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焦点:金融機関が預金金利引き下げ競争、マイナス金利導入で(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/575.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 15 日 18:50:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

 2月15日、大手銀行も含めた国内金融機関は、日銀のマイナス金利政策導入を受けて預金金利引き下げ競争に入った。2010年9月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)


焦点:金融機関が預金金利引き下げ競争、マイナス金利導入で
http://jp.reuters.com/article/focus-bank-rate-idJPKCN0VO0VM
2016年 02月 15日 18:25 JST


[東京 15日 ロイター] - 大手銀行も含めた国内金融機関は、日銀のマイナス金利政策導入を受けて預金金利引き下げ競争に入った。預金規模が大きいほど、収益に対するマイナス要因が膨らみかねず、「預金の押し付け合い」(大手行幹部)の様相となっている。

<相次ぐ預金金利引き下げ>

三井住友銀行は15日、普通預金金利を0.02%から0.001%に引き下げた。引き下げは2010年以来となる。三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行を加えた3大銀行で、マイナス金利政策導入以降、普通預金金利を引き下げたのは初めて。

大手3行は前週、一斉に定期預金金利の引き下げを発表。一部の大口定期と小口定期の金利水準を同一にし、これまでの大口預金に対する金利優遇措置を止め、預金の流入を抑えることを狙った。他行よりも有利な金利設定をすると、預金が集中しかねないとの懸念が背景にある。

大手銀行幹部は「これまでは日銀に国債を売却しても、売却代金を日銀当預に積み上げておけば利子が付いたが、今後は新しく当預に積む分にはマイナス金利がかかり、収益を圧迫する。これ以上預金が増えるのは困る」と打ち明ける。

各行とも、収益の上がらない預金に対して口座維持管理手数料を導入し、預金に対して事実上のマイナス金利を課したいのが本音だ。

しかし、「顧客が納得してくれるのかを考えると難しい」のが実情だ。このため、「機関投資家や地銀などには、預け入れを遠慮してもらっている」と明かす関係者もいる。

<海外ビジネスへの影響も>

マイナス金利の導入で、国内貸出の利ざや縮小は不可避だが、「影響は海外ビジネスにも及びかねない」(大手行役員)との懸念も出てきた。

国債運用の依存度が高い地銀が、外貨建て債券の運用にかじを切れば「ドルの調達コストが上昇し、外貨建てビジネスの収益を圧迫しかねない」(同)からだ。

年末に一時ドル調達コストは下がったものの、日銀のゼロ金利政策導入以降、上昇傾向にある。足元では2011年11月以来の高水準になっている。

背景には、米国の金融規制強化や円安による担保価値の下落など複合的な要因があるが、「円貨資金の運用難が深刻化し、外貨運用の動きが強まれば、ここからさらにドル調達コストが上昇しかねない」と、先の大手銀役員は心配する。

世界的には金融機関に対する信用不安がくすぶり始めるなか、「マイナス金利政策の導入は、信用創造の機能低下を招きかねない」(シンクタンクアナリスト)との指摘も出ている。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

 

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コメント
 
1. 2016年2月15日 19:16:12 : aQq0UGoaxY : pNHEWTkf6T8[91]
定期預金の解約ですか。

既に、預金引出し競争に入っていて、静かに進行しています。
預金金利引き下げ競争が終了する頃には、預金が消滅しています。
残念でした。


2. 2016年2月15日 19:55:00 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[698]

あほらしい

金を借りて投資してくれる人がいなければ、投資収益など得られない

当たり前の話だ


3. 2016年2月15日 22:16:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[265]
週刊現代賢者の知恵
2016年02月15日(月) 週刊現代
はじめての「マイナス金利」?預金・年金・住宅ローン…今あなたがすべきこと
マネーの常識がひっくり返った!

