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素材デフレ、輸出に打撃
1月輸出12.9%減、アジア向け不振 鉄鋼・非鉄が落ち込む
中国など新興国経済の減速が日本の輸出に影を落としている。財務省が18日発表した1月の貿易統計(通関ベース)速報では、輸出額が前年同月に比べ12.9%減、アジア向けは17.8%減となった。新興国の需要減少のあおりを受けている鉄鋼が3割減ったほか、非鉄金属も2割減となった。素材は日本の輸出総額の約25%を占めており、世界的な価格下落が輸出低迷の大きな要因になっている。
1月の輸出額は5兆3516億円で、4カ月連続で前年同月を下回った。数量が9.1%減、価格が4.1%低下と、ともに押し下げ要因となった。なかでも輸出額が31.3%減と大きく落ち込んだ鉄鋼の単価は25.8%下がった。アジアをはじめとする海外市場の価格低迷が影響を及ぼした格好だ。
鋼材の流通価格は2015年に大きく下落した。中国から余った鋼材が大量に流出した影響で、一般鋼材である熱延コイルのアジア価格は1月時点で1トン280ドル前後と、1年前から4割弱安くなった。
流通価格の下落で鉄鋼大手の収益は押し下げられている。足元の市況は反転の兆しも見えているが、新日鉄住金の太田克彦副社長は「価格の大幅上昇は見込みにくい」としており、輸出採算の改善には時間がかかるとの見方が多い。
鉄鋼だけでなく非鉄金属や化学製品など素材の輸出は軒並み落ち込んでいる。中国など新興国の需要が大きく盛り返すとの見方は少なく、当面輸出が伸びにくい状況が続きそうだ。
半導体等電子部品は11.2%減だった。市場縮小が続くパソコンに加えてスマートフォンの成長が鈍化し始め、組み立て拠点の中国などアジア向けの輸出が減少した。特に米アップルが16年1〜3月に「iPhone」の最新モデルの減産に踏み切った影響が色濃く出た。
液晶パネル大手のジャパンディスプレイは16年1〜3月期は19億円の営業赤字になる見通し。「液晶パネルの需要の本格回復は16年7〜9月期までかかる」(有賀修二社長)とする。
自動車の輸出額は米国向けが10%増と好調を維持する一方、アジア向け(10.9%減)が足を引っ張り、全体では1.1%減った。トヨタ自動車の大竹哲也常務役員は米国経済について「住宅や雇用などの経済状況は堅調。ガソリン安は自動車に追い風」とみる。ホンダは日本での販売低迷を受け、好調な北米向けの輸出を強化している。16年度は15年度の約2倍の16万台を日本から輸出する計画で、大半が北米向けになる。
ただ、ドル高や資源安の影響などで米国の成長は鈍化するとの見方が広がりつつある。数少ないけん引役の自動車輸出の先行きも懸念がぬぐいきれない。
[日経新聞2月19日朝刊P.5]
- 韓国、低下する輸出競争力 事業再編、復活のカギに あっしら 2016/2/25 03:47:49
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