、と指摘。きょうのソニー株は6.5%高と急反発、前日は6.8%安と急落していた。
  さらに市場の一部では、激甚災害指定レベルの事象発生で消費税増税の先送りや日銀の追加緩和を見込む声も出ている。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「市場は先送りを相当織り込んできている。足元の景気がもたついている上に熊本地震が発生し、足を引っ張る可能性がある」と指摘。日銀の緩和を警戒する動きも出始めており、「ドル・円が円高の方向に向かわなかった」と話した。
  業種別の値上がり率トップは銀行。ドイツ証券は、日銀のマイナス金利拡大の可能性は低くなっており、ETF買い入れ額が現行の年間3兆円から6兆円や9兆円に増額されれば、銀行株にとってかなりのポジティブ要因と18日付のリポートで言及した。
  東証1部の売買高は20億9797万株、売買代金は2兆864億円。上昇銘柄数は1792、下落は118。売買代金上位ではソニーのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3社が大幅高。トヨタ自動車やソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、ホンダ、マツダ、村田製作所、TDK、日本電産、第一生命保険も高い。半面、鹿島や大林組、中外製薬は軟調で、若築建設は反落。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-18/O5UPVX6KLVRL01


Business | 2016年 04月 19日 15:35 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
日経平均は598円高、原油安一服・米株高で買い戻し 

[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりの反発。終値は前日比598円の大幅高となった。原油相場の下げ渋りや米国株の上昇など、外部環境に落ち着きがみられたことを支えに、主力株に買い戻しが入った。戻り売りに押される局面が続いたが、取引終了直前に日中高値を更新。上昇幅は一時624円となった。

東証1部銘柄の91%が上昇し、全面高商状となった。前日の下げの反動に加え、為替が1ドル=109円台までドル高/円安方向に振れたことも支えとなり、自動車・電機関連が堅調に推移。メガバンクは三菱UFJ(8306.T)やみずほ(8411.T)が6%を超す上昇となった。業種別指数は全33業種が上昇。銀行業が5.8%高と、上昇率でトップとなっている。

株価指数先物にCTA(商品投資顧問業者)とみられる小口の買いが断続的に入ったことも現物株の上昇に寄与した。日経平均は取引時間中としては2営業日ぶりに1万6900円台を一時回復。ただ東証1部の売買代金は2兆0900億円弱と、値幅の割に商いは低調だった。

東洋証券ストラテジストの檜和田浩昭氏は「日経平均は2月1日と3月14日、3月28日の戻り高値を結んだ延長線のところで、前週もきょうも上値が抑えられている印象」と指摘。「一気に抜ければ上値余地が出てくるが、それにはなお一層の材料が必要だろう」と話す。

個別銘柄では、日本通信(9424.T)が一時ストップ高。欧州における事業会社が設立されたと19日に発表し、事業拡大への期待から買いが集まった。また18日に資源および非資源関連で計1200億円の損失を2016年3月期の決算に計上すると発表した丸紅(8002.T)は反発。総合商社の損失計上はある程度織り込み済みだったことから、悪材料出尽くしとなった。

東証1部騰落数は、値上がり1792銘柄に対し、値下がりが118銘柄、変わらずが42銘柄だった。

日経平均.N225

終値      16874.44 +598.49

寄り付き    16582.66

安値/高値   16570.50─16900.33

TOPIX.TOPX

終値       1363.03 +42.88

寄り付き     1345.02

安値/高値    1343.65─1365.90

東証出来高(万株) 209797

東証売買代金(億円) 20863.72

(長田善行)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-stock-idJPKCN0XG0I7?sp=true


円が全面安、原油下げ渋りや株高でリスク回避緩和−対ドル109円前半
三浦和美
2016年4月19日 10:20 JST 更新日時 2016年4月19日 15:07 JST
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ドル・円は一時109円22銭、2営業日ぶりの円安値
ショートカバー以外でドル買い・円売り材料乏しい−三井住友信託銀
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19日の東京外国為替市場では円が全面安の展開。対ドルでは1ドル=109円台前半に水準を切り下げた。産油国による増産凍結合意失敗後の原油下落が限定だったことや、日米の株価反発を背景にリスク回避圧力が緩和した。
  午後3時5分現在のドル・円相場は109円04銭付近。朝方に付けた108円75銭から一時は109円22銭と、2営業日ぶりの水準までドル高・円安が進んだ。円は主要16通貨全てに対して前日終値から下落している。
  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、「ドル・円は昨日売り込んだ短期勢のショートカバーもあり、109円台に浮上」と説明。ただ、「基本的にはショートカバー以外でドル買い・円売りを進める材料にも乏しい状況で動きづらくなっている」と言い、「短期的には107円50銭から110円で推移するのが居心地がよいのではないか」と話す。

  17日のドーハでの産油国会合で増産凍結の合意に失敗したことで、ニューヨーク原油先物相場は一時1バレル=37.61ドルと、8日以来の水準まで下落。その後は値を戻し、アジア時間19日の時間外取引では40ドル台に戻す場面も見られている。
  みずほ銀行のトレーダー、日野景介氏(ニューヨーク在勤)は、週末の産油国会合を受けていったんリスクオフになったが、「原油はほぼ全部戻したし、オーストラリア・ドルなどコモディティ通貨もほぼ全戻しという状況」と言い、「振り出しに戻った」と説明した。「大きなリスクオフがこないと、もう一段107円半ばを割れて、106円、105円へというコースはなかなか描きづらい」とみる。
  18日の米株式相場は反発。S&P500種株価指数は昨年12月1日以来の高値で終了した。19日の東京株式相場も反発し、日経平均株価は前日終値からの上げ幅が一時600円を超えた。
  日本銀行の黒田東彦総裁は米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、ここ数カ月の円高でインフレ率の2%への押し上げに向けた取り組みが損なわれる恐れがあり、追加緩和措置につながる可能性もあるとの認識を示した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5UVS46K510201



債券は上昇、5年入札順調や緩和観測で買い−30年利回り連日最低更新
池田祐美、山中英典
2016年4月19日 07:58 JST 更新日時 2016年4月19日 15:24 JST
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新発30年債利回り0.33%まで低下、新発20年債利回りも過去最低更新
5年入札結果:最低落札価格は予想を上回り、応札倍率は上昇
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債券相場は上昇。新発30年債利回りは連日で過去最低を更新した。この日実施の5年債入札が順調な結果となったことや日本銀行による追加緩和観測などを背景に買いが優勢となった。
  19日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比5銭安の151円86銭で取引を開始し、いったん151円83銭まで下落した。午後に入ると、5年債入札結果を受けて水準を切り上げ、152円02銭まで上昇した。結局は9銭高の152円00銭で引けた。

  UBS証券の井川雄亮デスクアナリストは、「5年債入札結果が強かったことが相場を押し上げた。午前は5年、7年ゾーンはそこまで強くなかった。一部報道で黒田東彦総裁が追加緩和に前向きの発言が伝わり、国債買い入れ増額を連想して超長期債相場は強かった」と説明した。
  黒田日銀総裁はウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、ここ数カ月の円高でインフレ率の2%への押し上げに向けた取り組みが損なわれる恐れがあり、追加緩和措置につながる可能性もあるとの認識を示した。日銀は27、28日に金融政策決定会合開く。
  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.12%で開始後、いったん0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.115%を付けた。その後はマイナス0.125%を付けている。
  新発20年物の156回債利回りは0.5bp高い0.295%で始まり、一時0.27%まで低下して過去最低を更新した。新発30年物の50回債利回りは0.5bp低い0.36%で始まった後、徐々に水準を切り下げ、0.33%と前日に記録したこれまでの最低0.355%を下回っている。
  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「付利引き下げの思惑が市場の中にはある上、追加緩和がなかったとしても日銀買いオペは年限の調整で残存3―5年が増額されやすい。付利引き下げの思惑は残り続けるため、5年金利は中長期的にマイナス幅拡大の余地があるとみている。日銀会合までは思惑が相場全体を支えそうだ」と分析した。  
  みずほ証の辻氏は、「超長期債は前日の終値水準にすぐ買い注文が入るなど底堅い。20年入札に対する楽観的な見方が影響しているのではないか。外債投資環境があまり良くない中で、追加緩和への期待もあり、月内はしっかりした展開が続くだろう」と語った。
5年債入札
  財務省が午後発表した表面利率0.1%の5年利付国債(127回債)の入札結果によると、平均・最高落札利回りともに過去最低を更新した。最低落札価格は101円60銭と、市場予想の101円58銭を上回った。投資家需要を反映する応札倍率は4.36倍と、前回3.59倍から上昇した。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は2銭と、前回5銭から縮小した。
  UBS証の井川氏は、「午前は不透明感から売られたが、午後は5年債入札でしっかりした需要が確認できたので買いが入っている」と指摘。「海外勢が買うといっても、3月に比べてベーシススワップはタイトになっているので、ドル建て日本国債は妙味が薄れている。ただ金利が低下して短期国債や5年債までも担保にする需要がみられている」と語った。
  18日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前週末比2bp上昇の1.77%で引けた。米株相場の上昇が売り手掛かりとなった。ダウ工業株30種平均は同0.6%高の18004.16ドルで引けた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-18/O5TH9L6KLVR901