日銀の黒田総裁が突如放ったマイナス金利というバズーカ砲には、メガバンクでさえ狼狽している
〔PHOTO〕gettyimages
お金の常識が変わった。

いったいどれだけが生き残っていられるのか。号砲を鳴らした黒田総裁でさえ、何が起きるかを読み切れていない。確実に言えるのは、国や銀行を信じればバカを見るということだ。


なぜお金に詳しい人はさっさと日本国債『変動10』に資産を移したのか

元本は確実に保証される
「私は30年にわたって国債・債券市場を見てきましたが、マイナス金利は初めての経験です。債券市場のベテランの間ですら、なにが起きるのかが読み切れなくなっている。大手金融機関も緊急ミーティングを開催し、対策を練り始めた。

これからは文字通り、誰も見たことのない世界に突入する。なにが起きてもおかしくないのです」(金融アナリストの久保田博幸氏)

おカネの常識が変わった。すぐに情報武装・生活防衛を始めないと、大損を被ることになる。

われわれがまず押さえておかなければいけないのは、預金危機の時代が幕開けしたということだ。

「マイナス金利をすでに導入済みの欧州で起きていることを見ると、企業や機関投資家の多くの大口預金金利がマイナスになっている。個人向けの預金では、さすがに預金者の『反乱』を怖れてマイナス金利にはなっていないが、ゼロ近くまで金利を下げたり、ATMなどの手数料を上げたりする動きが出ている」(東短リサーチ代表の加藤出氏)

銀行預金に預けていれば、元本保証のうえ金利がつくので「絶対安心」ではなくなるのが、マイナス金利時代の特徴だ。

「日本ではこれから個人向けの預金が実質的にマイナス金利になる可能性すらあります。銀行が一定額以上の預金者に対して『口座管理手数料』を取る動きに出かねないからです。振込手数料も増額される懸念がある。

これからの預金金利はゼロに近い金利に張り付く。それなのに、管理料や手数料が増額されれば、実質的にマイナス金利になってしまうわけです」(ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏)

実際、日本銀行がマイナス金利を決定した後、普通預金の金利を「0・001%」という超低金利にまで下げる銀行が出てきた。100万円を預けた場合、年間金利は10円。振り込みやATM利用で100円超の手数料を取られた途端、損をすることになる……。

預けていれば「減らない」のが銀行預金の最大の利点だったことを考えれば、資産の置き場として銀行預金は無意味になると言える。

「マイナス金利時代の資産運用は、利息を殖やすという観点ではなく、いかに減らさないかが重要になってきます」と、前川FP事務所アドバンス代表の前川貢氏は言う。

「特に年金以外に収入のない高齢者は資産を大きく減らすと生活に致命傷になりかねない。その意味で言うと、株も投資信託も為替も値下がりリスクからは逃れられない。そうして金融商品を消去法で考えていくと、マイナス金利時代に最強の運用先は一つに絞られてきます。個人向け国債『変動10』しか考えられない」


個人向け国債『変動10』というのは聞き慣れないかもしれないが、財務省が個人用に発行している国債の一つ。これまではあまり注目されてこなかったが、ここへきておカネのプロたちがこぞって推奨し始めている。

そもそも『変動10』とは、10年満期の変動金利の国債。1万円から購入でき、購入後は半年ごとにその時点での金利で利息がもらえる。なにより、元本が保証される。

「10年間持ち続ければ、10年後には元本がそのまま返ってくる。購入後1年が経過した後は中途解約ができますが、その場合も直近2回分の金利を返上すればいいだけ。つまり、いずれのケースでも元本は確実に保証される」(ファイナンシャルプランナーの藤川太氏)

実は金利にも「最低保証」がある。

「『変動10』の金利は、普通の10年モノ国債の平均金利に0・66を掛けたものが適用されますが、下限が0・05%に設定されている。今後はゼロに近い超低金利が続くことを考えれば、たとえ0・05%でも最低保証されているのは貴重です」(生活設計塾クルー代表の目黒政明氏)

『変動10』を100万円以上購入した客に、現金プレゼントのキャンペーンをしている証券会社も多い。それも、「100万円なら3000円」、「500万円なら2万円」という高水準である。

