World | 2016年 02月 17日 09:54 JST 関連トピックス: トップニュース アングル:主要産油国の政府系ファンド、日韓株を大量売却か[シンガポール 17日 ロイター] - 昨年の韓国株の最大級の売り手は、主要産油国の投資家だった。原油価格の急落に伴う収入減を穴埋めするためだったとみられる。アナリストによると、これらの売り手は政府系ファンドだった可能性が大きく、今年1月に日本株から大規模な資金流出が起きた背景も同じではないかという。 韓国金融監督院の当局者は、昨年6月に産油国の投資家からの韓国株売りが強まり、今年1月まで続いたと説明している。 この当局者の話によると、6月から昨年末までの期間で、サウジアラビア、ノルウェー、アラブ首長国連邦(UAE)の投資家からの売り越し総額は5兆6000億ウォン(46億ドル)に上り、サウジの売り越し額が4兆4000億ウォンと最も大きかった。サウジは今年1月も1175億ウォンを売り越した。 世界最大規模の政府系ファンドを抱えるノルウェーの売り越し額は昨年の6月から年末までが1兆ウォン、今年1月が620億ウォン。 スタンダード・チャータード銀行のエコノミストで投資助言や戦略を担当するKim Jae Eun氏は「オイルマネーの流出が続いている。産油国は原油安で貿易収支が悪化し、それが財政に打撃を与えているからだ。これらの国は急速に歳出を削減できない」と指摘した。 産油国の投資家は日本株からも資金を引き揚げたようだ。 財務省が発表した対内証券投資データによると、ノルウェーの投資家は昨年、406億円(3億5640万ドル)相当の日本株を売り越した。 また三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア投資ストラテジスト、藤戸則弘氏は、1月に日本の現物株が活発に売られたのは海外のリアルマネー、恐らくは政府系ファンドの持ち高解消を示唆しているとの見方を示した。 日本取引所のデータによると、1月の外国人投資家による株式売却に占める現物株売りの比率は48%と通常よりも大きい。 藤戸氏は、このデータからは海外投資家が先物などの投機的な株式商品ではなく、リアルマネー投資をどんどん減らしつつある状況がうかがえると話す。似たような現象は昨年の8月と9月にも見受けられた。 同氏は「こうした動きが産油国と結び付いている可能性は極めて大きいと思う」と述べた。 (Jongwoo Cheon、Masayuki Kitano記者) http://jp.reuters.com/article/southkorea-stocks-oil-idJPKCN0VQ01L?sp=true 原油生産、石油企業が大量倒産でも減少見込めず By NICOLE FRIEDMAN 2016 年 2 月 17 日 11:37 JST 世界全体で見て石油・天然ガス生産企業の3分の1超が2016年中に破産を宣告する恐れがある。デロイトが発表した新たな報告書で明らかになった。 14年半ばに1バレル=100ドルを超えていた原油価格は現在、同30ドル前後に落ち込んでいる。だがデロイトによると、14年7月から15年末までに破産申請した採掘・生産企業はわずか35社だ。大半の企業は社債発行や資産の売却、支出削減などによって資金を確保し、何とか資金繰りを維持した。 これらの策による資金調達はもう限界に近い。 デロイトは、ほとんどの企業にとって残された手段は配当削減と自社株買いだけだと指摘する。同社の推計によると、石油や天然ガスの採掘・生産を手掛ける世界の上場企業のうち、35%に相当する175社が今年中に破産宣告する恐れがある。 多くの投資家が直面する難問は、多数の石油企業が破産したとしても必ずしも世界的に過剰な原油供給量が減少するとは限らないことだ。企業は債務返済のために現金が必要なので、破産手続きの間もずっと操業を止めない公算が大きい。実際のところ、破産申請した企業の油井はおそらく財務の健全な企業に売却され、そのまま生産が継続されるだろう。増産の可能性さえある。 関連記事 原油安【特集】
