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出向社員に劣悪待遇 パソナ子会社「追い出し部屋」の実態
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178199
2016年3月29日 日刊ゲンダイ
出向させられた社員の待遇は悲惨だった(右は竹中平蔵パソナ会長)/(C)日刊ゲンダイ
人材最大手パソナの子会社が、大手企業の「ローパー(ローパフォーマー)社員」のクビ切りに“出向”という形で手を貸していた疑惑が浮上している。問題に挙がっているのは、パソナグループの転職支援会社「日本雇用創出機構」だ。しかも、受け入れた社員にヒドイ仕打ちをしていたという。
パソナグループのやり方は悪辣だ。
「退職勧奨制度対象者のための面談の進め方」と銘打った“首切りマニュアル”を作成。企業に対し、〈面談は1対1が望ましい〉〈会社に残ることが本人のキャリアのためにならないことを強調する〉などとローパー社員のクビ切り法を指南したうえで、企業からローパー社員を受け入れていた。
要するに企業にクビ切りを奨励し、リストラされた社員を受け入れていたという構図だ。
「機構に出向させられた社員の待遇は悲惨です。シャープの関連企業『アルバック』から出向した約50人は、転職先への訪問数のノルマを課されていたようです。待遇に耐えかねたのか、富士電機の子会社の社員は機構を相手取り訴えを起こし、いまだ係争中です。再就職支援とは名ばかりで、社員にとっては“追い出し部屋”同然だったようです。24日の参院厚生労働委で、共産党の小池晃議員が問題視していました」(メディア関係者)
機構は、旭化成やキヤノンなど株主・賛助会員となった大企業78社からリストラ対象者を出向で受け入れ、自ら転職先探しをやらせているという。この問題を国会で追及している民進党の山井和則衆院議員はこう言う。
「意に反する退職を迫られ、機構に無理やり出向させられた方からの声が、私の元に届いています。厚労省は、不当な退職強要や強制的な出向がなかったか徹底的に調査すべきです。機構がやっていることは“追い出し部屋”のアウトソーシングではないか。事実なら許されません」
パソナの竹中平蔵会長は、日本の労働市場を雇用維持型から労働移動支援型へ転換することを導いてきた。労働者を食い物にすることは許されない。
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