「もちろん、将来的に金利上昇局面が来た場合、『変動10』は相場に沿って金利が上がる。上昇局面にも乗れるメリットがある」(前出・目黒氏)

『変動10』は毎月、新規で発売される。おカネに詳しい人はすでに気付いて、大切な「虎の子」を移し始めている。

もう5年後にはもらえないかもしれない。年金は「繰り上げ」でもらえ

まちがいなく破綻する
「今回のマイナス金利政策の導入で、年金の運用が困難になる危険性があります。

国民の年金積立金およそ140兆円の巨額資産を預かって運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、資金の約35%を日本国債に充てています。その利回りが低下するわけですから、目標の運用利回りを達成するためには、国内外の株式や外国債券でよりリスクの高い運用が必要になる。

しかし、それだけのリスクに見合ったリターンが見込めるかどうか、甚だ疑問です。その中で、国債の利回り低下は確実に起こります。年金の運用リスクがこれまで以上に高まることは間違いないでしょう」(日本リサーチ総合研究所主任研究員・藤原裕之氏)

実際に、GPIFが今年度の第2四半期で7兆8899億円の損失を出したのは周知のとおり。今年に入ってからの日経平均株価の下落で、一説には16兆円を溶かしたとも言われる。

安倍政権下で株価下支えのために、国内株式での運用比率を12%から25%へと倍増させた「リスクを取る」運用が裏目に出た格好だ。

運用の失敗は年金財政を傷ませる。厚生労働省が一昨年に行った検証では、「最悪のケース」を想定すると、今から35年後の'51年に年金積立金が枯渇し、年金財政が破綻すると試算している。

しかも、この想定はいささか楽観的だ。試算では、厚労省は長期的な経済の見通しを「物価上昇率0・6%、実質賃金上昇率0・7%」と想定している。

しかし、日銀の黒田東彦総裁は2%の物価目標を掲げるが達成の見通しが立たず、現在は0・5%程度と言われる。実質賃金も、直近の調査では0・4%減少と、上昇の気配がない。

つまり、現在の経済状況の延長線上で考えるなら、年金財政は'51年を待たずに必ず破綻する。藤原氏が言うように、その時計の針をさらに早めるのが、「マイナス金利政策」ということだ。

だったら、年金は早めにもらってしまえ。経済評論家の森永卓郎氏は筋金入りの「繰り上げ受給」論者だ。その森永氏が言う。

「今のままでは将来的に受け取れる年金額が今よりも減る可能性が極めて高い。最悪のケースは、年金の支給が70歳になることです。

70歳まで働ける勤め先があって、かつ元気に働ければまだいいですが、そうでなければ10年間も無収入状態になります。そのときに悔やまないためにも、年金はもらえる年齢になったら、すぐにもらうことを私はおすすめします」

手続きはすごくカンタン
今年の4月以降に55歳になる男性は、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金の受給がともに65歳からになる初めての世代だ。

だが、年金は受給開始を繰り上げて60歳からもらうことが可能だ。

手続きは簡単。60歳になる誕生日の3ヵ月前に日本年金機構から「裁定請求書」という書類が送られてくる。年金をもらうにはこの書類に必要事項を記入して、提出しなければならない。

繰り上げ受給をする場合は、年金事務所で「繰り上げ請求書」をもらってきて署名をし、「裁定請求書」とともに提出すればいい。

森永氏が続ける。

「日本人男性の平均的な『健康寿命』(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は71歳です。年金をもらい始めても、すぐに病院行きになる可能性がある。これではなんのために年金をコツコツ払ってきたのかわかりません。

だったら60歳から受け取って、自分の好きなことに使う暮らしのほうが豊かな人生に決まっていると私は思います。

受け取りを確定してしまえば、ある意味で『既得権益』になりますから、仮に制度自体が70歳に後ろ倒しになったとしても、すでに受給が始まっているものに手を付けることはありえません。自分の持っている権利を確定させるためにも、できるだけ早く年金をもらうべきでしょう」

