10-12月期の米GDP改定値、エコノミストはこうみる DJANSEZIAN/BLOOMBERG 2016 年 2 月 27 日 06:52 JST 米商務省が26日発表した2015年10-12月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率換算1.0%増と、速報値の0.7%増から上方修正された。エコノミストの見方は以下の通り。 −ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのジム・オサリバン氏 手短に言えば、在庫による重しが以前より小さくなるなど、GDPの上方修正の内容は悪かった。これはおそらく、今後ある時点でより大きな足かせになることを意味する。ただ全体では今回の統計が見通しに大きな影響を及ぼす可能性は低い。在庫がまだやや重しになっていたとしても、これまでに得られた1-3月期のデータは1.0%からの(成長)加速を示している。われわれは1-3月期の成長を2.3%と予想している。 −TD証券のミラン・マルレーン氏 貿易収支の純赤字が下方修正され、この分野の成長へのマイナス効果が当初推計の-0.47ポイントから-0.25ポイントへと小さくなった。一方、消費行動は2.2%から2.0%に引き下げられ、経済の主要分野である消費が従来考えられていたよりも弱かったことが明らかになった。全体としてみると、総合値は予想を上回ったが、統計の基調的なトーンは見た目ほどではなかった。消費行動の下方修正はGDPの主要項目の軟化を示唆しており、在庫の大幅な上方修正は1-3月期GDP追跡調査の低調につながるだろう。 −クレディ・スイスのダナ・サポルタ氏 設備投資の上方修正も注目に値する。この項目は速報値の極めて弱い-2.5%から-1.8%に修正された。エネルギー業界が引き続き苦戦していることを踏まえれば、設備投資の大幅な回復はまだ数四半期先となるかもしれない。 −アマースト・ピアポイント・セキュリティーズのスティーブン・スタンレー氏 総じて、実質最終需要は速報値に比べわずかに縮小した。だが消費支出は1-3月期に回復する見込みで、実質国内需要の伸びが再び1.4%を下回ることはないだろう。(米経済分析局は)7-9月期の賃金・給与基準データを所得推計に盛り込んだ。これにより、賃金・給与所得の四半期の伸びは約260億ドル下方修正されたが、年率では引き続き堅調な3.2%となった。10-12月期も同様に3.2%から2.5%へと下方修正された。その結果、10-12月期の貯蓄率は5.4%から5.1%に低下した。 広告
米国株(26日):下落、物価上昇の兆候で追加利上げ早まるとの観測 (1) 2016/02/27 07:40 JST (ブルームバーグ):26日の米株式相場は下落。経済指標で物価が上昇しつつある兆候が示されたことから、追加利上げが従来予想より早まるとの観測が強まり、景気に対する楽観が弱まった。ただ週間ベースでは2週連続の上昇となった。 この日はもみ合う展開が続いた。経済成長やインフレの指標を受けてドルが上昇し、海外で大きく事業を展開する一部企業の株式が売られた。コカ・コーラなど生活必需品株が安い。一方で経済成長をめぐる懸念の後退で素材株は上昇。産銅大手フリーポート・マクモランは4.4%上げた。 S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1948.05。ダウ工業株30種平均は57.32ドル(0.3%)下げて16639.97ドル。ナスダック総合指数は0.2%上昇した。 ライノ・トレーディング・パートナーズ(ニューヨーク)のチーフ株式ストラテジスト、マイケル・ブロック氏は「市場には強い確信があるわけではない」とし、「これはレンジ相場にとどまることを示している。原油相場の安定化や中国人民銀行総裁の発言、米国内総生産(GDP)、個人消費支出(PCE)を受けて相場は上昇した。GDPは全くひどい内容というわけではなく、PCEもやや改善した」と述べた。 この日発表された1月の米PCE統計では、金融当局がインフレ目標の基準とするPCE価格指数が前年比で1.3%上昇と、2014年10月以来の大幅な伸びとなった。PCEも8カ月ぶりの大幅増加となった。また10ー12月(第4四半期)のGDP改定値は、速報値から上方修正された。 こうした経済指標を受けて、先物トレーダーらが織り込む年内の利上げ確率は上昇。6月利上げの確率は前日の24%弱から35%に高まった。また12月利上げの確率は52%(前日36%)に上昇した。株価が大きく下げていた今月11日の時点では、12月利上げの確率は11%に低下していた。 ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの株式トレーディング責任者、トーマス・ガルシア氏は「金融当局がインフレ率に注目しているのは間違いない。徐々に上昇しつつあるようだ」と指摘。「問題は経済がそれほど好調ではないということだ。経済が減速しつつある状況でのインフレ率上昇は望ましくない」と続けた。 中国人民銀の周小川総裁は26日、中国当局には金融政策面で行動する余地が残されていると述べた。 S&P500種は今週1.6%上昇。特に銀行やテクノロジ−関連が上げを主導した。今週は原油相場も安定化の兆しを見せた。 シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は3.7%上昇し19.81。月初来では約2%低下となっている。 S&P500種の業種別10指数は6指数が下落。公益事業株の指数は2.7%安とここ3カ月で最大の下げ。債券利回りの上昇で配当の魅力が薄れた。生活必需品株は5週間ぶりの大幅安。一方で素材や金融、エネルギーの指数は上げた。 原題:U.S. Stocks Slip as Signs of Inflation Temper Optimism on Growth(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O36BAHSYF01U01.html