運用各社、投資信託の投資家にマイナス金利のコスト転嫁
伊藤小巻、Gareth Allan
2016年4月19日 13:26 JST

日本銀行のマイナス金利政策導入に伴い、野村アセットマネジメントやDIAMアセットマネジメントなど運用会社各社は、株式や債券に投資していない待機資金にかかるコストを投資信託の投資家に反映させる。
  国内の大手信託銀行は18日から、運用会社や年金基金などの顧客に、日本銀行の当座預金に預けている資金にかかるマイナス金利のコスト相当分を顧客に転嫁。運用会社も、運用にかかるコストやマイナス分を投資信託の基準価格に反映させる。
  野村アセット広報担当の広中一雅氏は、「コール市場と金銭信託をみながら、投資家に最善の運用となるよう努めていく」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5UZ6O6S972Z01

Business | 2016年 04月 19日 15:01 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
3月全国百貨店売上高は前年比2.9%減、2カ月ぶりマイナス

[東京 19日 ロイター] - 日本百貨店協会が19日発表した3月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比2.9%減の5277億円と、2カ月ぶりにマイナスとなった。

3月は、特に中旬以降の気温が低く、春物衣料の動きが鈍かったことが主力の衣料品の落ち込みにつながった。円高・株安による消費マインドの落ち込みもあり、全体の売上高は前年3月実績に届かなかった。

一方、訪日外国人動向は引き続き好調で、売上高は同13.2%増の157億円と38か月連続のプラス。消費スタイルには変化が見られ、一般物品売上が前年割れとなる一方で消耗品の売上が伸び、全体としては前年比2ケタ増を確保した。

調査対象の百貨店は82社・237店舗。東京地区は前年比1.1%減と、12カ月ぶりにマイナスとなった。

http://jp.reuters.com/article/departments-idJPKCN0XG0FR

恐怖と怒り招いた日銀マイナス金利、4月会合打つ手なし−早川元理事
日高正裕、氏兼敬子
2016年4月19日 06:00 JST
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早川氏:日銀版コアCPIは早晩1%割れへ、7月には対応迫られる
マイナス金利の導入で日銀は致命的な間違い犯した−早川氏

元日本銀行理事の早川英男氏は、日銀はマイナス金利導入で消費者、特に高齢者の恐怖心と金融機関の怒りを招くという致命的な間違いを犯したため、月末の金融政策決定会合でさらに金利を引き下げるのは困難だと指摘。当面は時間稼ぎをするしかないが、7月には対応を迫られる可能性があるとの見方を示した。
  富士通総研エグゼクティブ・フェローの早川氏が18日のインタビューで語った。早川氏は、消費者にとって預金金利の低下はほとんど無視できるが、マイナス金利のようなことを突然やられれば、「やはり恐怖心を抱く」と述べた。金融機関も利ざや圧迫だけでなく、「量的・質的金融緩和の下で当座預金を積み上げる日銀の政策に協力して国債を売却してきたのに、何の相談もなくひどい仕打ちを受け裏切られたという感情的な怒りの方が大きい」と指摘した。
  こうした反応を避けるため黒田東彦総裁は「執行部への指示」という手法を選ぶべきだったと早川氏はいう。いきなり複雑な枠組みを発表するのではなく、「マイナス金利を検討せよという指示を出し、3月か4月の会合で決定すれば消費者には事前の説明が可能だった」と指摘。金融機関も当然反発するが、「それを受けて3層構造を入れるという順番であれば、恐怖心や怒りは相当小さかったはずだ」と語った。
  黒田総裁は13日、米コロンビア大学での講演の質疑応答で、「マイナス金利の導入が裏目に出たとか、円高・日本株安を引き起こしたとは思っていない」と主張、「それどころか、マイナス金利付きの質的・量的金融緩和(QQE)を導入していなかったら、日本の金融市場は一層悪くなっていただろう」と語っている。
今は時間が必要
  早川氏は「あと2、3カ月で高齢者に安心感を与え、金融機関の怒りをなだめなければならない。今は時間が必要だ」という。米連邦公開市場委員会(FOMC)は4月の利上げを見送るものの、米国経済はしっかりしているため「6月利上げキャンペーンを始めるだろう」と指摘し、為替相場も「4月FOMCを通過すれば少し落ち着く」とみている。
  日銀は28日、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を示す。早川氏は景気は悪くなっておらず物価も特段変化がないとはいえ、「さすがに前回1月の数字をそのまま維持するのは無理がある」として「気持ち下げる程度ではないか」とみる。2%物価の達成時期も1月に16年度後半から17年度前半に先送りしたばかりで、17年度後半にしたら黒田東彦総裁は事実上テーパリング(長期国債買い入れの縮小)できないことを認める形になるので変えないだろうと述べた。
  早川氏は、マイナス金利適用がスタートしたのが2月であり、追加緩和をするとしても「マイナス幅の拡大はとてもではないが反発が強過ぎるだろう」と指摘。違う手段を取れば「それはそれでマイナス金利は失敗だったと言われる」ため、「今は何とかしのぐしかない」という。
  4月会合は現状維持とみる早川氏だが、猶予期間は長くないとみる。日銀は物価の基調がしっかりしている根拠として、エネルギーと食料品を除く、いわゆる日銀版コア消費者物価が1%を上回っていることを挙げる。しかし、円安一服で食料品価格の上昇が鈍化してくると、4、5月分は「1%割れか、割れそうになるだろう」と指摘、そうなると日銀の論理は成り立たなくなるため、「7月あたりのタイミングで何かしなければならないと考えるだろう」という。
もう一つの間違い
  日銀がマイナス金利の導入で犯した致命的な間違いがもう1つある、と早川氏は指摘する。短期決戦で物価を上げ切れなかったマネタリーベースを目標とする手法をやめる千載一遇のチャンスを逃したことだという。
  早川氏によると、日銀内の多くはもともと、マネタリーベースを増やせば期待インフレが上がるというシンプルなマネタリストの論理は信じていないという。しかし、安倍首相の周囲のマネタリストらが黒田総裁の就任を支持、日銀執行部の一角をマネタリストが占めたこともあり、「量的・質的緩和はそもそも、基本的な認識が異なる人たちの合作だった」と指摘する。
  大規模な長期国債の購入で大幅な円安になれば、輸出が増えて景気が上向き、輸入物価上昇で物価は上がる。企業収益が改善して賃金も上がれば、持続的な物価上昇につながり得る。早川氏は、「何をやってもデフレから脱却できなかったわけだから、うまくいくかどうか分からないが一回やってみればどうか、という考え方は当然あり得た」と語る。
短期決戦以外なかった
  しかし「うまくいく可能性は短期決戦以外にはなかった」と早川氏はみる。大規模な国債の購入は2年は可能でも4年も5年もできないだけでなく、「もともと理屈が何もないので、時間がたてば馬脚を現す可能性は十分あった」という。しかも量的・質的緩和の出口では日銀が巨額の損失を抱える。「買う金額が多ければ多いほど、長期戦になればなるほど、その規模が大きくなる」と指摘する。
  早川氏はその上で、「マイナス金利の導入を執行部指示のような形で周到な準備の下で実施し、一方でこの際マネタリーベース目標は減らすというやり方をとっていれば、ずっとうまくいったはずだ。1月の失敗はコストが大きい。やはり拙速な決定だった」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-18/O5TMIG6S972V01



Business | 2016年 04月 19日 12:46 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
日銀審議委員に政井氏、政府が提示 マイナス金利を評価

[東京 19日 ロイター] - 政府は19日、日銀審議委員候補に政井貴子・新生銀行執行役員金融調査部長(51)を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示した。任期は5年間。6月29日に任期を迎える石田浩二審議委員の後任となる。

政井氏は2月に行ったロイターとのインタビューで、日銀が導入したマイナス金利政策に一定の理解を示している。

国会同意人事は衆参両院それぞれの同意が必要だが、両院で与党が多数を占めている現状では、政府案が可決される可能性が大きい。各党は人事案への賛否について、これから対応を協議する。

政井氏は、トロントドミニオン銀行で資本市場部アソシエイトディレクター、クレディアグリコル銀行で金融商品営業部部長を務めた。2007年5月に入行した新生銀行ではキャピタルマーケッツ部部長、市場営業部部長などを歴任するなど外国為替を中心に市場部門に精通している。13年4月に同行執行役員に就任した。

ロイターが2月9日に行ったインタビューで政井氏は、日銀が1月29日の金融政策決定会合で導入を決めたマイナス金利政策について「一定程度の円安の効果があった。短期的には成功だったと思う」と評価。

マイナス金利の導入決定直後に市場は株高・円安で反応したものの、その後は世界経済の不透明感の強まりなどを背景に株安・円高が進行した。この点に関しては、追加緩和をしなければ「株価もドル/円JPY=EBSもさらに不安心理が増幅していた可能性がある。もっと円高基調になっていたと思う」としている。

また、対ドルで110円を超えるような円高が定着するような展開になれば、日本経済の見通しを下方修正せざるを得ず、来年4月に予定されている消費税率引き上げや追加財政出動の是非などさまざまな問題に発展する可能性があると指摘。

