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円、一段高 一時107円63銭近辺、2014年10月以来の高値(日経新聞)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/411.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 11 日 11:39:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

円、一段高 一時107円63銭近辺、2014年10月以来の高値
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL11HGS_R10C16A4000000/
2016/4/11 11:08 日経新聞


 11日午前の東京外国為替市場で円相場は一段高となっている。10時40分ごろに一時1ドル=107円63銭近辺と、2014年10月27日以来、約1年5カ月ぶりの高値を付けた。「前週末8日のニューヨーク市場で緩やかな米利上げ観測などを背景に円高・ドル安が進行した流れを引き継ぎ、国内でも円買い・ドル売りが優勢となっている」(国内証券)との指摘があった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


             ◇

外為10時 円、上げ幅拡大 107円台後半、銀行ディーラーが買い
http://www.nikkei.com/article/DGXLASS0IMF03_R10C16A4000000/
2016/4/11 10:19 日経新聞

 11日午前の東京外国為替市場で円相場は上げ幅を広げている。10時時点では1ドル=107円94〜96銭と、前週末17時時点に比べ1円12銭の円高・ドル安だった。米国の緩やかな利上げ観測を背景に円の下値は堅いとの見方から、国内の銀行ディーラーなどが円買い・ドル売りに動いたようだ。オセアニアの取引時間帯に当たる日本時間7時前後には107円82銭近辺まで円高が進む場面があった。

 10時前の中値決済については「ドルが不足気味」(国内銀行)との声が聞かれた。国内輸入企業による円売り・ドル買いが出て円の重荷になった。

 円は対ユーロでも上げ幅を広げている。10時時点では1ユーロ=123円03〜07銭と同1円6銭の円高・ユーロ安だった。対ドルでの円買いが対ユーロにも波及した。

 ユーロは対ドルでは高値圏で小動きとなっている。10時時点では1ユーロ=1.1397〜1400ドルと、同0.0019ドルのユーロ高・ドル安で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

 

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1. 2016年4月11日 15:37:18 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[402]

FX Forum | 2016年 04月 11日 13:55 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:円の安全買い、背景に欧米の政治混迷も=嶋津洋樹氏
嶋津洋樹
嶋津洋樹SMBC日興証券 シニアマーケットエコノミスト
[東京 11日] - 年初からの円高は、2月中旬以降、いったん落ち着いたかに見えたが、足元で再び加速している。原因はいくつか指摘されているが、最も一般的なのは、世界的な金融市場の混乱や景気の先行き不透明感などを背景とした逃避需要だろう。つまり、「相対的に安全と考えられる円が買われる」ということである。

もっとも、金融市場で使われる「安全」という言葉はそれほど厳格に定義されているわけではない。実際、日本の財政状況が主要先進国で最も悪いという指摘と、「安全」との言葉を結びつけることは難しい。

世界で最も安全な資産が米国債と考えられていることを踏まえれば、安全な通貨は日本円ではなく、米ドルだろう。しかも、米国は今、連邦準備理事会(FRB)が政策金利の引き上げを模索しており、追加緩和の可能性が取り沙汰されている日本とは対照的な状況に置かれている。

もちろん、日銀の金融政策がすでに限界に直面していたり、そう遠くない将来に限界に直面すると考えられたりしていれば、今から円を売る余地はそれほど大きくない。むしろ、絶好の買い戻し機会と判断されるだろう。この場合の「安全」とは、儲かりそうだとか、損はしないということだと言い換えることできる。

ただし、金融政策の限界は、突き詰めて見ると、中央銀行が物価の安定を通じてマクロ経済を安定させる能力を失ったことを意味する。それは通貨安を招く可能性が高く、少なくとも通貨高を説明するには不十分だろう。

このようなことから、筆者は今回の円高局面では、日本の「安全」が本当に評価されているのではないかと考えている。それは、日本以外の主要先進国を見れば一目瞭然である。

実際、米国はファンダメンタルズこそしっかりしていると見られているが、大統領選の真っ最中で、政治的には非常に不安定な時期に差し掛かっている。特に今回は共和党で従来、「主流派」や「本命」と考えられていた候補が次々に撤退し、その流れをくむジョン・ケーシック氏も、茶会派のテッド・クルーズ氏や泡沫候補と考えられていたドナルド・トランプ氏に大きく差をつけられている。

一方の民主党は、共和党ほどではないが、左派色の強いバーニー・サンダース氏がヒラリー・クリントン氏を相手に善戦し続けている。

こうした米大統領選での「非主流派」の共通点は、従来の政治ではタブー視されていたり、非常識と考えられていたりしたことを掲げていることだろう。トランプ候補の移民政策や外交・安全保障政策がその代表例であるが、クルーズ候補は金融政策や財政政策に否定的な茶会派の中心的な存在で、サンダース候補は大手金融機関の解体や国民皆保険制度などを掲げている。

今の米国には「誰が米大統領に就任しても、極端な政策は撤回か、大幅に修正される」とは言い切れない怖さがある。非居住者による米国への証券投資(債券と株式の合算値)が2015年8月から16年1月までの6カ月間で約1010億ドル減少した背景には、ファンダメンタルズ以外の要因もあったと筆者は考えている。

<欧州の政治情勢も混迷色強まる、日本はまだマシか>

欧州についても、とても安心して投資できる環境が整っているとは言い難い。たとえば、英国では今年6月に欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票が実施される予定だが、その賛否は今のところ、拮抗が伝えられている。

英国がEUからの離脱を決めた場合、金融市場や経済にどのような変化を引き起こすかについて、正確に予測することはできないだろう。米国が大統領選を控えているのと同様、今の段階でポンドを含めた英国資産への投資には慎重とならざるを得ない。

大陸欧州には英国以上の不透明感が漂っている。つい最近まで話題に登場することはなかったが、ギリシャの債務問題は未解決のままだ。そのギリシャをはじめとする地中海諸国が北アフリカやシリアからの難民に最も苦しんでいることは、債務問題とともに、欧州における南北間格差を一段と浮き彫りにするだろう。

債務問題の深刻化を受けて、改革に取り組まざるを得なかったポルトガルでは、昨年10月の総選挙で連立与党は勝利したものの、過半数には届かなかった。スペインとアイルランドでは、それぞれ昨年12月と今年2月に総選挙が行われたが、政権樹立交渉がいまだ難航している。

こうした政治的な対立は、フランスやベルギーでの過激派による攻撃後、沈静化するどころか、一段と先鋭化している。オランダが4月6日に実施した国民投票で、EUとウクライナの連合協定について「ノー」という態度を示したことは、その典型的な出来事と言えるだろう。

それは、EU域内での国境が封鎖されたり、検問が強化されたりすることによって、ヒト・モノの移動の自由という経済統合の根幹を揺さぶるとともに、統合を進めるうえで不可欠である寛容の精神が損なわれつつあることを示している。

しかも、そうしたことがEUに後から加盟した南欧ではなく、1950年代の欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)や欧州経済共同体(EEC)設立時から欧州統合の流れを率いてきたドイツやオランダで見られるところに状況の深刻さが表れている。