NY外為(26日):ドル、12月以来の大幅高−米GDP予想上回る (1) 2016/02/27 07:46 JST
(ブルームバーグ):26日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇。ドル指数は2カ月ぶりの大幅高となった。市場予想を上回る経済指標が相次ぎ、米国の成長見通しが強まった。 ドルは円に対して、1カ月ぶりの3日続伸となった。米商務省が発表した第4四半期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比1%増と、速報値の0.7%増から上方修正された。1月の米個人消費支出(PCE)は8カ月ぶりの大幅増加となった。PCE価格指数は伸び率が2014年10月以来の最大となった。 中国の景気減速やユーロ圏および日本のインフレ低迷で米国の経済成長は押し下げられるリスクがあるとの懸念が広がっていたが、この日の統計内容はその懸念を緩和する一助となった。 ステート・ストリート・グローバル・マーケッツの北米マクロ戦略責任者、リー・フェリッジ氏は「米金融政策当局の見通しと市場が織り込んでいる見通しは信じ難いほど一段とかい離しているようだ」と述べ、「ドルにとっては強材料だが、ボラティリティの高い通貨にとっては弱材料だ」と続けた。 ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.7%上昇して1231.01。昨年12月17日以来で最も上げた。 ドルは対円で0.9%上昇して1ドル=114円。ドルは対ユーロで0.8%上昇して1ユーロ=1.0934ドル。 米金融政策当局は入手する経済データを精査し、景気が追加利上げを受け入れられるかどうかを見極めようとしている。米国の政策金利は昨年12月、約10年ぶりに引き上げられた。 トレーダーは年末までの追加利上げを53%織り込んでいる。昨年12月31日時点では93%が織り込まれていた。 フランクリン・テンプルトンの債券担当シニアバイスプレジデント 兼ディレクター、ロジャー・ベイストン氏は「米金融政策当局が慎重なペースで短期金利を引き上げる軌道にあることが示される兆候はすべてドルにとって支援材料となろう」と述べ、GDP統計は「実際のところはおおむね熱過ぎず、寒過ぎずといった内容だが、リセッション懸念をもたらすほど寒くはなかった」と続けた。 原題:Dollar Climbs Most Since December as U.S. Growth Tops Forecast(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O36B9T6VDKHT01.html 米国債(26日):下落、経済成長やインフレの指標が予想上回る (1) 2016/02/27 07:37 JST
(ブルームバーグ):26日の米国債相場は反落。この日発表された経済指標が相次いで市場予想を上回ったことを受けて、利上げの道筋に関する予測を見直す動きが広がった。 米金融政策期待に最も敏感とされる2年債利回りは昨年12月以来の大幅上昇となった。市場では利上げの織り込みが進み、2年債と10年債の利回り差は2007年以来の最小となった。 3月15、16両日に開催される次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、市場は金融政策の見通しを検証している。先物市場の動向は次回の利上げが2017年後半になるとの見方を反映している。FOMCが昨年12月に公表した予測では、2016年に4回の利上げが示唆されていた。1月の米個人消費支出(PCE)統計では金融当局がインフレ目標の基準とするPCE価格指数が前年比で2014年10月以来の大幅な伸びとなった。これを受けて市場ベースのインフレ期待指標は上昇した。ただ、PCE価格指数は当局目標の2%をなお下回っている。 ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は「米国のリセッション(景気後退)に関する大げさ過ぎるほどの不安はある程度和らいだのではないか」と指摘。「米国の成長ペースはよく言っても緩慢という状況だが、今四半期は昨年第4四半期よりは若干良好となりそうだ」と述べた。 ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.76%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)価格は14/32下げて98 24/32。 