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ニューヨークでも人気の尾崎牛
和牛ステーキが1000ドル!? 「尾崎牛」がニューヨークで支持される理由〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160321-00000001-sasahi-ind
dot. 3月21日(月)7時6分配信
今、海外でひそかなブームとなっている「尾崎牛」という和牛をご存じだろうか。但馬牛、松阪牛、神戸牛、米沢牛、宮崎牛、石垣牛などなど、全国の産地がしのぎを削り、まさに百花繚乱(りょうらん)の和牛業界にあって、ひときわ異彩を放っているのが「尾崎牛」だ。
その成功の理由を、『コンセプトのつくり方 たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法』の著者である山田壮夫氏に解説してもらった。山田氏は、電通の広告マンでありながら、「雪降り和牛 尾花沢」などといったローカルの商品開発・ブランド構築にも携わるという異色の経歴の持ち主だ。
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最近、地方でいろんな取り組みをされている方々とお会いする機会が増えています。皆さん、情熱があって、他にはない何かを考えようと必死で取り組んでいらっしゃいます。でも、なかなかうまくいかないことも多いようです。私は、その大きな理由が「ビジョンの欠如」にあるのではないかと思っています。
他にはない新しい「コンセプト」をつくるためには、「ビジョンと現実」「ターゲットと商品・サービス」、このふたつの軸を行ったり、来たりして考えなければなりません。そして皆さん、どうやったら「ターゲット」に自社の「商品・サービス」を手に取ってもらえるか、よく考えていらっしゃいます。一方、「ビジョン」については無頓着なケースが多いように思います。
経営学者のジム・コリンズによれば「ビジョン」とは「単なるカネもうけを超えた基本的価値観と目的意識」「現実的な理想主義」といったことを指します。ビジネスをする以上、お金もうけ大切ですが、それだけでは十分じゃないと言うのです。「事業を通じて社会に貢献しようという思い」、ここがピシッと定まっている事業者さんは強いということなのです。
たとえば、いま世界を席巻している「尾崎牛」もビジョンがピシッとしています。実は宮崎で生産されているから宮崎牛と言えなくもないのですが、あえてそうは名乗らず、尾崎宗春さんが生産しているから「尾崎牛」です。私も当初は、そんな「生産者の顔が見える和牛」というアプローチがユニークだから成功したんだろうな、と思っていたのですが、実際に尾崎さんにインタビューしたら、鍵はビジョンでした。
尾崎さんの師匠にあたる黒木法晴さんは昭和40年代、海外の牛肉に対抗する牛づくりをするために肉量と肉質、どちらを優先するか大激論になった時、その答えを探すために当時の給料の25倍もの私費を投じてヨーロッパに視察へ出かけました。そこで和牛の競争力を確信し、量ではなく質の追及にかじを切ったのです。以来「宮崎が動けば世界が動く、かくありたい」とおっしゃっていたと言います。その薫陶を受けた尾崎さんは、和牛畜産を始めた時から「世界の和牛」を考えていたそうです。
尾崎牛が世界から評価される理由は、最初からその覚悟で商品づくりや流通を考えていたからなんだと思います。ニューヨークでは尾崎牛のステーキが1000ドルのコース料理のメインを飾るほどの人気らしいですよ。
あるいは、群馬県に「山高食品」という玉子焼き屋さんがあります。ここもビジョンが明快なんです。「玉子で世の中を幸せにしたい」それだけ。だから製造するプリンは牛乳を使わないでつくるレシピなんです。ものすごく玉子濃厚な味で、他にはない味わいの商品がつくれていますよね。これも、ビジョンがあるから、です。
これとは逆に、ある銘柄牛が得意な精肉店さんと商品開発のお話をしていたら「別にその和牛じゃなくても、豚でも、鶏でも、なんなら魚でも肉でも売れれば何でもいいですよ」とおっしゃっていて、困惑したことがあります。それでは考える領域がさっぱりわからないからです。何かスイーツをつくろうとしたときに「いかに玉子を主役にするか」だけを考えればよかった山高食品さんとは対照的ですよね。
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インタビューに登場した山高食品の牛乳を使わないプリン「天国のぶた」は、人気のテレビ番組「嵐にしやがれ」の取材を受けるなど、メディアへの露出も多いようだ。
物があふれ類似商品に事欠かない現代だからこそ、どうやって他社と違いを出すか考える前に、いま一度、なぜそのビジネスをやっているか、という原点に戻ることが必要なのかもしれない。
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