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ソロス氏の人民元巡る攻防 ポンド危機時と状況が酷似(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/816.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 23 日 18:36:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

          ソロス氏は「“アジア通貨”を空売りしている」と宣言


ソロス氏の人民元巡る攻防 ポンド危機時と状況が酷似
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160223-00000016-pseven-bus_all
週刊ポスト2016年3月4日号


 アメリカの投資家で「イングランド銀行を倒した男」と呼ばれるジョージ・ソロス氏は1月22日に行なわれたダボス会議で、次のように発言した。
 
「中国バブル崩壊はもう起こったこと。(中略)中国経済の問題はデフレと過大な債務だ。中国経済の負債はおそらくGDP比300%か、対外債務を合わせれば350%にも上る深刻なもの。しかも中国は輸出主導から内需主導への経済改革を長く放置し過ぎた。ハードランディングは不可避である」

 その上でソロス氏は「自分は“アジア通貨”を空売りしている」と高らかに宣言。この言葉は世界に大きな衝撃を与えた。ソロス氏のいう“アジア通貨”が何を指しているかは明かされていない。だが、「人民元を指しているのでは」というのが投資関係者の共通認識だ。そのため習近平vs.ソロスという構図を金融関係者は囁いているのである。

 ソロス氏は1930年8月生まれの85歳。彼がその名を世界に轟かせたのは、「ポンド危機」だった。ポンド危機とは、1992年にイギリスポンドが急落した事件である。

 1990年代初頭のイギリスは、欧州各国の不況や財政健全化策などによって景気が後退し、失業率が上昇していた。しかしその経済状況とは裏腹に、ポンドは過大評価されていた。

 理由は当時、イギリスがEUの前身であるEC諸国の通貨管理体制・ERM(欧州為替相場メカニズム)に参加していたからだ。将来の統一通貨・ユーロの導入に向けて、ERMに従い、自国通貨のポンドと欧州他国通貨との相場を一定範囲に固定する政策を取ることで、金融政策の柔軟性を失っていたのである。そこに目をつけたのがソロス氏だった。

「イギリスはERMの規制に従って固定相場制を維持せざるをえず、ポンドが下がらないよう買い支えました。しかしソロス氏は、イギリスがそのままERMに留まることは不可能と考え、制度が破綻するタイミングを見計らってポンド売りを仕掛けた。しかも投資金額にかなりのレバレッジをかけ、先物取引の手法を駆使して大量の取引を行なうことで、相場が崩壊の方向に動くように誘導すらしました。

 イングランド中央銀行は1日に2度も公定歩合を引き上げるなどして対抗しましたが、防戦しきれずにイギリスの固定相場制は崩壊。大きなポンド安が起こったことで、ソロス氏は莫大な利益を得ることになった」(丸三証券経済調査部長・安達誠司氏)

 一説によれば、ソロス氏が売り浴びせたポンドは100億ドル相当、一夜にして10億ドルもの利益を上げたといわれる。この大勝利によって、ソロス氏は「イングランド銀行を倒した男」と呼ばれるようになったのである。

 1997年の東南アジア通貨でも同様だ。ソロス氏を中心としたヘッジファンド集団がバーツなどを空売りし、通貨が暴落。通貨危機を招いた“張本人”としてマレーシアのマハティール首相(当時)らからソロス氏は名指しで批判を浴びた。

◆ポンド危機の時と状況が酷似

 今度の相手はこれまでのどの相手よりも強大な、世界第二位の経済大国・中国。果たしてソロス氏に勝ち目はあるのか。外為オンラインのシニアアナリスト・佐藤正和氏はソロス氏の手腕をこう評価する。

「彼の最も優れている点は、投資家の心理を読むことに長けているところです。相場を動かしているのは人だからこそ、市場参加者の心理を的確に読み、相場の転換点を探るのがソロス氏の基本的な投資手法といわれています。彼はそのうえ綿密に市場を分析し、本能と直感で相場を張る」

 今回の件でいえば、世界中の投資家が中国経済に疑問を抱き、将来の投資対象として不安を感じているであろうタイミングでソロス氏は動いた。

「ソロス氏は『成功のカギは市場が自らの勢いで混乱を始める時点を見抜くことだ』と語っています。トレンドの転換点を見抜くことにかけては天才といえるでしょう」(前出・佐藤氏)

 そして今の中国の為替市場は、ソロス氏がイングランド銀行に戦いを仕掛けた時の状況と酷似しているのだ。前出・安達氏の話。

「中国は経済大国といわれる国々のなかで、いまだに実質的な固定相場制をとっている唯一の存在です。しかしIMF(国際通貨基金)のSDR(※注)に加わった人民元はもはや国際通貨だと認識されている。にもかかわらず介入を続けて人民元を固定相場にしたままでは『国際通貨たりえない』と、世界中から非難を浴びることになる。中国政府の市場介入政策とマーケットの間に歪みが生じ始めているのです」

【※注/特別引出権のこと。世界共通の通貨単位で、その価値は4つの通貨(ドル、ユーロ、ポンド、円)の価値によって決まっており、2015年11月に元を加えた5つで構成することが決定した】

 国内の景気が減速していても、固定相場制を維持せざるをえない中央銀行―この構図は「ソロスvs.イングランド銀行」の時とまったく同じなのだ。

 

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コメント
 
1. 2016年2月23日 21:44:13 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[258]

世界株が「ダブルボトム」形成、一段高を示唆か−チャート
2016/02/23 15:59 JST

    (ブルームバーグ):  世界の株式にとって、相場の推移を示す現在のチャートパターンは朗報だ。MSCIオールカントリー世界指数がいわゆる「ダブルボトム」を形成しており、指数上昇が今後も進む余地があることを示唆しているとみるテクニカルアナリストもいる。2番目の底は2月11日で、指数は同日までの年初来下落率が12%に達していたが、その後6%上昇している。
原題: Global Stocks Have Formed a Pattern That Signals Gains: Chart
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ZMHU6JIJUU01.html



ロンドン外為:円上昇、対ドル一時111円台−日銀総裁コメントなどで
2016/02/23 20:30 JST

    (ブルームバーグ):ロンドン時間23日午前の外国為替市場で円が上昇。対ドルで一時111円台となった。中国が人民元の中心レートを6週間で最も大幅に引き下げたことが不安を呼び、質への逃避が進んだ。
また、日本銀行の黒田東彦総裁が衆院財務金融委員会で「マネタリーベースそのもので直ちに物価、あるいは予想物価上昇率が上がっていくということではない」と発言、マネタリーベースに対する考え方を変えたことを示唆したことで、量的緩和拡大の可能性が当面は低下したと一部で受け止められた。
ロンドン時間午前午前10時20分現在、円は0.9%高の1ドル=111円94銭。
原題:Yen Gains as China’s Yuan Fix Surprises Market, Spurs Haven Bid(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Candice Zachariahs czachariahs2@bloomberg.net; Tokyo Chikako Mogi cmogi@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ZYU06JIJV201.html