2年債利回りは7bp上昇の0.79%と、終了ベースでは1日以来の高水準。 米経済指標は価格指数や経済成長、消費支出、消費者マインド指数がすべてエコノミスト予想を上回った。 ジェフリーズ・グループのマネーマーケット・エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「経済指標の全体的なトーンがやや変化しており、それが売りの要因となっている」と述べた。 シティグループの米経済サプライズ指数は3日連続で上昇してマイナス21.4と、年初来の高水準付近となっている。同指数は依然マイナス圏にあり、統計が予想より悪いことを示唆している。今年の最低はマイナス55.7。 ブルームバーグがまとめたオーバーナイト・イン デックス・スワップ(OIS)データによると、デリバティブ(金融派生商品)市場では年末までの利上げ確率は53%として織り込まれており、前日時点の38%から上昇した。この算出は次の利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が0.625%になるとの仮定に基づく。 米財務省が実施した7年債入札(発行額280億ドル)の結果は最高落札利回りが1.568%となった。同入札は前日から延期されていた。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2009年以来の低水準だった。 原題:Treasuries Plunge as Economic Growth, Inflation Exceed Forecasts(抜粋) NY原油(26日):週間では8月以来の大幅高−産油国協議への期待で 2016/02/27 06:01 JST (ブルームバーグ):26日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。週間では上昇し、昨年8月以来の大幅上昇となった。米国の燃料需要に拡大の兆しが見えてきたほか、産油国による生産水準の維持協定へ進展がみられるとの観測が背景。ベネズエラ石油相は前日、産油国が3月会合の開催地を協議していると述べた。 エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「市場には心中穏やかではない売り持ちの投資家が大勢いて、石油輸出国機構(OPEC)とロシアの協議に関するコメントに反応している」と解説。「これまでに何度も繰り返されたことだが、それでも市場はこうした話に反応し続ける」と述べた。 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比29セント(0.88%)安い1バレル=32.78ドルで終了。週間では約11%の値上がり。ロンドンICEのブレント4月限は19セント下げて35.10ドル。 原題:Oil Caps Biggest Weekly Gain Since August Amid Producer Talks(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O369FZSYF02201.html
英国、さらなる歳出削減の必要性も=財務相
By NICHOLAS WINNING 2016 年 2 月 27 日 04:42 JST 【ロンドン】英国のオズボーン財務相は26日、政府が来月発表する新年度予算案で一段の歳出削減に踏み込まなければならない可能性があると述べた。経済成長が期待されていたより小さく、世界的なリスクも増していることを理由に挙げた。 上海で開催されている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席中のオズボーン財務相は現地で英BBC放送とのインタビューに応じ、支出削減が必要な場合、最初に検討するのは政府予算のさらなる効率化だと語った。同総裁は3月16日に年次予算を提出する予定だ。 オズボーン財務相は年初から、世界経済が2016年を通して「種々のリスク」に直面し、英国の成長を減速させる恐れがあると繰り返し警告していた。最近発表された1月の公的部門収支は、税収が予想を下回り、今年度の借入額目標が未達となることがほぼ確実となった。25日発表の英国内総生産(GDP)改定値も一部の予想を下回った。 英財務省が公表したインタビュー原稿によると、財務相は「英国の新たな統計でGDPは予想を下回り、世界のリスクが増大する中、英国もその影響を免れない」と指摘した。 「従って、英国は資金力の範囲内でしか負担することができないため、さらなる支出削減に着手する必要があるかもしれず、この点を予算に反映していく」と言明した。
Business | 2016年 02月 27日 02:30 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス フォワードガイダンスは強力で有効な手段=米SF連銀総裁