市場心理が急速に悲観に傾く中、通貨の動きが過剰に歪むような状況になれば、政府による為替市場介入も選択肢との見方を示している。

日銀審議委員は、日銀の最高意思決定機関である政策委員会のメンバーで、同委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されている。年8回定例開催する金融政策決定会合では、当面の金融政策運営の方針などを決める。

3月末に唯一の女性審議委員だった白井さゆり氏が退任し、後任に桜井真氏が就任。政井氏が就任すれば、女性審議委員が復活する。一方、三井住友銀行出身の石田審議委員の退任で、これまで慣例となっていたメガバンク出身者が不在となる。

*内容を追加します。

(伊藤純夫 編集:内田慎一)
http://jp.reuters.com/article/boj-committee-idJPKCN0XG07N?sp=true


日銀審議委員に政井貴子氏を政府提示−新生銀初の女性執行役員
日高正裕
2016年4月19日 11:19 JST 更新日時 2016年4月19日 12:49 JST

スキューバダイビングを楽しむ政井氏、水面下の金利水準を議論へ
外資系金融機関の出身、政策委に再び女性−任期は5年


政府は19日、日本銀行政策委員会の審議委員に新生銀行執行役員の政井貴子氏 を起用する人事案を、衆参両院の議院運営委員会理事会に提示した。6月29日任期満了の石田浩二氏の後任。国会の同意を経て任命される。任期は5年。議院運営委の資料で分かった。
  新生銀のウェブサイトによると、政井氏は、トロントドミニオン銀行資本市場部アソシエイトディレクター、クレディアグリコル銀行金融商品営業部長を歴任の後、2007 年5月に新生銀に入行。キャピタルマーケッツ部部長、市場営業部長などを経て、13 年4月に同行初の女性執行役員に就任した。現在51歳。
  3月31日で退任した白井さゆり氏の後任には、マネーの量を増やせば緩やかな物価上昇が実現すると主張するリフレ派の桜井真サクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表が就任している。白井氏の前任、前々任は女性だった。
  4日付の日経新聞朝刊は、白井氏の後任に政井氏が起用されると報じたが、実際に提示されたのは桜井氏だった。政井氏の提示が国会で同意されれば、男性だけになっていた政策委員会に女性が再び戻ることになる。政井氏は現在51歳。
女性も自然体に
  政井氏は昨年3月、女性の活躍をテーマにしたインタビューで、人口減少に直面している日本の経済状況について、物価を早く上げる必要があり、「成長も速めなければならない、借金も早く返さなければならない」と指摘した。
  その上で、女性の活躍推進というのは「ともすれば子供を産み、さらに馬車馬のように働けということのように受け止められてもおかしくないぐらいの強烈なメッセージだが、本来的には女性も自然体でやっていけるように社会も変わるべきなのだ、ということだと思う」と語っていた。
  日銀最高意思決定機関である政策委員会の定員は正副総裁3人と審議委員6人の計9人。日銀は1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利による追加緩和を5対4の賛成多数で決めた。この時に石田氏は反対したうちの1人。他に反対したのは白井氏、木内登英、佐藤健裕両委員だった。
「執行部寄り」か
  スキューバダイビングも楽しむ政井氏は、公務では水面下にある金利政策に関する議論、決定に参加する立場になる。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは政井氏について「基本的に現在の執行部寄りのスタンスを取るだろう。就任後の7月以降に追加緩和が提案されれば賛成するだろう」とみている。
  黒田東彦総裁は13日、米コロンビア大学での講演後に行った質疑応答で、「マイナス金利の導入が裏目に出たとか、円高・日本株安を引き起こしたとは思っていない」と主張、「それどころか、マイナス金利付きの質的・量的金融緩和(QQE)を導入していなかったら、日本の金融市場は一層悪くなっていただろう」と語っている。
  政策委では昨年6月に退任した森本宜久審議委員の後任にトヨタ自動車相談役の布野幸利氏、昨年3月に退任した宮尾龍蔵前審議委員の後任にリフレ派エコノミストの原田泰元早稲田大学教授がそれぞれ就任している。原田、布野両委員と黒田総裁、岩田規久男、中曽宏両副総裁がマイナス金利に賛成した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5US7I6JTSEZ01

日銀とは対照的−パワー増大の人民銀、預金準備率引き下げは不要か
Bloomberg News
2016年4月19日 14:46 JST
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中国の貨幣乗数は2006年以来の高水準−日本では1990年代に急低下
「準備率を今引き下げるのは、火に油を注ぐようなもの」との声も

中国人民銀行(中央銀行)は、日本銀行など先進国の多くの中央銀行とは極めて対照的だ。マネーサプライ(通貨供給量)拡大を通じて新規融資を生み出すパワーが強まっている。ブルームバーグの集計データによれば、いわゆる貨幣乗数は2006年以来の高水準だ。
  日本ではこの比率が1990年代に急低下した。資産バブル崩壊に伴う不良債権に苦しんだ邦銀の間には貸し渋りが広がった。
  みずほセキュリティーズアジアの沈建光チーフエコノミスト(香港在勤)は、人民銀が発表した3月の統計に示される新規融資とM2の伸びは人民銀の資金供給が与信拡大に寄与しており、預金準備率引き下げの必要性が低下していることを示唆していると指摘した。

  中国国際金融(CICC)の余向栄氏らアナリストは最近のリポートで、人民銀が流動性の供給手段を拡大していることが貨幣乗数を押し上げていると分析。資本流出に直面する中で、大手銀行の預金準備率引き下げペースを落とすことを可能にしそうだとしている。人民銀は預金準備率を昨年の早い時期の20%から5回引き下げ、17%と5年ぶりの低水準に設定している。
  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの大中華圏チーフエコノミスト、胡志鵬氏(シンガポール在勤)は、「預金準備率を今引き下げるのは、火に油を注ぐようなものだ。人民銀は警戒し、しばらく様子見するだろう。恐らく短期的には引き下げは不要だとみている」と述べた。
原題:China Central Bank Credit Engine Proves Most Powerful Since 2006(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5V54B6S972A01


アジア富裕層にドル買い推奨、域内中銀がシンガポールに追随緩和も
Netty Ismail
2016年4月19日 13:21 JST
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ウォンと台湾ドル、バーツ、ペソは下落へ−クレディ・スイス
シンガポール・ドルと円に対して米ドル購入を−UBS

アジアの富裕層向けマネーマネジャーが顧客に米ドルを買うよう推奨している。アジア通貨の今年の上昇は息切れし始めている。
  クレディ・スイス・グループはプライベートバンキング(PB)顧客に対し、韓国ウォンと台湾ドル、タイ・バーツ、フィリピン・ペソなどで構成される通貨バスケットに対する米ドルの上昇を想定した取引を提言。UBSグループはシンガポール・ドルと円に対して米ドルを買うべきだと指摘した。アジアの富裕層向けに約2億5000万米ドル(約272億円)を運用管理するスタンフォード・マネジメントは顧客に対し、1米ドル=1.35シンガポール・ドルを割り込む状況での米ドル買いを勧めた。
  シンガポール通貨庁(MAS、中央銀行)が今月14日に予想外の金融緩和に踏み切ったことから、他国の政策当局も世界経済見通しの悪化懸念を受けて同様の措置を講じるとの臆測が高まっている。円を除くアジア10通貨の指数であるブルームバーグ・JPモルガン・アジア通貨指数は今月0.2%下落した。トレーダーの間で米利上げ時期の見通しが見直される中、1−3月期には1.9%上昇し、7四半期ぶりのプラスとなっていた。

  クレディ・スイスのPB・ウェルスマネジメント部門の外国為替シニアストラテジスト、クーン・ハウ・ヘン氏(シンガポール在勤)は「1−3月(第1四半期)のアジア通貨の力強い上昇の後、今は米ドル高に備える好機だ」と指摘。「他のアジア諸国中銀も、自国の成長見通しが一段と悪化した場合、年後半に追加緩和に踏み切るリスクがある」と分析した。同氏によると、中国人民元が再び下落する見通しや米金融当局による年後半の2回の利上げ観測が米ドル相場を押し上げるという。
  
  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏は、ニュージーランドと韓国、台湾の金融当局が成長てこ入れのため今後数カ月以内に利下げする公算が大きいと予想。また、日本銀行が4月28日に資産購入の増額と一部当座預金金利の一段の引き下げを決めるとの見方も示した。
原題:Asia’s Rich Urged to Buy Dollars as Singapore Fuels Easing Bets(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5V1086JTSED01