繰り上げると年金額が減らされることには注意が必要だ。年金は1ヵ月繰り上げるごとに、0・5%減額される。

65歳から受給開始の年金を5年間(60ヵ月)早めて、60歳から受け取ると、30%の減額となる。また、一度繰り上げ受給を選択すると、元に戻すことはできない。

厚労省が発表しているモデルケースだと、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金月額は22万1504円('16年度)。通常より5年前倒しにした場合の月額は15万5053円、年額は186万636円になる。

繰り上げ受給と5年遅れの通常受給で受け取る年金の累計額を比較すると、16年8ヵ月までは前者が多い。つまり、76歳8ヵ月までは、繰り上げ受給のほうが通常の受給よりおトクなのだ。

年金が破綻し、大幅減額となる日は近づいている。早くもらうか、満額になるのを待つか??どちらが賢明な判断か、考えたほうがいい。

住宅ローンは即、借り換えて300万円得する

これぞ低金利のメリット

新興系の銀行がおススメ
マイナス金利の影響が、確実に家計に影響する分野がある。住宅ローンだ。「人生で最も高い買い物」である不動産を買うためのローン金利は、わずかな金利差でも長期的に見れば雪だるま式に大きな支払額の差になる。ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝氏が語る。

「日本の政策金利においてマイナス金利の導入は初めてのことなので、その影響がどのようなものになるのか、まだはっきりはわかりません。ただ一つわかっているのは、一般の人々にとって、いちばん確実にプラスの影響があるのが、住宅ローンの金利が安くなるということです」

数年後に住宅を買おうと考えている人は、少し時期を前倒しにして購入に踏み切っていいだろう。

そして、すでに住宅を購入してローンを組んでしまった人は、借り換えのメリットがある可能性が高い。

例えば、三菱東京UFJ銀行の最優遇金利は、'11年には「10年固定型」で2%を超えていた。それが直近では1%を割り込みそうな勢いだ。すでに三井住友信託銀行の「10年固定型」は最優遇金利で0・7%まで下げている。5年以上前にローンを組んだ人は、1%前後も金利が下がっていることだろう。まさにローン借り換えの千載一遇、一期一会のチャンス到来である。

ローンの借り換えにあたってまず注意したいのは、諸々の手数料がかかるという点だ。銀行に払う手数料の他に、登記を書き換えるための登録免許税、司法書士報酬、元本に対する保証料(借りている額によって大きく異なる)などだ。銀行や借り手の条件によってまちまちだが、3000万円を借り換えた場合、約100万円の費用が発生する。

それでも「残高が3000万円以上ある場合や返済期間が20年以上ある場合には検討する価値が充分にある」と語るのは、不動産ジャーナリストの榊淳司氏だ。

「まずは、現在、自分の借りている銀行とは違う銀行に問い合わせて、借り換えのメリットがあるのか、見積もりを取ってもらうといいでしょう。マイナス金利の状況下で、多くの銀行が新しい借り手を探すのに必死ですから、積極的に応じてくれるはずです。

三菱やみずほといったメガバンクよりも、イオン銀行、じぶん銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行といった新興系の銀行のほうが金利が安くてお得ですね。『そんな銀行は信用できない』と思う人もいるかもしれませんが、向こうはおカネを貸してくれる側で、信用が問われるのは借り手である客の側です。何の問題もありません」

イオン銀行などの金利が低く抑えられているのは、必ずしも銀行の信用度が低いからではない。メガバンクは一等地に店舗を構え、多くの人員を抱えており、社員の給料も高い。一方、インターネットを主たる販売窓口とするような新興系の銀行は、そうした費用がかからないため、金利も低く設定できるのだ。

新しい銀行に見積もりを取ってもらって、確実に返済額が減ることがわかれば、そのまま乗り換えてもいいし、現在ローンを組んでいる銀行に見積書を持ち込んでもいい。ローンを他行に持っていかれるのは大きな損失になるので、現在の金利から可能な限り引き下げてくれるだろう。