[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米サンフランシスコ(SF)地区連銀のウィリアムズ総裁は、将来の政策金利の方向性を説明する指針であるフォワードガイダンスについて、強力で有効な政策手段との認識を示した。 ニューヨークで開催の米金融政策に関するフォーラムで、フォワードガイダンスに懐疑的な有力エコノミストが展開した批判に反論した。 エコノミストらはフォワードガイダンスにより、市場は経済指標に敏感でなくなり、過度なリスクテークを助長しかねないと主張。中銀はデータ次第で、事前に確信を持って予測できないとの立場を強調すべきだとした。 これに対し、ウィリアムズ総裁は債券市場のデータへの反応は鈍っていないとする自身の分析を説明。事実上のゼロ金利政策では、どの程度据え置かれる見通しであるか明確かつシンプルな指針を示すことは、複雑でデータを条件とするメッセージよりも優れた金融政策手段だとし、「強い文言によるフォワードガイダンスは大きなハンマーのように必要な時は強力な手段となり得る」と述べた。 一方で、いつどのような状況で使用するかについては配慮が必要としたほか、「将来の金融政策に関する曖昧な手掛かりは効果が薄いようだ」とした。 http://jp.reuters.com/article/usa-fed-williams-idJPKCN0VZ2F3
指標次第の政策判断、市場に不意打ちも=パウエルFRB理事
By KATE DAVIDSON 2016 年 2 月 27 日 04:48 JST 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事は26日、今後の経済指標に基づき利上げ経路を決め、会合ごとに判断するというFRBの計画は「ときに市場に不意打ちとなる可能性が高い」との見方を示した。 パウエル理事はニューヨークで講演し、「(連邦公開市場委員会=FOMC)参加者の多くが『指標に左右される』とし、極めて予測しやすく指標に反応しない経路をたどるものではないと言明した」と指摘。「予測可能性が低いということは、意外性の多さを意味する」と述べた。 同総裁はシカゴ大学ブースビジネススクール主催の会合で、FRBの時間軸及び統計に基づく指針の利用を評価した論文について議論した。時間軸に基づくデータで起こりうる問題については「現実のものであり、論文で詳しく記述されている」とした。 その上で、「こうした区別がこの異例の時代においてFOMCの市場との対話で成功と課題を左右する中心的役割を担ってきたか、あるいは将来の改善に役立つかは確信していない」と続けた。 また、FOMCが政策声明で両方の指針を組み合わせずに済ませることは難しいとの見解も示した。 だが、FRBは1月の政策声明で、フェデラルファンド(FF)金利のさらなる調整を検討するにあたり「目標とする最大雇用と2%のインフレに対し、実現したものと予想される経済情勢について(委員会は)評価する」と記した。 パウエル理事は、「この文言は委員会が金融危機の際に用いた時間軸に基づく指針から遠ざかったことを示している」と述べた。 FRB関係者の予測を示すドットチャートは「総じて」市場と委員会に役立つものだと指摘。FRBは四半期ごとに公表する経済予測に予想分布図を追加することも検討しているが、予測をめぐる不確実性が強調され、「その結果、政策経路をめぐり相当な不確実性が存在する」ことになると述べた。 パウエル理事はこの日、目先の景気見通しに言及しなかった。 Business | 2016年 02月 27日 02:51 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 米FRBの指標に基づく政策運営、市場を驚かせる可能性=理事
[ワシントン 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル理事は26日、FRBが経済指標に基づいて金利の道筋を決めるとしていることについて、定期的に市場を驚かせることになるとの見解を示した。 同理事はニューヨークで開かれた金融政策に関する会合で、「指標に基づき、毎回の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定を行うことで、市場を折りに触れて驚かせる可能性がある」と述べた。 パウエル理事の発言に先立ち、金融機関や大学のエコノミストが中央銀行は特別の場合を除いて時間枠に基づいたフォワードガイダンスの導入を避け、金利は経済指標に沿って動くことを強調する必要があるとする報告書を発表。 パウエル理事は、政策の道筋を伝達するにあたり、時間枠に基づいたガイダンスと指標に基づいたガイダンスの組み合わせを避けるのは現実的には難しいとの見解を示した。 また、FOMCメンバーの金利予測の分布を示す「ドットチャート」と市場の見方との間にかい離があるなどと批判が出ていることについては、批判は当然との認識を表明。 「ドットチャートは、経済見通しは先行不透明で、政策の道筋をめぐってもかなりの先行き不透明感が存在することを強調する一助となる」と述べた。 http://jp.reuters.com/article/fed-powell-idJPKCN0VZ2H7