2月の独Ifo景況感、3カ月連続で低下−世界減速の懸念強まる (1)
2016/02/23 19:33 JST

    (ブルームバーグ):ドイツのIfo経済研究所がまとめた2月の独企業景況感指数は3カ月連続で低下した。世界的な景気減速が金融市場を混乱させる中で、同国企業が懸念を強めている状況が示された。
Ifo経済研が23日発表した2月の独企業景況感指数は105.7と、1月の107.3を下回った。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の中央値では106.8への低下が見込まれていた。
中国経済減速が世界貿易への重しとなり、ドイツの輸出企業に打撃を与えている。この日発表された昨年10ー12月(第4四半期)の独国内総生産(GDP)統計では、純貿易が成長抑制要因だったことが示された。これがいずれは、過去最低の失業率と賃金上昇に支えられている国内経済に影響を及ぼしていくのではないかと懸念される。
HSBCトリンカウス&ブルクハルトのエコノミスト、ロター・ヘスラー氏(デュッセルドルフ在勤)は景況感指数の発表前に、「世界経済の見通しは引き続きはっきりしない」とし、「大きな不透明感がある」と語った。
2月の現況指数は112.9と、前月の112.5から改善。期待指数は98.8で、1月の102.3(改定値)から低下した。
原題:German Business Sentiment Falls as Turmoil and China Sow Concern(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ZTMD6K50XS01.html

超長期債が上昇、20年と40年債利回りが過去最低−中期ゾーンには売り
2016/02/23 15:44 JST

    (ブルームバーグ):債券市場で超長期債が上昇。新発20年物と40年物の利回りは過去最低を更新した。今日実施の40年債入札が順調な結果となったことを受けて、超長期ゾーンを中心に買いが優勢となった。
23日の現物債市場で新発40年物の8回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より3.5ベーシスポイント(bp)低い1.085%まで低下し、これまでの最低水準1.11%を下回った。その後は1.095%を付けている。新発20年物の155回債利回りは3bp低い0.65%まで下げ、連日で過去最低を更新した。新発30年物の49回債利回りは一時3bp低い0.96%と、2013年4月以来の水準まで下げ、その後は0.98%に戻している。
長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、1bp低いマイナス0.015%で開始し、いったんはマイナス0.02%と10日以来の水準に低下した。その後はマイナス0.005%に戻している。新発5年物の126回債利回りは横ばいのマイナス0.18%で開始した後、1bp 高いマイナス0.17%に上昇している。
BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「超長期債は昨日から強い地合いで推移している。40年債入札も強い結果だった。金利が残っている年限に需要が集まっている」と説明した。ただ、入札後は伸び悩む展開だとし、「40年債入札が強いとの見方から買われていた。長い年限が強い半面、2年債や5年債が軟化している。最近の上昇後で売りが出ているもよう」と話した。
長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比10銭高の151円71銭で始まった後、一時151円77銭と12日以来の高値を付けた。午後に入って上げ幅を縮小し、3銭安まで値を下げる場面もあった。結局は1銭安の151円60銭で引けた。
バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「超長期ゾーンは割高な10年ゾーンなどから資金シフトも見られる」と指摘。一方、「無担保コール翌日物のマイナス金利幅がなかなか拡大しない中で、すぐには日銀の追加利下げも見込みづらく、中短期債は利回りが低下しづらくなっている」と話した。
40年債入札
財務省がこの日午後に発表した表面利率1.4%の40年利付国債(8回債)の利回り競争入札の結果によると、最高落札利回りは1.13%と市場予想1.14%を下回り、過去最低を付けた。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.06倍と、昨年2月以来の高水準となった。
バークレイズ証の押久保氏は、「今月末は年金パッシブファンドのビックエクステンションで保有債券の長期化需要も非常に期待され、先回りの買いが入った」と分析していた。
22日の米国債相場は小幅続落。米10年債利回りは前営業日比1bp上昇の1.75%程度で引けた。原油先物相場に加えて、米国株相場が上昇したため、資金の逃避先としての米国債需要が弱まった。一方、この日の東京株式相場は下落。為替市場での円全面高などを背景に売りが優勢となり、日経平均株価は前日比59円00銭安の1万6052円05銭で終えた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2SEUP6JTSEO01.html

中国には大幅な元切り下げ必要、市場心理変えるため−バークレイズ
2016/02/23 19:46 JST

    (ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)が資本流出を阻止し、人民元の先安観から先高観に市場心理を変えるために検討するかもしれない選択肢の1つが、1回限りの大幅な人民元切り下げだ。英銀バークレイズのアナリスト、アジェイ・ラジャディアクシャ氏と常健氏がリポートでこう指摘した。
両氏によれば、外貨準備高が急減する中で中国がこうした動きに出るリスクが高まっており、市場の認識を変えるためには25%程度の元切り下げが必要になる見込み。現行の減少ペースを踏まえれば、外貨準備高が居心地の悪い水準に落ちこむまであと6−12カ月で、資本規制や金融引き締めなどの措置も資金逃避を抑えるために検討の必要があるかもしれないとしている。
こうした選択肢はいずれも危険な要素をはらんでおり、世界経済の状況をめぐる懸念が拡大する中で投資家を怖がらせる恐れもあるという。元切り下げに伴う中国輸出へのプラス効果を打ち消すため、他の中銀が通貨切り下げで追随する可能性にも言及。輸出けん引型の経済では厳格な資本規制は機能せず、政策引き締めの動きは成長を鈍らせ信用デフォルト(債務不履行)を引き起こす恐れがあるとも指摘した。
リポートは「1回限りの元切り下げを行う唯一の理由は資本逃避阻止のため」であり、大きな切り下げ幅とする必要があると説明。その上で、「どのような決定がなされようと、その結果は世界の金融市場に相当のリスクをもたらすことになる」と結論付けた。
原題:Barclays Says Sharp Yuan Devaluation Needed to Shift Psychology(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ZW856JIJUW01.html

コラム:人民元安の再燃はあるか亀岡裕次大和証券 チーフ為替アナリスト

FX Forum | 2016年 02月 23日 16:30 JST 関連トピックス: トップニュース

[東京 23日] - 今週、上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。世界の需要押し上げに向け、「金融政策だけでなく財政政策を活用」「通貨の競争的な切り下げを回避」することで各国が協調姿勢を示すだろうが、それだけで市場マインドや世界経済を好転させることは難しいのではないか。

G20では、「為替はファンダメンタルズを反映して市場で決定されるべき」ことが再確認されるだろう。ここでは、世界金融市場の波乱を招いた人民元相場の行方について考えてみたい。

<中国が人民元を切り下げた理由は何か>

人民元安・中国株安のきっかけは、2015年8月11日に中国人民銀行が人民元対ドルの基準レートを引き下げたことにある。基準レートはそれまで市場レートに比べて1―2%ほど人民元高に設定されてきたが、同日の基準レートは市場レートの前日終値よりも0.3%ほど人民元安に設定された。そして、12日も13日も前日終値よりわずかながら人民元安の水準に基準レートが設定され、市場レートは3日間で6.21元から6.40元へと3%ほど人民元安が進んだ。

中国人民銀行は、「基準レートと市場レートの乖(かい)離の是正は基本的に完了」とした。人民元の特別引き出し権(SDR)採用をめぐり国際通貨基金(IMF)が問題視していた「かい離」の是正だけが、基準レート引き下げの理由だったのだろうか。3日連続で基準レートを市場レートよりも人民元安に設定したのは、市場レートを人民元安に誘導する狙いもあったのではないか。

その1年半ほど前の14年2月、人民元の対ドルレートは上昇から下落に転じていた。14年4―6月期には、経常収支(貿易収支+所得収支)や直接投資収支の黒字が続く一方で、その他の収支(いわゆるホットマネー)が黒字から赤字(資本流出)に転じた。中国からの資本流出による人民元安圧力が強まり、それを抑えるための当局のドル売り・人民元買い介入が増加し、14年7月には中国の外貨準備高が減少を始めた。


