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鴻海、シャープと買収契約。大阪堺市で調印式(「伊藤真吾/アフロ」より)
シャープ、不良債権化の懸念…みずほ銀暴走の代償、株主利益毀損と巨額債権膨張
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14673.html
2016.04.13 文=編集部 Business Journal
「これからも鴻海(ホンハイ)に振り回されかねない」――
主力銀行関係者は、経営危機のシャープの身売り先が台湾の鴻海精密工業に決まった日の夜にこうささやきあった。銀行の意向が強く働き「銀行のひとり勝ち」ともいわれた今回のディールだが、前途は決して明るくないようだ。
当初、経営危機に揺れるシャープの身売り先は官民ファンドの産業革新機構が有力だった。技術の国外流出の懸念とシャープ経営再建を機に電機業界再編をもくろむ経産省の意向を強く反映した枠組みだ。経産省は有力全国紙に積極的に情報をリークすることで、世論の反応を見ながら、産革機構によるシャープ買収の既成事実化を試みていたが、これに反発したのが並行メインバンクのひとつのみずほ銀行だ。
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優先された銀行団の利益
産革機構は主力2行のみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行に総額2000億円の実質的な債権放棄を含む最大3500億円の追加支援を要請。
「三菱UFJ銀が法的責任はなくても道義的責任があると一定の理解を示しながらも、みずほ銀は事業責任を貸し手の責任に転嫁するのかと頑なに拒否していた」(全国紙記者)
議論が着地を見せないなか、間隙を突くように鴻海が革新機構を上回る約6000億円以上の買収提案を持ち込んできて一気に流れが傾いた。みずほ銀が従来から取引のあった鴻海に強く働きかけたのは業界関係者では誰もが知るところだ。
「みずほ銀関係者は『明らかに出資額が低い革新機構案を選べば、株主に対する善管注意義務違反になる』との情報を流していたが、債権放棄は通常は株主の利益になる。新たに出資を求めるならば一定の債権放棄は当然」(アナリスト)
みずほ銀がもっともらしい理由を叫んだところで、株主の利益ではなく銀行団の利益を重視した選択なのは明白だ。
■不良債権化の懸念
実際、銀行にとって鴻海の提案は優先株の簿価での買い入れなどが盛り込まれており、産革機構案に比べて痛みを伴わない。
「短期的には当面の債権放棄を免れ、シャープに対する与信コストは下がる」(同)
シャープや三菱UFJ銀は「鴻海は12年に出資約束をしながら、守らなかったので信用できない」と主張したが、みずほ銀は「鴻海でなければ支援を打ち切る」と決断を迫ったという。案の定、鴻海に交渉を一本化して退路を断ち切った後、鴻海がシャープと銀行団に揺さぶりをかけてきたのは周知の通りだ。出資額の1000億円の引き下げや主力2行による計3000億円の追加融資枠設定で、結果的に巨額の債権はさらに膨らむ土壌が整った。
「鴻海が親会社になるとはいえ、金融庁の監査で重要なのはあくまでもシャープの業績。今回の交渉でわかったのは、やはり一筋縄ではいかない相手ということ。今後も鴻海が何を言い出すかわからない以上、不良債権化する懸念はつきまとう」(同)
■消滅した鴻海選択の理由
交渉の過程で、皮肉にも鴻海を選んだ根拠まで消滅した。出資額が1000億円も引き下げられたことで、みずほ銀が叫んでいた株主の利益優先という建前は霧消し、今後説明に窮することは間違いない。
三菱UFJ銀の一部幹部などの間では、革新機構案のほうがプラスになるとの見方も存在した。国内電機業界の再編が進めば、全体での競争力は現時点よりは向上する可能性が高い。銀行にしても業界全体の与信コストが確実に下がる。短期的には痛みを伴っても、中長期では銀行の収益にも株価にもプラスになる。
「みずほ銀が日本の銀行とは思えぬ豪腕で、こちらでは制御不能の状態になった」(三菱UFJ銀関係者)
市場では今回のみずほ銀の猛烈な攻勢に首をひねる向きも多い。
「みずほ銀ではグループ支配を旧興銀勢が進めている。鴻海案で短期的には損失を拡大させないことで、かつてシャープにカネをぶち込み続けた旧富士銀勢に貸しをつくったのでは」(大手銀関係者)
国益でも自行の中長期的な利益でもなく、みずほ銀の狭い世界の政争の具にされていたとしたら、身から出たサビとはいえシャープも浮かばれない。ましてや、権力争いでの高笑いも、はるかに上手の鴻海の経営陣を相手にしては長くは続かないだろう。
(文=編集部)
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