Business | 2016年 02月 27日 02:27 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 上海G20開幕、麻生財務相「金融市場の不確実性高まっている」 [上海/東京 27日 ロイター] - 麻生太郎財務相は26日深夜(日本時間27日未明)、上海で開催されている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の1日目の討議終了後、記者団に対し、「世界経済は緩やかに回復に向かっているが、足元の金融市場における変動と不確実性が高まっている」との見解を示した。 金融市場の動揺は、原油価格の下落が一因とされているが、麻生財務相はネガティブだけではなくポジティブな影響の両方を考慮する必要性について提案した。 中国経済については、同国当局として具体的スケジュールを伴った中期的な構造改革の計画や、人民元の安定策を含んだパッケージを示す必要があると指摘した。資本流出の問題に関しては、G20の作業部会で具体的に検討することを提案した。 日本の経済財政運営については、2020年度の基礎的財政収支(PB)黒字化達成を見据え、経済再生と財政健全化の両立に取り組むとした。 G20声明では、通貨安競争の回避に関する文言が盛り込まれるとみられており、麻生財務相は「コミュニケにきちんと書いてあると思う」と述べた。 *内容を追加して再送します。 (梅川崇 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/aso-g-idJPKCN0VZ27P
Business | 2016年 02月 27日 02:11 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 米1月個人消費支出0.5%増、コアPCE4年ぶり高い伸び [ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した1月の個人消費支出は前月比0.5%増と底堅く伸びた。市場予想の0.3%増を上回った。支出が幅広い分野で増えた。例年並みの冬の気温に戻ったことで暖房需要も増大した。基調的な物価は4年ぶりの高い伸び率を示し、米連邦準備理事会(FRB)が今年利上げを進める可能性を残す結果となった。 消費支出は国内総生産(GDP)の3分の2以上を占める。昨年12月は当初発表の横ばいから0.1%増へ上方修正された。 個人消費支出は、最近発表された製造業や雇用関連の統計と合わせて、米経済が年明けに加速したことを示している。26日に発表された昨年第4・四半期GDP改定値は年率換算で1.0%増となった。 MUFGユニオン銀行(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「年明けの消費者心理は向上し、物価も上がりだした。米経済は成長の持続に向けて正しい道筋を歩んでいるという力強いメッセージを消費者は送っている」と話している。 個人消費支出統計の発表を受けて、米国債相場は下げ幅を拡大。一方で米株価は上昇した。ドル.DXYは主要通貨に対して上昇した。
消費支出の拡大とともに物価上昇圧力もみられた。FRBは物価上昇率の目標を2%としているが、それを下回る状態が長引く恐れが出ており、この日の統計は明るい材料となりそうだ。 個人消費支出(PCE)物価指数は0.1%上昇と、前月の0.1%下落からプラスへ転じた。前年同月比は1.3%上昇と、2014年10月以来の大きな伸びとなった。前月は0.7%上昇だった。 変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は0.3%上昇し、12年1月以来4年ぶりの大きなプラスとなった。前月は0.1%上昇していた。1月の前年同月比1.7%上昇で、14年7月以来の大幅上昇だった。コアPCE価格指数の前年同月比はFRBが物価の目安として注目している。前月は1.5%上昇していた。 市場ではFRBが3月に利上げするとの見方はなくなっているが、底堅い個人消費や雇用市場の強化、物価の安定的な上昇は、FRBが今年、金融引き締めを進める可能性を残すものとなっている。FRBは昨年12月、9年半ぶりに政策金利を引き上げた。 1月の個人所得は0.5%増と、昨年6月以来の大幅なプラスとなった。前月の0.3%増から伸びが加速した。 賃金・給与は0.6%増加した。一部の州で最低賃金が引き上げられたことが影響した。前月は0.2%増だった。 http://jp.reuters.com/article/us-consumer-spending-idJPKCN0VZ2D5
usiness | 2016年 02月 27日 02:08 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 米第4四半期GDP改定値、1.0%増へ上方修正
[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は、年率換算で前期比1.0%増となり、速報値の0.7%増から上方修正された。企業による在庫解消の動きが当初考えられていたほどではなかった。このことは、今年第1・四半期に跳ね返りGDPを押し下げる可能性がある。 市場は0.4%増への下方修正を予想していた。2015年第3・四半期は2.0%増、通年では2.4%増だった。 統計発表後、米株価指数の先物は一段高となった。米国債は値下がりし、ドル.DXYは主要通貨に対して上昇した。 第4・四半期の企業在庫は速報値の686億ドルから817億ドルに改定された。在庫投資の資産価値算出に関する調整を反映した。