モルガン・スタンレーの人員削減、これで終わりと思うな
Michael P. Regan
2016年4月19日 16:17 JST
米モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)が掲げる株主資本利益率(ROE)10%の目標はまた遠のいたようだ。18日発表の1−3月(第1四半期)決算の資料によれば、同四半期のROEは6.2%に低下していた。
  野心的な目標を掲げるのは危険な道だとゴーマンCEOはアナリストとの電話会議で認めた。金融機関にとっては特にそうだ。市場の波乱に見舞われれば顧客が保身に走り、増収に向けた最良の計画も役に立たなくなるからだ。
  そういうわけで、モルガン・スタンレーが頼れる主な手段はコスト削減ということになる。同社は既に「合理化プロジェクト」という名の下でこれを速いペースで進めている。例えば第1四半期の報酬費用は前年同期比で19%減った。コストを減らしたにもかかわらずROEは低下した。収入の方が大きく減ったためだ。1−3月の収入は前年同期比21%減だった。将来に向けてウェルスマネジメント事業に期待がかかっていたが、同部門の収入も4%減った。
  合理化をさらに加速させるしかないだろう。これは難しい事業戦略だ。いつも雇用を心配している従業員が最良の仕事をするのは困難だからだ。ゴーマンCEOは18日、経費削減計画について「積極的に」世界でのコスト構造を見直すと説明した。
  利益を押し上げるために積極的にコストを削減している企業に大きな期待を抱くのは、従業員にとっても投資家にとっても難しい。ゴーマンCEOにとって幸運なのは、他の金融機関もコスト削減を進めているので、従業員の士気についてはそれほど心配しなくてもよいことだ。しかし投資家の方はそうはいかず、18日の株価パフォーマンスは市場全体を下回った。
  モルガン・スタンレーの幹部らは、市場が落ち着きつつある最近数週間の傾向が続くことを期待している。しかし、「現在のままの状態が続くならば、目標達成は極度に難しくなり、適切な追加措置を取らざるを得ないだろう」とゴーマンCEOは述べている。いずれにせよ、同社の「合理化プロジェクト」の詳細を見る限り、追加の人員削減、業務の外注、低コストな都市への職の移転があり得そうだ。
  マイナス金利や米金融政策および中国経済をめぐる疑問、欧州の政治問題と難民危機と、ゴーマンCEOが挙げた第1四半期の逆風が完全にやむことは考えにくい。つまり、モルガン・スタンレーの人員削減が債券部門での25%だけで終わるとは思うなということだ。
原題:Don’t Be Shocked by More Pink Slips at Morgan Stanley: Gadfly(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5VBEJ6K50Y801



モルガンS社員が経費削減策の矢面に、3年ぶり大幅減−チャート
Hugh Son
2016年4月19日 15:11 JST


  米モルガン・スタンレーの社員は同行の経費削減策の矢面に立たされている。18日に公表された数字によると、1−3月(第1四半期)の人員削減は約1440人と、2013年序盤以来最大の減少となった。最も厳しい状況に置かれている債券部門は、長引くトレーディング収入低迷を背景に昨年終盤に行われた人員削減の対象だった。
原題:Morgan Stanley Shrinks Its Workforce Most in Three Years: Chart(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5V8QA6KLVR901


ドイツ銀若手は転職、シニア早めの帰宅−クレディSでも士気低下
Nicholas Comfort、Donal Griffin、Jeffrey Vogeli
2016年4月19日 07:03 JST 更新日時 2016年4月19日 13:13 JST
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クライアン、ティアム両氏は投資銀バンカーの不満の高まりに直面
経費に切り込めば、利益を稼ぎ出す重要な人材のやる気をくじく恐れ

ドイツ銀行のジョン・クライアン共同最高経営責任者(CEO)とクレディ・スイス・グループのティージャン・ティアムCEOは、欧州の2大投資銀行の経営立て直しに手腕を発揮できる指導者だと投資家と監督当局、そして行員から当初歓迎されたが、就任から1年足らずで歓喜は消え去った。
  クライアン、ティアム両氏は、利益押し上げを求める投資家の圧力を受ける一方、人員削減と報酬引き下げ、上司からのあからさまな批判で行員の士気が低下する状況に置かれ、株価は年初から30%余り下げ数十年ぶりの安値水準となった。
  両氏はいずれもコストの高い債券トレーディング業務や時代についていけないテクノロジー、法的費用の増大を招いて資本に打撃を与えた内部統制の不備といった課題への取り組みを就任時に負わされた。その後、市場低迷でリストラ策が十分かどうか疑念が生じる一方で、経費に深く切り込み過ぎれば利益を稼ぎ出す重要な人材のやる気をくじき、さらに深刻な危機に陥るとの懸念も台頭した。
  ドイツ銀の上位50株主の一つである 米ジャナス・キャピタル・グループのアナリスト、バーリントン・ピット・ミラー氏は「今の収入環境ではコストへのさらなる切り込みは、ほぼ避けられない。これらのプランにそれほど深く踏み込んでおらず、やると言ったことを銀行はやる必要がある」と指摘した。
  昨年7月にアンシュー・ジェイン前共同CEOとクライアン氏(55)が交代した段階で、ドイツ銀の士気は既に低下傾向にあった。内部調査によると、昨年6月時点で銀行にコミットする行員の姿勢は1年前よりも弱まっていた。
  内部情報であることを理由にドイツ銀とクレディ・スイスの複数の現職および元経営幹部が匿名を条件に語ったところでは、クライアン氏とティアム氏(53)はいずれも人員削減や賞与の減額、法外な報酬に対する批判を通じて、投資銀行のバンカーやトレーダーとの関係を悪化させているという。

  ドイツ銀のある幹部によれば、成績優秀な若手を中心に同行から人材が流出する恐れがあり、若手バンカーは以前なら検討対象とならなかったような銀行への転職に応募している。一部の行員の給料を上げてボーナスを減額する報酬バランスの調整も上級スタッフのやる気をそぎ、より懸命に働くインセンティブはもはやないと考え、早めに帰途に就くベテランのバンカーも出始めた。
  クレディ・スイスでも一部のトップバンカーやトレーダーが既に退職し、残ったバンカーらは英保険会社プルーデンシャルCEO出身のティアム氏について、ビジネスを理解しておらず、自分たちを全く大事にしないとこぼしており、仕事を失う危険のないトレーダーさえも、グローバルマーケッツ部門が沈鬱(ちんうつ)ムードだと話しているという。
  事情に詳しい元幹部の話では、コンサルタントに囲まれ、長期目標の設定ばかりに目を向けるティアム氏は、前任のブレイディ・ドゥーガン氏のようにトレーディングリスクを心配している様子はなく、上級幹部との会議でも持ち高について探りを入れることはめったになかった。CEOと経営チームが知らないうちにトレーダーが一部の資産の持ち高を積み上げ、クレジットポジション悪化で約10億ドル(現在の為替レートで約1090億円)の損失計上を余儀なくされたとティアム氏が今年公表したことで、バンカーらの失望が怒りに変わったもようだ。
  元行員の1人によると、ヨハヒム・オクスリン最高リスク責任者(CRO)が同行の持ち高と今後想定される損失について経営トップに定期報告を上げており、知らなかったというのは信じ難い話だと複数の元行員が証言する。
  ドイツ銀の広報担当マイケル・ゴールデン氏は、バンカーのつなぎ留めや新規採用に問題はないと述べ、「投資銀の自主的な離職率は最近数年とほぼ同水準か、著しく改善されており、これは行員のコミットメントと忠誠心を反映している」と回答。クレディ・スイス広報のクリストフ・マイヤー氏は、ウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)業務でトップであることや、適正規模の投資銀、採算性の向上に同行は重点を置いていると説明した。
原題:Banker Unrest Threatens Credit Suisse, Deutsche Bank Turnarounds(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-18/O5TDRL6S972A01

米ブラックロック:株主還元義務付けを−内部留保大きい香港上場企業
Eduard Gismatullin
2016年4月19日 16:01 JST

資金運用で世界最大手の米ブラックロックは過剰な内部留保を持つ香港上場企業に株主還元を義務付けるよう提案した。
  ブラックロックのアジア太平洋地域コーポレートガバナンス(企業統治)責任者プル・ベネット氏はインタビューで、香港証券取引所を運営する香港取引所が上場規定を変更することを望んでいると述べた。純資産の50%超を現金で保有する企業に対し、その水準を超える現金を株主に還元することを強制するべきだとしている。
  香港証取の上場規定には、過剰な内部留保を定義する水準は盛り込まれていない。香港取引所はブラックロックの提案についてコメントを控えている。
原題:BlackRock Asks Hong Kong to Stop Listed Companies Hoarding Cash(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5V68M6S972901


元学長のサマーズ氏、ハーバードに基金からの繰り入れ縮小を提言
Rich Miller
2016年4月19日 13:43 JST
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ハーバードの運用規模は4.1兆円と大学寄付基金としては最大
実質金利の低下を反映させる必要があるとサマーズ氏