筆者は、債務危機以降の反EU、反ユーロの高まりについて、南欧諸国がEUやユーロへの加盟で経済的な繁栄を遂げられると期待していたことが裏切られたがゆえと評価していた。しかし、今やそれが加盟国の国民生活をすら脅かすと捉えられ始めている可能性がある。ドイツやオランダの国民にとって、自分たちが中心になって設立したEUやユーロが自らの生活を脅かすことになるとは思いもよらなかっただろう。

EUやユーロが政治力に支えられていることを踏まえると、こうした変化は決して無視できない深刻なものと言える。

日本も高齢化を筆頭に多くの経済的な問題を抱えている。政治的には、参院選を控えているうえ、安全保障や憲法改正など、議論が十分に進んだとは言えず、国民の意見も大きく割れている。しかし、それらも含め、米国や欧州とは異なり、短期間で日本の経済や金融システムに大きな影響を与えたり、崩壊させたりする政治リスクは見当たらない。

そうした意味で確かに円は相対的に安全と考えられる。今年は政治が経済を左右する1年になると筆者は考えているが、それは金融市場にも当てはまりそうだ。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-hiroki-shimazu-idJPKCN0X80AZ

 

 

 

Business | 2016年 04月 11日 13:49 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 1年後、物価「上がる」75.7%に低下 12月は77.6%=3月日銀アンケート

[東京 11日 ロイター] - 日銀が11日発表した3月の「生活意識に関するアンケート調査」(第65回)によると、1年後の物価について「上がる」との回答が75.7%となり、前回の昨年12月調査の77.6%から低下した。

「1年後の物価は現在と比べて何%程度変化すると思うか」との質問に対する回答では、平均値が4.3%上昇、中央値が3.0%上昇となった。

5年後については、「上がる」との回答が80.0%となり、前回調査の80.1%から低下。毎年の変化率は平均値で3.6%上昇、中央値で2.0%上昇となった。

日銀は、2%の物価安定目標の実現には家計や企業などの期待の転換が重要と位置づけており、同アンケートなどによる家計の物価見通しの変化が注目されている。
http://jp.reuters.com/article/boj-idJPKCN0X80BX


 

 


円高にアジア通貨も追随へ−14年の円安で利益得たヘッジファンド
Netty Ismail
2016年4月11日 14:55 JST
ブルームバーグJPモルガン・アジア通貨指数は1−3月1.9%上昇
「ドル・円が下がれば、ドルは対アジア通貨で下落する」−チャン氏

元クレディ・スイス・グループの自己勘定トレーダーで2014年の円安で利益を得たヘッジファンドの創業者チャーリー・チャン氏は、円が対ドルで再び上昇したことがアジア通貨にプラスになると見込んでいる。
  チャン氏は4月8日のインタビューで、円高や米金融当局の利上げペース鈍化を受けて、アジア通貨は今年の対ドルでの上昇基調が6月まで続くと予想。日本の通貨当局は2012年に1ドル=80円割れまで円高が進んでも円売り介入を見送ったため、今の水準で介入する可能性は低いと付け加えた。
  円を除くアジアの10通貨で構成されるブルームバーグ・JPモルガン・アジア通貨指数は1−3月期に1.9%上昇した。同指数は14年6月以降昨年末までに8.3%下落していたが、商品相場の回復やトレーダーが米利上げ時期の予想を先送りしたことを背景に、同指数は7四半期ぶりに上昇した。
  「スプレンディッド・アジア・マクロ・ファンド」を率いるチャン氏は「私は総じてアジア通貨に対してロングだ。ドルを対アジア通貨でショートにしている。ドル・円が下がれば、ドルは対アジア通貨で下落する」と述べた。具体的な運用の詳細には言及しなかった。

  チャン氏によると、米金融当局は10−12月(第4四半期)に利上げする可能性が高い。4月1日時点でトレーダーらは11月利上げの確率を5割強と予想していたが、先週末時点で12月利上げの確率は5割未満に後退した。円の上昇を受け、他のアジア諸国には競争力維持で自国通貨の押し下げを迫る圧力が弱まる。「ドルの上昇持続余地は限られている」とチャン氏は指摘した。
原題:Charlie Chan’s Hedge Fund Bets on Asian Currencies Emulating Yen(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5GC676JTSEF01


 


 
日本国債の流動性低下、日銀の政策運営脅かすか
ENLARGE
2015年7月15日の記者会見で頭を抱える黒田東彦日銀総裁 PHOTO: REUTERS
By
MIKE BIRD
2016 年 4 月 11 日 13:44 JST
 日本国債市場においては、日本銀行による大量の買い入れが見逃せない存在となっている。そしていまや市場を圧迫する兆候が現れ始めている。
 日銀は、既に行ってきた成長とインフレを促す超人的な取り組みに加え、1月にマイナス金利を導入した。
ENLARGE
国債残高増減幅(緑)と日銀国債買入(茶)の四半期推移
 いまや日銀は政府が発行する国債をほぼ全て買い入れ、総発行残高の3分の1以上を保有している。調査会社ジャパン・マクロ・アドバイザーズの推計では、現在のペースで日銀が買い入れを続けると、2年で市場残高の半分を保有することになる。これまで以上の国債が発行されているが、日銀が満期まで保有する買い手としての役割を果たしている。
 売り手と買い手の建値の差、いわゆるビッド・アスク・スプレッドの拡大は、流動性が低下する兆候となることが多い。建値の差が狭いほど、買い手と売り手の意向が近いことになる。スプレッドが開くほど、当然ながら取引は成立しにくくなる。
 最近の日銀の政策変更から一番恩恵を受けたのは、「超長期」と呼ばれる40年物利付国債だ。40年債は今年初めに急騰した。だが、債券価格の上昇とともに、ビッド・アスク・スプレッドも急拡大した。
 中央銀行による債券買い入れの影響は、年限の短い債券の方が少ないが、それでもいくらかの影響を及ぼしているようだ。10年物利付国債のビッド・アスク・スプレッドの買値に対する比率は、昨年は平均わずか0.10%だったが、今年はたびたび0.12%を上回っている。これはわずかな動きに思えるかもしれないが、10年以上の年限の日本国債は540兆円超相当の残高があるので、わずかな動きも巨額な影響を意味している。
ENLARGE
40年物国債の買値に対するビッド・アスク・スプレッドの比率
 日銀は、回転率(発行残高に対する売買高の比率)を数年間にわたり記録している。回転率が高いほど、市場の流動性が高いことになる。業者が顧客に国債を販売する回転率は、2012年半ばには7%近くあったが、15年末にはわずか2%に低下した。
 過去25年間の大半において、日銀が債券利回りを抑えることはできないと見込んだ投資家が多かった。だが、その大半は見込み違いで、利回りの上昇はどれ一つとして長続きしなかった。
 だが、市場に圧力が加わり中銀が国債市場でやりたいことにも限界が迫りつつある兆候は、注目を集めるだろう。日銀の失敗を見込む投資家はようやく一息つくことができるかもしれない。
関連記事
• マイナス金利下の長期債人気、リスクも膨張
• 日本国債マイナス利回り、「金融狂気」が原因か
• 世にも奇妙な日本国債のマイナス利回り
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NL777_YenYen_M_20160408130118.jpg 
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NL698_spread_M_20160408100519.jpg


