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ふるさと回帰支援センターの実務者研修セミナー
荒廃した東京から田舎へ人の大移動のうねり…安い生活コスト、豊かな自然
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14143.html
2016.03.08 文=編集部 Business Journal
未曾有のマイナス金利時代に突入した。アベノミクスの幻想が破綻し、サラリーマン家庭を取り巻く環境は確実に悪化している。実質賃金は上がらないのに、生活必需品は続々と値上がりしている。
そのため、自然に恵まれ生活コストが相対的に低い田舎暮らしに憧れる人が増えている。それは認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表した「移住希望地域ランキング2015」の結果からも明らかだ。調査は昨年1月から12月まで、同法人が運営する「ふるさと暮らし情報センター」の来場者を対象に行った。
ベスト3は、(1)長野、(2)山梨、(3)島根だった。回答者数を見ると2011年の406人から14年は2885人に増え、そして15年は4325人となった。
実際の移住相談件数はどうか。2月16日に行われた実務者研修セミナーで、センターの代表理事を務める高橋公氏が実績を報告し、抱負を語った。
「昨年4月、(ふるさと暮らし情報センターに)22県1政令市があらたに相談員を配置し、12月には2県増えて現在、29県1政令市となりました。その結果、1カ月の相談件数が悲願の1000件を超えて7月には2619件に達し、月平均2000件となっています。これを2019年までに月5000件、年間6万件の相談件数を目指します」
移住への関心が高まったのには2つの契機があった。08年のリーマン・ショックと11年の東日本大震災および福島原発事故である。リーマン・ショック後は、仕事もなく閉塞感の漂う都会から、活躍の舞台を求めて地方への移住を希望する若者、単身世帯が増えた。大震災後は安心・安全を求めて子育て世代の移住が増えたという。
今回の調査では、移住希望者は20代と30代合わせると全体の45%を占め、なかでもUターン(県出身者の地元回帰)希望者が前年の25.5%から35.6%へと10ポイント増えた。若い世代のふるさと志向が高まっていることをうかがわせる。
■躍進県は島根、広島、高知、秋田、そして九州勢
あらためて順位を見てみよう。
(1)長野【2】、(2)山梨【1】、(3)島根【8】、(4)静岡【7】、(5)岡山【3】、(6)広島【18】、(7)高知【19】、(8)秋田【14】、(9)大分【−】、(10)宮崎【−】、(11)富山【9】、(12)長崎【16】、(13)香川【10】、(14)山口【15】、(15)新潟【5】、(16)福島【4】、(17)熊本【6】、(18)岐阜【−】、(19)鹿児島【−】(20)和歌山【20】、(同)三重【−】
*【】内は前年順位。−はランク外。
長野県はこの5年間で4回目のトップで、根強い人気がある。Iターン(都会出身者の地方移住)希望者が89%超と圧倒的に多い。3位の島根は前年の8位から大幅に順位を上げた。20〜30代が50%超で、県下の全自治体が一体となり県を挙げて受け入れ態勢を整備したことから認知度が高まった。広島、高知、長崎も順位を上げた。
広島は県の移住定住サイト「HIROBIRO」が大幅に閲覧数を増やしている。高知は20〜30代が6割超と若年層の人気が高い。秋田はUターンが56%ある。従来から行っていたAターン(秋田への移住を総称した独自の呼称)相談窓口のふるさと回帰支援センター内での常設により相談しやすくなったためとみられている。
注目は九州勢が存在感を高めたことだ。トップ20に福岡、佐賀を除く5県がランクインした。なかでも大分、宮崎、鹿児島の3県は前年のランク外から躍進した。同センターは「首都圏において九州の人気の高さを伺わせる結果となった」と分析している。
■ユニーク動画、地域おこし協力隊、専従職員の積極支援
首都圏から遠く離れた九州の人気が高まっている理由は何か。躍進した5県はいずれも昨年からふるさと回帰支援センターに移住相談員を配置し、首都圏での情報発信を強化した点が共通している。九州勢で最上位に入った熊本は、「熊本で『暮らす』という、心地よさ。」と名付けた移住セミナーを昨年1月から10月末までに同センターで5回も開催している。
ユニーク動画が認知度アップ、イメージアップにつながった、との指摘もある。
「たとえば大分は、『おんせん県おおいた』をPRする動画がネットで大ヒットし、テレビでも何回も取り上げられました。動画には地元住民がボランティアで登場し、その方言がまた良いので、温泉と大分県民の人柄の良さに憧れた人は多いはずです。
宮崎県では、フランス人が登場する動画が人々の心をつかみました。豊かな自然の描写や人との触れ合いを美しい映像美で紡いだものです。みなさん、動画を二度見したのではないでしょうか。この動画の目的はまさに移住促進でした。鹿児島も美しい自然を伝える動画が人気になりました。地方発の動画による情報発信力が、移住希望ランキングにも反映したのではないでしょうか」(ジャーナリスト)
宮崎県小林市の移住セミナー
地方の活性化事業に取り組む「地域おこし協力隊」の存在も見逃せない。都市から地方へ住民票を移動し、その地に居住して地場産品の開発・販売・PRなど地域おこし活動を行う移住者を支援する制度で、15年3月末までに任期を終了した隊員は945人。その約6割が同じ地域に定住している。同一市町村内に定住した隊員の約2割は起業しているという。九州の5県の隊員数は約150人(14年度)に上る。
「2月上旬に移住セミナーを開いた宮崎県の小林市も隊員の受け入れ先です。セミナーでは隊員の方が養蜂家として定住するというプランを語っていました。隊員の受け入れに当たっては国から1人当たり400万円を上限とする支援金が出ます。移住者、地方自治体の双方が制度をうまく活用しているケースが九州では増えているのではないでしょうか」(同)
滝廉太郎が「荒城の月」の構想を練った岡城があることで知られる大分県竹田市は、この5年間で移住者182人の受け入れに成功した。市が専従の職員を配置し、移住希望者の仕事や住まいの相談に乗る。同時に工芸や陶芸など技能を持つ人を対象とした「歴史・文化資源活用型起業支援事業補助金」を設け、支援体制を拡充している。
加えて九州には、海、山、川そして温泉といった豊かな自然がある。生活のコストも、相対的に抑えることができる。仕事と住まいに加え、子育て環境が整備されれば、九州への移住者はさらに増えそうだ。
(文=編集部)
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