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長期金利 初のマイナスに:マイナス金利導入は「異次元量的金融緩和」の“終わりの始まり”
http://www.asyura2.com/16/senkyo201/msg/235.html
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[大機小機]黒田総裁からのメッセージ
日銀がマイナス金利導入を宣言して以降、メディアでコメントするエコノミストは悩ましかろう。株価や為替が乱高下する中で、経済のファンダメンタルズを語っても何も説明できない。テレビのワイドショーも取り上げるくらいだから国民的関心は高いが、その意味合いを経済学者のように理解できる人は多くない。黒田東彦日銀総裁も罪なことをしたものである。
無理もない。マイナス金利の日銀政策決定会合の表決は5対4だった。反対した4人は黒田総裁が着任した2013年に「使命を果たしてこなかった」と厳しく批判した白川方明前総裁時代に就任している。
黒田総裁が掲げた「2年で2%の物価上昇」という目標は未達だ。遅れを取り戻そうとマイナス金利に踏み込んだが審議委員の亀裂があらわになった。中央銀行の力を信奉する傾向が強い英フィナンシャル・タイムズのマーチン・ウルフ氏すら、マイナス金利に積極的評価を与えていない。
マイナス金利で日銀が狙う円安になったとしても効果は限られよう。むしろ、原油価格反転の方が物価を押し上げるかもしれない。法人企業統計や企業決算集計を見るとリーマン・ショック以降、非製造業を中心に中堅中小企業が自己資本を手厚くし、現金をため込んでいる。限界的に金利が下がっても、本来借り入れに頼る傾向が強いはずの企業に資金需要が乏しい。景気刺激効果には検証が必要とされるゆえんだ。
そもそもマイナス金利を採用するほど経済は悪いのか。実質GDP(国内総生産)が前期比年率1.4%減だった昨年10〜12月も海外からの所得を考慮に入れた実質GNI(国民総所得)は同0.3%増と5四半期連続でプラスだった。
結局のところ大事なのは、いかに内需の成長力を引き上げ、中国減速などの影響を抑えるかだ。労働市場改革など散々言われている課題に取り組まねばならない。そんな当然すぎるメッセージは人々の心に届かないから、黒田日銀が手の込んだ形で必要性を再認識させてくれたとでも考えてみたらどうだろうか。
改革には抵抗がつきまとう。問われるのは政治の意思だ。国民が与えた多数議席という政治的資産を無駄遣いするなら、マーケットが安倍首相を見限っても不思議ではない。
(三剣)
[日経新聞2月25日朝刊P.21]
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