 

 
日銀のマイナス金利裏目に−IMF会合控え手詰まり感象徴
藤岡徹、Craig Torres
2016年4月11日 11:17 JST

債券利回り低下の一方、円高に歯止めかからず
黒田総裁、ワシントンの国際金融会合で政策擁護に腐心か

経済成長やインフレの押し上げで十分な効果を上げられず手詰まり状態に陥った世界各国・地域の金融当局は、今度は追加的刺激策の成果が乏しいことで信認を損なうリスクに直面している。
  日本銀行が1月にマイナス金利導入を決めたことで、債券利回りは低下。まさに円安を必要とする局面での円高進行にほとんど歯止めをかけることができず、日本経済を圧迫している。このため金融、財政両面のさらなる刺激策をめぐる議論を招いているが、家計や企業の間では刺激策への疑念が強まっている。
  クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは、「日本がうれしくないニュースを世界に運んでいる」と指摘し、「非常に大規模な金融緩和も全ての国で効果を発揮するということではない。さらなる緩和は批判を巻き起こす可能性がある」と述べた。
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg *** Local Caption *** Hiromichi Shirakawa
  日本におけるこうした信認の低下は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合など一連の国際金融会合で今週ワシントンに集まる各国・地域の当局者にとって、警鐘となる出来事だ。
逆戻りも
  世界中の当局者がそれぞれの取り組みを通じて事態を早急に好転させることができなければ、過度の低インフレや成長減速に逆戻りするリスクがあり、金融市場では再び動揺が高まって日本型の停滞が他の先進国に一段と波及しかねない。
  投資と雇用、小幅なインフレ高進の循環に移行することを目指す先進国にとって、追加策にもかかわらわず物価や成長を上向かせるに至っていない日本の現状は憂慮すべき状況だ。
  バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのグローバル経済調査共同責任者イーサン・ハリス氏(ニューヨーク在勤)は、「深刻な危機が組み合わさって長期にわたる低成長を引き起こし、一連の衝撃がそれに加わったことで楽観主義も後退した」と分析。「この状態が長期化すれば自己実現的となるため危険だ」と語った。

  欧州中央銀行(ECB)が講じた積極的な措置や、米金融当局やイングランド銀行(英中央銀行)による緩和長期化への姿勢転換を受け、1−3月(第1四半期)の市場の低迷は反転した。だがその後も、世界経済の不振は懸念材料だ。
  IMFが12日公表する最新の世界経済見通しでは、1月の前回見通しに続き、世界の成長予想が下方修正される公算が大きい。ラガルドIMF専務理事は先週、回復は「依然としてあまりにも緩慢、脆弱(ぜいじゃく)で、その持続可能性へのリスクが増している」と話した。
  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は3月29日、世界情勢、特に1−3月期の早い時期に株安を招いた中国の成長ペースをめぐる不透明感が米経済にとってリスクだと指摘した。
  ワシントンでの国際金融会合に臨む日銀の黒田東彦総裁と麻生太郎財務相は、日本の政策が根本的な経済問題を解決することなく市場に混乱をもたらしたとされる中、政策擁護に当たって苦しい立場に置かれることになりそうだ。
G20合意が制約か
  インフレと成長の押し上げに向け、追加の刺激策を講じようにも、通貨の競争的な引き下げを回避するというG20の合意が黒田総裁の行動の余地を狭める可能性がある。さらに、日銀の政策が債券市場にマイナスとなり、購入可能な債券が間もなく底を打つとの批判の声も上がっている。
  黒田総裁はこれに対し、金利のマイナス幅拡大に加え、日本国債や指数連動型上場投資信託(ETF)、上場不動産投資信託(JーREIT)の買い入れ増額を含むあらゆる選択肢が検討の対象になるとの認識を示している。16年度補正予算案編成の観測が台頭しており、財政面からの刺激策が講じられる可能性が一段と大きいかもしれない。
  クレディ・スイスの白川氏は「黒田総裁は多数の質問を浴びることになるだろう」とコメント。「ただ、デフレに戻ってしまうかもしれないような状況で、何もせずにいられるかというとそうとは思えない。追加緩和をやらなければいけないだろうし、それを他国は良くは思わないだろう」と論じた。
  マイナス金利をめぐる日本の経験は政策当局の間に波紋を広げている。ラガルドIMF専務理事は、欧州や日本がマイナス金利を導入しなければ、世界経済は「もっと悪い状態」となっていただろうと話す。しかし、IMFチーフエコノミストを務めたオリバー・ブランシャール氏は8日、マイナス金利政策は民間銀行の経営の妨げになるとして否定的な見解を示した。
  米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は8日、米当局が追加の刺激策を講じる必要に迫られた場合、「あらゆるさまざまな理由を考えてマイナス金利導入の決定を下すことはないだろう」とし、米景気が想定外の悪化に見舞われれば、他の緩和策を用いるだろうと述べた。
  円は今年、対ドルで11%上昇し、ブルームバーグが追跡する主要16通貨で最大の上げとなっている。日本では既に積極的な刺激策が実施されてきたが、円高はディスインフレ傾向を強め、輸出の重しになるため、頭痛の種となっている。
  米ポトマック・リバー・キャピタルのマーク・スピンデル最高投資責任者(CIO)は、技術的には、金融当局は常にインフレ率を押し上げることができるはずだとした上で、「うまくいかなかった場合、何が起きるか彼らは明らかにしていない」とコメントした。
原題:BOJ’s Backfire Hangs Over Central Bankers as IMF Meetings Start(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5AOEZ6K50Y001

 

 


 
News | 2016年 04月 11日 13:07 JST 関連トピックス: トップニュース
 アングル:あうんの呼吸でドル高是正か、「G20密約」の真偽

[ロンドン 8日 ロイター] - 2月に上海で開かれた前回の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、たとえ市場の安定回復に向けた協調で秘密の合意がなかったとしても、市場は密約があったがごとく振る舞うことで満足しているように見える。

大手証券会社の間では、謀略論者や思惑を並べ立てる書き手が推論するように、G20で正式な合意があったと考えるところはほとんどない。

2月会合やその後の動きに関するロイターの報道もこれを裏付けている。

人民元相場の不安定化、原油安、米ドル・米金利高という世界経済にとって昨年来の3つの最大の課題は、G20の2月会合以降痛みが和らいだ。

先にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は追加利上げは慎重に進めると断言。その結果、ドル売りが広がり、年初来では対ユーロで5%、対円では10%の下落となった。

