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経済危機をよそに習近平は軍事大国化の道を邁進〔PHOTO〕gettyimages
中国経済、今度こそ「大崩壊」 〜軍事大国化で低成長を隠すキケンな実情 そのころ北朝鮮では…?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47954
2016年02月23日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
中国経済が、円高株安の日本以上に危機に陥っている。もはや巨竜は青息吐息。習近平は危険な方向に舵を切った。そして習近平以上に危険な金正恩は、軍トップを処刑。両国の最新事情に迫る。
■続出する「春節倒産」
中国は、2月8日から始まった春節(旧正月)の大型連休を終えて、平常に戻った。
と思いきや、北京や上海などの大都市で「異変」が起こっているという。
北京在住ジャーナリストの李大音氏が語る。
「春節で帰郷した労働者が、所属する会社や工場などに戻らないケースが続出し、『春節倒産』が相次いでいるのです。中国の企業は春節前、年に一度のボーナスを支給する習慣がありますが、今年は経営悪化でボーナスを出せない企業が多かった。それを不満に思った従業員たちが、会社に見切りをつけるのです。
その他、都市部では、テナントが一斉に撤退した『ゴーストデパート』が続出していて、その数は昨年だけで、約300ヵ所にも上ると言われています。年初から都市部は大荒れです」
中国の平均株価にあたる上海総合指数は、昨年末の3539ポイントから、春節前の2763ポイントへと、わずか1ヵ月あまりで22%も下落している。中国全土に1億8000万人いる「股民」(個人投資家)たちは、年初から損のしっぱなしなのだ。そのため、借金苦から違法な高利貸しに走り、財産を失う人々も、後を絶たない。
大荒れなのは大都市ばかりではない。地方経済もガタガタだ。
1月26日に開かれた遼寧省人民代表大会(県議会に相当)で、陳求発省長はやつれきった表情で、遼寧省の現状を報告した。
「昨年の遼寧省のGDP成長率は、わずか3.0%しかなかった。これは過去23年なかった低成長で、PPI(生産者物価指数)は、43ヵ月連続で下落している。
わが省の経済がここまで落ち込んだ理由は、以下の通りだ。企業の生産コストが上がり、少なからぬ業界と企業が経営困難に陥り、技術革新は追いつかず、新興産業は育たず、サービス業の発展は停滞し、地域の発展は不均衡で、財政収入は悪化し、財政支出は増え、国有企業は経営が回復せず、民営企業は発展せず……」
翌27日には、山西省の人民代表大会で、李小鵬省長が、やはり神妙な顔つきで、驚くべき省内の実態を告白した。
「昨年の山西省のGDP成長率は、3.1%だった。この数値は過去34年で最低だ。その結果、すでに省内の約8割に上る自治体が、公務員の給与を支払えなくなっている……」
このように、都市部も地方も、まるで雪崩を打ったように経済が急下降しているのだ。
それでも中国政府は、相変わらず大本営発表を続けている。
1月19日、国家統計局の王保安局長(大臣)が記者会見し、「昨年の中国のGDP成長率は、国外の逆風にもめげず、6.9%に達した」と胸を張った。これに対して、普段は習近平政権に従順な中国メディアさえも、「本当は5%以下ではないのか」と疑義を唱え始めた。
すると習近平主席は1月26日、当の王局長に「腐敗分子」のレッテルを貼って電撃的に粛清し、お茶を濁したのである。
習近平主席はまた、経済の失政を、軍備拡張することで国民の目からそらそうとしている。
春節を目前に控えた2月1日、新調した人民服に身を包んだ習近平主席は、国防部の「八一大楼」に集結した人民解放軍の幹部たちを前に、檄を飛ばした。
「本日から人民解放軍を、新たに5つの戦区に分け、中央に連合作戦指揮機構を設置する。これは、共産党中央と中央軍事委員会が『強軍の夢』を実現するための戦略的政策だ。君たちは『戦争ができ、戦争に勝つ』軍隊となるのだ!」
こうして、長く7つの軍区に分かれていた人民解放軍を、5つの戦区に再編し、それらを自分が直接、統轄する体制を整えたのである。まさに200万人民解放軍を、「習近平の軍隊」に作り替えたのだ。
前出の李氏が明かす。
