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コラム:マイナス金利がもたらす「水没世界」=竹中正治氏(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/265.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 03 日 23:39:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

コラム:マイナス金利がもたらす「水没世界」=竹中正治氏
http://jp.reuters.com/article/column-masaharu-takenaka-idJPKCN0W33X3
2016年 03月 3日 15:53 JST


竹中正治龍谷大学経済学部教授
 3月3日、龍谷大学経済学部の竹中正治教授は、日銀のマイナス金利政策がもたらす効果と影響については、誤った理解が流布していると指摘。提供写真(2016年 ロイター)


[東京 3日] - ケビン・コスナー主演の米SF映画「ウォーターワールド」(1995年)をご存知の方は多いだろう。水没した世界で、人々はわずかに残る水上の空間や陸地を求めてもがき争う。


欧州諸国のマイナス金利に加え、日銀のマイナス金利導入によって10年物前後までマイナス利回りとなった国債市場は、債券投資家にとってさながらこの「水没世界」の到来だろう。その中長期的な効果と影響について考えてみよう。


その前段として、日銀によるマイナス金利導入について、誤った理解が流布しているので、まず、それについて2点、解説しておく必要がある。


<誤解その1:銀行が日銀当座預金に資金を寝かしているから融資が増えない>


メディアの解説などでよく見かける誤りの第1は、「日銀が民間銀行から国債を大規模購入しマネーを供給しているのに、民間銀行は日銀の当座預金に資金を寝かしておけばリスクなしに0.1%の利息が得られるので融資を十分に伸ばさないでいた。今回のマイナス金利導入でようやく銀行の尻にも火がつくだろう」という理解である。


これは全くの間違いだ。実は民間銀行が融資を伸ばしても、日銀当座預金残高は変わらない。具体的な例で示そう。単純化して民間銀行は1行だけだと想定する。私が銀行から5000万円の住宅ローンを借りると、銀行のバランスシート上に資産として「住宅ローン5000万円」が計上される。同時に銀行の負債サイドにある私の普通預金に5000万円が入金され、預金残高が増える。私が住宅の売り主に5000万円を払うと、私の預金はその分だけ減り、売り主の預金が5000万円増える。以上の金融取引は銀行が日銀に置いている当座預金残高をなんら変化させない(下の図表1参照)。



もちろん現実には複数の銀行があり、私の支払先が他の銀行(B銀行)の預金口座であれば、私に融資した銀行(A銀行)の預金は5000万円減り、同時に銀行間の決済によりA銀行の日銀当座預金残高はその分減り、B銀行の同残高が同額増える。しかし、銀行業界全体の日銀当座預金残高は全く変わらない。これは融資と預金が両建てで増減する銀行の信用創造の基本原理である。


正確に言うと、銀行は預金残高に応じて一定の残高を日銀当座預金に置くことを義務付けられている。これを所要準備額と呼び、現在約9兆円だ。融資(=預金残高)が5000万円増えると、銀行の所要準備額が5000万円に準備率を掛けた分だけ増える。


「日銀当座預金残高=所要準備額+超過準備額」であるから所要準備額が増え、超過準備額は同額減る。今回導入されたマイナス0.1%金利は、超過準備額の今後の増分にのみ課され、所要準備額には課されないので、銀行にとってその分だけ損益的な変化が起こる。ただし、現行の準備率は流動性預金の場合、最高でわずか1.3%なので、極めて微細な損益変化でしかない。


<誤解その2:銀行が国債保有を増やすと融資が増えない>


第2の誤解は、「銀行は融資が伸びないので(あるいは伸ばさないで)国債での資金運用を増やした。ところが今回のマイナス金利導入で期間10年近くまで国債利回りがマイナスになったので、銀行がもっと融資を増やす圧力になるだろう」というものだ。これもマクロで見ると基本的に間違いである。


銀行業界全体のバランスシートで資産サイドの主要な項目は、融資残高が709兆円、国債と財融債が245兆円(そのうち、ゆうちょ銀行の保有が98兆円)、日銀当座預金残高が233兆円、一方負債サイドの預金は1337兆円となっている(日銀資金循環表、2015年9月末時点)。すなわち預金残高が融資残高を上回る「預貸超過」である。