ドル相場の動きに呼応して新興国市場は安定。株式と原油は下げ止まり、1月初旬に世界的に大規模な相場下落を引き起こした中国の外貨準備は再び増加に転じた。

まるで誰かが画策したかのような展開だ。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(ロンドン)のグローバル・マーケット・リサーチ部門のヘッド、サイモン・デリック氏は「(2月会合で)合意があったとは思わない」と話す。その上で「しかし今回の市場の動きは、図ったかのごとく完璧につじつまが合っている。米国は中国の安定に非常に強い関心を持っていた。米国が動き、欧州と日本が(通貨高という)巻き添えを食らったとしても、あとから対処することは可能だ」とした。

また、複雑さを増す国際金融世界で何が可能で何か不可能かについて政策当局者の間でコンセンサスが広がっているようだ、との声も出ている。

ノルデアの通貨戦略ヘッドのマーチン・エンルンド氏は最近の動きについて、政策の影響の国際的な波及に関する理解の広まりや近隣窮乏化策をめぐる新たな判断などと歩調を合わせたものだとの見方を示した。

当局者は合意を否定している。

2月会合に出席したG7当局者は「(ドルに関する合意があったとは)考えられない」と話す。

中国の財政次官も先月、米当局との秘密合意の存在を否定した。

サマーズ元米財務長官は4日からの週に「この件に謀議的な面は全くないだろう」と述べた。

しかし密約がなかったとしても、前回会合後に事態は中国や米国の当局者にとって都合の良い方向に動いた。

FRBはドル安や世界市場の安定により利上げの地ならしが進むことを期待している。ドル安で米企業業績への打撃も避けられる。

事実上ドルに連動している人民元も上昇圧力が緩和した。

最大の問題は欧州と日本だ。日銀と欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利の導入により物価と輸出を押し上げてデフレのリスクを抑え込もうとしている。ユーロや円の上昇はこうした政策をぶち壊す。

ただ、市場はドラギECB総裁が金融政策によってユーロ安を進めることができるとはもはやみなしていない。

また日銀はG20や5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控えて動くのが難しいとみられる。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのG10外為戦略部門ヘッド、アタナシオス・バンバキディス氏は「(相場が)これ以上大きく動かない限り、欧州や日本はこの戦いに加わりたいと思わないのではないか」とみている。ただ「ドル円が1ドル=100円となり、ユーロドルが1ユーロ=1.15ドルを超えれば状況は変わるだろう」とした。

(Patrick Graham記者)
http://jp.reuters.com/article/g20-pact-dollar-idJPKCN0X8094

 

 

 
中国人民元、3日続伸−生産者物価指数の前月比上昇で景気改善の兆し
Bloomberg News
2016年4月11日 14:48 JST

中国人民元は11日、対ドルで3営業日続伸。中国の3月の生産者物価指数(PPI)が前月比で2013年以来の上昇となり、景気が改善し資本流出圧力が和らぐことを示す新たな兆候と受け止められた。
  中国外国為替取引システム(CFETS)によると、人民元は上海市場で現地時間午後0時5分(日本時間同1時5分)現在、前週末比0.04%高の1ドル=6.4654元。中国人民銀行(中央銀行)は元の中心レートを0.13%元高方向の6.4649元に設定。約1週間ぶりの大幅な引き上げとなった。ブルームバーグ集計のデータによれば、香港オフショア市場で取引される人民元は0.04%高の6.4761元。
原題:Yuan Advances for Third Day as Producer Prices Signal Recovery(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5GF576S972E01


 

 

Business | 2016年 04月 11日 14:14 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 中国CPI、3月は前年比+2.3%で横ばい PPI低下ペース鈍化

[上海/北京 11日 ロイター] - 中国国家統計局が11日発表した3月の中国消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.3%上昇し、上昇率は2月と同じだった。ロイターがまとめた調査によると、アナリストは2.5%上昇を予想していた。

CPIの前年比上昇率は2月までの4カ月は、加速が続いていた。

2.3%という数字は、1年超ぶりの高い伸びだが、冬季の天候が予想外に厳しかったことを背景に食品価格が急上昇した影響が大きい。

エコノミストらは、2014年末から始まった中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和を受けたインフレの動向を注視している。金融緩和の影響でクレジットは押し上げられたが、インフレ率は2014年末以降、1.5%近辺で推移しており、大幅な物価上昇にはつながっていない。

消費者物価は主に、中国の労働市場が相対的に強いことに支えられている。しかし、労働市場をめぐる指標は最近、強弱まちまちとなっている。中国国家統計局が発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)では、人員削減ペースの鈍化が示される一方、財新/マークイットがまとめたPMI指数では製造業とサービスともに雇用が悪化した。

<金融緩和のペース減速か>

生産者物価指数(PPI)は、前年同月比4.3%低下した。2月は4.9%低下していた。アナリストは4.6%低下を予想していた。

コモディティー(商品)価格の下落や主要産業セクターの設備過剰を背景に、PPIはすでに4年間、前年比マイナスの状態が続いている。

しかし、PPIの低下ペースが2月と比べると鈍化し、予想よりも小幅な低下にとどまったことから、一部のエコノミストは、向こう数カ月に金融緩和のペースが落ちる可能性がある、との見方を示している。

エコノミストは、PPIの低下幅縮小について、世界的なコモディティー価格の持ち直し、国内の建設活動の上向きなどを指摘している。

ノムラバンクの中国担当チーフエコノミスト、ヤン・ツァオ氏は「PPIは、不動産市場の回復のほか、政府のインフラ投資と新規発注に支援された」と指摘。「今回のデータは金融市場にとってプラスの内容。CPIは横ばいで、政策引き締めの懸念はほぼない」としている。

ANZは「きょうのデータは金融緩和のペースが落ちる可能性を示唆した。われわれはこれまで、今年のRRR(預金準備率)の引き下げ回数をあと3回と予想していたが、今は1回と見ている」としている。

一方、HSBCの大中華圏担当エコノミスト、ジュリア・ワン氏は、食品以外のインフレ率はなお低調と指摘。「通年のCPI伸び率は依然、人民銀行が目標とする3%を大幅に下回る見通しであり、必要な場合は、金融緩和の余地は十分にある、ということになる」と語った。

*内容を追加します。
http://jp.reuters.com/article/china-cpi-mar-idJPKCN0X803Z?sp=true

 

 


 
新興国市場、資本流出でも危機起きない理由
新興国市場では数年前から資本流出が続いているが、財政が破綻した国は一つもない

By GREG IP
2016 年 4 月 11 日 12:52 JST

 新興国市場では数年前から資本流出が続いている。きっかけは成長の鈍化や国際商品(コモディティー)価格の急落、米国の利上げ見通しだった。しかし、どうしたわけか、資本が流出して財政が破綻した主要新興国は一つもない。

 危機が発生していないことは、普通であれば特に取り上げる必要などないが、今回の場合は注目に値する。それを考えることで、新興国が固定為替相場制の本質的な危険性について、何を学んだか、そして、残念ながら何を今後も学ばなければならないかが分かるからだ。