サウジなどの増産凍結、原油価格への影響は By HELEN THOMAS 2016 年 2 月 17 日 09:50 JST 原油市場で変わる部分が増えても、その分だけ変化しない部分も多くなる。サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラの主要産油4カ国が16日合意した生産量据え置きの意味は象徴的なものにとどまるか、あるいは、まったくないだろう。 このため、同合意の報を受け、16日のブレント原油価格は一時1バレル=35ドル台に上昇したが、すぐにこの上げ幅を失ったのも無理はない。 サウジアラビアはこの1年半近く、原油価格支持のための産油国間の生産調整を受け入れなかった。このため今回の4カ国合意にサプライズ的な価値はあったが、それは複数の要因にかき消されてしまった。第一の要因は、市場は減産を期待していたのに、結果は1月の生産水準での据え置きだったことだ。 第二は、この据え置きがとりわけ高水準の生産量で設定されたことだ。ロシアはこのところソ連崩壊後の最高水準で生産していたため、一部油田での自然減を踏まえても、今年の産油量はほぼ横ばいが予想されていた。残る3か国も現有の油田ですでにフル生産体制を取っていた。国際エネルギー機関(IEA)によると、カタールは生産能力一杯での生産となっている。ベネズエラもそれに近い。サウジアラビアに生産余力はあるが、これを維持したいと考えているだろう。市場で主導権を発揮したい場合に力の源泉となるからだ。
第三の理由は、今回の凍結合意は他の大手産油国の動向に影響されてしまうことだ。特に経済制裁が解除されたイランが、産油量拡大の抑制に応じる可能性は極めて低いとみられる。 ブレント原油価格の推移(1バレルあたり、単位:ドル) ENLARGE ブレント原油価格の推移(1バレルあたり、単位:ドル) バークレイズによると、同国は現在日量130万バレルを輸出しているが、約1カ月後までに同150万バレル、今年後半には制裁前の同200万バレル程度の水準に増やす意向だ。今回、サウジが突然、他の産油国と戦略的歩み寄りを行ったことで、同地域最大のライバルであるイランの立場は微妙なものとなった。 サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が16日の合意を、「プロセスの始まり」と評したことは、さらに強力な調整が実施されるとの期待を高めた。ただ、同国が昨年末にかけ、ここ数十年で初めて国内の燃料価格を引き上げたことは、(生産調整による)迅速な解決よりも市場シェアを維持する戦略に依然固執していることを示唆している。 実際、サウジの態度軟化は、言われていたほど原油需要が低価格に反応していないことへの懸念の反映とも読める。原油需要は昨夏のドライブシーズン後、明らかに弱まっている。この事実は、原油価格の反発(原油安で弱体化している米国のシェール業者にとって朗報となる)を心配せず、サウジが協調を希望する他の産油国と調整する余地を広げたともいえる。 16日の合意は原油相場弱気派にとって、サウジなどの産油国から不規則的なサプライズが生じうるということを思い起こさせるものだった。しかし、産油量据え置きはまだ、強気派にとって冬の終わりを告げる朗報というわけでもない。 関連記事 サウジなど4カ国、原油生産を1月の水準で凍結へ=関係筋 原油相場に忍び寄る新たな懸念材料 世界の市場で何が起きているのか−5つの背景 揺れるサウジ王家、改革目指す若き副皇太子 苦境に喘ぐベネズエラ、電気も水も薬もなし 金融市場動揺【特集】 http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-MP764_oilher_G_20160216100901.jpg 中国悲観論が加速、指導部への失望感で By ANDREW BROWNE 2016 年 2 月 17 日 10:13 JST 【上海】世界の投資家が中国に抱く心理はいつも、行き過ぎた楽観か極端な悲観かのどちらかに大きく振れていた。 ただ、足元の悲観ぶりはこれまでになく極端になっている。この理由は、景気減速では説明がつかない。昨年の公式経済成長率は6.9%と25年ぶりの低水準で、エコノミストの多くは実際の成長率が6%に近いと予想しているが、中国は依然として他の主要国の大半を上回るペースで成長している。銀行には預金が大量にあり、政府にはまだ財政力がある。失業は低水準だ。 今回、驚くほど悲観的なムードに転じた理由は、経済のパフォーマンス以外のところにある。基本的には中国指導部、つまり、経済運営の手法が理由だ。 習近平国家主席が政権の座に就いた2012年、投資家は景気がぐらついていることを認識していた。温家宝前首相の07年の発言で知られているように、「不安定、不均衡、不調和、持続不可能」な状態だった。温氏が中国の壊れた成長モデルを一刀両断したことは、一種のざんげでもあった。