在庫の上方修正に最も大きく貢献したのは小売業と鉱業、公益事業、建設業だった。在庫投資はGDPを0.14ポイント押し下げただけにとどまった。速報値では0.45ポイントの押し下げとされていた。 第4・四半期の在庫投資の上方改定は、今年第1・四半期の新規受注が減り、生産が抑制され続けることを意味する。 キャピタル・エコノミクスの米国担当エコノミスト、ポール・アッシュワース氏は「在庫要因による第4・四半期のGDPの押し下げ効果が弱かったことは、第1・四半期の(GDPの)回復が想定と比べて若干弱いことを意味する」と指摘。その上で「とは言っても、第1・四半期のGDP成長率は、とても健全な水準といえる年率2.5%か、それを上回ることになりそうだ。景気後退が迫っているとの懸念は後退するだろう」と話している。 原油安により油田サービスのシュルンベルジェ(SLB.N)や資源開発サービス大手ハリバートン(HAL.N)などの石油関連企業は利益が圧迫されており、設備投資の予算削減を余儀なくされている。 第4・四半期GDPの上方改定には貿易赤字が速報値と比べて減ったことも反映されている。輸入が下方修正された。貿易のGDPへの寄与度は速報値のマイナス0.47ポイントからマイナス0.25ポイントへと改定された。 機器の設備投資は速報値の2.5%減から1.8%減へと上方修正された。 GDPの3分の2以上を占める個人消費は、速報値の2.2%増から2.0%増へ下方修正された。 季節外れの暖かさで12月の冬物衣類が売れず、四半期を通して暖房の需要も少なかった。ただ1月は例年並みの冬の気温に戻り、消費には加速の兆しがある。 ガソリン価格が1ガロン当たり2ドル程度の安値にあるほか、雇用市場の引き締まりによる賃金増加、住宅価格の上昇による家計資産の押し上げ効果などにより個人消費の基礎的条件は底堅い。 住宅以外のインフラ投資は速報値の5.3%減から6.6%減へ改定された。政府支出は0.1%減で、速報値の0.7%増からマイナスに転じた。 http://jp.reuters.com/article/us-q4-gdp-idJPKCN0VZ2CR 10-12月期の米GDP、前期比年率1.0%に上方修正 By HARRIET TORRY AND ERIC MORATH 2016 年 2 月 26 日 23:46 JST 【ワシントン】2015年10-12月期の米国経済は伸びが低水準となっていたが、当初推定していた水準からは引き上げられた。企業の在庫投資が予想ほど落ち込まなかったことが背景。 米商務省が26日発表した10-12月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は前期比年率換算1.0%増と、速報値の0.7%増から上方修正された。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想は0.4%増だった。 10-12月期改定値は、消費者と企業の支出減速が重しとなり7-9月期の2%増や4-6月期の3.9%増から成長が鈍化したことをあらためて示した。 個人消費は速報値からやや下方修正された。ただ、企業の在庫投資は当初の推計ほど成長下押し要因とならなかった。在庫投資は速報値でGDP成長率を0.45ポイント押し下げたが、改定値では0.14ポイントの下押しにとどまった。 GDPの3分の2を占める個人消費は2.0%増(速報値は2.2%増)に下方修正され、7-9月期の3%増を下回った。10-12月期は消費者が財布のひもを引き締めたが、15年通年の個人消費は3.1%増と10年ぶりのペースで拡大した。 速報値で増加していた輸入は0.6%の減少に修正された。輸出は2.7%減(同2.5%減)だった。 政府支出は昨年1-3月期と10-12月期に減速した。しかし15年通年では2.4%増と前年から変わらず、GDP成長が通年でプラスに転じた2010年以降の平均(2.1%増)をやや上回った。 第4四半期の米GDP:年率1%増に上方修正、在庫マイナス寄与が縮小 2016/02/27 00:49 JST
(ブルームバーグ):昨年10−12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値から上方修正された。企業の在庫投資の上方修正が反映された。 米商務省が26日発表した第4四半期の実質GDP(季節調整済み、年率)改定値は前期比1%増と、速報値の0.7%増から上方修正された。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%増だった。7−9月(第3四半期)は2%増。 企業の在庫調整が進んでいないことから、今後製造業や設備投資が一段と減速するリスクがある。 米調査会社IHSのチーフエコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏は「この在庫の修正には驚かされる。経済の足を引っ張り続けている」とし、「在庫による足かせが1−3月(第1四半期)も続いた場合は、その余波で同四半期はやや減速する可能性がある。ファンダメンタルズはなお非常に堅調だが、短期的な不安定要素は間違いなく存在する」と続けた。 改定値では在庫投資 は817億ドル(前期855億ドル)で、速報の686億ドル増から上方修正された。この結果、GDPへの寄与度はマイナス0.14ポイントと、速報値のマイナス0.45ポイントからマイナス幅が0.31ポイント縮小した。 