 新興国市場には長い間、高い潜在的経済力を求める外国人投資家の資金が流入していた。ただ、こうした資金は気まぐれで、突然削減されたり引き揚げられたりすることも多い。

 国際通貨基金(IMF)は半年ごとに公表する世界経済見通しの中で、新興国への資本流入の停滞と危機の発生は同時期に発生していたと指摘した。新興国への資本流入は1981年から85年にかけて減少、80年代には発展途上国で債務危機が起きた。アジア危機(97?98年)も95年から2000年にかけて資本の流入が減少しているときに発生した。

 IMFによると、現在の資本流出は10年ごろに始まり、その範囲や規模は80年代と90年代の資本流出に匹敵する。しかし、「対外債務危機の発生はこれまでのところ非常に少ない」という。実際、ロシアによる侵攻という同情すべき状況に遭遇したウクライナを除いて、救済措置を必要とした主要新興国はなかった。

 かつて新興国はインフレ抑制や、企業や投資家に確実性を保証する目的で自国通貨の為替相場を米ドルに固定していた。新興国の金利は米国内の金利よりはるかに高かったため、ドルペッグ制度が存続するかぎり、新興国の企業や政府はドル建て資金を低金利で調達することができた。

 一方で外国人投資家は現地通貨で融資を行い、ドルペッグ制の下、ドル建ての融資より高い利回りを稼いだ。ところが通貨ペッグ制度への信頼から外貨建て債務があまりに膨張し、その結果、ペッグ制はより脆弱(ぜいじゃく)なものとなった。現地通貨が割高であることに気づいた投資家は貸し出しを停止。外国資本の引き揚げを受けて現地通貨は大きな売り圧力にさらされ、崩壊した。企業や銀行、政府は外貨建ての融資が返済できず、破たんした。

 この10年、新興国は正統派のマクロ経済政策を採用してきた。政府は中央銀行に対しインフレだけに集中するように命じ、米国の大学で博士号を取得してきたが政治的ではない官僚を採用した。こうした官僚らが為替制度を変動相場制に転換した。

 変動相場制では外貨建ての借り入れコストが予想しにくくなったため、新興国は外貨建て融資を受けなくなった。IMFが指摘するように、新興国が抱える政府債務のうち現地通貨建ては1995年の時点でゼロだったが、今では約75%を占める。同様に新興国の企業債務のうち、現地通貨建ては1995年には5%だったが、今では約70%に上る。

 IMFは「柔軟性な為替相場によって世界的要因の影響が抑制されたおかげで、一部の新興国は資本流入の減速を緩和できたようだ」と指摘している。

 変動相場に移行したことで資本の流出は調整され 、過去にはよくあった資本流入の「急停止」は起きなくなった。

 これに対し欧州では、北部各国の資金が南欧諸国につぎ込まれることで、ユーロが強化された固定通貨のような役割を果たした。北部の資本が逃避すると、ユーロ圏はこれまで経験したことがないような大きな急停止に見舞われた。 デフォルト(債務不履行)に陥ったのは貧困国ではなく、先進国のギリシャだった。英国や米国の銀行は破たん寸前に追い込まれた。08年に当時のメキシコ中央銀行総裁、ギジェルモ・オルティス氏が冗談まじりにこう言った。「今回はメキシコではない」。

 ここ数年の教訓は優れたマクロ経済政策があれば、危機の発生頻度や程度を大幅に緩和できるということだ。ただ残念ながら、マクロ経済政策だけでは十分ではない。

 IMFによると、危機の発生頻度が大きく低下しているにもかかわらず、2010年以降の新興国の経済成長率は95年から00年にかけてとほとんど変わらない。昨年のブラジル経済は3.8%縮小しており、今年もほぼ同程度低下する可能性がある。ブラジルでは過去36年間に何度か危機が起きているが、成長率がここまで悪化したことはない。成長率低下の理由はコモディティー価格の下落やインフレ抑制を目的とした利上げなどさまざまだ。ただ、今回の景気不振の背後には過剰規制、不十分な投資、国家主導の銀行貸出や腐敗といった構造的問題が潜んでいる。程度の差こそあれ、ほとんどの新興国は同じ問題に頭を悩ませている。

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https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-NL713_mexico_M_20160408104339.jpg


 


 


Business | 2016年 04月 11日 08:12 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 今年の新興市場は5010億ドル純流出へ、中国が引き続き最大=IIF

[ロンドン 8日 ロイター] - 国際金融公社(IIF)は8日、2016年も新興市場から差し引き5010億ドルの資本が流出するとの見通しを明らかにした。15年は7550億ドルの純流出だった。

非居住者勘定の資本流入額は5600億ドルと、15年の2400億ドルから増加するものの、居住者勘定の大規模な持ち出しを背景に、純流出が続くという。

一方、割安感や、投資ポジションの少なさから、3月は資産価格や流入額が盛り返した。

3月のMSCI新興市場株価指数は13%高と、09年5月以来の上げ幅を記録。新興市場株・債券には推計368億ドルが流入した。

しかし、資源商品相場の低迷や、製造業からサービス業への長期的な移行という向かい風によって、新興市場の復活は勢いをそがれるという。

IIFは「テールリスクは軽減されても、新興市場への(資本)流入のより強力な回復を支える上で必要な、全体的なファンダメンタルズの改善はみられない」と分析。

さらに、第1・四半期に相場が大幅上昇したことや、極端なポジションの少なさが和らいだことを受け、割安感も薄まったと指摘した。 中国の純流出額は約5300億ドルと、引き続き最大の割合を占めるものの、前年の6750億ドルを下回る見通し。これにより外貨準備の減少幅が縮小し、人民元の無秩序な下落に対する懸念を和らげるという。
http://jp.reuters.com/article/emerging-flows-iif-idJPKCN0X70YG


 


 


中国:1−3月の乗用車販売、6.8%増−トヨタやフォードがけん引
Ma Jie
2016年4月11日 13:50 JST
トヨタは前年同期比28%増、日産自との差縮まる
フォードは14%増、ホンダ11%増

中国の1−3月(第1四半期)の乗用車販売台数は、政府の減税措置やメーカー各社の値引きを受けて前年同期比6.8%増加した。トヨタ自動車や米フォード・モーターが全体の伸びをけん引した。
  全国乗用車市場情報連合会(乗連会)が11日発表した資料によると、第1四半期の販売台数は564万台。3月単月では前年同月比7.8%増の192万台だった。
  中国自動車工業協会(CAAM)は今年の国内販売台数が前年比6%増加するとの予想を示しているが、1−3月の拡大ペースはそれを上回る勢いだ。昨年の販売台数は2012年以来の低い伸びで、政府が10月に導入した小型車購入時の税負担の半減措置がなければ、さらに落ち込んでいた可能性がある。需要は昨年10−12月(第4四半期)に持ち直した。
  トヨタの1−3月の販売台数は前年同期比28%増の29万1000台。日産自動車はほぼ横ばいの29万8600台で、両社の差は縮小した。ホンダは11%増の26万1731台。
  フォードと同社の中国合弁会社は14%増の31万4454台。米ゼネラル・モーターズ(GM)は0.2%増の96万3652台だった。
原題:Toyota, Ford Lead China Auto Sales Increase After Tax Cut (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5GBIE6JTSE801