「まったく公にはされていませんが、その後に飛び出した習近平主席のセリフが、『21世紀の戦争は、陸海空天電の5軍によって決まる。特に「天」と「電」を強化せよ』というものでした。『天』とは衛星からの攻撃などを指す宇宙空間部隊で、『電』とはサイバー攻撃部隊を指します。
つまり習近平主席は、従来型の陸海空3軍の戦いでは、到底アメリカに歯が立たないので、宇宙空間とサイバー攻撃で、世界の覇権を狙おうとしているわけです」
実際、中国人民解放軍が仕掛けるサイバー攻撃はすでに始まっていて、先進国が一斉に、怒りの矛先を中国に向けている。
米司法省は'14年5月、サイバー攻撃によって、アメリカの原発や鉄鋼、太陽電池関連の企業から情報を盗み取ったとして、人民解放軍61398部隊第3旅団に所属する5人の中国人将校を、刑事訴追した。かつては親中派と目されていたオバマ大統領でさえ、昨年9月に習近平主席が訪米した際には、中国の度重なるサイバー攻撃について、習近平主席を面罵している。
2月9日には、クラッパー米国家情報長官が、上院軍事委員会の公聴会で、習近平政権に怒りをぶつけた。
「(習近平主席は)昨年9月に、今後サイバー攻撃はしないと約束したはずだ。それなのに中国は相変わらず、アメリカ政府やその同盟国、企業などへのサイバー攻撃を繰り返している。中国の政権の正当性を脅かすとみなした機関を、次々に標的にしているのだ」
■日本の防衛省にもスパイが
中国のサイバー攻撃は、日本にも「魔の手」を伸ばしてきている。サイバー攻撃に詳しい慶應義塾大学の土屋大洋教授が解説する。
「攻撃を仕掛ける側が日本で一番欲しいのは、オーストラリアに今後、提供するかもしれない海上自衛隊の潜水艦情報などです。かつてアメリカも、最新鋭のF35戦闘機の技術を、中国に盗まれたというのが定説になっています。
ただ、人民解放軍がいま主にやっている作業は、将来のサイバー戦争に備えて、日本のセキュリティシステムの中で脆弱な場所を探すことなのです」
昨年6月、日本年金機構から、約125万件の個人情報が外部に流出していることが発覚し、大騒ぎになったことは、まだ記憶に新しい。年金機構のシステムに侵入した「エムディヴィ」と呼ばれる遠隔操作ウイルスを調査したネットセキュリティ会社、カスペルスキーの川合林太郎社長が語る。
「エムディヴィは、かなり費用をかけたソフトで、かつバージョンアップしていきました。これが何者の犯行であるかは不明ですが、エムディヴィが仕組まれた添付ファイルの標準オフィステンプレートは、中国大陸で使用される簡体字の中国語版でした。他国語のものは検出されていません。
なぜ年金機構が狙われたのかといえば、多方面にばら撒いた中で、たまたま着弾し、メールのウイルス付き添付ファイルを開けてしまったのが年金機構だったという可能性があります」
それでは、最も狙い打ちされそうな防衛省の危機管理は万全なのか。防衛省関係者が語る。
「われわれがいま一番危惧しているのは、日本に帰化した中国人の息子たちが続々と防衛大に入学し、卒業して自衛隊幹部候補生になっていることです。近未来に中国軍と対決する可能性があるイージス艦に彼らを乗せてよいのかということです」
そして、北朝鮮が核とミサイルの実験を強行しても制裁に消極的な中国は、グルと見られても反論できない。近代国家の体をなしていない点では、まさに同じ穴のムジナである。
どんどんエスカレートしていく暴君に朴槿恵政権も対決姿勢を鮮明にした〔PHOTO〕gettyimages
そして隣のこの国は完全に狂っている
金正恩が今度は「120万朝鮮人民軍トップ」を処刑した
■最側近だったのに
「(5月の)朝鮮労働党第7回大会を前に、わが党を栄光の金日成・金正日同志の党として、さらに強化発展させるため、党内に残っている特権と特別勢力、官僚主義を集中的に批判し、徹底的に克服していく!」
金正恩第一書記は、2月2日と3日、「革命の首都」平壌に、全国の朝鮮労働党と朝鮮人民軍の幹部を一堂に集めて、党史上初めてとなる党中央委員会と軍委員会合同の拡大会議を開催。冒頭のように激しい口調で幹部たちを鼓舞したのだった。
ソウルで北朝鮮取材を続けるジャーナリストの金哲氏が解説する。
「2月7日に『光明星4号』(長距離弾道ミサイル)の発射実験を控える中、党と軍に『李永吉ショック』が広がったため、金正恩は急遽、引き締めに走ったのです。党や軍には、『いったい何人の幹部を殺せば気が済むんだ』と、金正恩に対する失望感が広がっています」
