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雑感。北海道新幹線と国の予算
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52790534.html
2016年03月28日 在野のアナリスト
北海道新幹線の開業、地元は歓迎ムードですが、週末の乗車率は26日が61%、27日が37%と発表されました。格安航空と比べるとさほど安いともいえない価格、移動時間は空路とくらべるとやや長い、駅に近いという利便性、もしくは飛行機は嫌、という人でないと中々積極的に新幹線で、という気にはなれないでしょう。春休みのこの時期、しかも開業から2日目にして早くも試練に立たされた北海道新幹線、インフラをつくっても魂が入らなければ、それは負担ばかり重くなる無用の長物ともなります。海外からは財政出動を促す声が聞こえ、国会では与党内からもかまびすしくなる中で、サミット前にも補正予算の発表がある、ともされます。
しかし未だに震災復興の特需があり、五輪特需もある日本で、下手な財政出動は景気の首を絞めかねない。インフラをつくろうとして魂が抜け、仮死状態に陥る可能性すらにじみます。北海道新幹線が示す、インフラの整備が必ずしも成功するわけではない、という事例をみるにつけ、果たして財政出動による需要掘り起しがあるのかどうか? その議論もないまま、補正予算などが発表されるようなときは、残念な結果にしかならないのかもしれません。
明日には戦後最大規模にふくらんだ一般会計予算が成立する見通しです。ただ1億層活躍社会の実現のための予算が2.4兆円、この意味や効果すら不明な方針に、これほどの予算をつけてしまう大盤振る舞い。しかも効果がでたとて、それがよく分からないばかりか、日本にとって良いことであるとは限らない。女性活躍が今のように不足する労働力への、パートの供給体制をととのえることになっている現状をみても、日本全体を底上げする施策になるとは到底思えません。
明日には安保法制が施行されますが、安倍政権では自衛隊への予算配分は、施行の前後で変わらないとしますが、もし本当にそうなら自衛隊員は過酷な、危険な任務に、装備もととのわないまま送られることにもなります。予算が増えたら増えたで、新たな財政の圧迫要因となる。いずれにしろ日本を破滅へと導く、その一歩をふみだすことになるのかもしれません。
英国の歴史家、パーキンソン氏という方の言葉は、とても示唆的です。パーキンソンの法則としても知られ、第一法則は「仕事がなくても官僚の数は増え続ける」で、第二法則はその説明として「官僚が増えるのは仕事量が増えるからではなく、時間が余ってしまい、何とかそれを埋めようとするから」とします。その原因は大きく2つ、官僚はライバルではなく、無難な部下を増やしたがる、そして官僚は互いのために仕事をつくり合う、を挙げます。実際、これを英国の歴史に当てはめて説明します。日本においても、かなり当てはまるものといえるでしょう。
このパーキンソンの第三法則は「支出額は収入に見合った額まで増加する」です。つまり安倍政権は、税収が増えた、と成果を誇りますが、その分はすでに戦後最大の予算として歳出が決まろうとしている。まさに今の日本でしょう。ただし、その第四法則は「組織が膨張すれば複雑さを増し、複雑さは衰退をもたらす」です。安倍政権で、日本がこの状態に入ろうとしていることは、ほぼ間違いないでしょう。ナゼなら『1億総活躍』と、これ以上ないほどに組織の膨張をはかっているのですから。パーキンソン氏はここで「立派な自社ビルの建築計画は、まさにその機関、組織の崩壊点になる」とも言います。立派なインフラができても、それ以上に発展する余地を見出せなくなった日本、もうすでに崩壊点を越えそうなところには来ているのかもしれませんね。
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