この預貸超過の度合いは銀行により違うが、銀行業界全体で預貸超過になっているのは、別に銀行が貸し渋っているからではない。その原因は、実は政府の毎年30兆円を超える財政赤字と国債発行の結果である。


これも銀行が1つだけ存在する単純化した例で考えるとわかりやすい(次ページの図表2参照)。政府が30兆円の財政赤字予算を組んで、30兆円の国債発行で資金を調達するとしよう。国債が民間銀行によって引き受けられると、銀行の資産サイドに国債保有30兆円が計上される。その対価として日銀当座預金から30兆円が引き落しされ、日銀に置かれた政府口座に30兆円が入金される。その後、財政支出が行われると民間銀行は政府の支払い依頼を受けて受け取り手である個人や企業の預金口座に30兆円を振り込む(預金増)。同時に政府口座から民間銀行の日銀当座預金に30兆円が振り返られて決済が終了する。



もちろん国債の購入者は銀行だけではないので、法人や個人が銀行から国債を購入すると銀行の資産サイドから国債保有は減り、同時に購入者の銀行への支払いで預金も減る。証券会社を経由して投資家が国債を購入した場合も、経路が長くなるが、同じことになる。すなわちノンバンクの法人や個人投資家が発行された国債を全部購入するという極端なことがない限り、銀行には国債保有増と預金増が資産負債両建てで残ることになる。


融資による信用創造のケースと国債引き受けのケースの違いは、前者は民間銀行限りの信用創造で起こるが、後者の銀行の国債引き受けは最初に日銀当座預金残高がないと起こり得ないという点である。もちろん銀行業界全体が融資を増やしても、既述の通り融資と預金両建ての原理が働くだけなので、国債保有額が減少することはない。こうしたマクロの金融の原理については、銀行関係者でも勘違いしている場合が少なくない。


<量的金融緩和の本質>


以上理解すると、日銀の量的金融緩和の本質もはっきりする。日銀に保有国債を売るたびに民間銀行の国債保有残高は減少し、代わりに日銀当座預金残高が増える。ただそれだけのことだ。ゼロ金利下で銀行が所要準備額をはるかに上回る日銀当座預金残高を保有している現状では、融資の増減と銀行の国債保有残高や日銀当座預金残高との直接的な関係性は失われている。


では、量的金融緩和や今回のマイナス金利は、どのように効果をあげるのか。リフレ派は一般に次のように理解している。


1)時間軸効果:ゼロ金利(あるいはマイナス金利)が長期に持続するという予想から生じる長期金利の低下。


2)ポートフォリオバランス効果:日銀が国債を大規模に購入すると、その分だけ民間のポートフォリオが変化し、民間投資家が社債や株式、不動産、海外証券の購入を増やす効果(資産効果や円安効果への波及)。


3)インフレ期待効果:長期間にわたる「異次元緩和」がインフレ期待を高めることで実質金利(=名目金利−期待インフレ率)が下がり、借り入れによる投資や消費が増える。


ただし、昨年10月27日の本欄「日本に灯る円高デフレ回帰の黄信号」で書いた通り、雇用の回復にもかかわらず賃金上昇率が抑圧されている現状では、こうした金融緩和もその効果は限界に近づいており、このままでは景気回復の持続もインフレ目標の達成も危ういと私は考えている。


現在の株価の下落や円高への戻りは、中国リスクを筆頭に新興国経済の不振やそれと表裏をなす資源価格の下落による投資家層のリスクオフ(リスク回避)による部分が大きいが、同時にアベノミクスが掲げてきた「インフレ期待」の剥げ落ちという面もあると警戒的に考えておくべきだろう。


<マイナス金利の波紋はどこまで広がるか>


今回のマイナス金利効果の別の側面にも目を向けておこう。まずインフレ目標が未達成のまま現行の量的緩和やマイナス金利が解除されることはなさそうなので、長期国債のマイナス利回りを含めて現下の事態は長期化するだろう。その結果、第1に長期債券投資主体の機関投資家にとってマイナス金利は長い「水没世界」の始まりとなる。