 


Business | 2016年 04月 11日 13:04 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 中国の成長率予測、2016年を6.7%・17年は6.5%で据え置き=世銀

[シンガポール 11日 ロイター] - 世界銀行は、東アジア・太平洋地域発展途上国の2016.17年の成長率予測を下方修正した上で、中国の成長見通しや金融市場の変動、コモディティ価格下落などのリスクに影響されるとの見方を示した。

世銀は中国を含む東アジア・大洋州地域(EAP)途上国の成長率見通しを今年は6.3%に、17年は6.2%に引き下げた。昨年10月時点ではそれぞれ6.4%、6.3%と予測していた。主に中国の成長率鈍化が修正要因という。

中国の成長率予測は今年は6.7%、17年は6.5%で据え置いた。

世銀は「東アジア・大洋州地域半期経済報告」で、「域内の成長と貧困削減の見通しは、リスクの高まりによって左右される」と指摘。起こり得るリスクとして、高所得国の予想を下回る回復、中国経済の予想以上のペースでの鈍化、金融情勢のタイト化と実体経済への悪影響をもたらす可能性のある金融市場のボラティリティーの高まりを挙げた。

「高水準の債務、物価のデフレ、中国の成長鈍化の相互影響によって生じる脆弱(ぜいじゃく)性を特に注視すべき」であるとした。

また、商品(コモディティー)価格の一段の下落は主要商品輸出国に悪影響を与え、公共支出と投資の削減につながるとの見解を示した。

マレーシアの成長率については、今年は4.4%、17年は4.5%と、昨年の5.0%から減速すると予測。中国の需要低下と商品安が成長と公共支出の足かせになるとした。

タイ成長率は、今年は2.5%、17年は2.6%と、昨年の2.8%から成長ペースを落とすとの見通しを示した。外需の低下と政策をめぐる不透明性が民間投資の重しになる可能性があると指摘。

インドネシアは今年は5.1%、17年は5.3%と、昨年の4.8%から成長が加速すると予測。その上で「野心的な公共投資計画の導入のほか、形式的な手続きの簡素化などに向けた最近の改革の成功が条件となる」とした。

フィリピンについては、今年は6.4%を予測。昨年は5.8%だった。一連の官民パートナーシップ(PPP)案件の実行加速や、今年5月の大統領選関連の支出が背景だとした。
http://jp.reuters.com/article/china-economics-idJPKCN0X809O

 

 


 


中国株:今月最大の上昇、商品株高い−工業需要持ち直しの兆しで
Bloomberg News
2016年4月11日 14:03 JST

11日の中国株式相場は上昇。今月に入り最大の上げとなっている。工業需要に持ち直しの兆しが示される中で、商品株や金融銘柄を中心に買われた。
  上海総合指数は午前の取引終了時点で前週末比1.8%高の3039.41。素材株の指数はこのままいけば3カ月ぶりの高値で引ける。CSI300指数は1.7%高。
  中国国家統計局がこの日発表した3月の生産者物価指数(PPI)は前月比で0.5%上昇と、2013年9月以来のプラスとなった。3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇と、上昇率は2月から変わらずだった。
  鉄鋼を中心に素材銘柄が買われた。CSI300指数の業種別で素材株の指数が最大の上げ。武漢鋼鉄(600005 CH)は値幅制限いっぱいの10%高。廈門?業(600549 CH)は9.9%上昇。宝山鋼鉄(600019 CH)は7.1%値上がり。
  香港市場ではハンセン中国企業株(H株)指数が1.3%上げ、ハンセン指数は0.6%高。
原題:China’s Stocks Climb Most This Month as Miners Lead Advance(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5GCQV6S972K01
 


 

 
円高阻止、介入以外に手立て無しか
日銀の緩和政策をよそに円高・ドル安が続いている ENLARGE
日銀の緩和政策をよそに円高・ドル安が続いている PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By GREGOR STUART HUNTER、HIROYUKI KACHI AND TAKASHI NAKAMICHI
2016 年 4 月 11 日 13:54 JST

 円相場が先週の取引で1年5カ月ぶりの円高・ドル安水準を更新したことを受け、世界中のトレーダーは一つの大きな問題について考え込んでいる。いったい円高はどこまで進むのかという問題だ。

 答えは経済だけでなく、それと同じくらい政治にも関係しているようだ。

 円は7日の海外市場で107円66銭をつけ、2014年10月27日(107円58銭)以来の高値を記録した。円のドルに対する年初来上昇率は約11%に達し、アジアの主要通貨の中で首位に立つ。

 2013年から積極的な金融緩和を進めてきた日本銀行が16年1月に初めてマイナス金利政策を導入したにもかかわらず、円高の勢いは止まる気配がない。

 こうした円の底堅さの主因は、日銀の緩和政策が生む円安圧力よりもさまざまな海外要因による円高圧力の方が大きいことにある。年初には中国株や人民元の急落を発端に世界同時株安が起き、欧州銀行部門の健全性に対する懸念も広がったことで、投資家は伝統的な安全逃避先通貨である円に殺到した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ姿勢後退による最近のドル安基調も円高につながっている。

 ストラテジストらは相次いで2016年の円相場の見通しを円高・ドル安方向に修正しており、日本政府・日銀が直接の市場介入に踏み切らない限り足元の円高は止まらないとの見方も多い。

 JPモルガン・チェース銀行のチーフFXストラテジスト、棚瀬順哉氏は、介入を決める上で政治的判断が最も重要な要因となると指摘した。同氏は現在、年内に103円まで円高・ドル安が進むと予想している。年初時点では110円までの円高を見込んでいた。

ドル円相場の推移 ENLARGE
ドル円相場の推移
 政府・日銀はかつては介入も辞さなかった。最も最近に行われた介入は、2011年の東日本大震災直後の円売り介入だ。このときは震災後の日本経済の回復を妨げかねない急激な円高を阻止することが狙いだった。

 だが今回は、日本の当局内では円売り介入に踏み切れば米国から反発を受けかねないとの懸念がある。安倍晋三首相が5日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「為替市場への恣意(しい)的な介入」や「通貨安競争」を控えるべきだとの認識を示したことについて、事情を知るある関係者は8日、米国との摩擦を避けたいという意図を反映している可能性が高いと指摘した。

 この関係者は日本当局が介入をためらう理由として、米大統領選に向けた候補者選びでそれぞれ首位を走る共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン前国務長官がいずれも事実上、日本を為替操作国とみなしていることに加え、環太平洋経済連携協定(TPP)が貿易で優位に立つ目的で自国通貨安を誘導しないことを参加国に求めていることなどを挙げた。

 アナリストらによると、日本主催による主要7カ国(G7)首脳会合(サミット)を5月に控えていることもおそらく当局が二の足を踏む理由だろう。3月には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が通貨の競争的切り下げを回避することで合意したばかりだ。

 一部では、さらに大幅な円高が進まない限り日銀は介入しないとの意見がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は介入の可能性について、100円を割らない限り考えにくいものの、80円や90円まで円高が進めばあり得るとしている。

