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[羅針盤]ドル安であり元安な市場
上海で開いた20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議以降、為替市場に微妙な変化が起きている。「ドル安であり人民元安だ」とシティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストはいう。
足元で円高・ドル安になっているのをみても、ドル安というのは分かる。主要6通貨に対するドル指数(1973年3月=100)は昨年12月初めには100を回復していたのに、足元は94台である。
一方の人民元。対ドル相場は、年初に1ドル=6.7元近くまで元安が進んだ後、足元は6.4元台まで持ち直した。これだけ見れば、ひとまず元安に歯止めが打たれ、元高・ドル安に向かったといえる。
元安批判に応え、中国が再び元高を容認しだしたのだろうか。そうではない。元の総合的評価を測るには、「CFETS(中国外国為替取引システム)指数」に注目する必要がある。昨年12月から公表を始めた通貨バスケットだ。
このバスケットはドル、ユーロ、円など13の通貨から構成され、ドルの比率は26.4%。残りはユーロ21.4%、円14.7%など非ドル通貨から成る。つまり、ドルが4分の1、ドル以外が4分の3の通貨バスケットである。
実際のCFETS指数(14年末=100)の値動きをみると、15年12月に101近辺だったものが、16年3月下旬には初めて98を下回った。ユーロや円の対ドル相場の上昇率が、元のそれを大きく上回っている。その結果、元はユーロや円に対して弱含み、CFETS指数も下落したのだ。
「ドル安であり元安」という現状は、米国にとっても中国にとっても都合がよい。米国はドル高による輸出企業への逆風が和らぐからだ。中国は対ドルで元高になった分、ユーロや円などの非ドル通貨に対し元安になることで、全体としては自国企業の輸出を後押しすることができる。
一方の日欧は金融緩和による自国通貨安というカードを封じられ、企業の輸出採算はきつくなる。米中が握ったと思えるような相場展開である。
(編集委員 滝田洋一)
[日経新聞4月4日朝刊P.14]
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