長期債券からの収益依存度が高い機関とは、ゆうちょ銀行、生保、年金、一部の地銀などである。現時点では債券価格が一段と上がった(利回りが下がった)ことで評価益が発生しているが、問題は今後の新規債券投資がマイナスリターンになることだ。


また、住宅ローンをはじめ各種融資金利も一段と下がり始めているが、銀行にとっては一般の預金金利がゼロ金利の壁でマイナスにならない以上、利ザヤはさらに圧縮され、逆転すらあり得る。ゆうちょ銀行をはじめ銀行株全体が大幅に下がっているのはそのためだ。


ただし、銀行にも逆転のチャンスがないわけではない。これを機に銀行が普通預金や当座預金に手数料を求めるようになるかもしれない。これは他国を見ても決して異例なことではない。例えば米銀では小切手の決済サービスを提供しているチェッキングアカウントなどには昔から手数料が課せられることが一般的だ。一方、日本の銀行は自動引き落としという便利な決済サービスを提供しながら、これまで預金者から手数料を明示的に徴収することはなかった。例えば、ゆうちょ銀行が手数料徴収を開始すれば、他の民間銀行も追随するだろう。


第2の効果は、財政収支に与える効果だ。発行されている国債の平均残存期間は8年である(15年3月末時点)。15年度の予算では約10兆円の国債利払い費が計上されている。この国債利払い費はかねてより毎年度実際よりも大きめに計上されてきたものだが、今後次第にゼロ金利あるいはマイナス金利の新規債に乗り換えられれば、利払い費もゼロに近づく。10兆円は消費税率4%分に匹敵する規模だ。


ただし、マイナス利回りで発行された新発債は「市中消化」されても、その多くは日銀が保有することになるだろう。その場合はマイナス利回りによる財政的な損得は、ほとんど政府と日銀の間の損得に過ぎない。将来国債利回りが上昇した場合、日銀は既存の国債保有残高から莫大な損失を被る。それは政府がマイナスの資金コストを享受した益と表裏一体であり、政府・日銀間の損得の振り換え(政府による日銀への資本補填など)をすれば済む問題だとも言える。


<現金通貨の廃止で可能となる「完全水没世界」>


さらにマイナス金利の深化はあり得るだろうか。黒田日銀総裁は必要ならもっとマイナス幅を拡大することができると語っている。しかし、一般の預金金利がゼロの壁に阻まれてマイナスにならないとすると、既述の通り銀行の利ザヤは圧縮されるばかりで、合理的な金利形成が阻害される。一方、現行のまま一般銀行預金にマイナス付利をすれば、預金者は大規模な現金(日銀券)引き出しという防衛行動に出るので、無効化されてしまう。


その限界を破る方策はある。ちょっと空想的になるがご説明しよう。例えば、日銀券とコインを廃止して、すべて銀行預金とつながったキャッシュカードで決済することにすれば可能だ。今日これは技術的には全く可能だ。海外からの旅行者にはプリペイドカードでも買っていただこうか。 


例えば、預金金利はマイナス1.5%、融資金利(例えば短期プライム金利)はマイナス0.5%というマイナスの金利階層が合理的に形成されれば、金融システムはマイナス金利下でも正常に機能し得る。この例の場合、銀行は預金者からより多くの利息を徴収することで1%の利ザヤを確保しながらマイナス金利で融資をすることになる。


ゼロインフレ下でも名目金利がそれ以下のマイナス0.5%であるから、企業や個人は融資を受けて0.5%の利息を受け取りながら、投資や消費をするモチベーションが高まり、景気浮揚効果が生じるだろう。このようなことが実現できれば、デフレに対して完全マイナス金利という究極の金融政策を日本は確立したことになる。これは金融政策史上の画期的なイノベーションになりそうだ。


ただし、マイナス金利は、資産価格について理論的に興味深い問題を提起する。金融投資理論では株式のファンダメンタルな価値とは、将来にわたって得られる配当(あるいは残余利益)を期待リターン(割引率)で割り引いて計算する現在価値の合計だ。例えば、半永久的に存続できる企業が毎年1株当たり100円の配当をすると予想できるなら、期待リターン10%(=無リスク資産利回り5%+リスクプレミアム5%)の場合、ファンダメンタルな株価は1000円(=100/0.1)となる。