「李永吉ショック」とは、この会議の直前に、120万人民解放軍の戦闘の総責任者である李永吉総参謀長を突然解任し、処刑してしまったことだ。
1955年生まれの李永吉は陸軍出身で、'98年に最高人民会議代議員、'02年に中将に昇進。金正恩に気に入られ、金正恩が公にデビューした'10年9月に、党中央政治局委員に任命された。'13年2月に作戦局長、同年8月には総参謀長に就任した。以後、金正恩第一書記がどこへ視察に行くにも、傍らに李永吉総参謀長の姿があった。
そんな最側近の一人に、何が起こったのか。
金氏が続ける。
「韓国政府でも現在、原因を分析中ですが、李永吉が『現状の軍勢力では米韓軍とは戦えない』と正直に報告したところ、金正恩が激昂。そのまま李永吉を拘束し、処刑してしまったという説が流布しています。
韓国軍は在韓米軍と組んで、3月7日から4月30日まで、史上最大規模の米韓合同軍事演習を行います。6500人乗りの原子力空母『ジョン・C・ステニス』を始め、最新鋭の戦闘機、イージス艦などを駆使して、そのまま実戦に移行することも想定した軍事演習です。
そんな時、朝鮮人民軍は、今日食べる食糧にも事欠き、燃料不足で戦闘機や潜水艇もロクに機動しない有り様です。生粋の軍人気質の李永吉は、いたたまれない気持ちになったのでしょう」
■なぜ2月7日だったか
それにしても、金正恩第一書記の度重なる側近たちの粛清は、常軌を逸しているとしか思えない。
'12年7月に軍師の李英浩総参謀長を処刑。'13年12月に叔父の張成沢党行政部長を火炎放射器で処刑。'15年5月に玄永哲人民武力部長(国防相)をドーベルマンに喰わせて処刑。10月に崔竜海元軍総政治局長を農村送りに。12月に金養建統一戦線部長を自動車事故を装って暗殺……。過去4年で100人以上の幹部が粛清されているのだ。
冒頭の大会を終えた金正恩第一書記は、2月6日に、国家宇宙開発局幹部が申請した長距離弾道ミサイル実験の発射命令書にサインした。
だが、その時も一悶着あったという。
「宇宙開発局の幹部は、『天候を見ながら、2月8日から10日の間に発射します』と報告しました。これに金正恩第一書記は、『絶対に明日7日の午前9時にしろ!』と噛みついたのです。その理由は、『2016年』『2月7日』『9時』の数字をそれぞれ足すと、縁起のいい『9』が3つ並ぶから。『9』は儒教の教えを守る金ファミリーのラッキーナンバーだと言い張ったのです」(同・金氏)
そこで宇宙開発局は、発射予定日を変更。金第一書記は当日、早朝から平安北道鉄山郡東倉里の「西海衛星発射場」に乗り込んだ。
だが、発射を待つ金正恩第一書記の姿は、他の地味な研究者たちの中にあって、異彩を放っていた。
「絶対禁煙の発射台の管制塔で、かつて父・金正日総書記も愛飲していたカルティエのメンソールタバコをスパスパ吸い、脇で専用の大型玉製灰皿を持った秘書が構えていました。金第一書記が着ていたオーバーは、130kgの巨体に合わせて海外で特注した希少動物チンチラの毛皮で、3万ドル以上します」(同・金氏)
午前9時に長距離弾道ミサイルの発射が成功すると、約500人の科学者や技術者たちと喜びを分かち合い、記念撮影に収まったのだった。
核実験と長距離弾道ミサイル実験を合わせれば、日本円で3000億円を浪費したと言われる。これは北朝鮮の全国民の年収合計に匹敵する額だ。金第一書記は、餓死と凍死が北朝鮮全土で蔓延していることなど、気にも留めない。
この暴挙に対して2月10日、日本は独自制裁を発表した。北朝鮮国籍者の入国禁止、すべての北朝鮮船籍の入国禁止といったことだ。日朝貿易はほぼゼロに等しいため、これらの制裁に実質的な効力はない。
だが同日、韓国政府が発表した開城工業団地の操業停止は、北朝鮮経済を直撃する。2000年の南北首脳会談で、南北和解の象徴として'04年に始まった開城工業団地は、124社の韓国企業が約5万4000人の北朝鮮人労働者を雇用し、年間約130億円もの外貨を、北朝鮮にもたらしているからだ。韓国側からの停止発表は、初めてのことだ。
内部では離反が相次ぎ、外国からは四面楚歌。稀代の暴君は、いよいよ追い詰められてきた。
「週刊現代」2016年2月27日号より
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