為替は14年1月の1ドル=6.04元から5月の6.26元へと人民元安が進んだ後、10月の6.11元へと人民元高が進んだが、この間、ホットマネーの流出幅と外貨準備高の減少幅が拡大した。つまり、国際収支面から人民元安圧力がかかり続け、当局の為替介入によって人民元安が抑えられていたのだ。ただし、為替介入による人民元安抑制を続ければ、外貨準備高の減少が続いてしまうので、当局がある程度は為替介入を減らして市場主導の人民元安を容認しようと、基準レートを引き下げたものとみられる。

<足元は円高やユーロ高とともに人民元高に>

さて、16年1月7日にかけて中国株式売り規制の解除観測を背景に株安・人民元安が急速に進んだ後、人民元は対ドルで反発した。1月8日の基準レートが市場レートの前日終値よりも0.4%以上高く設定され、急速な人民元安を抑制しようとする中国当局の姿勢が明確化したことが一因だ。

1月12日には当局がオフショア(香港)市場でも人民元買い介入を行ったとの観測から、オンショア(中国)市場に比べて0.10元ほど人民元安・ドル高の水準にあったオフショアレートがオンショアレート水準まで上昇した。ただし、16年1月の外貨準備高の前月比減少幅は、15年12月の1079億ドルに次ぐ994億ドルに上った。人民元の安定化は、大規模な為替介入に依存しており、外貨準備高の大幅減という犠牲を払っている。

中国外国為替取引システム(CFETS)は15年12月11日に、13カ国・地域の通貨バスケットに対する人民元指数の公表を始めた。ドルに対する為替レートだけではなく、通貨バスケットに対する実効為替レートを含めて人民元の動きを判断するためのものだ。16年2月前半には、通貨バスケットがドルに対して上昇し、人民元が通貨バスケットに対して下落した。通貨バスケットに対する人民元の為替に上昇余地が生まれたせいか、その後、人民元が対ドルで上昇した。

CFETSが導入した通貨バスケットに占めるユーロの比率は21.4%、円の比率は14.7%と、中国の貿易に占めるユーロ圏や日本の比率を大きく上回る。2月前半はリスクオフの下で円やユーロが対ドルで大幅に上昇したため、通貨バスケットが対ドルで上昇した。中国が導入した通貨バスケットはリスクオフ下でドルに対して上昇しやすく、通貨バスケットに対して人民元が下落しやすいのだ。

米連邦準備理事会(FRB)のドル実効為替指数(対主要7通貨)は16年2月前半、ユーロ高と円高の影響で下落した。リスクオフの下でドルの実効為替が下落し、人民元が対ドルで上昇したのだ。だが、短期的にそうなっても、リスクオフの下では人民元が対ドルで上昇しやすいと言い切ることはできないだろう。

<長期的にはリスクオフと人民元安が進む可能性>

長期的な視点で人民元をみると、通貨バスケットと人民元の間に違う関係性がみえてくる。10年から14年前半までは、ドルと他通貨の強弱に大きな変動はなく、人民元の対ドル指数と対通貨バスケット指数の動きに大差はなかった。しかし、14年半ば以降のドル高により、人民元の対ドル指数が下落する一方、人民元の対通貨バスケット指数が大幅に上昇した。

10年初めを100とすると、ドルに対する人民元指数は直近時点で105程度だが、CFETSの通貨バスケットに対する人民元指数は122程度と高水準にある。つまり、通貨バスケットに対し人民元高が進んだままなので、輸出競争力の回復のためには人民元安が進む必要がある。

なお、国際決済銀行(BIS)が貿易ウエイトなどで為替を加重平均した中国の実効為替指数は、10年1月を100とすると16年1月は127であり、CFETSの人民元指数よりも高い。しかも、BISの通貨バスケットはCFETSの通貨バスケットに比べ、ドルやユーロの比重が低い一方で、韓国、メキシコ、インド、その他新興国など、リスクオフで下落しやすい通貨を比較的多く含む。そのため、リスクオフになると、BISの人民元指数はCFETSの人民元指数よりも上昇しやすい。人民元の割高感が小さくなるまでは人民元が下落する余地が残っているとみるべきだろう。

短期的にはともかく、長期的には世界株価や原油価格の動向と人民元の対ドルレートに連動性が認められる。株高や原油高とともに人民元高・ドル安が進む傾向、株安や原油安とともに人民元安・ドル高が進む傾向にある。足元、為替はやや人民元高・ドル安に振れたものの、株価や原油価格の反発は限定的であり、リスクオンに転換したようにはみえない。リスク許容度や人民元相場の安定は一時的で、リスクオフと人民元安へと再び傾く可能性は大きいのではないか。

中国経済への懸念が残る限り、資本流出と人民元安圧力は続くとみられる。当局が為替介入で人民元安のペースをコントロールすることはできても、人民元安に完全に歯止めをかけることは難しいだろう。人民元相場の長期的動向を判断するうえでは、当局の為替介入の影響を受ける人民元相場の短期的動向よりも、国際収支フローを反映する外貨準備高の増減に注目すべきである。中国の外貨準備高が増加傾向に転じてこそ、資本流出と人民元圧力が弱まり始めたと言える。それまでは、リスクオフと人民元安の再燃に警戒が必要だろう。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yuji-kameoka-idJPKCN0VW0FE



Business | 2016年 02月 23日 18:32 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
焦点:誤算の不動産株、住宅価格高騰でマイナス金利効果広がらず

[東京 23日 ロイター] - 不動産株が軟調だ。日銀が導入したマイナス金利政策の恩恵を最も受けるとみられていたが、マンション販売の動きに大きな変化は見られず、「当てが外れた」との声も市場では漏れる。

資材や人件費の高騰でマンション価格が上昇、もともと低かった住宅ローン金利が小幅に低下しても、爆発的な住宅需要の増加とはならないという冷めた見方が広がっている。

<2月の不動産株、日経平均より大きい下げ>

日銀が1月29日にマイナス金利政策の導入を決定した際、最も期待感が高まったのは不動産株だった。


1月28日終値から、日経平均.N225が直近高値を付けた2月1日までの2営業日で不動産.IRLTY.Tは15.0%高。上昇率は東証33業種でトップとなった。

しかし、その後は大きく下落。2月1日終値から23日までは13.5%安と日経平均の10.1%安を上回っている。

個別でも、三井不動産(8801.T)・三菱地所(8802.T)・住友不動産(8830.T)の上位3社はそろって13─14%安。建設関連では住友林業(1911.T)が18.4%安、長谷工コーポレーション(1808.T)が30.6%安と下げがきつい。

その背景には、不動産セクターに対するマイナス金利の恩恵は限定的との見方が広がってきたことがある。「景気減速や円高傾向など外部環境が厳しくなっており、金利が少々低くなった程度では、住宅販売が増加するのは難しいとの認識が徐々に浸透してきた」(岡三証券・投資戦略部シニアストラテジストの大場敬史氏)という。

<価格高騰で販売減>

実際、マンションなどの販売は低調だ。不動産経済研究所が22日発表した2015年のマンション平均価格は、前年比プラス7.2%の4618万円と大きく上昇。その一方で、発売戸数は前年比マイナス6.1%の7万8089戸と約23年ぶりの低水準となった。資材や人件費の高騰が住宅価格を押し上げたことで販売が落ち込んでいる。

3メガバンクのうち、他行に先駆けて15日に住宅ローン金利の引き下げを発表した三井住友銀行の場合、主力の10年固定型(最優遇金利)は足元で0.90%。1月末時点に比べ0.15ポイント低下している。