ハーバード大学の元学長でもあるローレンス・サマーズ元米財務長官は、大学寄付基金としては世界最大の運用規模(376億ドル=約4兆1000億円)である同大学基金から大学本体に収入として繰り入れる年額(ペイアウト)の縮小を検討するよう同大に提言した。投資リターンが低下する可能性を反映させるためだと説明した。
  米マサチューセッツ州ケンブリッジで15日開かれた全米経済研究所(NBER)会合でのプレゼンテーションで、サマーズ氏は実質(インフレ調整後)短期金利は1999年以来着実に低下しており、長期的にはゼロ近辺になると金融市場は織り込んでいると指摘した。
  サマーズ氏はその上で、「実質金利が4%だった1999年にハーバードが寄付基金のペイアウトを5%とするのは理にかなっているとしても、実質金利がゼロの今年にペイアウトを5%とするのは不合理である可能性はかなり高い」と述べた。同氏は現在、ハーバード大教授を務める。
  ハーバード大の3月31日付の米議員宛て文書によれば、同大は2015年6月30日終了年度に寄付金から18億ドル(ペイアウト率5.1%に相当)を繰り入れた。繰り入れ額のうち、多くは教員給与や、学部生向け約1億7500万ドルなど学生支援に充てられた。
原題:Ex-Harvard Head Summers Suggests School Curb Endowment Payout(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5V3VH6JIJUT01

米都市間の住宅価格差はなぜ拡大するのか?
カリフォルニア州サンノゼの住宅地
By LAURA KUSISTO
2016 年 4 月 19 日 15:32 JST

 全米を見回してみると、都市の間で住宅価格の格差が浮上している。郊外に拡大しながら住宅が手ごろな価格に収まっている都市と、地理的な事情や厄介な土地利用の規制によって地域的拡大が制限され、住宅価格がどんどん高くなっている都市の間の格差だ。

 全体的に見ると、米国の都市は過去半世紀と同じペースで拡大している。不動産サイト「ビルドズーム」の主席エコノミスト、イッシ・ローメム氏の調査によると、1950年代から2000年代までの50年間で、米国の都市面積は10年間当たり約1万平方マイル(約2万6000平方キロメートル)増加した。これはマサチューセッツ州の面積に匹敵する。ただ、その下には格差が潜んでいる。

 1つめの都市グループは、サンフランシスコ、ボストン、ニューヨーク、そしてマイアミなど、1970年代以降拡大のペースが劇的に落ちた都市だ。この理由の1つには、建築の規制をどんどんと増やしていったことがある。もう1つのグループは、南東部とテキサス州に集中している。郊外に拡大したため、住宅価格が上がるペースがかなり遅かった都市だ。

 例えば、ジョージア州アトランタの宅地開発面積は、1980年から2010年の間に208%増加した。住宅価格の実質上昇率はわずか14%だった。これとは対照的に、サンフランシスコ・サンノゼ地域の宅地面積は同期間で30%しか増えなかった一方、住宅価格は188%も上昇した。

 ノースカロライナ州ローリーの宅地面積、同期間で219%増え、住宅価格は27%の上昇にとどまった。ワシントン州シアトルでは住宅地の面積が69%増え、住宅価格は119%上昇した。

 ローメム氏はこの差を簡単に表現する。拡大する(expansive)都市と高価な(expensive)都市だ。同氏は「都市の拡大を許容しなければ、住宅価格は上がり、中間層は排除される」と述べる。

 同氏の調査は、郊外スプロール現象に対する賛成意見のように読める。郊外スプロール現象は、環境的な理由と住宅の供給過剰につながりかねないとの理由で批判を浴びている。住宅の供給過剰は住宅価格の暴落につながる恐れがある。

 ローメム氏は、都市が規制を緩和して、郊外に拡大するよりも上方に拡大できるようにするのが理想だと述べた。だが、何もない野原の開発を奨励することは、一戸建ての住居が集まる地域にタワーマンションを建てることよりも、政治的に実現しやすいと指摘。そして、この結果、アフォーダビリティー(住宅の入手可能性)にかかる圧力がより迅速に緩和される公算が大きいと述べた。

 住宅価格が高い都市の多くは、海や山といった自然の障壁によって拡大を阻まれている。これらの都市は向こう20〜30年間で上にも外にも大幅に拡大する可能性がほとんどない。このため、都市間の住宅価格の差は広がり続けるだろう、と同氏は指摘する。

 これはアトランタやローリーといった都市にとっては朗報だ。これらの都市は長年、経済力のある中心都市のせいで影が薄かった。

 同氏は「これらの都市の重要性は増しつつある。なぜなら、人口が増えているからだ。これらは特定のタイプの企業にとって、拠点にするのにふさわしい都市になってきている」と述べた。

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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NP181_sanjos_M_20160417222800.jpg

Business | 2016年 04月 19日 12:34 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
投資家の米経済見通しは悲観的過ぎる=米地区連銀総裁

[ニューブリテン(米コネティカット州) 18日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、米連邦準備理事会(FRB)は投資家の予想よりも速いペースで利上げする可能性があるとの認識を示し、投資家の米経済への見通しは悲観的過ぎるとの見方を示した。

総裁は、先物市場は今後数年以内に毎年1回の小幅利上げを想定しているが、これは的はずれだ、と指摘。現在米インフレ率は、FRB目標の2%に「ずっと近い」とし、米経済は「基本的に健全だ」との見方を示した。

総裁は「フェデラル・ファンド金利を段階的に引き上げることは間違いなく適切であるが、現在金融先物市場に反映されている金利の方向性ほど(経済の先行き)リスクがそこまで高まっているとも、また見通しがそんなに悲観的だとも思わない」と述べた。

さらに「完全雇用の水準を大きくオーバーシュートし、その結果、急速に利上げを行う必要性が生じ、景気後退(リセッション)の混乱や可能性が高まるというリスクをFRBは冒すべきでない」との考えを示した。

FRBは昨年12月に約10年ぶりの利上げを実施した。金利先物市場は12月までは追加利上げはないとの見方を織り込んでいる。一方、ロイターがまとめたエコノミスト調査では、FRBが次に動くのは6月になる可能性が高いと予想されている。FRBの見通しでは、年末までの利上げは2回ほどとなっている。

ローゼングレン総裁は、FRBが次に動く時期には言及しなかったが、総裁の米経済への強気見通しは、6月利上げの可能性を排除していないことを示している。

力強い雇用の伸びと労働市場参加者の拡大により、1%に満たないと予想されている第1・四半期米成長率が押し上げられる、と指摘。FRBが重視するインフレ指標は1.7%と、目標の2%に近づいている、との見方を示した。

さらに、国外からの大きな向かい風やそれに伴う市場の混乱はあるものの、米経済は基本的に健全で、他の通商相手国の経済よりも底堅い可能性が高いとし、「インフレ、雇用ともに状況は良好だと思う。海外をみると、失業率やインフレ率はかなり違った水準だ」と述べた。


http://jp.reuters.com/article/boston-fed-idJPKCN0XG017


World | 2016年 04月 19日 12:22 JST 関連トピックス: トップニュース
「非常に緩和的」政策が適切、豪ドル高が一材料=豪中銀議事要旨
 4月19日、豪準備銀行が公表した今月の政策理事会の議事要旨によると、中銀は低インフレと豪ドル高を踏まえ、「非常に緩和的な」政策が適切と判断したことが分かった。写真はシドニーで3月撮影(2016年 ロイター/David Gray)
 4月19日、豪準備銀行が公表した今月の政策理事会の議事要旨によると、中銀は低インフレと豪ドル高を踏まえ、「非常に緩和的な」政策が適切と判断したことが分かった。写真はシドニーで3月撮影(2016年 ロイター/David Gray)
[シドニー 19日 ロイター] - 豪準備銀行が19日公表した今月の政策理事会の議事要旨によると、中銀は低インフレと豪ドル高を踏まえ、「非常に緩和的な」政策が適切と判断したことが分かった。

中銀は5日の理事会で政策金利を過去最低の2.00%に据え置いた。

議事要旨によると、中銀は、低インフレは必要な場合に金融政策を緩和する余地を提供するとの見解をあらためて示した。

中銀は「低金利は消費の緩やかな伸びや住宅市場の活性化を促す上で重要な役割を果たしてきた」とし「インフレ率が目標に近いなか、経済成長は続くというのが妥当な展望だと判断した」という。

また、賃金の伸びと国内の物価圧力は勢いが弱まっていると指摘。

「豪ドル高と低インフレを踏まえると、豪インフレ率が来年か再来年まで低いまま推移する可能性が高い」とした。

さらに、豪ドル高は、サービス業など非鉱業セクターが主導する経済へのリバランシングを阻害する可能性があるとの見方を示した。

インフレ見通しや昨年に顕著だった良好な雇用状況が続いているかどうかについては、新たな情報を待って判断するとした。

4月理事会の議事要旨は従来とおおむね変わらなかった。

次の理事会は5月3日に開催される。
http://jp.reuters.com/article/rba-policy-idJPKCN0XG07J?sp=true


News | 2016年 04月 19日 13:00 JST 関連トピックス: トップニュース
焦点:中国景気は底打ちか、追加緩和の行方に思惑交錯

[北京 18日 ロイター] - 中国経済は第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率が2009年初頭以来の低い伸びとなった一方で、3月製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を上回るなど第2・四半期に向けて回復の兆しが表れている。指導者も景気底打ちに対する自信を強めているが、政策顧問からは金融緩和サイクルの終了を唱えるのは時期尚早との声が聞かれる。

景気回復の兆候が表れたことで中国人民銀行(中央銀行)はとりあえず政策を温存する余地を確保し、将来の経済改革や米利上げでショックが発生した場合に対処は可能だという。

