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選択と集中に舵を切りつつある楽天の三木谷浩史会長兼社長(写真:産経新聞)
ついに楽天が壁にぶち当たった 通販サイトの成長鈍化、アジアサイトも閉鎖、電子書籍低迷 その原因は…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160309-00000549-san-bus_all
産経新聞 3月10日(木)10時5分配信
高成長を続けてきた楽天が転機を迎えている。日本のネット通販でトップを走り続けてきた楽天市場は競合との争いなどで成長が鈍化。シンガポールなど東南アジア3カ国のネット通販サイトを3月末に閉鎖するほか、鳴り物入りで始めた電子書籍事業も減損処理を余儀なくされ、事業の選択と集中を迫られている。2月12日には同社初の中期経営計画を発表したが、アナリストからは「計画達成には、中核の楽天市場で想定以上の伸びが必要」と厳しい声も噴出。三木谷浩史会長兼社長も伸びの鈍化に危機感を募らせ、昨秋以降、自ら楽天市場のてこ入れに乗り出した。楽天はこれまでにない壁に直面している。
「ストレッチ(引き延ばした)目標を示したわけではない。もう少し行ける数字だと考えている」。2020(平成32)年までに15年12月期の2.3倍にあたる営業利益3000億円を目指す中期経営計画の発表に際し、三木谷氏はこう述べた。
3000億円の内訳は、楽天市場などの国内EC(電子商取引)が1600億円と5割強を占めている。目標達成のためには、楽天市場を今後も順調に伸ばす必要があるのは明白だが、ここにきて国内EC事業は伸び悩んでいる。15年12月期の同事業の営業利益は前年同期比4.6%増で、前年の伸び率から5・7ポイントもダウンした。
なぜ鈍化しているのか。ヤフーやアマゾンを中心としてネット通販各社との競争が激化しているのがその主な理由だ。
新規事業開拓に奔走していた三木谷氏が昨秋から楽天市場事業に費やす時間が増えたという。ドイツ証券の風早隆弘シニアアナリストは「昨年7〜9月期の楽天市場の売上高は当社の調査では12%増だった。しかし、アマゾンは30%増で、三木谷氏は『アマゾンに比べてなぜ伸びないのか』と悩んでいるはず」と推察する。
三木谷氏は成長に向けた具体策として、70以上の楽天グループのサービスを使えば使うほどポイントの倍率が増えるという「楽天経済圏」の強化と、スマホからの楽天市場利用者の拡大、品質向上を挙げ、「おかしな商売をする出店者が全くいない状態を必ず実現する」と話す。
楽天市場担当の河野奈保執行役員も「数を追うことは一切ない」と強調。ヤフーは13年の出店料無料化で37万店に達したが、楽天は現在の4万4000店の出店者を増やすことよりも、1店舗ごとの売り上げを増やすことが重要とみる。品質向上に向けては、13年の楽天イーグルス優勝セールの際に問題になった二重価格などの不正行為を徹底して排除。“正攻法”での売上高の向上を目指す。
ただ、競合を意識した動きも。ヤフーの出店料無料化を意識したようにもとれる出店料割引きプランを昨年11月ごろからスタート。新規出店者に対し、これまでの最安値の約4分の1の月額4900円で出店を呼びかけている。河野氏は「テスト的に行っているもので、今後このプランを促進するとは決めていない」と話すが、アマゾンの大口出品料と同額でもあり、「競合2社を意識したプラン」と出店者は受け止めている。
三木谷氏が12年夏に「日本で世界で読書革命を起こしたい」とぶち上げた電子書籍事業も暗礁に乗り上げている。15年12月期決算で、11年に傘下に収めたカナダの電子書籍企業「コボ」を78億円ののれん減損処理したのだ。三木谷氏は「収益改善できているとみていたが、監査法人はそう判断しなかった」と悔しさをにじませたが、今後も買収した海外企業が減損の原因になる可能性がある。
海外事業をめぐっては、シンガポール、マレーシア、インドネシアのオンラインショッピングサイトを3月末までに閉鎖することも決めた。いずれも11〜14年に始めた新しい事業だった。今後は、一般消費者同士で中古品などを取引するフリーマーケットアプリ「ラクマ」を1日から提供を始めた台湾に続いて現地向けに提供する。東南アジアでショッピングサイトの立ち上げに携わった元社員の男性は「人件費などのコストを考えると採算はとれていなかった。現地の競合と戦うためにはマーケティング費用を増やす必要があったが、その投資が将来の成長には見合わないと判断したのだろう」と解説する。
「選択と集中をしないといけない」。三木谷氏は昨年から特にこう口にするようになったという。この言葉通り、海外の不採算事業を見直し、楽天市場のてこ入れに自ら力を入れている三木谷氏の経営姿勢を、風早シニアアナリストは評価する。一方で、中計で180億円の赤字から200億円の黒字に転換すると目標を立てた電子書籍事業など「その他インターネット事業」の見通しについては、「楽天の電子書籍がここからさらに普及するとは考えにくい」と話す。そのほかのネット事業の黒字転換が厳しい以上は、本丸の楽天市場で目標を上回る成長を示す必要がある。
競合も牙を磨く。大幅なポイントアップキャンペーンや有料会員向けサービスで楽天やアマゾンを追うヤフーは、今年は商品検索の改善に乗り出す。ヤフーや楽天には商品データベースがないため、例えば「お茶」と商品検索すると、「お茶に合う和菓子」などまで検索結果の上位に出てくるなどの不便さがある。この解消のために、ヤフーは「お茶」と検索しても、検索した後で選択する人が少ない検索結果を下位に表示するなど、検索エンジンを調整する。「検索が悪いといわれるわけにはいかない。検索のヤフーのプライドがある」。ヤフーの小沢隆生執行役員は意気込む。
一方、配送の無料化や迅速化で先行するアマゾンは、有料会員「アマゾンプライム」向けのサービスを加速度的に便利にしている。音楽の聞き放題などにまでサービスを拡大し、支持を拡大。同社がドルベースで公表している売上高は、14年で前年比3.5%増、15年で4・4%増と着実に増えている。
各社がさまざまな施策をめぐらす中で、楽天市場を再び2ケタ成長に戻すのは、二重価格表示などの不祥事の克服よりも、風早氏は「さらに難しい」と話す。再び成長をたぐり寄せられるかは、拡大路線から、選択と集中への転換に大なたを三木谷氏が振るえるかにかかる。伸び悩む個人消費の牽引役としても、ネット通販各社の競争への注目は高い。(大坪玲央)
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