だが、もともと低い水準からの低下であり、市場では、金融機関がこぞって住宅ローン金利を引き下げたとしても、住宅価格の高騰を打ち消すような効果は限定的との見方が広がっている。

今年1月の首都圏マンション発売戸数(不動産経済研究所)は、前年同月比11.0%減の1494戸。契約率は同16.3ポイント減の58.6%となった。

ゴールドマン・サックス証券はレポートで、季節的な要因などを考慮しても「50%台の契約率は低い水準」と指摘。株価調整による資産効果のはく落や、国税庁による節税対策マンション購入への監視強化などの動きが、高価格帯マンションの購入意欲を後退させた可能性があると分析している。

日銀のマイナス金利導入後となる2月の住宅関連データはまだ明らかになっていないが、大和ハウス工業(1925.T)によると、マイナス金利の導入が決定してからも、住宅展示場への来客数など「大きく顧客の動きが変わったということもない」(広報企画室)という。

<業績にも不透明感>

日銀の黒田東彦総裁は22日午前の衆院予算委員会で、マイナス金利の導入以降、国債のイールドカーブが全体的に下がり、貸出の基準金利や住宅ローン金利なども低下していることから「金利面での効果はすでに表れている」と指摘。

こうした実質金利の低下が今後、実体経済に波及し「経済活動にもプラスの効果があると確信している」との見解を示している。

ただ、住宅価格の上昇に逆資産効果という悪条件が重なれば、せっかく低金利となっても、住宅購入層への恩恵は限られてしまうとの見方が、マーケットでは多数派を形成しつつある。

藍沢証券・投資顧問室ファンドマネージャーの三井郁男氏は「(不動産業界において)これまではリーマンショック後の安い時期に土地を仕入れていたため、大きな粗利が出ていた。だが、景気回復で地価自体が上昇し、利ざやを稼げるような土地が見つかりにくい状況になっている」と分析。

マクロ景気への減速懸念が広がるなか、オフィスビルの賃料水準の伸びも力強さに欠けており、不動産各社の収益も伸び悩む恐れがあるとみている。

不動産大手3社のうち、三井不動産と住友不動産は15年4─12月期で過去最高益を更新した。三菱地所も通期では最終増益を見込んでいる。だが、先行きへの不透明感は一段と濃くなっており、株価の上値を抑えている。

(長田善行 編集:伊賀大記)
http://jp.reuters.com/article/boj-realty-japan-stock-idJPKCN0VW0Q8

Business | 2016年 02月 23日 17:05 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
日銀コアコア指数、昨年12月ピークに鈍化の可能性=渡辺・東大教授

[東京 23日 ロイター] - スーパーマーケットなどの販売データを利用した「日次物価指数」の研究で知られる渡辺努・東大経済学研究科教授は23日、都内で講演し、日銀が物価の基調として重視している生鮮・エネルギーを除いた消費者物価指数(日銀版コアコア指数)について、137品目の販売データから推計が可能と説明した。

日銀版コアコアは昨年12月に前年比1.3%まで上昇しているが、137品目の販売データによる近似指数の前年比は12月1.42%、今年1月1.29%、2月1.21%とプラス幅が縮小傾向にあり、日銀版コアコア指数も1月以降、プラス幅が鈍化する可能性があるとの分析を示した。

(竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/watanabe-boj-idJPKCN0VW0HX



Business | 2016年 02月 23日 18:52 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
マイナス金利、現金需要拡大なら緩和効果減=渡辺・東大教授

[東京 23日 ロイター] - 日銀出身で日次物価指数の研究で知られる東大経済学研究科の渡辺努教授は23日都内で講演し、日銀がこのたび打ち出したマイナス金利政策は、現金の利便性が高い日本では、預金から現金への流出が起きると効果が減じると説明した。

渡辺教授はマイナス金利政策の狙いについて、1)実質金利を下げるため、名目利子率をゼロ以下に押し下げる、2)日銀が供給する資金供給(ベースマネー)が世の中全体の資金量(マネーストック)をさらに拡大するため──と説明した。

ATMなどが普及し現金を保有するコストが低い日本では、マイナス金利のマイナス幅が拡大すると、預金から現金(タンス預金)へのシフトが起こりやすく、その場合、理論的にベースマネーとマネーストックの比率を示す貨幣乗数が小さくなるため政策効果が減少すると指摘した。現在マイナス0.1にとどめている日銀のマイナス金利をマイナス1%以上には引き下げられないとの見通しを示した。
http://jp.reuters.com/article/boj-watanabe-tokyo-univ-idJPKCN0VW0SM


Business | 2016年 02月 23日 19:59 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
焦点:日銀は円高・株価変動注視、長期化なら物価下押しリスク拡大も

[東京 23日 ロイター] - 1月の金融政策決定会合後、急速に進んだ円高や株価の変動が長期化するのかどうか日銀は注視している。仮に今の円高水準が長期化した場合、企業マインドが悪化し、賃上げや設備投資の動向に影響しかねないためだ。

日銀内では一部で2016年度の消費者物価(CPI)上昇率がゼロ%前半にとどまりかねないと懸念する声もある。マイナス金利導入の効果も含め、日銀は内外の経済情勢を慎重に判断していく。

<懸念される市場変動と賃上げの悪循環>

日銀はマイナス金利政策を導入した1月29日の金融政策決定会合で、物価見通しを下方修正し、物価目標の達成時期を従来の「16年度後半」から「17年度前半」に先延ばしした。

その後、企業収益に大きな影響を与えるドル/円JPY=EBSは、111円を一瞬割り込み、112円台で推移する時間帯が長くなっている。日経平均.N225も乱高下を続けた後に1万6000円近辺で上値が重い。

日銀では、1月会合後に進んだ円高・株安を日本の経済・物価に対する追加的な悪材料と位置づけており、動向を注視している。

1月会合では金融市場の不安定な動きが企業心理に影響し、デフレマインドの転換を遅らせるリスクが増大していると判断し、追加緩和に踏み切った。

その後も市場の不安定な地合いは継続しており、世界的な株価下落は輸出系の大規模製造業を中心に経営者のマインドを急速に慎重化させ、再びリスクが顕在化しつつある。

世界経済と金融市場の不透明感の強まりを受け、労働組合側も短期的な賃上げよりも安定雇用確保を重視するスタンスを鮮明にしつつある。このため16年度の春闘で、ベースアップは前年の水準を下回るとの見方が、労働界で広がりつつある。

日銀内ではこれまで、ベアは期待インフレ率の代理変数、との見方もあり、物価下押しへの影響は無視できない状態だ。

<16年度CPI、0.5%ポイント下押しの試算も>

1月に作成した16年度の消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)見通しでは、それまでの前年比プラス1.4%から同0.8%に引き下げた。複数の関係筋によると、その際に試算の前提として採用された市場価格の多くは、ドル/円120円だったという。公表されている原油価格の前提もドバイ産でバレル35ドル─40ドル台後半だったが、足元29ドルにとどまっており、円建て原油価格はすでに下振れて推移している。

日銀内では、為替前提を120円から115円へと円高方向に置き直すと、1)エネルギー価格の下落、2)企業収益の下押し──などから、コアCPIで0.2─0.3%ポイント程度の下押しになるという試算もあるようだ。

円高やベアなどの影響を総合して試算すると、16年度コアCPIを0.5ポイント程度下押しするとの結果も存在しているもようだ。その試算を機械的に当てはめると、コアCPIは16年度0.3%、17年度1.3%となる。