 オーストラリア・ニュージーランド銀行は、日本の貿易黒字の急増を理由に、16年末までに1ドル=105円、17年初頭には100円前後をつけると予想している。同行のシニア外為ストラテジスト、アイリーン・チャン氏は「マイナス金利政策や日銀関係者のハト派的発言がもたらす円安誘導効果には限界があるかもしれない、というのが当行の見方だ」と述べた。

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円高・ドル安、4つの要因とは
https://si.wsj.net/public/resources/images/BF-AL071_YEN_16U_20160408175406.jpg

 

 


Business | 2016年 04月 11日 12:52 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

 IMF報告書がマイナス金利支持、長期持続の弊害も警告

[ワシントン 10日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は、今週の総会に先立って10日に公表した報告書で、日銀など一部の中央銀行が導入しているマイナス金利を支持する姿勢を示した。

マイナス金利は最初にスウェーデンで導入され、現在は日銀や欧州中央銀行(ECB)を含めて6カ国・地域の中銀で実施されている。

IMFのホセ・ビナルス金融資本市場局長は報告書に「マイナス金利の経験期間は限られているが、全体としては追加的な刺激効果をもたらし、金融環境の緩和度を高め、需要と物価安定を支える手助けをしているとの結論を今のところ下している」と記した。

マイナス金利批判派は、特に日本で成長や物価押し上げがうまくいってない点を挙げて、金融緩和よりも財政出動が必要だと主張。マイナス金利が資産バブル醸成と銀行の収益圧迫につながることも懸念している。

しかしIMFは、これまでのところマイナス金利によって低リスクの国債からの資金流出が促進され、企業の借り入れコストが下がっているとの見方を示した。

また銀行にとっては純利ざやが下がっているものの、マイナス金利導入後の貸出金利は総じて低下したと指摘した。

一方でIMFはマイナス金利の効果には限度があるとした上で、あまり長期にわたると現金決済が拡大して政策効果が損なわれると警告した。さらに長期的には、生命保険会社や年金基金、その他貯蓄資金の存在を脅かし、過剰なリスクテークを助長して金融市場のバブルを生み出す恐れがあるとクギを刺した。
http://jp.reuters.com/article/imf-g20-rates-idJPKCN0X809I

 


 

News | 2016年 04月 11日 13:41 JST 関連トピックス: トップニュース

 
焦点:揺らぐIMFの評価、ギリシャ協議めぐる文書流出で
[ブリュッセル 10日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のギリシャ支援をめぐる文書が、内部告発サイト「ウィキリークス」に公開された問題が波紋を広げている。

文書が明らかにしたのはトムセン欧州局長やギリシャ担当者のベルクレスク氏などの協議内容で、欧州各国にギリシャ債務減免の受け入れを促すために支援撤退の可能性を検討したとされた。

ギリシャのチプラス首相はこの件でIMFを「悪者」扱いにして、自身が率いる与党急進左派連合を結束させ、敵対する保守勢力を追い詰める材料に利用している。一方で欧州連合(EU)とIMFの間にくさびを打ち込んで、交渉においてトムセン局長の孤立化を図ろうともしたが、これはうまくいかなかった。

それでも、重い債務を抱えた国の救済プログラム実行者としてのIMFの評価が危機に瀕しているのは間違いない。

内部文書流出によって、既に知られていたIMFとEUのギリシャ経済の状況に関する認識や、同国が財政目標を達成して債務を持続可能な水準にするためにどれだけ努力すべきかという点での見解の相違があらためて浮き彫りになった。

さらに、IMFのスタッフがEU欧州委員会に対して、ギリシャに甘すぎるとの理由から軽蔑的な態度を取っている事実があらわになった痛手はより大きい。

文書からは、IMFがEU、ギリシャとの3つどもえの複雑な交渉において、何とかしてギリシャに痛みを伴う改革を受け入れさせながら、欧州各国にギリシャ向け債権の減免措置を認めてもらおうと動いている様子もうかがえる。

単純に言ってしまえば、IMFのギリシャ経済に対する評価はEUが示している見通しよりも厳しく、財政目標を緩めるならユーロ圏の債権者による減免措置が必須だということになる。

IMFの立場では、欧州各国が元本削減(ヘアカット)を拒絶している以上、ギリシャに対して返済期限を何十年も延長したり、利払い猶予期間を設定しなければ、緊縮措置を講じるギリシャ財政は収支のめどが立たず、改革プログラムは失敗するという。

ピーターソン国際経済研究所のジェイコブ・カークガード上席研究員は「要はわれわれが生きている間は、債務が返済されないということだ」と語り、IMFは新興諸国からの新たな出資を受ける態勢を整えつつあり、これらの国はIMFに甘い条件でのギリシャ支援参加は認めないとみている。

内部文書によると、IMFのベルクレスク氏は欧州委が共同歩調を取ることに合意しながら翌日にはギリシャ側の意見になびき、同国に厳格な改革を実行させるインセンティブを与えることができないと不満を漏らしている。またトムセン氏は、ドイツのメルケル首相がギリシャ向け債権の減免かIMFの支援撤退かを選ぶべきだとの見方を示した。

ギリシャの最大の債権者であるドイツは、大幅な債務再編に最も消極的だ。議会はIMFが前面に出てギリシャに予算削減を強制し、債務の期限延長や利払い凍結を最小限にとどめることを主張している。

今後IMF、ドイツ、ギリシャの間で繰り広げられる綱引きが交渉にどう影響するかはわからない。ただ、だれにとっても交渉撤退にメリットは見当たらないように思われる。

ドイツは欧州難民問題で「玄関番」となるギリシャへの依存度が高まっている。トルコに移民や難民を返すまでの管理手続き面で協力は欠かせないからだ。

ギリシャのチプラス政権は、ユーロ圏にとどまり続けるためにこれまでに多大な政治的資源を費やしており、今さら債権団にそっぽを向かれては立ち行かない。

そしてIMFもまたギリシャを見捨てたいとは考えないだろう。もし見捨てれば、積み重ねてきた支援実績に汚点を残すことになる。

ピーターソン国際経済研究所のカークガード氏は「IMFが手掛けてきたユーロ圏の5カ国の支援のうち4カ国では非常にうまくいっている。成功率は80%だ。しかしIMFがギリシャから手を引けば、欧州のすべての人々は、IMFの支援は失敗として記憶されるだろう」と述べた。

(Paul Taylor記者)
http://jp.reuters.com/article/eurozone-greece-review-leak-idJPKCN0X80AH?sp=true


 

 


 


起業家に託される日本「再起動」への望み
大手企業志向が深く根付いている日本に「起業エコシステム」は根付くのか
バイオジェット燃料の実用化を目指すユーグレナの出雲充社長(左)と全日本空輸の殿元清司専務(2015年12月) ENLARGE
バイオジェット燃料の実用化を目指すユーグレナの出雲充社長(左)と全日本空輸の殿元清司専務(2015年12月) PHOTO: THOMAS PETER/REUTERS
By ALEXANDER MARTIN
2016 年 4 月 11 日 13:57 JST