温氏と胡錦濤前国家主席は早期に問題を認識していたが、重工業やインフラへの投資で政府資金を浪費し、問題を大幅に悪化させた。 習主席は広範な改革を公約した。トウ小平氏に比肩する改革路線を打ち出す習主席は、中国が投資主導から消費主導の成長に転換する中、国家の役割を縮小し、市場に「決定的な役割」を与えるために60項目の計画を発表した。 習政権は10年の任期の4年目に突入しているが、改革の大部分は棚上げとなっている。中国からの資本流出は、一部の投資家が見切りをつけている兆候の一つと言える。 目下の失望感は、中国の現状ではなく主に将来の見通しに向けられている。改革の進展が再び約束されない中、成長が失速するという予想が広がっているのだ。疑問視されているのは、いつ失速が現実のものとなるかという時期だけだ。 改革はなぜ遅れているのか。習主席は権力基盤を固めるのに忙しい、あるいは、汚職撲滅運動のことしか頭にない、といった声も聞かれる。国有企業の再編、金融システムの開放と競争促進、土地や労働市場の自由化といった異論の多い改革は、合意を形成するのに時間がかかると指摘する向きもある。 だが、もっと基本的な理由で改革が行き詰まっている証拠がこのところ目に付く。習主席は当初の大言壮語とは裏腹に、市場に限定的な役割しか求めていないのだ。 昨年夏、政府が誘発したバブル崩壊で上海株式市場が急落した際に荒っぽい介入で救済に動いたことでも明らかだが、市場原理への道を明らかに逆行する例がいくつかあった。当局は、証券会社に株式購入を強制し、大口投資家の売りを禁止した上に、市場の混乱は投機筋や報道機関、さらには「敵対的な外国勢力」のせいだと批判した。 場当たり的な市場介入の影響は世界に波及している。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は特に、中国が昨年十分な説明もなく為替制度を変更し、金融の混乱をどれほど拡大させたかということにいら立ちを表明している。中国指導部は過去何十年もの間、中国のような大規模な新興国が避けて通れない多数の問題について、市場原理を導入すれば成長への課題に打ち勝つことができる、というストーリーを語ることで悲観的な見方を打ち消してきた。 トウ小平氏自身、秀逸なストーリーの語り手だった。1989年の天安門事件を受け、投資家の中国離れが加速すると、同氏は世間の注目を一身に浴びる中、自身の改革発祥の地・深センへ赴くことで投資家を呼び戻した。トウ氏は市場への肩入れを強調するため、1990年代序盤に上海と深センに証券取引所を開設した。 1990年代後半のアジア金融危機が市場改革の波の前兆となり、その勢いは現在まで続いている。当時の朱鎔基首相は、中国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉を進め(その狙いは外資との競争にさらすことで国有企業を再編することにあった)、企業に軍の影響力が及ばないようにした。また、官僚主義の是正に努め、民間部門を後押しした。 習主席は10兆ドルを超える規模の経済のかじ取りで、はるかに複雑な課題に数多く直面している。 だが、習主席がこれまでに講じた果断な措置から、同氏が経営工学と国家計画を通じて経済の方向を事実上まだコントロールできると考えていることがうかがえる。その好例が、政府系企業を合併し、さらに強力な独占企業を作り出すという習主席の手法だ。こうした強大な企業への投資を民間企業に認める計画はあまり進んでいない。 海外投資家の意欲をかき立てるような大胆な改革構想が必要な時があるとすれば、それは今だ。為替投機筋は香港市場で人民元を攻撃している。著名投資家のジョージ・ソロス氏は中国経済がすでに崩壊しつつあるとみており、ダボスでの講演で「それは予想ではなく、実際に目の当たりにしている」と語った。 習主席の野心的な改革の進捗(しんちょく)状況を定期的に採点している米中ビジネス評議会は、加盟企業の間で失望が広がっていることを証明している。中国当局は煩雑な手続きの削減や分かりにくいと評判の許可制度の簡素化で進展があったとよく豪語しているが、同評議会の調査では、企業の77%がこれらの分野で全く進展が見られないと回答した。 状況改善を期待できるような説得力のある説明がないため、投資家はますます厳しい結論に達しつつある。それは、習政権は改革に関しては構想通りに進めることができなくなっている、というものだ。 (筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト) 関連記事 【寄稿】「アジアの世紀」支えてきた前提に疑問符 中国、金融市場のリスクを引き続き注視=李克強首相 中国市場の不安定化、歓迎すべき理由とは 【社説】中国政府の批判者に安全な場所はない 中国株安【特集】