では、実際にどれくらいローンの負担が軽くなるのかシミュレーションしてみよう。

5年前に固定金利3%で借りたローンの残額が2500万円、支払期間が25年残っていたとする。返済の総額を計算すると、利子を含めて約3550万円になる。

これを同じく25年の支払いで2%の固定金利のローンに切り替えることができたらどうなるか。支払総額は約3180万円となり、370万円もの差が生まれることになる。月々のローン支払いに換算して、約1万3000円も安くなる。

借り換えの手数料を70万~80万円程度と見積もったとしても、300万円がまるまるオトクになるというのだから、これほどメリットの大きい財テクは滅多にお目にかかれない。ローン残高の大きい人は今すぐ行動したほうがいい。


「週刊現代」2016年2月20日号より

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47894


 


2016年02月15日(月) 真壁 昭夫
なぜ「世界経済低迷」の不安が高まっているのか? 得体の知れない株安の理由

【PHOTO】gettyimages
ドイツ銀行問題は、世界経済低迷への序曲
原油価格の下落に振り回されリスク回避的に動いてきた金融市場に、もう一つ無視できないリスク要因が浮上した。それは欧州金融機関の経営不安の懸念だ。

2月8日には、以前から業績悪化が懸念されていた、独金融大手であるドイツ銀行の利払い懸念が急上昇した。

これを受けて、欧州の銀行株が大きく売り込まれた。そうした流れは米国やわが国の株式市場にも伝播し、株価が大きく下落することになった。それに伴い、投資家のリスクオフが進み、安全通貨と言われる円はドルに対して一時110.99円まで上昇した。

この動きは、一金融機関の信用問題ではない。一部の金融機関が、今でもバブル崩壊の後始末=不良債権処理が終了していないことを示している。世界経済の減速リスクが高まっていることには注意が必要だ。

世界的な株価下落等の引き金は、「ドイツ銀行のCoco債(偶発転換社債)の利払いに懸念あり」との観測だった。Coco債は、銀行の資本が棄損した場合に強制的に株式に転換されるなどして損失を吸収するよう設計された債券だ。投資家は過度にドイツ銀行の資本の健全性に不安を抱いたのかもしれない。

しかし、利払いへの懸念は問題の一端に過ぎない。ドイツ銀行以外にもHSBC等、欧州の金融機関の株価は全般的に軟調だ。欧州金融機関の株価下落、信用リスクの上昇は、世界経済が陥りつつある低迷への序曲かもしれない。

ユーロ圏では財政問題後の緊縮策を受けて、景気回復の足取りは重い。リーマンショック後、世界的に金融機関のバランスシート調整が進んだが、中国の減速などを受けて、資金需要は低迷している。そのため、大手金融機関を中心に、再度、過剰な債務、投資、人員のリストラが必要になるだろう。

金融機関の経営が悪化すれば、お金の流れが滞る可能性がある。これが信用収縮につながり、景気は悪化する恐れがある。すでにドイツ銀行は21015、2016年の無配、1.5万人もの人員削減を決めた。これは、同行がリスクをとって投資や融資を増やす体力を失いつつあることを意味する。それは信用収縮を引き起こすトリガーとも考えられる。

台頭する世界経済の減速懸念
資金の需要が伸び悩む中、ECBや日銀はマイナス金利の拡大を模索している。追加的なマイナス金利は、銀行にとっての重要な収益源である国債利回りを低下させ、資金の運用難につながる。お金を貸し出そうにも、需要が低迷している以上、収益は低迷しやすい。

今回、欧州金融機関に対する懸念を受けた株安は、多くの投資家の想像を上回るペースで進んだこともあり、投資家は一種のパニック状態に陥った。今後、徐々に市場は落ち着きを取り戻すだろう。今月26日に開催されるG20で、主要国間の政策協調の仕組みが整えられる可能性もある。それは金融市場を安定させる効果がある。

しかし、それで世界経済が抱える問題をすべて解決するわけではない。

ユーロ圏の景気を支えてきたドイツでの金融機関の経営悪化は、無視できないマイナス要因だ。中国経済の減速も重要な要素出る。世界の牽引役である米国経済に減速傾向が見えるようだと、米国に代わる牽引役が見当たらなくなる。

