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「iPhone 6」(撮影=編集部)
iPhoneが売れない…アップル、売上減で崩れる成長神話 日本メーカーに壊滅的被害か
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13906.html
2016.02.21 文=編集部 Business Journal
米グーグルの持ち株会社アルファベットの株式時価総額が2月1日、米アップルを上回った。2004年に前身のグーグルが上場して以来、初の世界首位だ。時価総額69兆円はトヨタ自動車(24兆円)の3倍弱だ。11年夏以降、ほほ一貫してトップを守ってきたアップルは首位の座を明け渡し、アップルの成長神話の陰りを象徴する出来事となった。
この“アップルショック”によって、日本の電子部品株の株価が惨落した。
iPhoneの3割減産が引き起こした危機
年明けの世界の株式市場は波乱の幕開けとなった。中国の株安、原油安などと並んで、米国企業の成長の鈍化が報じられており、円高ドル安が加速した。殊に投資家の心理を悪化させるボディーブローとなったのが、アップルの減産である。15年9月に発売した最新モデル「iPhone 6s/6sプラス」の16年1〜3月期の生産量を、計画に比べて3割程度減らすと伝えられた。
アップル関連株の連鎖安は1月5日の米国市場から始まった。6日には日本や台湾市場でアップルに電子部品を供給する銘柄が軒並み売られた。東京マーケットではアルプス電気、村田製作所、日東電工などが大幅安となった。
iPhoneの成長鈍化を数字で見てみよう。15年10〜12月期の販売台数は7477万台と前年同期比0.4%増にとどまった。07年に初代を発売して以来、最も低い伸びとなった。アップルは16年1〜3月期の売上高が前年同期比で9〜14%減る見通しだと発表した。減収になれば、実に13年ぶりのことだ。
これを受けて1月28日の東京株式市場では、村田製作所、TDK、太陽誘電などの株価がさらに大きく値を消した。
■15年のiPhoneの国内出荷台数は10.6%減
調査会社のMM総研がまとめた15年の国内携帯電話端末出荷概況によると、iPhoneの出荷台数は前年比10.6%減の1473万台にとどまった。6s/6sプラスの販売が伸び悩んだためだ。
国内では、ソフトバンクが08年からiPhoneを販売して契約者が急増した。11年にKDDI(au)も取扱いを始め、最大手のNTTドコモも13年に参入した。携帯電話3社が販売を手掛けたことで、スマートフォン(スマホ)が携帯電話出荷台数の6割を占めるようになった。ちなみに15年のスマホ出荷シェアは77.1%で、前年比4.7ポイント増加した。
iPhoneの年間出荷台数が前年を下回るのは08年の国内参入以来は初めてのことだ。価格が上がったことが販売低迷につながったと分析されている。
携帯電話各社は2月に入り「実質0円」といった過度の端末安売りを自粛する方針を明らかにした。このため16年のiPhoneの出荷台数は、さらに減るとMM総研は予測している。
■スマホ市場の減速で電子部品の受注額は急減
アップルは世界のデジタル家電市場で最強の勝ち組とされてきた。だが、その成長神話に疑問符がついた。アップルが今年の世界同時株安の震源地と見るアナリストも増えている。
その理由はこうだ。アップルは自社の工場を持たない「ファブレス経営」で知られている。自社工場で生産していれば、減産の影響を自社である程度引き受けられ、他社への影響は相対的に抑えられる。しかし、アップルは生産を外部に委託しているため、減産の影響は日本をはじめ世界中に拡散している。
アップルの3割の減産で電子部品メーカーの受注は急減することになる。実はアップルショックは今回が初めてではない。12年夏、9月発売予定の「iPhone 5」の量産開始が遅れ、電子部品メーカーが生産調整を余儀なくされたのだ。
■村田製作所はスマホの高機能化で恩恵を受けた代表選手
異なる周波数の信号を選り分ける「表面弾性波(SAW)フィルター」は、スマホの通信速度の高速化に欠かせない部品だ。高速通信LTEに対応した高機能端末の場合、1台当たりに同フィルターが20〜40個搭載される。中価格帯の端末と比べて個数は2〜4倍になる。村田製作所は、同製品の世界シェア45%を誇る。
日本銀行のマイナス金利政策がもたらした急激な円高の影響で、2月に入ってから日経平均株価は暴落したが、その中でも特に村田製作所は2月12日に1万1610円の安値を付けた。15年7月2日の高値2万2220円からほぼ半値近くまで下げた計算だ。
村田製作所の16年3月期連結決算の見通しは好調である。前回のアップルショックの教訓から、取引先を拡大したことが功を奏した。売上高は前期比15.0%増の1兆2000億円、営業利益は26.8%増の2720億円、純利益は20.4%増の2020億円と4期連続で増収増益の見通しだ。それでも株価に反転の兆しは見えない。
アルプス電気は、カメラの手ぶれを補正する部品の販売が増えた。だが、アップルのスマホ販売の減速が影を落とし、16年3月期の連結業績見通しを下方修正した。売上高は前期比3.5%増の7750億円(従来予想は7780億円)、営業利益は1.9%減の525億円(同605億円)、純利益は15.1%増の400億円(同495億円)。iPhoneの減産がストレートに響いた。
市場はアルプスが想定外の減額修正となったことに過剰な反応を示し、2月12日に1647円の安値をつけた。15年11月24日の昨年来高値4205円から61%下落した。
■ファナックはアップルの減産と中国経済失速のダブルパンチ
ファナックは16年3月期の業績予想を下方修正した。昨年7月に16年3月期の業績予想を下方修正した。ところが10月に小幅ながら上方修正した。その約3カ月後に2回目の下方修正をする破目に陥った。
売上高は前期比15.4%減の6174億円、純利益は24.1%減の1575億円の見込み。昨年10月の見通しと比べて売上高で135億円、純利益で50億円引き下げた。
ここ数年、ファナックの業績を牽引してきたのは、金属を細かく削ってスマホのボディーをつくる小型工作機械、ロボドリルだ。7月に下方修正した理由は、中国のスマホメーカーからの注文が急減したからである。下方修正した翌日に株価が14%安と急落し“ファナックショック”と市場で話題になった。
ファナックの稲葉善治社長は「アップルの新製品でスマホ特需が復活する」と超強気の見通しを立てていたが、この前提が見事に崩れた。2月12日、ファナック株は1万5300円の昨年来安値に沈んだ。株主還元策を打ち出した直後の15年4月28日の高値2万8575円の半値近くまで崩落した。
電子部品銘柄群は、アップルの成長の鈍化とマイナス金利のダブルショックで沈没した。
(文=編集部)
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