ところが、無リスク資産としての国債利回りがマイナス5%に近づくと割引率は急速にゼロに接近するので、現在価値の合計は急増し、割引率ゼロで無限大になってしまう。半永久的に存続する企業も、無限大の株価もあり得ないので、あくまでも理論的上の問題に過ぎないが、マイナス金利は原理的には株式をはじめ不動産など収益性の資産に対して価格押し上げ効果があるということだ。


ともあれ、最終的に物価が上がり始めたら、日銀は当座預金金利のマイナス付利をゼロ、さらにプラスに戻すことで現在の米連邦準備理事会(FRB)と同様の手法で利上げが実施できる。当座預金金利の付利を0.5%に上げれば、銀行間の資金貸借市場であるコール市場やレポ市場の金利も0.5%に上がる。後は先ほど述べた国債利回りの上昇(価格下落)による日銀の損失をマイナス金利の利益の最大の享受者だった政府が補填すれば済む。


預金金利がマイナスになることには預金者は強い不満を抱くだろうが、インフレ率が例えば2.5%だった時に金利1%の預金で1.5%の実質マイナス金利(購買力の減少)を甘受していた80年代までの事情と実質では同じである。


以上のような「完全水没世界」が黒田総裁の胸中にあるかどうかはわからない。しかし現実には、強い貨幣錯覚を抱いている預金者は多いので、このような「完全水没世界」は、その前提となる日銀券の廃止など制度変更を要するために政治コンセンサスを得られそうにない。残念なことだ。


*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職、経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)


 

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1. 2016年3月04日 09:39:44 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[281]

Business | 2016年 03月 4日 08:39 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
日銀審議委員に新生銀の政井貴子氏を提示へ=関係筋

[東京 4日 ロイター] - 3月末に任期を迎える日銀の白井さゆり審議委員の後任として、政府は新生銀行(8303.T)執行役員の政井貴子氏を衆参両院に提示する方針を固めた。任期は5年。

白井氏は1月の金融政策決定会合でマイナス金利導入による追加緩和に反対した。安倍政権による金融政策を核とする成長重視の経済政策運営に理解のある第一人者として人選が進められたもよう。人事案は4日に衆参両院がそれぞれ開く議院運営委員会理事会で示す。
http://jp.reuters.com/article/boj-policy-board-idJPKCN0W52T7

Business | 2016年 03月 4日 01:42 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

米FRBは利上げ判断で忍耐強くあるべき=ダラス連銀総裁

[オースティン(米テキサス州) 3日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は、金融環境のひっ迫による米経済成長への影響に言及し、米連邦準備理事会(FRB)は利上げに関して忍耐強くあるべきとの考えを示した。講演原稿で述べた。

年初からの世界的な株価、および原油相場の下落やドル高が米経済に対しブレーキをかけており、利上げと同様の効果をもたらしていると指摘。

過剰な金融緩和は雇用や資産配分、投資決定における歪みや不均衡という代償を伴うが、「現在の状況では、FRBは緩和解除の決定に関して忍耐強さを示すべきだ」と述べた。

一方で、総裁はガソリン安の恩恵を受けて個人消費は堅調などとして、米経済は今年、底堅く推移するとの見方を示した。今年の米国内総生産(GDP)伸び率は1.9%程度を見込むとし、現在4.9%の失業率を一段と押し下げるのに十分な水準とした。

金融政策は依然として緩和的としながらも、世界的な金融環境の引き締まりを背景に、年初と比べていく分緩和度合いが低下していると指摘。FRBは金融ひっ迫や世界経済減速による米経済への影響を注視する必要があると述べた。
http://jp.reuters.com/article/usa-fed-kaplan-idJPKCN0W521Y