名目金利がゼロ近傍、あるいはそれ以下に落ち込んだ状態では、追加緩和の効果も限定的だろう。徐々に、金融機関の経営不安が信用を収縮させやすくなっている。先行きの不透明感、金融市場の下方リスクも上昇する可能性が高い。そうなると、各国の中央銀行は今まで以上に利下げ、量的緩和の拡大、マイナス金利の拡大を進めようとするだろう。もはやそれは競争だ。

しかし、実体経済の需要が低迷している以上、追加緩和が景気を根本から立ち直らせることはできない。財政の出動余地も限られている。むしろ、マイナス金利は金融機関の経営を追加的に圧迫し、景気のリスクになる恐れもある。

欧州金融株の下落は、先行きの低迷リスクを市場が認識し始めたサインである可能性がある。「その一手」は慎重に考えた方がよいだろう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47896


 


2016年02月15日(月) 高橋 洋一
この円高はやっぱり異常!ヘッジファンドを黙らせる「速攻の一手」を提示しよう
【PHOTO】gettyimages
エコノミストを信じてはいけない
1月29日の日銀によるマイナス金利導入以降、株式市場と為替市場が乱高下している。
まず、はっきりさせておきたいのは、こうした市場の短期的な動きで、政策効果を考えるのは基本的に間違っている。政策効果は、GDPや雇用で計られるものであって、それらは半年〜2年後あたりに効果が出てくるものだ。
株式市場と為替市場は、短期的にはランダムな動きをするので、それらの先行指標を見るにも短期で見ると方向性すら間違うこともしばしばだ。
ところが、世の中にはカネの強欲亡者が多く、そうした人は、GDPや雇用に関する数値にはまったく関心がなく、カネだけの成果をいち早く求めがちである。
また、そうしたカネの強欲亡者を相手に商売する金融市場関係者も、株式や為替市場の動きで政策を語ることがしばしばである。そうした人たちは、本来政策を語る資格がないが、そういう人物に限って、テレビなどのマスコミでは幅をきかせている。
というのは、金融機関が番組のスポンサーになっているので、その関係会社に属している市場関係者、エコノミストが登場するという仕組みができているからだ。金融機関の立場に立つ論者しかメディアには登場しない、といってもいいくらいだ。
筆者もしばしば株式や為替市場の話を求められるが、政策効果についてはGDPや雇用の話をするようにしている。株式や為替市場の短期予測は理論上もできるはずがないので、筆者はそうした株式や為替市場の短期予測をする人に対して「デタラメをいって商売している」という断言もしている。
これは、2013年のノーベル経済学賞を見てもわかる。米シカゴ大学のファーマ教授、米エール大学のシラー教授が資産価格の実証研究で受賞しているが、ファーマ教授は短期的な資産価格の予測は困難であると語っている(一方のシラー教授は3〜5年先といった比較的長期の価格は予測可能なことを示している)。
株価暴落の原因は明らか
筆者の分析は、政策の効果をGDPや雇用で計るものだが、それに至るまでの副産物として株価や為替も出てくるので、その範囲内で株価や為替について話すこともある。が、あくまでそれらは副産物である。筆者は株価や為替の話をするときも、絶対に短期予想はしない。
ところが、カネの強欲亡者は金融市場だけしか見ず、しかも時間概念も超短期なので、筆者の話を誤解・曲解する人が多く困ってしまう(笑)。
以上のことを前提としたうえで、ここ2週間の市場の動きについて話をしよう。
ご承知の通り、株価は大きく下げ、為替は大きく円高になっている。長期金利はマイナスにもなるほど下げている。これを、すべてマイナス金利のせいであると断定する輩もいるが、それはあまりに短絡的すぎる。
まず、株価については、昨年から世界で下がっている。1年前と比べると、日本▲19%、アメリカ▲12%、イギリス▲19%。なお、安倍政権発足直後の3年前と比べると、日本+32%、アメリカ+12%、イギリス▲11%と、日本のパフォーマンスはいい。