<物価の基調も正念場>

一方、国際エネルギー機関(IEA)が22日に公表した報告書では、世界の原油市場は17年にバランスを取り戻し始めると明記された。その結果、米原油先物は22日に1バレル=31ドルまで上昇。マーケットには下げ止まりへの期待も膨らんでいる。

ところが、そうした原油下げ止まりにもかかわらず、物価見通しが下振れた場合、日銀がこれまで説明してきた原油要因の物価下落とはいえなくなる状況に直面する。

その意味するところは、需給ギャップやインフレ期待という「物価の基調」が変調を来しているリスクの増大と言えるだろう。

日銀が導入したマイナス金利には、銀行がキャッシュを抱えているだけでは、損失が出てしまうというメカニズムが内包されている。銀行から企業へとキャッシュの押し出し効果が波及していけば、企業は設備投資や賃上げ、海外でのM&Aや証券投資に資金を回すことが予想される。

そういう波及が起こる過程で、経済活動が活発化し、需給ギャップが縮小して、期待インフレ率の高まりとともに物価上昇方向への力が働き出す──というのが、理想のパターンだ。

そのプラス方向の力と、足元で展開されている円高・株安の力のどちらが優勢になるのか、市場は日銀の金融政策の「次の一手」も想定しながら、その結果を瀬踏みしている。

(竹本能文 伊藤純夫 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/focus-boj-frx-idJPKCN0VW112



Business | 2016年 02月 23日 18:59 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
焦点:ブレクジット問う国民投票とEU改革、英首相の長い道のり

[ブリュッセル 23日 ロイター] - キャメロン英首相が言うところの「改革された」欧州連合(EU)に残留すべきかどうかを問う英国の国民投票は、実現に近づくまでに数年を要した。そして国民投票にたどり着くまでの過程は、現在のEUがどのように機能しているかを明確に示している。

EU首脳会議(サミット)は19日、英国のEU残留を全会一致で支持。移民労働者の社会保障制限や英金融街シティの保護などをめぐり英国に特例を認めた。キャメロン首相は19日の合意が英国にEU内での「特別な地位」を与えたとし、20日には国民投票を6月23日に実施すると明らかにした。

欧州委員会のユンケル委員長にとっては、重要な節目は2014年11月に豪ブリスベーンで開催された20カ国・地域(G20)サミットにあった。委員長はキャメロン首相に対し、欧州の他国が賛成票を投じないような協定改正を求めるのではなく、将来的に協定見直しを実施するという拘束力のある合意を目指すよう伝えた。

「ブレグジット(英国のEU離脱)」回避をめぐる動きは、EUに対する失望が、EU改革への圧力を高めると同時に、EU改革が困難になっていることを示している。また、EUの舞台裏での法的なフレキシビリティーや、英国をEUに残留させるというEU指導者の前向きな、もしくは必死の姿勢を示してもいる。

キャメロン首相は2013年に国民投票の実施を約束した。

2014年5月の欧州議会選挙では、反移民を唱えるフランスの国民戦線(FN)や英国独立党(UKIP)が躍進。2015年の再選を目指す中、キャメロン首相にとっては公約履行の圧力が高まる結果となった。

<変化したキャメロン首相の交渉姿勢>

EUサミットでの合意成立は、EUの法務担当者のフレキシビリティー、「ブレクジット」がEUを深い危機に追いやるというEU指導者の懸念、そしてサミットの場でのキャメロン首相の対外交渉姿勢の変化、という3つの点を受けた結果だったことを示している。

キャメロン首相は2011年末のサミットでは、ユーロ危機救済案で拒否権を発動し他のEU加盟国の指導者から強い反発を受けた。しかし昨年末のサミットでは理解を得ることに成功し、EU規定の改正や移民抑制案に向けて前進するかたちとなった。

あるEU高官は「2011年12月の時点では決裂に非常に近い状況で、そこから離脱方向に傾くことは容易だった」と指摘。「キャメロン首相のEUに対する考え方はそれほど変わっていないが、他国との交渉方法は変化した」と述べた。

2014年6月にユンケル氏の欧州委員長選出が決まった際、同氏選出に反対していたキャメロン首相は一時的に孤立した。しかし2人はすぐに対立を解消し、ユンケル氏は銀行分野の重要ポストにキャメロン首相に近いジョナサン・ヒル氏を起用。「これによって(ユンケル氏とキャメロン首相の)同盟関係が結ばれた。キャメロン首相は、欧州委員会と対立すれば(他の加盟国である)27カ国の支持は得られないということを理解している」と、あるEU高官は述べた。

<鍵となった2015年5月の英総選挙>

キャメロン首相が2015年5月の総選挙で敗北していれば国民投票は実施されなかった可能性もある。しかし与党保守党は単独過半数を獲得し、自身にとっても驚きであったかもしれないが、キャメロン首相は公約に掲げた全ての項目を要求することが可能になった。

総選挙の結果を受けて英国とEUはそれぞれ即座に交渉チームをまとめた。キャメロン首相は昨年11月10日、EUのトゥスク大統領にEU改革に向けた要求を提示。要求自体は驚きではなかったものの、自由な移動の制限の受け入れは難しいとみられた。

昨年12月17─18日のサミットでも、英国で就労したEU市民は4年間英国に滞在しなければ手当ての対象にならないなどとする英国の提案が受け入れられるかどうかは不透明だった。しかしキャメロン首相は会食の場で、自身が直面するジレンマの解消への協力をEU指導者に求め、支持獲得に成功。会食への出席者の1人は「(キャメロン首相は)これが英国内の問題だけではなく、欧州の将来に関わる問題だということで納得させた」と述べた。

「ブレクジット」を問う国民投票の6月実施が決定した現在、EU当局がキャメロン首相を支援できる方法は残っていない。欧州委員会のユンケル委員長は「(今では)私の懸念ではなく、彼(キャメロン首相)の問題だ」と述べた。

(Alastair Macdonald記者 翻訳:本田ももこ 編集:加藤京子)
http://jp.reuters.com/article/britain-eu-deal-idJPKCN0VW0TH



Business | 2016年 02月 23日 20:20 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
英中銀、市場予想より早く利上げも=副総裁

[ロンドン 23日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のシャフィク副総裁は議会への年次報告書で、金融市場が予想しているよりも早く利上げを行う可能性があるとの見解を明らかにした。

副総裁は政策変更があれば利上げになる公算が大きいとの見方を示した。賃金の伸びが不透明のためタイミングは不明と指摘した。

いったん不透明感が払しょくされれば、市場の利回り曲線が示唆するよりも速いペースで利上げすることが正当化されるだろうとした。
http://jp.reuters.com/article/britain-boe-shafik-idJPKCN0VW12W



Business | 2016年 02月 23日 20:23 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
景気刺激が必要な場合、利下げや量的緩和拡大も可能=英中銀総裁
[ロンドン 23日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は23日、議会で証言し、景気刺激が必要な場合、利下げや量的緩和の拡大など、かなりの政策余地あるとの認識を示した。

総裁は「景気が追加刺激を必要としている場合、金利をゼロに向けて下げることが可能だ。追加の資産買い入れ、様々な資産を買い入れることも可能だ」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/england-bank-carney-idJPKCN0VW137


2. 2016年2月23日 23:09:33 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[261]