ある政策顧問は「引き続き緩和政策が欠かせず、利下げ余地はある。ただ、そうした政策を実施する緊急度は薄れた」と話した。

15日の金融市場では、堅調な統計をはやすことはなく、むしろ政府の追加対策が緩むとの思惑から主要な株価指数は低下した。

政府のエコノミスト3人は、中銀は年内に預金準備率を3回ないし4回引き下げ、政策金利を少なくとも1回引き下げると引き続き予想している。

昨年と今年初めに金融市場が動揺し、政策判断は難度が高まった。中国の指導者は積極利下げで人民元に対する売り圧力が再燃し、新たな資本流出を招くのではないかとの危惧を抱いている。

政府系有力シンクタンクのエコノミストは「インフレ上昇で追加利下げの余地は小さくなった。資本の流出は鈍っているが、預金準備率の引き下げがすぐに行われることはないだろう」と述べた。

実際、中銀は特別融資など他の手段を経済改革に伴う痛みを和らげるために導入することが可能だ。

復旦大学経済学院のZhang Jun院長は「中銀は流動性を押し上げ、借り入れコストを下げたいと考えており、(利下げなどの政策が)実施される可能性はある。しかし中銀には多くの手立てがあり、新たな政策ツールも開発されている」とした。

<景気は底打ちか>

指導者は景気についてこれまでより強気の見方を示しており、李克強首相も8日、第1・四半期に改善の兆候が表れていると述べた。

エコノミストの間でもこうした見方に同調する動きがある。ANZ銀行は3月インフレ率の発表後に緩和予測を見直し、年内の預金準備率引き下げの回数の予想を従来の3回から1回に修正した。

UBSも15日に中国の今年の成長率予想を6.2%から6.6%に引き上げ、利下げも年内はないとの予想に変えた。ただ、成長の持続性や負債については懸念があるとしている。

事実、新規の負債は今年初めに急増し、このことが3月の力強い経済成長を支えたが、債務の増加は懸念材料だ。国際通貨基金(IMF)も先の報告でこの問題を採り上げ、市中銀行の企業向け融資の15.5%、1兆3000億ドルは利払いに十分な所得のない借り手向けだと指摘した。

国家統計局の広報担当者は15日、「中国は改革という尾根を上っているところで、改革の痛みは続いている。実体経済は困難を増しており、下押し圧力は無視できない」と語った。

(Kevin Yao記者)
http://jp.reuters.com/article/insight-china-gdp-idJPKCN0XG08J

News | 2016年 04月 19日 12:54 JST 関連トピックス: トップニュース
アングル:腕ずくの人民元安定化、いつまで続くか

[上海/ニューヨーク 19日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は昨年8月に予想外の切り下げを実施したが、その後は人民元を安定させるために介入と市場規制を組み合わせた措置を講じて、元安に賭ける投機筋を退散させてきた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重な姿勢であることもプラスに働き、中国からの資金流出は抑えられている。

しかしこうした人民銀行による腕ずくの政策は、オンショアとオフショアの人民元市場の活力を失わせている。今後ドルが上昇した場合、足元の政策を持続できるかどうかは不透明だ。

オンショアとオフショアの人民元レートは2月半ば以降、人民銀行の基準値に足並みをそろえた動きとなり、足元では1ドル=6.5元近辺で推移している。

オフショア人民元オプション市場における1カ月物リスク・リバーサルが示す元売り圧力は2月以来消え失せており、一部のヘッジファンドはロイターに対して人民元安を見越したポジションから手を引いたことを明らかにした。

ロンドンを拠点とするヘッジファンド、ノース・アセットマネジメントのパートナー、Sugandh Mittal氏は「全面降伏の状況に見える」と述べた。同氏によると、ノース・アセットマネジメントは近年、人民元の上昇と下落双方にポジションを構築していたが、今は中国の金利動向を読む戦略を重視する姿勢に方向転換している。

人民元の急落を予想した投資家の中には、カイル・バス氏が率いるヘイマン・キャピタル・マネジメントなどの著名ヘッジファンドも含まれる。バス氏は、人民銀行が国内の銀行の資本増強のために紙幣増刷をすることで人民元は対ドルで30%前後下落せざるを得ないとの見方を示していた。

ヘイマンはロイターのコメント要請には応じていない。

人民銀行は元押し上げのために、3兆ドルを超える外貨準備の中から数千億ドルを投入し、フォワード市場でも活発に介入したとみられている。

さらに中国の銀行がオフショアで保有する元に対して準備金を義務付ける規制を導入したほか、「トービン税」と呼ばれる投機的な国際資本移動を抑制するための措置まで導入する意向まで示唆した。

FRBが昨年12月に開始した利上げをその後実施していないことも、人民元の支えになっている。

SLJマクロ・パートナーズのマネジングパートナー、スティーブン・ジェン氏は「FRBは、ハト派に転じることで中国の火事を消し止めるか、タカ派姿勢を維持して欧州と日本の火事を防ぐかどちらかしかできなかったが、選んだのは前者だった」と指摘する。

<根強い元安予想>

それでも一部の市場関係者は、人民銀行が最終的には元安の大きな流れに屈するのは必至で、それが現実となる時期がやや先のばしされているだけとみる。

セグラ・キャピタル・マネジメントのヘッジファンドマネジャー、アダム・ロッドマン氏は「われわれはエクスポージャーを縮小していない」と強気だ。

ロッドマン氏は、同社は昨年11月に購入したオプションでまだ損失を被っておらず、人民元は向こう1年半から2年で下落するとの予想を変えていない、と強調。「元安に賭ける取引をだれもが極悪非道であるかのように位置づけようとしているが、それは馬鹿げている。中国は資本流出に苦しむとともに全般的な与信と金融は勢いが弱まっており、自国通貨に下げ圧力がかかることを意味する」と説明した。

CLSAのアナリストチームは、人民元が来年後半までに対ドルで変動相場制に移行すると予想した上で、その結果として短期的な資金流出が起きてドル/人民元は9元まで元安に振れる可能性を想定。

「永遠に続けられないものはいつかやめなければならない」とし、資金流出によって中国政府は「介入方針を撤回して人民元が市場に基づいて価値が決まるのを許容する」とみている。

(Pete Sweeney、Jennifer Ablan記者)
http://jp.reuters.com/article/china-yuan-outflows-idJPKCN0XG08O

Business | 2016年 04月 19日 14:07 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
中国は既に「十二分に」努力、鉄鋼業界の生産能力削減=商務省

[北京 19日 ロイター] - 中国商務省の沈丹陽報道官は19日、記者団に対し、鉄鋼業界の生産能力削減に向け中国は「十二分に」努力しているとの認識を示した。

中国とその他の主要鉄鋼生産国は18日、世界的な供給過剰の解消に向けて協議したが、具体的な対策で合意に至らず、迅速かつ組織的に対応すべきとの認識で一致するにとどまった。

沈報道官は今後の中国政府の対応を問われ、「中国は既に十二分の対応を取っている。これ以上何を望むのか」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/china-st-idJPKCN0XG0CJ


World | 2016年 04月 19日 13:03 JST 関連トピックス: トップニュース
中国、鉄鋼需要が拡大する余地大=商務省

[北京 19日 ロイター] - 中国商務省の報道官は19日の会見で、国内の鉄鋼需要が拡大する多大な可能性があると指摘した。

報道官は、世界的な鉄鋼の供給過剰は、低調な経済と世界的な需要縮小が主たる要因との認識を示した。

その上で貿易保護主義は生産的でないと指摘した。

http://jp.reuters.com/article/china-steel-overcapacity-ministry-idJPKCN0XG09J


World | 2016年 04月 19日 11:04 JST 関連トピックス: トップニュース
鉄鋼生産国、過剰供給対策で合意できず 米国は中国を非難

[ブリュッセル/ワシントン 19日 ロイター] - 中国など主要な鉄鋼生産国は18日、世界的な供給過剰の解消に向けて協議したが、具体的な対策での合意に至らず、迅速かつ組織的に対応すべきとの認識で一致するにとどまった。

この会合はベルギー政府と経済協力開発機構(OECD)が主催し、30を超える国の閣僚や通商当局者が参加した。

会合では、鉄鋼の過剰供給の原因や、中国政府が赤字の鉄鋼メーカーを助成し、存続させているかどうかなどについて意見が交わされた。

米政府は、会合が合意に至らなかった責任は中国政府にあると指摘。プリツカー米商務長官とフロマン米通商代表部(USTR)代表は声明で「中国政府が鉄鋼業界などの生産過剰および設備過剰の削減に向けた具体的な対策に着手しないかぎり、鉄鋼業界における根本的な問題は解決されず、影響を受ける各国政府は、国内の産業と労働者の不利益回避に向けた通商措置を取らざるを得なくなる」と述べた。

一方、中国商務省高官は、中国政府が鉄鋼輸出業者を助成しているとの指摘に反論。中国はすでに生産能力を9000万トン削減し、さらに1億─1億5000万トン削減することを計画していると語った。
http://jp.reuters.com/article/china-steel-overcapacity-idJPKCN0XG056