米国株:上昇、エネルギー株に買い−4日発表の雇用統計に注目 (1)
2016/03/04 07:42 JST

    (ブルームバーグ):3日の米国株は上昇。エネルギー株が上げをけん引した。市場参加者は米労働省が4日に発表する雇用統計に注目している。
S&P500種株価指数のエネルギー株は年初からの下げを埋めた。この日は銀行株が午後に入って騰勢を強めた。一方、ヘルスケア関連株とテクノロジー株は売られた。マイクロソフトは1.1%下落。最大のスーパーマーケットチェーン、クローガーは今年の売上高の伸び鈍化見通しが嫌気され、下落した。
S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1993.40。ダウ工業株30種平均は44.58ドル(0.3%)上げて16943.90ドル。ナスダック総合指数は0.1%上昇した。
リッジワース・インベストメンツ(アトランタ)のシニアストラテジスト、アラン・ゲイル氏は「投資家は雇用統計に備えている」と述べ、「米金融政策当局が予測する4度の利上げを支持するような動きがあれば相場を動かす材料になるだろう。雇用統計で大幅な雇用者増加が示されれば、近い将来の追加利上げ観測が再燃することは間違いないだろう」と続けた。
この日発表された経済統計のうち供給管理協会(ISM)が発表したISM非製造業総合景況指数は4カ月連続で前月から低下した。また1月の製造業受注は予想を下回る伸びとなった。週間新規失業保険申請件数の動きは安定した労働市場と一致した。
世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏は、2008年のような金融危機ではなく、低リターンと変動しやすい金融市場を投資家は想定するべきだと述べた。
ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者であるダリオ氏はテキサス州オースティンでブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じ、「私は株に関して弱気ではない」と発言。「2008年のようなものは予想していない。なぜなら2008年は債務危機だったからだ」と話した。同氏は寄付基金のテキサス大学投資管理会社(UTIMCO)がオースティンで開いた会議に出席した。
市場動向によると、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが決定する確率は10分の1にも満たないが6月までの確率は35%と、1週間前の24%から上昇した。12月の利上げでは64%程度が織り込まれており、先週の36%から大きく伸びた。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は2.3%低下し16.70と、昨年12月29日以来の低水準となった。2月11日に5カ月ぶりの高水準をつけてからは41%低下した。
S&P500種産業別10指数のうち8指数が上昇した。エネルギー株と金融株が特に上昇。ヘルスケア関連株は0.4%下げた。
チェサピーク・エナジーは26%高。死亡した同社のオーブリー・マクレンドン元最高経営責任者(CEO)が不正入札を共謀した罪で起訴された事件で、同社は米司法省のリニエンシー(制裁措置減免)制度の下で訴追を免除されている。
原題:U.S. Stocks Fluctuate Near 8-Week Highs Before Payrolls Report(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HF26SYF01Z01.html

Business | 2016年 03月 4日 07:20 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ドル下落、ISM非製造業雇用指数悪化で=NY市場

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。2月の米供給管理協会(ISM)非製造業総合指数の雇用指数が悪化し、4日の米雇用統計発表に向けて労働市場をめぐる懸念が高まった。

ユーロ/ドルEUR=の1日としての上昇率は、3週間超ぶりの大きさとなっている。

2月の米ISM非製造業総合指数は53.4と市場予想の53.2を上回ったものの、内訳の雇用指数が49.7と前月の52.1から低下し、節目となる50を2014年2月以来初めて割り込んだ。

アナリストによれば、雇用指数で米労働市場への懸念が高まり、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退した。

ユーロ/ドルは約1週間ぶり高値の1.0972ドルに上昇。

リバーサイド・リスク・アドバイザーズ(ニューヨーク)のマネジング・ディレクター、ジェイソン・レインワンド氏は「きょうの指標は市場の懸念を少しばかり高めるのには十分だった。明らかに市場のFRBの今年の利上げ見通しはますます弱まっている」と述べた。

終盤のドル/スイスフランCHF=は0.53%安の0.9905スイスフラン。またドルの主要6通貨に対するドル指数.DXYは、一時約1週間ぶり安値の97.46に下落した。一方ドル/円JPY=は堅調推移で、終盤0.07%高の113.53円だった。

きょうのユーロの上昇については、欧州中央銀行(ECB)が次週10日の理事会でユーロ安のための追加緩和をめぐって不透明感が増していることによる買い戻しだと指摘するアナリストもいる。

BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)のFX戦略部門グローバル責任者、グレッグ・アンダーソン氏は「市場参加者のECBの大規模緩和期待はしぼんでいる」と語った。