中国には大幅な元切り下げ必要、市場心理変えるため−バークレイズ
2016/02/23 19:46 JST

    (ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)が資本流出を阻止し、人民元の先安観から先高観に市場心理を変えるために検討するかもしれない選択肢の1つが、1回限りの大幅な人民元切り下げだ。英銀バークレイズのアナリスト、アジェイ・ラジャディアクシャ氏と常健氏がリポートでこう指摘した。
両氏によれば、外貨準備高が急減する中で中国がこうした動きに出るリスクが高まっており、市場の認識を変えるためには25%程度の元切り下げが必要になる見込み。現行の減少ペースを踏まえれば、外貨準備高が居心地の悪い水準に落ちこむまであと6−12カ月で、資本規制や金融引き締めなどの措置も資金逃避を抑えるために検討の必要があるかもしれないとしている。
こうした選択肢はいずれも危険な要素をはらんでおり、世界経済の状況をめぐる懸念が拡大する中で投資家を怖がらせる恐れもあるという。元切り下げに伴う中国輸出へのプラス効果を打ち消すため、他の中銀が通貨切り下げで追随する可能性にも言及。輸出けん引型の経済では厳格な資本規制は機能せず、政策引き締めの動きは成長を鈍らせ信用デフォルト(債務不履行)を引き起こす恐れがあるとも指摘した。
リポートは「1回限りの元切り下げを行う唯一の理由は資本逃避阻止のため」であり、大きな切り下げ幅とする必要があると説明。その上で、「どのような決定がなされようと、その結果は世界の金融市場に相当のリスクをもたらすことになる」と結論付けた。
原題:Barclays Says Sharp Yuan Devaluation Needed to Shift Psychology(抜粋)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2ZW856JIJUW01.html


(耕論)マイナス金利の功罪 加藤出さん、植田和男さん
2016年2月17日05時00分

日銀のマイナス金利政策(イメージ)

 世界経済の先行き不安が強まるなか、日本銀行のマイナス金利政策が始まった。意表を突いた政策転換は、成長を取り戻すための攻めの一手なのか。市場にショックを与えるだけの奇手なのか。日銀を知り抜く金融のプロ2人に聞いた。
 
 ■市場の不安、さらに膨らんだ 加藤出さん(日銀ウォッチャーとして知られるエコノミスト)
 日銀がマイナス金利政策を打ち出しましたが、先週、円高が急速に進み、株価が大きく下がった。今のところマイナス金利の悪い面が出てしまっていると思います。
 マイナス金利政策で、国内の債券の利回りを押しつぶせば、ある程度は円安の効果をもたらすはずですが、絶対そうなるとは限らない。海外要因で円高圧力が加わると、押し戻されてしまいます。
 ■手詰まり感露呈
 一方、今回のように長期金利までマイナスになると、多くの人が金融機関の収益が苦しくなると予想するので、銀行株が下落する。市場の反応が、日銀の想定以上に激しかったということでしょう。
 もっと大きな問題は、マイナス金利をやったことで、日銀の手詰まり感が目に見えてしまったことです。国債の金利があまり下がる(価格は上がる)と、多くの銀行は日銀に国債を売ろうとしなくなる。以前買った国債を売れば、値ざやは稼げるけれど、戻ってきた現金を何で運用するのかという問題が残るからです。マイナス金利を始めたことで、日銀が銀行から国債を大量に買い入れて市中にお金を流す量的緩和の追加が、より難しくなってしまった。
 日米欧の中央銀行は、いわば「あうんの呼吸」で量的緩和をしてきただけに、米欧は日銀のマイナス金利政策を許容すると思います。ただ中国からは、日本がまた通貨安で楽をしようとしていると見える。中国の場合、人民元の切り下げは資本流出を加速させるので、単純な通貨安競争にはならないでしょうが、東アジアの潜在的な火種になりうると思います。
 バブル崩壊以降、日銀は短期金利をゼロまで押し下げ、次に量的緩和、2013年からは黒田東彦(はるひこ)総裁のもとで異次元の国債買い入れを行いました。金利を引き下げて、国債などの安全資産での運用を難しくし、株などのリスク資産への投資を促してきた。機関投資家や個人をむち打って、本来とりたくないリスクまでとらせてきたわけです。そこへ、年初からの株安、円高です。「日銀ははしごを外す気か」という市場の不安を振り払うために、マイナス金利に踏み切るしかなかったのでしょう。
 しかし、市場関係者や一般の企業の方と話をしていても、マイナス金利に不安を感じている人が多い。銀行の収益が悪化していくと、中小企業への貸し出しの余力がなくなり、かえって融資が減る恐れもある。黒田さんの過去2回の緩和にくらべると、反応が明らかに違います。市場の不安を払拭(ふっしょく)するためにやったはずのマイナス金利が、別の不安を引き起こしてしまったように見えます。
 ■成長促す政策を
 日銀は去年の秋から、2%のインフレ目標達成に関する約束を微妙に変化させようとしていたと思います。量的・質的緩和の結果、企業収益は過去最高で、大手企業では賃金のベースアップもあった。無理に目標達成を急がなくてもいいという雰囲気も出てきて、安倍政権も「新3本の矢」ではインフレ目標には触れなくなった。
 あの時点で、「2%をいつまでに達成します」と掲げるのではなく、「2%を目指し努力を続けます」くらいにずらしていく作戦もあったかもしれません。ただ、黒田さんはそれを選択しなかった。
 結局、金融政策だけの「一本足打法」に頼ってきたアベノミクスの限界が露呈したということでしょう。金融政策は、カンフル剤的な効果はあっても、潜在成長率を高めるものではない。異次元緩和は、日本経済を明るくするきっかけは作りましたが、実物経済に大きく効いたわけではない。社会に成長期待があれば、金融政策がもっと効いてくるのですが、そこに不安があると、どんなに中央銀行が頑張っても限界があります。
 アベノミクスの原点に戻り、民間のイノベーションを促す構造改革や人口減少への対策など、成長期待につながる政策を進め、将来への見通しを示すことが何よりも必要です。(聞き手・尾沢智史)
     *
 かとういずる 1965年生まれ。東短リサーチ社長・チーフエコノミスト。著書に「日銀、『出口』なし! 異次元緩和の次に来る危機」など。
 