中国「資本流出2.0」 意図的に海外企業に敗訴? By CHUIN-WEI YAP 2016 年 2 月 17 日 11:41 JST 中国南部の地下銀行から輸入品に対する意図的な過剰支払いまで、中国の居住者たちは資金を海外移転するうえで目もくらむほどに多彩な方法を持っている。経済的に不安のある中国から逃れて、より安全なハードカレンシー(国際決済通貨)の国にひそかにカネを送金するためだ。 米国人弁護士ダン・ハリス氏によれば、中国当局による資本管理強化を打破するための新たな方策を少なくとも1社の中国企業が試みている。「敗訴」することを狙って海外企業との虚偽の契約違反訴訟を起こすという手法だ。 中国は居住者に対し、海外送金額を年間5万ドル(約570万円)に制限しているが、酌量余地のある少数のケース(事業関連支払いを含む)は例外扱いとされる。経済成長の鈍化と人民元の下落をきっかけに、資本が滝のように国外に流出するなか、中国当局は流出を防ぐために締め付けを強化した。商業銀行である中国銀行の幹部は先月、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、監督強化の一環としてあらゆる銀行支店マネジャーが招集され、当局の訓練ワークショップが催されたと述べた。 しかし中国では、お金が自分の好むところに流れようと新たな道を探すものだ。シアトルに本社を置く法律事務所ハリス・アンド・ムーレの中国法律専門ブログ「China Law Blog(中国法律博客)」に14日掲載された投稿で、ハリス氏はある中国企業の顧問との会話の内容を詳しく紹介している。それによると、この顧問はハリス氏に電話で、この中国企業が偽の契約違反をめぐる訴訟で負け、350万ドル支払うことになるのを手助けするよう依頼してきた。この350万ドルは米国に送金され、最終的にこの中国企業自身が管理する米国企業に払い込まれるという話だったという。
ハリス氏はWSJに対し、この中国企業(民間のメーカー)が単なる和解で同額の350万ドルを支払ったように偽装するのではなく、偽の調停を望んだと述べた。海外送金を精査している中国規制当局を納得させたいと同社が考えたからだという。 ハリス氏は電話インタビューで、「彼らは本当に公式なものであるように見えることを望んだ。また調停だと手続きが迅速に動くため、恐らく3カ月以内にできただろう」と語った。 ハリス氏によると、電話を受けたのはこの2週間以内のこと。こうした依頼を受けたのは初めてで、それ以来ないという。同氏はブログで関係者の身元を隠すため、依頼してきた中国企業顧問の国籍を変更した(顧問は西側の人間だったが、オーストラリア国籍ではなかったという)。 顧問との会話でハリス氏が知ったのは、この中国企業が資金移転を望んだ米国内には本物の訴訟相手さえ存在しなかったことだ。ハリス氏はWSJに対し、もし依頼に応じていれば「われわれは、この中国企業を提訴する会社の設立を手助けしていただろう」と述べた。 ハリス氏は中国でビジネスをするための専門知識を持っている。彼の設立した法律事務所は北京、青島、ポートランド、ラスベガス、そしてシカゴに拠点がある。 ハリス氏は倫理に反するとの理由で中国企業顧問の依頼を断ったという。偽の提訴をすれば外国人弁護士を納得させるかだまさねばならない。このため、これまで中国企業の間でこの方法が実際に仕組まれたかどうか今のところ明らかでない。ハリス氏に届いたコメントからは、今回のような事例は他に1件しかないことがうかがえる。 とはいえ、さまざまな企業が中国から資金を流出させる伝統的な手法を求めてハリス氏の法律事務所に電話を掛けてくる。今も複数の中国の不動産会社が中国からカネを持ち出す良いアイデアはないかと問い合わせてきているという。 関連記事 中国悲観論が加速、指導部への失望感で 中国市場の不安定化、歓迎すべき理由とは 「アジアの世紀」に疑問符、成長モデルの失敗示す中国