ドル/円 NY時間終値 113.62/113.66

前営業日終値 113.37

ユーロ/ドル NY時間終値 1.0958/1.0964

前営業日終値 1.0861
http://jp.reuters.com/article/ny-forex-idJPKCN0W52NS


金が2013年以来の強気相場入り、逃避先求める買いで
2016/03/04 07:54 JST

    (ブルームバーグ):金相場が2013年以来の強気相場入りとなった。株式市場の混乱が続く中、逃避先を求める投資家の買いが入っている。
金のスポット価格は3日、1オンス=1264.25ドルで終了。昨年12月に付けた終値ベースの安値から20%上げ、強気相場の一般的な定義を満たした。
原題:Gold Snaps Back to Bull Market as Prices Surge on Haven Demand(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HIPH6KLVS001.html



米国債:30年債が上昇、原油相場が上げ縮める−雇用統計控え (1)
2016/03/04 07:45 JST

    (ブルームバーグ):3日の米国債相場は30年債を中心に上昇。労働省はあす4日、2月の雇用統計を発表する。
30年債のパフォーマンスが他の年限を上回ったことから、同年債利回りの2年債に対する上乗せ幅は縮小し、2015年1月以降での最小に近づいた。金融政策に最も敏感な2年債の利回りはほぼ変わらず。
ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は原油相場が上げを縮めたことが「米国債には若干の支援要因となった」と分析した。
債券市場のインフレ期待の指標である10年物ブレークイーブンレートは10営業日連続での上昇となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月15ー16日に会合を開く。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、2月の雇用統計では雇用者の19万5000人増加が見込まれている。1月は15万1000人増だった。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.66%。同年債(表面利率2.5%、2046年2月償還)価格は17/32上げて96 3/4。    
原題:Treasury 30-Year Bonds Advance Before February Employment Report(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HC5J6JIJUO01.html


米銀BofA、トレーディングと投資銀で約150人の削減計画−関係者
2016/03/04 08:22 JST

    (ブルームバーグ):米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、トレーディングおよび投資銀行で約150人を来週削減する計画だ。8日に対象者に通知する予定。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
個人情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、今回の合理化は、トーマス・モンタグ最高執行責任者(COO)が推進する経費節減の動きに伴うもので、実績の芳しくない行員を対象とする定期的な人員整理の一環として行われる。広報担当のジョン・イアナコプロス氏は、コメントを控えている。
原題:BofA Said Poised to Cut 150 Jobs in Trading, Investment Banking(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HKWP6KLVRR01.html

米ゴールドマンが債券部門で5%強の人員削減計画−関係者 (1)
2016/03/04 06:41 JST

    (ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループは債券部門でトレーダーやセールス担当者の5%強の削減を計画している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
同関係者が匿名を条件に語ったところによると、債券部門の人員削減の対象は10%未満となる。同社は先月、ニューヨーク州労働局に43人のリストを提出し、全社的な削減の第一弾を通知していた。
ゴールドマンは通常、新規採用の余地を作るため毎年この時期に業績の下位5%を削減しているが、その比率を超えることもある。事情に詳しい関係者1人は1月、今年の削減では業界全般に広がる収益低迷を踏まえ債券部門でより大幅な削減を検討していると述べていた。
同州ウェブサイトに掲載された文書によれば、ゴールドマンは解雇を5月9日から7月1日の間に正式に実施すると説明。今月から4月にかけて従業員に知らせるという。
原題:Goldman Sachs Said to Cut More Than 5% of Fixed-Income Jobs (1)(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HCZG6KLVRA01.html


Business | 2016年 03月 4日 04:37 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米2月ISM非製造業指数は小幅低下、雇用2年ぶりの節目割れ

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が発表した2月のISM非製造業総合指数(NMI)は53.4と、前月の53.5から小幅低下した。ただ市場予想の53.2は上回った。

同指数は50が景況拡大、悪化の分岐点となる。

一方、内訳の雇用指数は49.7と、前月の52.1から2.4%ポイント低下。2014年2月以来初めて節目の50を割り込んだ。

だが過去にも雇用指数が低下しながら、労働市場全体の悪化にはつながらなかった経緯があり、エコノミストは深読みは避けるべきとしている。

キャピタル・エコノミクスの米経済エコノミスト、ポール・アシュウォース氏は「一見すると懸念材料だが、以前にも同様の状況があった。また他にはサービス部門の雇用減速を示す兆候は見られない」と述べた。