     ◇
 
 ■政策の幅拡大、日銀の延長戦 植田和男さん(日銀審議委員を務めた東京大学教授)
 今回、日銀が導入したマイナス金利政策は、すでにデンマークやスイス、そしてユーロ圏で採用された手法です。金融の世界では緩和のためのあり得べき選択肢であって、「賭け」ではないのです。
 また、黒田東彦(はるひこ)総裁はマイナス金利に否定的でしたが、実際に導入したことを「トリック」と批判するのも当たらないと思います。
 マイナス金利の採用は、中央銀行としての政策の余地を拡大した、ということに尽きます。
 日銀の場合、3年間にわたる量的、質的にも未曽有で「異次元」といわれた金融緩和にもかかわらず、景気や物価など肝心の実物経済に動きが見られませんでした。一方、すでに国債の発行総残高の3割強を日銀が保有していることを考えると、さらにどれだけ買い増せるのか、今後を見通すことが困難になりつつあった。
 「日銀にできることは、もはや限界に近いのではないか」という市場などで広がった疑念に対し、「いやいや限界の底はまだ深い」と宣言したのが、今回のマイナス金利ということでしょう。
 ■さらに利下げも
 さらにどこまでマイナス金利幅を拡大できるのか。欧州の先行例から見て、市中銀行の小口預金をゼロ近傍にしたまま、中央銀行はマイナス1%程度まで金利を下げることが可能だといえそうです。
 だとすれば、今後、2〜3回程度の追加利下げが可能と想定できます。いわば、従来の政策では終了間際だった試合を、延長戦に持ち込むのを可能にしたわけです。
 問題は、あと2〜3回程度の利下げ延長戦の間に実物経済で力強い上昇が見込めるかどうかです。成長戦略も果実が実るには、時間がかかる。財政の出動余地も大きくない。今、マイナス金利以外に金融面で有効なものは見あたりません。政策を決断した日銀の悩みは深いだろうと推し量れます。
 通常は金利の低下につれて自国通貨も下落します。日銀は円安のためにマイナス金利に踏み切ったとはいっていませんが、欧州や中国など他の主要国通貨が同様の手立てを強めれば、通貨安戦争に陥る可能性があります。そうなると世界全体で緩和に走ることになり、それぞれの利下げの効果は打ち消されてしまいます。
 ただ、今回の日銀のマイナス金利は、決定直後こそ円安になりましたが、その後は、原油安や中国経済の先行き不安、米国の追加利上げが遠のいた、などといった観測が入り乱れて、世界的な株安と急速な円高が進みました。現時点では、政策の効果が変動に追いつかない結果になっています。
 ■カードは少ない
 これは日銀にとって想定外の事態でしょう。むしろ世界で強まるリスク回避のなかで、マイナス金利の決定が市場変動の引き金をいくぶん引いた面は否定できません。株安、円高が続くなら、予定される消費税の増税も、延期に追い込まれるかもしれません。
 今後、もしもマイナス金利幅の拡大が限界に達してしまったとき、手段がないわけではありません。「現金の金利のマイナス化」という手法が残っています。例えばお札を額面の9割しか使えないことにすれば、10%のマイナス化になります。日銀などの窓口にお札を持って行き、マイナス化の切手を貼ってもらわないと市中で通用しない、という仕組みです。
 とはいえ、これは劇薬的な政策です。通貨の意味、中央銀行が守るべき信用秩序のあり方を根底から変えてしまう可能性がある。容易に選択できる手段とはならないでしょう。となると、今回に続く2〜3回ほどの利下げが、現実的には日銀に残された切り得るカードにならざるを得ません。
 日本に限らず「さらなる緩和策」を求める市場に応えてきた中央銀行に残されたカードは、そんなにありません。それを見抜いた市場に相対する金融当局は、かつてない苦境が続くとしかいいようがありません。(聞き手 編集委員・駒野剛)
     *
 うえだかずお 1951年生まれ。専門はマクロ経済学、金融論。98年4月から7年間、日銀の最高意思決定機関の政策委員会審議委員。著書に「ゼロ金利との闘い」。
 
 ◆キーワード
 <日銀のマイナス金利政策> 民間金融機関は日銀に預けるお金のうち、一定額を超えた分に0.1%の金利を支払わなければならない。日銀は長期国債の大量買い入れも続け、金利全般に下押し圧力をかけてデフレ脱却を狙う。先月末の政策決定で長期金利が一段と下がり、今月9日にはマイナスを記録した。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12212165.html 

 

英中銀、ポンド安受け利上げすべきか不透明

By PAUL HANNON
2016 年 2 月 23 日 22:44 JST

 英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会(MPC)メンバーらは23日、議会での証言に臨み、英ポンド安への対処として主要政策金利を引き上げるべきかは明白ではないとの見方を示した。

 英国では欧州連合(EU)加盟継続の是非を問う国民投票が6月23日に行われる。英国のEU離脱観測を背景に、ポンド相場は足元で下落している。

 MPCのウィール委員は「ポンド相場の下落で、物価の上昇を抑えている要因の一つがなくなる」とし、「この意味では朗報だ」と述べた。

 しかし他のMPCメンバーは、ポンド安が政治の先行き不透明感の表れだとし、家計や企業に影響へ広がり、経済活動と物価の加速を抑制する恐れがあると指摘した。

 ブリヘ委員は、ポンド安が「英国経済に全体として好影響を与えるかは明確でない」と語った。

 イングランド銀行のカーニー総裁は議員らを前に、国民投票で出そうな結果やそれがポンド相場にもたらす影響について、MPCとしては特定の見解を下していないと述べた。

 「最近の動きは(6月に行われる)国民投票の影響を受けているようだ」とした上で、「金融政策にとって重要なのは、こうした流れの根強さとその理由だ」と説明した。

 カーニー総裁とブリヘ委員は、国民投票の実施で企業や消費者の信頼感が冷え込んだという明らかな証拠はまだ出現していないとも述べた。


 

「ロンドンの鯨」、4年ぶりに沈黙破る
JPモルガンの元トレーダー、自身はスケープゴートと主張
「ロンドンの鯨」の異名を取っていたブルーノ・イクシル氏はJPモルガン・チェースにスケープゴートにされたと訴えた

By LUCY MCNULTY AND GREGORY ZUCKERMAN
2016 年 2 月 23 日 18:50 JST

 2012年に米JPモルガン・チェースで巨額のトレーディング損失が発生した事件で、「ロンドンの鯨」の異名を取っていた同社の元トレーダー、ブルーノ・イクシル氏が約4年ぶりに沈黙を破り、自分はこの事件でスケープゴートにされたなどと述べた。

 イクシル氏は「ロンドンの鯨」というあだ名を不快に思っているとも述べた。このあだ名は、JPモルガンが社債市場につぎ込んだ金額の大きさを大げさに表現するために、ライバルのトレーダーたちがつけた。

 イクシル氏は金融情報サイト「フィナンシャル・ニュース」などに送った3ページを超える書簡で、JPモルガンとマスコミは先の事件での同氏の役割について事実を曲げて伝えたとして、「正当な理由もなく、私だけがマスコミの標的にされた」と述べた。

 当初、巨額の損失が出る恐れがあるとの見方を否定していたジェームズ・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、60億ドル余りのトレーディング損失が明るみに出て評判を落とした。

 イクシル氏の書簡の一部には、各捜査当局が実証した事実やメディア報道と同じ内容が書かれている。3年前に発表された米上院報告書によると、JPモルガンは社内の警告を無視し、最高投資戦略室(CIO)で発生したトレーディング損失の規模について規制当局と投資家を欺いたとされている。

 イクシル氏は書簡で「実は、CIO部門がもたらした損失は1人の人間の未承認行為によるものではなかった。私の役割は、CIO部門の幹部が始め、承認し、命じ、チェックしていたトレーディング戦略を実行することだった」と説明した。

 また、「私がやったことは12年時点で未承認でなかっただけでなく、私はCIO部門の幹部にこのトレーディング戦略を実行するよう繰り返し指示された」としている。

 JPモルガンの広報担当者はコメントを避けた。

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英HSBC、配当利回りの謎を解く
ロンドン・カナリーワーフにあるHSBCの本社

By PAUL J. DAVIES
2016 年 2 月 23 日 17:51 JST

 片手で拍手するとどんな音がするか。このような禅問答(公案)は悟りを開くためのものだ。英金融大手HSBCホールディングスは同社自体が公案で、心の平安を得るどころか投資家を悩ませている。

 問題はこうだ。HSBCが22日発表した2015年12月期決算は、収入の減少を経費削減努力で補えず減益となり、再び投資家を失望させた。だが自己資本比率は改善し、通期配当を引き上げた。インドネシア、中東、北米での石油・ガス関連融資の不良債権で5億ドルの損失を計上したにもかかわらずだ。

 競合他社と同様にHSBCの株価も年初来で20%近く下落している。しかしHSBCが際立つのは株価下落で2016年の配当利回りが8.3%に達していることだ。これは欧州勢で最も近い水準のスウェーデンのノルディア銀行より1%高い。