米で社債発行が急回復、アップルやIBMが計230億ドル強の起債 2016/02/17 10:24 JST (ブルームバーグ):米アップルやIBM,トヨタ自動車など優良企業が16日、230億ドル(約2兆6300億円)余りの起債を行った。米社債発行は世界経済をめぐる懸念を背景に先週休止状態となっていたが、回復した。 ブルームバーグのデータによると、16日の企業の起債は今年2番目の活況で、アップルは株主への資本還元策として、9本立てで120億ドル相当を起債。IBMは50億ドル、トヨタ・モーター・クレジットは2本建てで17億5000万ドル相当の発行に動いた。 コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのマネーマネジャー、トーマス・W・マーフィー氏は「これはテストだ。市場は優良企業を先に行かせて成り行きを見守るだろう」と述べ、「市場はまだ全ての企業に開かれているわけではない」と分析した。 今年の社債発行は2010年以降で最も低調な滑り出しで、クレジット市場は世界的な市場の混乱に巻き込まれ、債券スプレッドは2月11日に4年ぶりの水準に拡大した。16日に起債が増加したのは、中国株の3カ月ぶりの大幅高を受けて米国株が2営業日続伸したことが背景にある。また、15日にはハネウェル・インターナショナルがユーロ建てで今年最大となる40億ユーロ(約5090億円)の起債に踏み切った。 米優良企業の社債の米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は12年以来で最も拡大したが、バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、投資適格級の企業の借り入れコストは13年に記録した過去最低をまだ1ポイント程度しか上回っていない。コロンビアのマーフィー氏は「社債には確かに需要がある」と指摘した。 原題:Corporate Bond Sales Surge Above $23 Billion as Apple Sells Debt(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2NZKA6JTSEM01.html 日本株は資源、内需セクター下落、通信や海運堅調−株価指数動き荒い 2016/02/17 10:56 JST (ブルームバーグ):17日午前の東京株式相場は、国際原油市況の下落を嫌気し、鉱業や石油など資源株が安く、医薬品や電力、陸運、建設など内需セクターも下げている。半面、大規模な自社株買いへの好感が続くソフトバンクグループなど情報・通信株は高く、運賃市況の底打ち期待から海運株も堅調。直近の乱高下で相場に対する強弱観が交錯しており、主要株価指数の値動きは依然として荒い。 午前10時41分時点のTOPIXは前日比8.08ポイント(0.6%)安の1288.93、日経平均株価は109円71銭(0.7%)安の1万5944円72銭。日経平均は小安く始まった後、一時160円上昇する場面もみられたが、その後は一転下げ幅が100円を超えた。 ソシエテ・ジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「短期筋のフロー、行き過ぎた売りの買い戻しが中心だが、センチメントとしてはグローバルで底固めし、レンジが下を付けて戻しているような雰囲気は出ている」と言う。ただし、「ここから上値があるかというと、為替を円高方向で組み直すと今までのような割安感はなくなっている」とも話した。 サウジアラビアとロシアはカタールでの協議後、原油生産量を1月の水準で維持することで合意した。露エネルギー省によると、カタールとベネズエラの石油担当相らも生産量維持に参加することに合意。しかし、世界的な供給超過の縮小にはつながらないと市場は受け止め、16日のニューヨーク原油先物は1.4%安の1バレル=29.04ドルと下げた。 同日のニューヨーク為替市場では円が主要通貨に対し反発し、一時1ドル=113円60銭までドル安・円高方向に振れた。きょう午前のドル・円は1ドル=113円90銭台で推移、前日の日本株市場の終値時点は114円58銭だった。一方、中国人民銀行は16日午前、人民元の中心レートを1月7日以来の大きさで引き下げた。 一方、きょうの取引開始前に内閣府が発表した昨年12月の機械受注は、民間設備投資の先行指標となる船舶・電力を除く民需で前月比4.2%増。市場予想は4.4%増だった。1−3月期の受注額見通しは、前期比8.6%増。中国経済減速の影響を受けた昨夏以降で2四半期連続のプラスが予想されている。 SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、受注の反発は弱く、「見通しはやや強めだが、未達に終わる可能性が高い」と指摘。