一方、マークイットが発表した2月の米サービス購買担当者景気指数(PMI)改定値データでは、雇用指数は堅調さを維持した。ただ全体のサービスPMIは、北東部を襲った大雪が重しとなり約2年半ぶりの低水準となった。

ISMデータでは、景気指数は57.8と、前月の53.9から上昇し、予想の54.0を上回った。

新規受注指数は55.5と、前月の56.5から低下。価格指数は46.4から45.5に低下した。
http://jp.reuters.com/article/us-ism-service-index-dip-in-feb-idJPKCN0W5280


World | 2016年 03月 4日 04:33 JST 関連トピックス: トップニュース
昨年のブラジルGDP、過去25年で最大の落ち込み

[ブラジリア 3日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した2015年の国内総生産(GDP)は3.8%減少し、1990年以来最大の落ち込みとなった。

企業が設備投資を縮小し150万人超を削減する中、2016年も3.45%のマイナス成長が見込まれている。2年連続でこれほど大幅な落ち込みが続けば、統計を開始した1901年以降で最も長く、深刻なリセッション(景気後退)となる。

ブラジルは過去最悪とされる景気後退に陥る中でも、インフレ率が高止まりし、中銀は利上げを余儀なくされている。これに商品(コモディティ)市況の悪化や汚職スキャンダルが追い討ちをかけているほか、昨年終盤には深刻な被害をもたらした鉱山ダム決壊や石油業界では20年ぶりの大規模なストライキが発生した。

かつては世界で第7位の規模を誇ったブラジル経済だが、これで成長率は20カ国・地域(G20)内で最低となった。

野村の中南米担当エコノミスト、ホア・ペドロ・リベイロ氏は「今年も同程度のマイナスとなるだろう。成長エンジンはまだ見えない。輸出が唯一期待できる分野だが、ブラジル経済は比較的閉ざされており、この苦境から脱するには不十分だ」と話した。

第4・四半期のGDPは前四半期比では1.4%減、前年同期比では5.9%減だった。市場予想はそれぞれ1.5%、6%の減少だった。

第4・四半期GDPの内訳では、農業が唯一の明るい材料で、前四半期比2.9%増加した。工業、サービスはいずれも1.4%減少した。

家計消費は1.3%減と、4四半期連続のマイナスだった。投資も4.9%落ち込んだ。政府支出も2.9%減と、四半期としては2008年末以来の大幅な減少ペースとなった。
http://jp.reuters.com/article/brazil-economy-gdp-idJPKCN0W52FQ


Business | 2016年 03月 4日 02:35 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米製造業受注、1月は1.6%増 7カ月ぶりの大きな伸び

[ワシントン 3日 ロイター] - 米商務省が3日発表した1月の製造業受注は前月比1.6%増と、昨年6月以来7カ月ぶりの大きな伸びとなった。3カ月ぶりにプラスへ転じた。市場予想は2.0%増だった。

前月の数字は2.9%減から修正はなかった。

ドル高や世界的な需要の鈍化を背景に米国の輸出は減少し、経済の約12%を占める製造業は低迷している。原油安を受けてエネルギー企業が支出を削減していることや、企業が積み上がった在庫を解消していることも重しとなっている。

ただ、製造業の弱含みも終わりがみえてきたようだ。今週発表された2月の製造業景気指数は上昇し、景況感の改善を示した。先月発表された1月の鉱工業生産指数も底堅く伸びた。

1月の製造業受注は幅広い分野で増えた。輸送機器は11.4%増加した。

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民間設備投資の先行指標となるコア資本財(資本財から国防関連と航空機を除く)の受注は3.4%増。

国内総生産(GDP)で企業の設備投資の算出に使われるコア資本財の出荷は0.4%減だった。

在庫は7カ月連続で減り、在庫解消が進んでいることを示唆した。これは将来的に製造業の追い風となる可能性があるが、第1・四半期は引き続き在庫解消の動きが重しとなりそうだ。