 明らかに投資家はHSBCが配当を維持できないのではないかと疑っている。だが実は、成長見通しが悪化すればするほど、同社が株主還元をさらに強化する可能性は高まる。

 鍵を握るのはバランスシートの圧縮だ。これで自己資本の必要性が低くなる。HSBCは昨年、リスク加重資産を1240億ドル減らし、17年末までの目標額(2750億ドル)のほぼ半分をクリアした。当初想定されていたペースより遅いものの、中国を中心とする利益率の高い事業に約1500億ドルを戻すことができると見込んでいる。

 しかし戻せる資産が減れば減るほど、資本に余裕ができる。もちろん、何かで莫大(ばくだい)な損失が発生したら、この論理は成り立たないかもしれない。だがHSBCが前回減配したのは、米国で提供した巨額のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)によって金融危機に巻き込まれた後だった。

 同社は、今はこのようなエクスポージャー(投融資残高)はないと断言している。例えば、世界の石油・ガス関連の融資総額は290億ドルにすぎない。

 しかし、たとえ配当が良くても、同社はさまざまな問題を抱えており、バランスシートの圧縮後にこれらが明るみに出る可能性がある。昨年の収入は14年の5%減に続いて2.5%減少した。一方で経費抑制に苦しみ、昨年の株主資本利益率(ROE)は7.2%にとどまった。

 従業員の賃上げ凍結は、経営陣のコスト計画に疑念を抱かせるかもしれない。また、アジアでの有力者の親族採用問題で同社も調査を受けているとのニュースは、さらなる罰金が科されることへの不安を増幅させる。

 HSBCは経費削減によってROEを高められると主張しているが、ROEは数年前から緩やかに低下している。この約束を果たせない状況が続けば、ゆくゆくは配当金をむしばむことになる。

 ただ、向こう2〜3年の配当については十分な裏付けがありそうなことからすると、予想PBR(株価純資産倍率)が0.675倍という株価水準は低過ぎ、利回りは高過ぎるように見える。

 銀行業界の真の涅槃(ねはん)には決して到達できないかもしれないが、投資家は差し当たり配当を報いと見なした方がいい。

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【社説】中国製は「北朝鮮製」 隠されたサプライチェーン 
2016 年 2 月 23 日 17:56 JST

 オーストラリアのサーフウエア大手リップカールは、「中国製」とされている商品が実は北朝鮮で作られていたことが発覚し、謝罪する羽目になった。この一件は、企業のサプライチェーンを外部の目にさらすことになったばかりか、北朝鮮の人権侵害を支えている中国の役割を浮き彫りにするものと言える。

 オーストラリアのフェアファクス・メディアが伝えたところでは、平壌の近くにある少なくとも1つの工場がリップカールの「2015年冬版マウンテンウエア」を製造していた。北朝鮮の多くの労働者が経験しているように、そうした工場では過酷な労働を強いられているケースが多い。勤務が長時間に及び、賃金はほとんどないか皆無だ。組合の自由はなく、現場のマネジャーや当局者など、誰かの怒りを買って強制収容所送りになる恐怖がついて回る。

 今回のケースは、北朝鮮当局の許可を受けて工場を見学していた観光客らがリップカールのロゴの入った衣服を見つけ、写真を撮影したことで明らかになった。リップカールは、「サプライヤーが注文の一部をわれわれが承認していない下請けに回した。生産は未承認の国の未承認の工場で行われた」とし、「当社はリップカールの製品を北朝鮮で生産することを許可も承認もしていない」と釈明した。

 これは有名な世界的ブランドが絡んだケースという点で異例だが、韓国ウォッチャーによると、中国の衣料品生産が北朝鮮にアウトソースされるケースは多く、特に中国で労働コストが上昇し始めてから増えている。そうしたアウトソーシングは、会社や国の指示によるのでなく、手っ取り早くもうけようとする現場によるものが多い。ただ、北朝鮮を経済・軍事的に孤立させようとする国際社会の試みを覆す中国政府の動きと切り離して考えることはできない。

 中国政府は北朝鮮に燃料と武器を供給する一方、鉱物を購入し、北朝鮮から受け入れた大量の労働者を雇うことで、金正恩政権に資金を提供している。国連によると、5万人を超える北朝鮮人労働者が、外国の伐採場、鉱山、建設地で作業に従事している。場所は中国やロシアが大半だが、カタール、クウェート、ポーランドにも及んでいる。労働者たちにはほとんど賃金が支払われず、故郷に残した家族は人質同然だ。彼らの労働で、金正恩第1書記は年間最大2億3000万ドルを手にしている。それは北朝鮮の輸出額全体の8%に相当する金額だ。

 今回の発覚は、中国のサプライチェーンにかかわるリスクを世界的ブランドが見直す機会になれば、有益と言えるだろう。それ以外の者には、「奴隷国家」の存続を中国がいかに助けているかを思い起こさせることになった。

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サムスンのモバイル部門トップ、中国市場に前向き

バルセロナで開かれている「モバイル・ワールド・コングレス」で高性能スマホ「Galaxy(ギャラクシー) S7」を披露するサムスン電子のモバイル部門プレジデント、高東真氏 PHOTO: ALBERTO ESTÉVEZ/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY

By JONATHAN CHENG
2016 年 2 月 23 日 18:44 JST

 【バルセロナ】韓国サムスン電子のモバイル部門プレジデント、高東真氏(54)は22日、同社にとって中国市場の最悪期は過ぎ去ったもようだとの見方を示した。同社は中国のスマートフォン市場で何年も優位を維持してきたが、現在のシェアは6位に低下している。

 同氏は昨年終盤にモバイル部門の社長に就任。就任以来初となる今回のインタビューで、同社の中国市場でのスマホ事業は安定していると述べた。さらに、米アップルや中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)や小米科技(シャオミ)などに抜かれてはいるものの、競争の激しい中国市場で回復の兆候が現れ始めるとの見方を示した。

 高氏はまた、サムスンのトップダウン型の職場カルチャーを変えると明言。こうしたカルチャーのために社内の起業家精神が抑えられていると指摘した。サムスンは世界84カ国に約32万人の従業員を抱えている。

 同氏はまた、エコシステム(生態系)やサービスを構築するハードウエアの伝統的なニッチ市場にとどまらず、仮想現実(VR)分野で先駆的な役割を果たしたいとの考えを示した。

 同社は主にVR分野で、VRヘッドセットに使用されるディスプレーパネルやプロセッサを開発してきたが、高氏は、1〜2年のうちに中国の低価格品メーカーに市場を侵食される可能性があるとの見方を示した。

 そのため、一般の消費者が自分たちのコンテンツを容易に作ることができ、友人とコミュニケーションを取るためにVRを使用できるエコシステムを構築する方法を探っているとしたうえで、「当社が提供できる最善のユーザーエクスペリエンス(UX)(はどんなものか)、それに基づき、どのような改善と革新が必要か」を判断しようと務めていると述べた。

 香港を拠点とするハイテクコンサルティング会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチによると、中国のスマホ市場で、サムスンのシェアは昨年は7.7%と、ピークをつけた2013年の約20%から大幅に低下した。

 サムスンの市場シェアと利ザヤは華為技術や小米科技など中国のメーカーに奪われているものの、世界最大のスマホ市場である中国では、そのダメージが最も大きい。

 高氏は、同社にとっての中国での最悪期は過ぎ去ったと確信していると言及。既に「転換点」に来ており、「向こう2カ月から6カ月」で著しい回復の兆候が数字に表れるだろうとの見方を示した。

 スマホのロック解除を求める米司法省とアップルの争いについては、直接的なコメントを避け、発言できるほど詳細については知らないと語った。

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