企業センチメントが投資タイミングに影響しており、反転するには円高の歯止めが必要で、「日銀緩和へも期待がかかる」としている。 東証1部33業種は鉱業や石油・石炭製品、医薬品、パルプ・紙、輸送用機器、保険、電気・ガス、輸送用機器、建設、陸運、鉄鋼が下落。通信や海運、空運、電機、機械、ガラス・土石製品は上昇。海運には、ばら積み船の国際運賃市況であるバルチック・ドライ指数が16日に3日続伸、およそ2週間ぶりに300ポイントを回復する材料があった。 売買代金上位では、トヨタ自動車や富士重工業、ファーストリテイリング、マツダ、JR東海、アステラス製薬、武田薬品工業、東芝、JR西日本、国際石油開発帝石が安い。半面、ソフバンクは連騰、村田製作所やさくらインターネット、日本電産、アルプス電気、東京エレクトロン、三菱重工業、ミネベアが上げ、16年12月期の営業増益計画とマッコーリー証券の投資判断引き上げたがあったクボタも高い。 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2NWB06S972L01.html
債券は下落、米株高・債券安が重し−日銀の国債買いオペ結果見極めも 2016/02/17 10:52 JST
(ブルームバーグ):債券相場は下落。前日の米国市場で株高・債券安となったことを受けて売りが優勢となっている。日本銀行が通知した長期国債買い入れオペの結果を見極めようとする姿勢も強い。 17日の長期国債先物市場で中心限月の3月物は、前日比横ばいの151円39銭で開始し、いったん5銭高まで上昇した。直後から水準を切り下げ、31銭安の151円08銭まで下落した。 現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.04%で開始。一時は0.055%まで上昇し、その後は0.045%で推移している。 みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「海外金利上昇の影響や、前日にかなり金利が低下した反動で売りが出ている」と説明。その上で、「20年債入札が順調で超長期ゾーンの需要が確認されたが、今日の日銀国債買いオペの結果を見るまでは分からない」と言い、「オペの応札倍率やテールを見て戻り売り圧力が確認される可能性もある」とみる。 日銀国債買い入れオペ 日銀はこの日、今月6回目となる長期国債の買い入れオペ実施を通知。残存期間1年以下が700億円、10年超25年以下が2600億円、25年超が1800億円となる。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、米株高・債券安の流れが円債相場の重しと指摘。ただ、「原油価格の動向に不透明感が強いため、積極的に売り材料視する動きにはなりにくい」とみる。「国内要因としてはマイナス付利の適用が始まった16日、無担保コールレートがゼロまで低下。20年債入札では0.8%手前の水準で買いが集まり、良好となった。いったんの目線が定まったことは、ボラティリティの高さが重しになってきた債券市場にとって一定の安心材料」と言う。 16日の米国市場では、株式相場が続伸。米国債相場は下落し、10年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp)上昇の1.77%程度で引けた。 明日は5年利付国債入札が控えている。みずほ証の辻氏は、「マイナス0.1%を下回る水準でどのくらい需要があるのかまだ見極められていない」とし、「付利の引き下げ期待があるなかで、中期ゾーンも相対的にボラティリティが高めの状況は続きそうだ」と指摘する。また、「短期金利についてはシステム対応の問題などがあり水準を見極め切れていない」と話した。 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2NVZC6KLVSJ01.html 1月のFOMC議事録、5つの注目点