純輸出の寄与度はマイナス0.25ポイントで、速報値のマイナス0.47ポイントからマイナス幅が0.22ポイント縮まった。 在庫と貿易を除く国内最終需要 は1.4%増と、速報値の1.6%増から下方修正された。 一方、経済全体の約7割を占める個人消費 は2%増と、速報値(2.2%増)から下方修正された。この結果、GDP寄与度は1.38ポイントと、速報の1.46ポイントから下方修正された。 統計の詳細は表をご覧ください。 原題:U.S. Growth Revised Higher on Upward Adjustment to Inventories(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O35TE6SYF01U01.html 人民元SDR入りは幻に?資金流出が止まらない中国 改革が裏目に、いまや窮地の人民銀行総裁 2016.2.26(金) 藤 和彦 中国のサーキットブレーカー、「誤った治療法」と専門家 中国・上海の歩道橋に映し出された、急落する上海と深センの株価(2016年1月7日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News〕 中国からの資金流出が止まらない。 中国の公式統計によれば昨年の資金流出額は5170億ドルである。だが、1月25日付ブルームバーグは、「昨年全体の資金流出額は前年(1343億ドル)の約7倍の1兆ドルに達した」と報じている。 2月11日付フィナンシャル・タイムズによれば、2016年1月だけで1100億ドル以上の資金が国外に流出したという。資金流出は非公式なチャンネルでも起きており(海外との貿易額の数字を粉飾するなど)、実際の流出額はさらに大きいようだ。 「中国経済のハードランディングは不可避」とソロス氏 その主な要因は中国経済の低迷である。 中国の富裕層は、国内の不動産価格の低迷や株安の状況の中、利回りの高い投資商品(米ドル資産など)を求めて資産を海外に移し始めている(2月18日付ロイター)。 中国企業が昨年(2015年)1年間に海外企業の買収に投じた金額も、約680億ドルと史上空前の規模に達した。今年1月の新規融資額は過去最大の約2.5兆元(約43.5兆円)となったが、増加分の大半は外貨建て債務返済のためである。 昨年8月の中国政府の人民元切り下げによる通貨の先安感も資金流出に拍車をかけており、「人民元が紙くずになる前の駆け込み的な資金流出」との観測が高まっている。 その矢先の今年1月に「世界経済フォーラム」年次総会(ダボス会議)で著名な投資家であるジョージ・ソロス氏から「中国売り」発言が飛び出した。ソロス氏と言えば、1992年の「ポンド危機」、1997年の「アジア通貨危機」の仕掛け人と言われている人物である。ソロス氏は「私は予測を口にしているのではない。今それを目撃しているのだ」と発言し、「中国経済のハードランディングは不可避だ」と述べた。 昨年秋から投機筋が人民元売りを仕掛けている最中の発言だけに、中国側は悪意ある挑戦と受けとめ、国営メデイアを総動員して反論に出た。メディアは「人民元の空売りは袋小路に陥る」(新華社)、「単純な経済的衝撃をもって中国を覆すことは不可能だ」(人民日報)と必死の主張を繰り返した。しかし「資本流出は始まったばかり」と鼻息が荒い投機筋の勢いが衰える気配はない。 人民元のSDR入りが重い十字架に 中国政府にとって最後の砦は、世界の約3分の1を誇る外貨準備(昨年末時点で3.3兆ドル)である。だが、その外貨準備は昨年1年間で約5130億ドルも減少した。 3.3兆ドルあるといっても、「使える外貨準備はせいぜい1兆ドルにすぎない」という見立てがある。「中国政府高官の持ち出しで約1兆ドルの資金が消え、アフリカや中米諸国への融資で約1兆ドルが焦げ付いている」(中前忠中前国際経済研究所代表)からだ。仮に今年1月のように毎月1000億ドルのペースで減少すると、年内にも外貨準備が底をつき中国政府は人民元を支えられなくなってしまう。 中国政府としては資本規制を強化したいところだが、「人民元のSDR入り」という決定が重い十字架としてのしかかっている。 昨年11月、国際通貨基金(IMF)理事会は、特別引き出し権(SDR)の算定基準となる通貨に中国・人民元を今年10月から組み入れることを決定した。 中国政府は人民元をSDR入りさせるために、昨年夏から人民元相場を従来よりも市場実勢に従って変動させるなど一連の改革を行った。これによりIMFから「人民元はSDRの基準を満たした」というお墨付きをもらうことができた。しかし、一連の改革によって、8月に人民元が急落した。合法的に海外に資金を移せるようになったため、国内企業や個人投資家がかつてない規模で海外へ資金を流出させたからである。 そこで、人民元の下支えのために中国政府は、約4000億ドルもの外貨準備を費やすことを余儀なくされた(昨年の外貨準備減少分の約8割)。 「人民元のSDR入り」に尽力し、「中国の最も偉大な改革者の1人」とまで評価されていた周小川人民銀行総裁は、いまや窮地に追い込まれている。 周氏は、中国誌「財新」のインタビュー記事の中で、海外のヘッジファンドをはじめとする投資家が人民元の売り持ちに殺到している現状を批判すると同時に、人民元の底堅さをアピールして「元安が続く根拠はない」と主張した。 