出荷に対する在庫の比率は1.36と、昨年12月の1.37から低下した。

受注残高は0.1%増。過去4カ月のうち3カ月プラスとなっている。
http://jp.reuters.com/article/us-manu-orders-turn-up-in-jan-idJPKCN0W526P

Business | 2016年 03月 4日 01:46 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
500ユーロ紙幣と犯罪の関連性、ドイツ連銀理事が否定

[ロンドン 3日 ロイター] - ドイツ連邦銀行のティーレ理事は3日、500ユーロ紙幣を廃止すれば、テロリズム対策に役立つとの見解に反論した。

廃止すれば、市民が享受する「自由」が徐々に失われかねないとして危機感を示した。

欧州中央銀行(ECB)は、500ユーロ紙幣の廃止検討を表明している。高額紙幣が存在することで、多額の現金を保管したり、運んだりすることを望む犯罪者を利するとの認識が背景にある。

ティーレ氏は会合で、現金利用制限やより高額の紙幣廃止で、「テロリストや他の犯罪者の違法行為を本当に阻止できるのかは疑問だ」と指摘した。

その上で「政府はどのような理解に基づいて、こうした案を策定するのか。われわれは自問すべきだ。市民を全面的な疑いに掛けるべきでない」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/500-euro-notes-not-related-to-criminals-idJPKCN0W522M


日本株は4日ぶり反落へ、円安一服と連騰反動−米雇用統計見極めも
2016/03/04 08:02 JST

    (ブルームバーグ):4日の東京株式相場は4日ぶりに反落する見通し。為替がやや円高方向で推移しているほか、日経平均株価が直近3連騰中に900円以上上げており、週末を前に反動売りが出やすい。米国雇用統計を見極めたいとのムードも午後にかけては広がり、電機や輸送用機器など輸出株、直近の上昇が目立った海運、銀行株などが安くなりそうだ。
みずほ信託銀行の浅岡均シニアストラテジストは、「円が切り上がった関係で、欧米に比べると日本株の戻りは鈍い。上値の重さは出ている」と指摘。海外の景気後退に対する懸念、原油や人民元といった不透明要素が大きく変わったわけではなく、「安定化はしてきたが、一気に円安が進み続けられる状況ではない」と言う。
米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の3日清算値は1万6845円と、大阪取引所の通常取引終値(1万6990円)に比べ145円安だった。
けさのドル・円相場は1ドル=113円70銭付近と、前日の日本株の終値時点114円12銭に対しやや円高方向で推移している。また、直近3日間の日経平均は933円上昇、心理的節目の1万7000円に迫っているため、週末を前に上げ一服感が出やすい状況にもある。3連騰中の東証1部33業種の上昇率上位は海運や鉱業、銀行、証券など。これらセクターには損益確定売りが先行する見通しで、輸出株とともに軟調に始まる公算が大きい。
米国供給管理協会(ISM)が3日に発表した2月の非製造業総合景況指数は、53.4 と前月の53.5から低下した。雇用項目は2014年2月以来、初めて50を下回り、全体では4カ月連続のマイナス。米労働省の発表によると、2月27日終了週の新規失業保険申請件数は前週比6000件増の27万8000件、市場予想は27万件だった。
日本時間今夜には2月の米雇用統計が発表される。市場予想は、非農業部門雇用者数が前月比19万5000人増、失業率は4.9%。みずほ信託銀の浅岡氏は、「雇用統計を控え動きにくい。為替も大きく動いているわけではなく、日本株はここ2日でだいぶ上げたため、むしろ下落する可能性の方がある」としている。
また、3日のニューヨーク原油先物は0.3%安の1バレル=34.57ドルと小幅に反落。米国での在庫急増と生産減少の間で綱引きとなった。米エネルギー情報局(EIA)によると、生産は6週連続で減少し、14年11月以来の最低となった。鉱業や石油株の売り材料になりやすい。
米主要株価指数の3日終値は、S&P500種株価指数が0.4%高の1993.40、ダウ工業株30種平均が0.3%高の16943.90ドル。欧州では、ストックス欧州600指数が0.5%安と反落。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O3HJ326JTSEI01.html




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