 【東京】東京・青山にある「ミスルトウ(Mistoletoe)」の新しいオフィスでは、高く積まれた段ボール箱が仮のパーティションの役割を果たしている。そこでは起業家たちが集まり、自分たちの最新プロジェクトに取り組んでいる。

 典型的な日本企業のオフィスに見られる堅苦しさとは無縁のこうした空間は、ミスルトウの創業者である孫泰蔵氏(43)が望んでいるものだ。孫氏は数々の企業を立ち上げたシリアル・アントレプレナー(連続起業家)で、ソフトバンク・グループの創業者である孫正義氏の実弟だ。

 孫泰蔵氏はミスルトウについて、新規ビジネスを「共同創業」するプログラムだと表現。「日本は人材もカネもあるが、なかなかシリコンバレーのようにならないのはエコシステムが形成されていないから。エコシステムをきちんと作っていくことが重要だと思った」と述べた。

 日本がウォークマンや新幹線を生み出していた頃、中国にはハイテク業界の存在さえ無いに等しかった。しかし現在では、阿里巴巴集団(アリババグループ)など中国発の新興インターネット企業が世界的大手に成長するなか、日本企業は後れを取っている。かつて世界を席巻した自国のハイテク業界が苦闘するなか、日本は経済再起動への望みを起業家に託している。

 政府が新興企業への資金援助を約束するかたわら、一流大学はインキュベーター(起業支援)やベンチャー投資に乗り出して豊富な知識をイノベーションに変えるのを支援している。このほか、三菱や三井などの最古参で最大級の企業グループも起業家の育成に目を向けている。

 ここ数年は、名が知られるようになる新興企業も出てきている。ミドリムシを中心とした微細藻類の研究開発を通じて食料問題や環境問題に取り組むユーグレナは、2005年に創業し、12年に東証マザーズに上場した。現在の時価総額は1200億円を超える。フリマアプリ運営会社メルカリは13年創業で、先月に約84億円を調達し、現在は10億ドル(約1080億円)を超える企業価値があると評価されている。

 ただ、AVCJリサーチによると、昨年の日本のベンチャー投資額は総額6億2900万ドルにとどまる。米国のベンチャー投資額は591億ドル(全米ベンチャー・キャピタル協会)で、そこには雲泥の差がある。

 日本では、大手企業での仕事より起業家の道を志す人が比較的まだ少ない。東芝やシャープといった大手企業が苦戦し、企業の大きさが将来の保証にならないことが示唆されているにもかかわらず、社会には依然として大手企業志向が深く根付いている。 

 フィンランド発の起業家イベント「スラッシュ」のアジア版でインターンをしている田口佳之さん(22)の例を挙げよう。田口さん自身は卒業後もスラッシュでの仕事を続けたいと思っていたが、家族は「有名上場企業」への就職にこだわった。1カ月の話し合いを経て、彼は大手人材会社への就職を決めた。

 スラッシュアジアのアンティ・ソニネン最高経営責任者(CEO)は、日本にはロールモデルとして起業家から投資家に転身した人がもっと必要だと指摘。「こういった人なら、世界を変える次世代企業をどう構築すべきかについて最善のアドバイスを提供できる」と話す。

 これこそ、孫氏がミスルトウを通じてやろうとしていることだ。ミスルトウは新興企業の教育プログラムやピッチイベントを支援する。ピッチイベントとは、起業家が自らのアイデアを投資家に売り込む場だ。ミスルトウはこのほか、ベンチャー企業と協力し、輸送から高齢化に至るまでさまざまな分野の問題について解決法を見いだそうとしている。

新規ビジネスの「共同創業」を手掛けるミスルトウの創業者である孫泰蔵CEOin@wsj.com Published Credit: Alexander Martin/The Wall Street Journal ENLARGE
新規ビジネスの「共同創業」を手掛けるミスルトウの創業者である孫泰蔵CEOin@wsj.com Published Credit: Alexander Martin/The Wall Street Journal PHOTO: ALEXANDER MARTIN/THE WALL STREET JOURNAL
 孫氏は自らを日本の起業家の第1世代、つまり1990年代終盤のネットバブル時に新興企業を立ち上げた1人だとみなしている。当時の資金調達は悪夢のようで、起業家が入手できる資金は今よりずっと少なく、銀行は無名企業への融資に後ろ向きだったという。

 それから多くのことが変わった。現在の起業家は無名だった企業の成功を例に挙げることができる。たとえば楽天やDeNAなどは、世界的には知られていないかもしれないが、今では日本を代表するIT企業へと成長した。

 日本取引所グループによると、昨年、株式を公開した企業は過去8年間で最高の98社となった。このうち約3分の2は、新興企業向け市場の東証マザーズに上場した。

これまで孫氏が手掛けてきた新興企業には、東京大学在学中の1996年に立ち上げに参画したヤフージャパンや、「パズル&ドラゴンズ」など人気ゲームをプロデュースしているガンホー・オンライン・エンターテイメントがある。

 孫氏の現在のミッションは、数十年にわたる自身の経験を新世代の起業家に継承することだ。兄の正義氏は、ソフトバンクによる大型の海外進出(米スプリント買収やインドでの一連のハイテク投資など)を主導してきた。一方で弟の泰蔵氏は、日本の起業シーンを一から活性化することに献身しているようにみえる。

 ミスルトウは広さ400坪の「スタートアップ・スタジオ」(孫氏)で、起業家にオフィスとスタッフを用意する。スタッフには人工知能(AI)から工業デザインに至るまで、さまざまな分野の専門家が含まれている。

 孫氏は「スタートアップを立ち上げるためには優秀な人材が必要だが、すべての人材を各社が採用するのは難しいため、我々が複数の会社にアドバイスを提供するという形でやっている」と説明する。

 ミスルトウのテナントには、仮想現実(VR)ヘッドセットを開発するFOVEが含まれている。またミスルトウは約20の新興企業に直接投資しており、その中には手頃な超小型電気自動車を製造する株式会社FOMMもある。同社の電気自動車は水上走行が可能で、タイやインドネシアなど水害の発生しやすい市場向けを狙っているという。

 次に求められるのは、実際のビジネスの成功例だろう。

 日本総研の野村敦子主任研究員は 「ベンチャーを支援するスタートアップ体制は、着実に日本では活気付きつつある」としたうえで、「ただ、その人たちがきちんとビジネスを行うための運営体制を確立し、発明したアイデアを商業化に結びつけるのが重要。そこでどうしても大企業の力が必要になるが、そこの連係がまだ不十分」だと指摘する。

 「モノのインターネット(IoT)」時代の到来の伴い、ハードウェアに強みを発揮してきた日本には大きな可能性があるとみている孫氏。「日本はエスタブリッシュメントの企業が多いが、その人たちもこれから変わっていかなければならず、そういうスタートアップとの関係をもってエコシステムを形成するのが日本ならではだと思う。その橋渡しをしたいと思う」と語った。

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http://jp.wsj.com/articles/SB10650221970313844862704581654384168949882?mod=wsj_nview_latest


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