人民銀行は2月15日に、2005年7月以来最大となる人民元切り上げを行った。しかし、市場関係者にとっては「人民銀行は外貨準備の減少を懸念している」というマイナスのメッセージになってしまった。周氏はこれほど緊迫した状況でも「資本規制を引き締めるつもりはない」としているが、その対応には疑問を感じざるを得ない。 筆者が以前のコラム(「人民元のSDR採用に潜む落とし穴」)で「人民元のSDR入りの代償は極めて大きい」と懸念したとおり、そのリスクが早くも顕在化してしまったようである。 危機対応能力がない中国の指導者 ソロス氏は中国政府の無策ぶりを指摘していたが、昨年後半以降、「中国政府の指導者たちは危機対応能力がない」との認識が世界中に広まってしまっている。 中国共産党はもともと市場との対話の重要性をあまり認識してこなかった。中でも習近平体制は有無を言わさず強権で、すべての問題を抑え込む姿勢が強い。2月18日、人民銀行は1月分の月次報告を行ったが、外貨購入の残高など資金流出の目安となるデータの公表を取りやめた。 2月20日、中国政府は証券監督管理委員会(証監会)の肖鋼主席を解任した。 中国の株式市場は、昨年、約5兆ドルの時価総額が失われ、証監会は今年1月に株価が一定の値幅を超えた場合に取引を止める「サーキットブレーカー制度」を導入した。だが、市場を安定させることができず、わずか4日で停止した。そうした状況に対して、個人投資家が「投資家らの財産権を保護する職責を怠った」として肖氏を提訴するなど、証監会に対する国民の不満が高まっていた。政府は肖氏の首を生け贄に差し出した格好である。 習近平政権は金融業界に対して、全面的な反腐敗キャンペーンを加速させている。同時に、金融業界を監督管理する3つの委員会である証監会、銀監会、保監会、そして人民銀行、いわゆる1行3会に対しても、整理・合併を加速させようとしている(2月18日付大紀元)。早ければ3月の全人代等で議論されるようだが、事態をますます混乱させてしまうだけではないだろうか。 米中間の緊張はさらに高まっている 国際金融当局者も中国の現状に憂慮し始めている。2月26〜27日、中国上海で開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、中国からの資本流出を段階的に止めるための議論が焦点の1つとなっている。 2月4日付ロイターによれば、中国からの資金流出を加速させている投機的な動きをおさめるため、「人民元の一度限りの大幅切り下げ(中国版プラザ合意)が必要」との声が高まっているという。 国際的な協調介入を実施するには米国政府の協力が不可欠である。だが、中国軍の東アジア、特に南シナ海でのプレゼンス拡大によって、米中間の緊張はさらに高まっている。 2月16日、米FOXニュースは衛星写真の分析をもとに、中国による南シナ海の西沙諸島へのミサイル配備を伝えた。地対空ミサイル配備となれば、滑走路整備などとは次元が違う。これまで習近平国家主席はオバマ大統領に対し「南シナ海の軍事化は行わない」との方針を伝えていた。米太平洋軍のハリス司令官は、「習近平主席が約束を守れないことの表れである」と中国への不信感を露わにしている。 一方、中国側にも言い分がある。米軍は1月30日、西沙諸島の12海里内でイージス駆逐艦を航行させた。西沙諸島は南シナ海の中で最も中国本土に近く(海南島から約300キロメートル)、中国軍は42年間にわたり実効支配している。このため中国は、米軍が西沙諸島の領海に侵入したことに対して、「紅旗9号」長距離地対空ミサイルを急遽配備したというわけだ。その後も中国が南沙諸島に高周波レーダー施設を建設していることや西沙諸島に戦闘機と戦闘爆撃機を展開していることが明らかになってきている。 中国と軍事的な緊張が高まっている状況下で、米国が中国の資金流出を防ぐための協調介入に賛同する可能性は極めて低いと言わざるを得ない。 経済成長がなくなると国民の不満は爆発 協調介入が不可能であれば、IMFとの約束を反故にしてでも資本規制を強化するしかない。前述のダボス会議で、黒田日銀総裁は中国政府に資本規制を強化することを求めた。IMF専務理事のラガルド氏も暗に同意したようだが、一度緩めた資本取引規制を強化することは副作用が大きい。中国企業の海外での債務の借り換えが困難となるとともに新規の資金調達にも支障をきたすため、経済のハードランディングリスクが高まってしまう。 毎年18万件の暴動・抗議集会が起きている中国において、共産党の執政の正統性は「経済成長」しかないと言われている。経済のハードランディングが起きれば、抑圧された国民の不満は爆発し、中国共産党は結党以来の危機に直面するだろう。 国際政治経済が専門の瀬戸岡紘駒澤大学教授は、「すべての戦争は国内矛盾の対外転嫁として引き起こされる」と指摘している。習近平指導部は、国内の矛盾を南シナ海での軍事紛争に振り向ける可能性がこれまでになく高まっているのではないだろうか。 「人民元のSDR入り」の失敗が東アジアの地政学的リスクを高めないことを祈るばかりである。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46161
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