By DAVID HARRISON 2016 年 2 月 17 日 11:49 JST 米連邦準備制度理事会(FRB)は1月26・27日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いたが、向こう数カ月の金利軌道に関する明確なシグナルは発しなかった。イエレンFRB議長は先週2日間の議会証言に臨み、FRBが当面金利を維持する理由となりうる米経済への複数のリスク要因に言及したが、金融政策は「既存の軌道」をたどるものではないと繰り返し強調した。米東部時間17日午後2時(日本時間18日午前4時)に公表される1月FOMCの議事録で、当局者の議論に関し新たな詳細が明らかになる可能性がある。以下に5つの注目点を挙げる。 1.リスクの均衡 1月のFOMC政策声明で最も顕著な変更点は、米経済へのリスクの均衡度合いを評価しないと決めたことだった。12月の声明にはリスクが均衡しているとの文言が盛り込まれていた。FRB当局者はたいてい、米経済が想定を上回るか下回るかの見通しについて、中銀用語の「上振れ」または「下振れ」リスクという表現を用いて見解を示す。だが1月の声明では、単に動向を「注視している」とし、曖昧さを残した。これは、当局者にとり経済の先行きが極めて不透明であったことを示唆する。議事録でこうした議論の内容が明らかになる可能性がある。 2.海外情勢 昨年12月の時点では、8月の世界的な市場混乱が沈静化したと見られ、イエレン議長は「海外発の下押しリスクは夏以降に減少した」と言明した。だが、先週の議会証言では論調が変化していた。議長は「海外の経済動向は米国の経済成長に特にリスクを及ぼすものだ」と警告した。このところの混乱も昨秋のように沈静化するのだろうか。あるいは、さらに深刻な状況が待ち構えているのだろうか。議事録でFRB当局者の見解がわかるかもしれない。 3.利上げ見通し 12月に利上げに踏みきった際、FRBは2016年中に0.25%ずつ4回の利上げを実施する方向に傾いていることを示唆した。市場関係者は現在、年内の利上げがあるとしても回数は減る公算が大きいとみている。利上げ時期や利上げの有無が議事録で明確に示される可能性は低いが、政策当局者がどちらに傾いているかの手掛かりが得られるかに注目だ。 4. インフレ目標の文言修正 FRBは年初に、長期目標と政策戦略に関する毎年恒例の特別声明を公表した。今年の声明では、2%のインフレ目標について、上方と下方の両方向から達成すべき「シンメトリック(対称的)な」目標であると明言し、物価上昇率がその水準から上下いずれへも大きくかい離することを望まない姿勢を示した。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、修正後の文言が「将来的に見込まれるインフレ率の目標からの乖離に十分焦点を合わせていない」ことを理由に、この声明に反対票を投じた。FOMC議事録で、文言修正の背景にある議論が垣間見える可能性がある。 5.マイナス金利 1月FOMCの2日後、日銀がマイナス金利を発表し世界に驚きが広がった。スウェーデン国立銀行(リクスバンク、中央銀行)は先週、主要政策金利を一段とマイナス圏に引き下げマイナス0.5%とした。こうした動きを受けてマイナス金利が金融界の話題をさらっている。イエレン議長は先週、米議員らの一連の質問を受ける中で、FRBがマイナス金利を「詳しく調べている」と語った。先月のFOMCでその検討に当局者の関心が向けられたか、議事録で明らかになる。 関連記事 1月のFOMC声明、エコノミストはこうみる 米FRB特集 Business | 2016年 02月 17日 10:12 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 追加利上げ「急ぐべきではない」=米ボストン地区連銀総裁 [ウォータービル(米メイン州) 16日 ロイター] - ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁は16日、海外の問題や金融市場の動揺で既に低い米インフレ率が一段と鈍化しかねないと指摘し、追加利上げの時期を探る際には「急ぐべきではない」との認識を示した。 http://jp.reuters.com/article/frb-b-idJPKCN0VQ02F
