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中国で「第二のバブル」が発生か? 景気は回復基調だが、不動産市場が過熱中
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48456
2016年04月18日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済 現代ビジネス
中国の経済失速に対する懸念がいくぶん和らいでいる。利下げや公共投資等の景気刺激策により、PMI(購買担当者景気指数)や鉱工業生産などの経済指標が改善しているからだ。
株価を見ても、上海株式総合指数は節目の3000ポイントを超えて推移している。エコノミストの一部には、年央にかけて中国経済が安定するとの見方も出始めている。
ただ安心はできない。景気減速に歯止めが掛かった要因には、政府の景気対策と不動産投資が盛り上がっていることがある。1-3月期のGDP成長率を見ても、住宅を中心とする不動産投資が景気を支えた部分は大きい。中国国内の不良債権の増加など債務問題が深刻になる中、今後の不動産市場の動向は慎重に見た方がよいだろう。
■景気は徐々に上向いているが…
3月のPMIや鉱工業生産が改善し、年初に比べると中国経済に対する懸念は後退している。市場参加者と話していても、利下げやインフラ整備などの刺激策が景気を支え、金融市場の安定につながっているという見方は増えている。
こうした状況を支える重要なファクターは、住宅を中心とする不動産価格の上昇だ。融資規制の緩和などを受けて不動産投資が進み、大都市を中心に住宅価格は上昇している。中小の地方都市でも徐々に住宅価格は上向いている。傾向として、価格が上昇している都市の数も増えている。
2015年前半、上海での住宅価格は前年同期比での上昇率がゼロ%程度だった。それが、年後半には20%超の上昇に転じた。今年に入り深圳の住宅価格は、前年同期に比べて50%以上の上昇を記録している。
1-3月期のGDP成長率を見ると、不動産投資は6.2%増えた。固定資産投資も増加している。中国の景気は不動産への投資に牽引されているといえる。投資の増加は不動産市況の底入れを示唆するという見方もあるようだ。
■ミニ・バブルはすでに起こっている
住宅価格の高騰は、2014年以降の中国金融市場の推移と併せて考えるとわかりやすい。2014年半ば、突如として中国株式市場は上昇した。不動産投資への規制が株式市場への資金流入を引き起こし、株価が大きく上昇したのである。実体経済が弱含む中、マネーフローが相場を大きく持ち上げる状況は、“ミニ・バブル”と呼ぶにふさわしい状況だ。
2015年半ば、中国の株式市場は急落した。これは相場高騰や先行きの景気に対する懸念に影響された。そして、対策として中国は複数回の利下げを行い、不動産投資への規制を緩和した。これが、住宅価格を上昇させた。中国政府が規制を緩和することで、住宅在庫を圧縮し、鉄鋼などの需要喚起を企図した点も無視できない。
政府の取り組みは投資ブームに火をつけ、中国の住宅市場ではミニ・バブルの懸念が高まっている。政府は規制を強化し、価格高騰を抑えようとしている。しかし、融資基準が緩和されたことを受けて、信用力の低い投資家や家計までもが借り入れを増やし、不動産に投資している状況には注意が必要だ。
これまで、中国政府は景気刺激策によって意図しないほどの資産価格の高騰を招いた。不良債権は2015年の1年間で倍増し、債務問題はより深刻になっている。住宅投資の多くも借り入れに支えられている。そのため、不動産市場の不安定化が中国経済への懸念を高め、金融市場の混乱につながる可能性は慎重に考えるべきだ。
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