World | 2016年 04月 19日 13:27 JST 関連トピックス: トップニュース
中国当局が汚染調査、元工場付近の学生多数が体調不良 白血病も

[上海 18日 ロイター] - 中国当局は、汚染された元工業用地付近に建てられた外国語学校に通う数百人の子供たちに、白血病など健康上の問題が生じたとの報道を受け、調査に乗り出した。国営新華社が18日伝えた。

江蘇省常州市の当局によると、常州外国語学校の生徒と教員は、近隣の元化学工場3カ所から「異常な臭い」がすると昨年12月から苦情を訴えていた。

しかし国営中央テレビ(CCTV)が17日夜伝えたところでは、問題ははるかに深刻であることが示唆された。健康チェックを受けた641人の生徒のうち、493人に慢性の咳、頭痛、血液の異常、リンパ腫、白血病などの症状が見られたという。

CCTVによると、以前行われた環境アセスメントでは、元工業用地の土壌や水から非常に高濃度の汚染物質が検出された。子供たちの体調不良の原因が昨年9月にここに開設された校舎にあると疑念を抱く保護者らは、学校の移転を求めている。保護者らの依頼した調査によると、学校敷地内の土壌や空気中からも汚染が確認されたという。

http://jp.reuters.com/article/china-pollution-idJPKCN0XG0AH

倍々ゲームは今や昔、中国スマホ販売伸び率ほぼゼロに−チャート
David Ramli
2016年4月19日 15:49 JST

  中国のスマートフォン販売は2010年に倍増した。その翌年はさらに大きな伸びを記録。だが15年は伸びがほぼ止まり、販売増加のピークが過ぎたようだ。中国市場でスマホはもはや目新しい商品ではない。国内ブランドは低・中価格帯が中心で、こうした価格帯の買い手は米アップルや韓国のサムスン電子の高級機種利用者ほど頻繁に買い替えない。
原題:China’s Once Booming Smartphone Sales Barely Grew in 2015: Chart
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-19/O5VBIK6S972801




News | 2016年 04月 19日 11:21 JST 関連トピックス: トップニュース
焦点:消えた石油増産凍結、サウジが態度を翻した理由

[ドーハ 18日 ロイター] - 合意は既定路線と見られていた主要産油国の増産凍結協議が、サウジアラビアの反対で決裂した。サウジが直前になって手のひらを返すに至った舞台裏を探った。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国、非加盟国合わせた18カ国は17日、カタールの首都ドーハで開いた会合で、用意されていた合意文書に署名するばかりになっていた。合意を期待して原油価格は上がり、トレーダーは退屈な会合だと高をくくっていた。

暗雲が漂い始めたのは、イスタンブールでイスラム協力機構(OIC)首脳会議が開かれた15日。会議出席者らはイランがテロ行為を支えていると批判し、会議後にサウジのサルマン国王とイランのロウハニ大統領がカメラの前でさや当てを演じた。

凍てついた雰囲気は出席者の間でも、ドーハで会議を見守っていたOPEC関係者らの間でも直ちに話題に上った。

ロイターが取材したOPECおよび石油業界筋のだれ1人として、OIC首脳会議が増産凍結合意の決裂に直接関係したとは述べていない。しかしイスラム教スンニ派のサウジと、シーア派であるイランの間に横たわる不信感の深さが垣間見えたと、彼らは指摘する。

15日以降、状況は坂道を転げ落ちるように悪化していく。

複数の関係筋によると、サウジは17日の会合の数日前になってカタールに対し、会議に出席できるのは増産凍結の用意がある国だけだと主張、イランの招待を取り消すよう迫った。

1月に制裁を解除されたイランはかねて、市場シェアを回復したい意向を示していた。そして増産凍結を提唱するベネズエラとロシアが、イラン抜きでも合意するようサウジを説得してくれるだろうと踏んでいた。

前出の関係筋らによると、サウジはカタールに対し、イランが増産凍結に合意する気もなく会議に表れるようなら、交渉は決裂だ、と言い渡した。

<サプライズに次ぐサプライズ>

石油業界筋によると、増産凍結合意を訴える急先鋒がカタールのタミム首相だった。1月にはこの構想を伝えることだけを目的に、モスクワのプーチン大統領を訪問したほどだ。

カタールは15日、細心の外交戦術を通じてイランにメッセージを伝え、同国は数時間後、会議欠席に快く応じた。会議参加者はほっと胸をなでおろした。

しかし、それだけでは不十分だった。

サウジでは、石油問題の最高責任者であるムハンマド副皇太子が16日公表のインタビューで、イランを含むすべての産油国が増産凍結に合意しない限り、サウジは生産を抑制しないと言い放つ。

ヌアイミ石油鉱物資源相も同日、同じ内容を発言。合意はここに崩れ去った。

両者がどの時点でこうした結論に至ったのか、また同じ理由で結論を下したのかどうかは不明だ。

サウジの動機はイランを罰することだけではなかったのかもしれない。関係筋らによると、あまり早く相場を回復させることで、米産油業者などの商売敵が再び生産を拡大するのに手を貸したくなかった可能性もある。

しかし関係筋によると1つだけ確かなことがある。サウジの同盟国である湾岸諸国が直ちにヌアイミ氏と歩調を合わせたとはいえ、同氏の決定は完全なサプライズだったことだ。

このことが浮き彫りにするのは、伝統的にクウェートやアラブ首長国連邦(UAE)、カタールに相談して物事を進めてきたサウジの姿勢が、ムハンマド皇太子を主役とする、自己主張が強く現実主義的な新指導部の下で変化しつつあることだ。

2014年末に原油価格が急落を始めたのは、サウジが、米シェール業者などよりコスト高の生産手を市場から追い落とそうと、生産を拡大してからだった。

複数の関係筋によると、ロシアのエネルギー相は17日、ヌアイミ氏に、何らかの形で拘束力のある増産凍結合意を結ぶことは可能だろうか、と尋ねた。

市場シェアをめぐる新たな戦いの勃発を告げるかのように、ヌアイミ氏の返答は「ノー」だった。

PVMブローカレッジのマネジングディレクター、デービッド・ハフトン氏は「サウジがまたしても他の産油国に鉄槌を下した。シェール生産者および、つかの間の相場復活に望みを託すシェール業者の債権者にとって、とどめの一撃となるはずだ」と語った。

(Vladimir Soldatkin、 Sam Wilkin、 Tom Finn記者)
http://jp.reuters.com/article/insight-oil-saudi-idJPKCN0XG05N

Business | 2016年 04月 19日 07:45 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
世界経済の不安定化、サウジの国益にかなわず=米政府

[ワシントン 18日 ロイター] - 米ホワイトハウスのアーネスト報道官は18日、国際金融システムの安定を守ることはサウジアラビアと米国共通の利益であり、国際金融システムを不安定にすることはサウジの国益にかなわないと指摘した。

報道官は、サウジ政府が、2001年9月11日の米同時多発攻撃への関与が疑われる外国政府を遺族らが提訴することを可能にする法案を米議会が可決した場合、数千億ドル規模の米国資産を売却すると警告しているという報道についてコメントした。

報道官は、オバマ政権はこの法案に反対しており、大統領はそのような法案には署名しない、と語った。

オバマ大統領は今週、サウジアラビアを訪問する。
http://jp.reuters.com/article/usa-saudi-arabia-finance-idJPKCN0XF2SQ


各国中銀、物価指標に「GDPデフレーター」採用を=民間論文
2月に上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の出席者

By TODD BUELL
2016 年 4 月 19 日 14:54 JST

 欧州政策研究所(CEPS)の研究員らは、先進国の中央銀行が物価圧力を測る際に用いている基準は間違っており、いわゆる「GDP(国内総生産)デフレーター」を採用すべきだと主張している。

 CEPSのシンジア・アルシディ氏、マシアス・ブッセ氏、ダニエル・グロス氏が公表した研究論文は、大半の主要先進国中銀の間で常識とされている概念に疑問を呈し、デフレ対策において「誤解」が生じていると指摘している。

 各国中銀は総じて金融緩和策のさらなる拡大を目指しているか、米連邦準備制度理事会(FRB)の場合は段階的な金利正常化に向かっている。

 3人の研究員は論文で、政策当局は広く知られている消費者物価指数(CPI)でインフレを測るべきではないと主張している。代わりにGDPデフレーターを用いるべきだとし、これは「名目GDPと実質GDPの差を測るものであり、CPIとは違って生産や所得の動向に関連した価格変動をとらえられる」としている。

 論文によると、現在のように債務水準の高い環境では、「政策決定においてGDPデフレーターがより良い指針になる。政府や企業にとっての債務の持続可能性は、CPIで測る消費者の購買力よりも、収入、すなわち名目GDPの伸びに左右される」という。

 ユーロ圏の場合、インフレ指標による違いは確かに大きい。例えば、ユーロ圏のインフレ率はGDPデフレーターで計算すると1.2%となる。著者らは「欧州中央銀行(ECB)がGDPデフレーターに注目した場合、インフレ目標の達成には程遠いが、どうやってデフレを回避するかで頭を悩ませる必要は確実になくなる」と指摘した。直近のCPIが示すユーロ圏のインフレ率はゼロだった。