Business | 2016年 02月 17日 10:13 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 機械受注10━12月は非製造業けん引、1─3月予測は年明け混乱反映せず [東京 17日 ロイター] - 内閣府が17日に発表した機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、15年10─12月の実績値が前期比4.3%増加した。非製造業がけん引したが、製造業は世界経済の減速を映じて微増にとどまった。1─3月は前期比8.6%増と2期連続増を見込んでいるものの、昨年末調査のため現下の金融市場混乱を反映していないことに留意が必要だ。 12月単月の前月比は4.2%増の8066億円で2カ月ぶりの増加。ロイターの事前予測調査では4.7%増と予想されていたが、これをやや下回った。前年比では3.6%減だった。製造業は前月比3.4%減と2カ月連続の減少。外需も2カ月連続減となっており、世界経済減速による設備投資の停滞の影響を受けたとみられる。非製造業は同8.5%増となった。 10─12月は2四半期期ぶりの増加となった。しかし、7─9月期の10.0%減の埋め合わせはできておらず、回復は極めて緩やかだ。 増加に寄与が大きかったのは、製造業では食品製造業からの運搬機械や、情報通信機械工業からの半導体製造装置や通信機など。ただ製造業は7─9月に前期比15%以上の落ち込みとなった後にもかかわらず、10─12月はわずか0.5%増にとどまり、弱めの動きとなっている。一方で非製造業では運輸業・郵便業からの鉄道車両や通信業からの通信機やコンピュータなどの受注が押し上げ、6.9%増となった。 今回初めて発表された16年1─3月の機械受注見通しは前期比8.6%増と高めの伸びとなった。製造業12%増、非製造業5.5%増といずれも増加見通し。ただし、見通し調査は12月下旬に実施されており、今年になっての世界経済不安を背景とした金融市場の混乱は反映されていない。 内閣府は、機械受注の判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いたが、現下の金融情勢などからみて企業の投資マインドが下振れしていないか、慎重に見極めていく姿勢を示している。 *内容を追加します。 (中川泉 編集:田中志保) http://jp.reuters.com/article/machinery-orders-dec-idJPKCN0VQ00H ゴールドマン資産運用部門、ジャンク債回帰を検討−利回りに「磁力」 2016/02/16 17:50 JST (ブルームバーグ):ゴールドマン・サックス・グループの資産運用部門であるゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)は米国のジャンク(高リスク・高利回り)債やその他の社債市場に資金を戻すことを検討している。社債の一斉売りは恐らく最悪期を過ぎたとみて安定化の兆しを待っている。 社債相場は今年に入り、中央銀行の政策効果への疑問や中国の資本流出、景気減速への懸念を背景に急落。米国の高格付け債もジャンク債も、米国債とのスプレッド(利回り格差)が少なくとも3年半で最大に達した。 ネガティブなセンチメントが和らげば、利回りの「磁力」が投資家を引き戻すだろうと、GSAMのアジア太平洋地域債券責任者フィリップ・モフィット氏は指摘。「調整の最悪期を通り過ぎたので、そろそろ物色を始めリスクをいくらか取るべき時だ」が、市場の信頼感の上向きを示す出来事を待って「今はタイミングを計っているところだ」と語った。 バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、米投資適格級社債の米国債とのスプレッドは15日時点で220ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。2012年6月以来の大きな開きに近い水準だ。ジャンク債の指数によれば、投機的格付け社債の平均利回りは09年以来の10%超えとなり、スプレッドは4年余りで最大の887bpに達した。 モフィット氏は「米国がリセッション(景気後退)入りするか中国が沈没すると考えない限り、スプレッドは過去に照らして魅力的な水準だ」と述べた。ただ、今はまだ買い時ではなく、波乱はあと1カ月から6週間続く可能性があるという。中国経済指標の安定か原油市場の改善が、社債相場の上昇見通しを固めると同氏は考えている。 原題:Goldman Fund Manager Weighs Junk Return on Yield Magnetism (1)(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2MRZ76KLVR401.html
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