 著者らはこのデータを用い、「テイラー・ルール」と呼ばれる公式に基づいてECBの政策金利のあるべき水準を評価している。

 このルールにのっとり、著者らはECBの政策が2014年まで過度に引き締められていたと判断した。「従来のテイラー・ルールなら、その時までにマイナスの政策金利を提唱していただろう」という。ECBが実際にマイナスの預金金利を導入したのは14年6月になってからだった。だが現在、ECBは利上げを開始すべきだと論文は主張している。「これは、金融状況のさらなる緩和を確実にするためにもっとできることはないかという現在の議論とは全く対照的だ」という。

 事実、ECBは3月の前回理事会で、近い将来は金利が現在の水準にとどまるかそれを下回るとの見方をあらためて示した。ECBはこの理事会で全ての政策金利を引き下げ、債券買い入れの規模と対象を拡大すると決定した。アナリストらは、次回21日の理事会で追加措置が打ち出されるとは予想していないが、ドラギ総裁は必要に応じた追加策に含みを残すと見込んでいる。

 著者らはさらに、各国中銀のデフレ懸念に異論を唱えた。デフレは消費者の買い控えや債務返済コストの上昇を招くため、経済学の理論上は悪影響を及ぼすことが分かるという。

 「だが、デフレ懸念は消費者物価の低調な伸びというたった一つの指標に基づくものだ。GDPデフレーターのようにより広範な物価指数はデフレが迫っていることを示唆していない」とし、欧州連合(EU)の名目GDPは2020年まで年3%の成長が予想されると指摘した。「この見通しは、追加の金融刺激策が必要と考えられていることと矛盾しており、向こう5年に及ぶマイナス金利とも整合しないように思われる」と述べた。

 論文は「世界の金融政策を正常化すべき時が来た」とまとめられている。

関連記事

ECB、インフレ押し上げへ全力尽くす=ドラギ総裁
追加利上げ前にインフレ目標達成を=シカゴ連銀総裁
円高、物価上昇の足かせに=黒田日銀総裁インタビュー
http://jp.wsj.com/articles/SB12626246813375924472204582015220215241852

Column | 2016年 04月 19日 11:12 JST 関連トピックス: トップニュース

コラム:ロシアはいつ壊れるのか

John Lloyd

[14日 ロイター] - ロシアはいつ崩壊するのか。どん底の原油価格や、西側諸国による制裁、インフレ、そして人口危機──。第2のロシア革命はいつ起こるのだろうか。1917年に発生したロシア革命から100周年を迎える来年だろうか。

第1次ロシア革命では、労働者や農民、兵士がサンクトペテルブルクの豪華な宮殿にいる貴族階級に反抗して決起した。その人数は膨大ではなかったが、十分なものだった。

プーチン大統領が率いるソ連崩壊後の支配階級は今や、モスクワの豪華なクレムリン宮殿に移り、生まれながらに裕福ではなかった埋め合わせに、大きな富をお互いにぐっと差し出し合っている。不平不満のある人々にとっては、魅力的な目標だろう。

今のところ、革命の兆しもないし、深刻なデモさえもない。クレムリンの中枢にいるプーチン氏は、世論調査で80─90%の支持率を享受し、非常に高い人気を今も誇っている。2014年3月にロシアがウクライナ南部にあるクリミア半島を併合して以来、この2年間そのような状況が続いている。

ウラジーミル・ナボコフの1945年の著書「A Conversation Piece(原題)」の中で、ロシアの白軍の亡命大佐は、彼の祖国を奪った共産党の宿敵だったが、スターリンへの敬愛の感情を爆発させている。「偉大なロシア人民は目覚めた。そして、我が祖国は再び偉大な国となる。今日、ロシアから出てくるあらゆる言葉に、私は力を感じる。私は古き母国ロシアの素晴らしさを感じる」

著名なリベラル色の強い評論家、アンドレイ・コレスニコフ氏は、現在のロシアの指導部が「不自由さを聖なるものにする」傾向があると書いた。すなわち「新しい社会契約は、ロシア人民がクリミアや国家威信と引き換えに自由を放棄することを要求している」

このような誇りの高まりに伴って、それを強化するような姿勢が現れている。つまり、スターリンへのさらなる称賛と、米国やヨーロッパ連合体(EU)に対する称賛の大幅な低下だ。ロシア人の大部分は、権力の誇示を称賛する亡命大佐と一致している。

「ロシアは再び偉大な国である」という誇りの植え付けは、クレムリンにとって最大の、そしておそらく唯一のカードであり、何度も使う必要があるだろう。ロバート・カプラン氏は最近のエッセイの中で、プーチン氏の「外交政策はより創造的に、そして、用意周到でなければならない。彼が海外でカオスを作り出せば作り出すほど、国内での彼の安定的な独裁体制が価値あるものとなる」と記した。

ロシア大統領が本当に西側を嫌いかどうかはともかく、プーチン氏が生き残れるかどうかは、彼自身がそう振る舞うことにかかっている。

しかし、プーチン氏の成功には1つの問題がある。クリミア併合は、制裁実施前から顕著だった同国の不況を補うものとなった。それは、堅調な消費増加と引き換えに、国家への忠誠を要求し、指導者層が裕福になるよう任せるという、プーチン流の社会契約から、人々の話題を変えた。

コレスニコフ氏が指摘するように、「国家イデオロギーは未来への最重要な概念は与えてくれない。その土台はロシアの過去の栄光だ。この意味では、国家イデオロギーは、極めて限定的な寿命しか持ち合わせていない」。カプランもこれに同意している。「プーチン氏は経済破綻の影響から自らのレジームを守ることはできなだろう」と。

ロシアで最も優秀なエコノミストの1人は今月、ロシアのナショナリズム、及び帝国主義の復活は脆弱であり、それを変える、もしくは変えなければならないとの予想の確固とした裏付けを示そうとした。(カプラン氏は、フルシチョフを1964年に倒したようなクーデターの可能性を排除できないと考えている)。

第1期プーチン政権で経済開発貿易相第1次官を務め、現在はフロリダ州立大教授のミハイル・ドミトリエフ氏は、「プーチンの春」で改革が実施できると考えた優秀な若手リベラル派のグループの1人だった。しかし、プーチン政権が独裁に向かって漂流しているとみるや、ドミトリエフ氏はグループを去った。

同氏は、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)での年次ロシア講義の中で、注意深いエコノミストの手本となっている。すなわち、ロシア経済は大災害ではない。ロシアの中央銀行は、どの中銀に劣らず、景気後退を何とか管理してきた。失業率は約6%と低く、欧州の多くの国よりははるかに低水準だ。輸入が足りず、その分を国内生産でまかなう点で成功してきた。原油価格の下落で白日の下にさらされた、ロシアの原油価格依存は、経済を他の分野にも多様化させなくてはいけないという新たな関心を起こしている──。

とは言うものの、ロシアは今年、推定で1.5%のマイナス成長という景気後退に直面している。よくて、かなり低いプラス成長へ戻る予想だ。2017年は0.9%、2018年は1.2%の成長が見込まれている。運がよければ、ロシアは10年後、GDPが危機以前の水準まで戻るだろう。雇用は堅調だ。従業員を解雇するよりも、雇用者は賃金を削減するからだ。消費はかなり悪化している。

驚くべきことではないが、政治家の人気は落ち込んできている。メドベージェフ首相の支持率は大幅に低下してきている。多くの州知事の支持率も同様だ。

しかし、プーチン氏は違う。以前の多くの独裁者と同く、たとえ彼が命令を下したとしても、政治論争を超えた人物となっている。同氏は、自らのレジームが建てられている岩だ。欠かせない人物だ。大多数のロシア人が同氏に与えている支持、もしくは愛情、が消えるとすれば、現在の権力構造を支えるすべてが失われることになる。

その時、他の世界にいるわれわれは未知の領域に踏み込むことになる。ロシアは指導者を中心に団結することができず、はっきりとした後継者もいない。リベラル派は小さく、いまだ信頼を置けない集団のままだ。

皮肉にも、希望は抗議運動の中にある。ドミトリエフ氏によれば、ロシアにおいて、抗議運動はおおよそ経済的な混乱から数年遅れて起こるという。例えば、2011年の抗議運動の高まりは、世界の他の多くの国と同様、2008年の激しい景気後退の3年後だった。

抗議運動によって、より強く過激なナショナリストのグループや、プーチニズムの終焉はこの偉大な国が、自らの復活に必要な欧州との関係を再構築する好機とみる人々が、指導者として登場することもあり得る。

「ヨーロッパの運命」は、旧ソ連のゴルバチョフ元大統領が1980年代後半にソ連を開放した根底にある意味だった。それは、1990年代当時のエリツィン政権によっても、断続的に保たれた。しかし、それはもてあそばれ、2000年代になってプーチン氏によってきっぱりと捨てられた。

プーチン氏がもし失脚するならば、ロシアは復活のチャンスがある。それを望む人々は誰でも勇気と強さ、そして支援を必要とするだろう。こうした人々が失敗したとき、今日より危険な領域に私たちは踏み入ることになろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


http://jp.reuters.com/article/russia-putin-idJPKCN0XG054

 


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