要するに、中国経済に懸念が出始めてから、世界の株価が怪しくなってきたのだ。中国経済は、その統計のデタラメさに根本原因があるので、なかなか出口が見えてこない。
そうした中国経済の問題は、本コラムでも、『衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている? データが語る「第二のリーマン・ショック」 2015.08.31』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44888)や『G20が認めた「危機の中国経済」 2015.09.07』(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45145)などで書いたので、参照していただきたい。
次に為替である。
投機筋に狙われている?
為替の動きは不可解だ。マイナス金利政策から想定される動きとは、まったく方向性も異なり、かつ変動幅も大きい。マイナス金利政策から、日米の金利差は円安方向にふれるはずだが、その方向とは逆の動きになっているのだ。
為替の短期的な動きはランダムであり、それを読むことは難しいといったが、ここ2週間の動きは、理論上想定される動きとまったく逆方向であるのみならず、その変動幅をとっても7%以上(2月1日1ドル121.3円が12日に112.35円と7.4%の円高)となっており、そのような大きな変動幅は1998年以来という、滅多にないものだ。
以下は、1971年の変動相場制以来の2週間の変動を統計分析したものだ。大半の場合、プライマイナス1%程度の変動しかない。しかも、どちらにふれるかは五分五分だ。これで筆者が短期の動きがランダムという意味がわかるだろう。

このデータから、2週間の変動幅が7%を超える確率は0.5%程度しかない。しかも、想定されるものと逆の動きになることはまずないともいえる。
しかし、実際に起こったわけである。それをどのように解釈するか。有力なのは、一部のファンドの仕掛けに市場全体がのってしまった可能性だ。
実際に、いくつかのヘッジファンドが投機的な仕掛けをしてきたのは事実のようだ。それで、短期的に逆方向の大きな変動になっていることは説明できるだろう。この点は、また後で述べよう。
第三に、長期のマイナス金利である。これは、今年1月4日の本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47244)に書いたように、いまは国債の品不足状態であるので、十分にあり得る話だ。金融機関が品不足の国債を競って購入するために、高値になって、マイナス金利になるからだ。欧州でも、ドイツでは国債の品不足から、しばしばマイナス金利が見られる。
以上、ここ2週間の株安、円高、長期マイナス金利について見ると、株安は中国経済低迷の影響を昨年から引きずっている。そこに、為替の売り仕掛けで円高になって、さらに株価が下げているということだろう。長期マイナス金利については、国債の品不足を背景として考えれば、十分にあり得る話だ。
市場に負けない介入が可能なはずなのだが…
こうした状況において、筆者としてまったく解せないのは、為替で投機的な仕掛けをかけられているにもかかわらず、為替当局が大規模な為替介入を行っていないことだ。
18年間も発生していないくらいの大規模な、しかも理論上と逆方向の為替の動きであれば、為替介入するのが当たり前だ。
しかも、円高に向かうなかで、為替当局としては、為券(国債)を発行してドル債を購入すればいいので、青天井で実施できる。普通に考えれば、市場に負けない介入が可能なはずである。
逆にいえば、ここ2週間、為替当局はボケーと市場を注視していただけということで、まったく情けない限りだ。ちょっと表現がきついかもしれないが、まったく無能な為替当局である。そうした無能な通貨当局だったので、ヘッジファンドも安心して仕掛けることができたともいえる。
この時点で、為替介入は為替の観点からだけでなく、国債の品不足を補うという観点でも正当化できる。ただですら、国債の品不足になっているのだから、介入資金調達のために国債を発行することは、恵みの雨ともいえるのである。
またこのとき、日銀は発行された国債を購入することで、さらに量的緩和を補強することができる(いわゆる非不胎化unsterilized)。
実際のところ、為替介入には直接的な効果はないといわれているが、非不胎化であれば、円安効果が実際にある。かつて小泉政権下では「溝口介入」といわれる介入が行われた。投機筋に狙われ03年末から急速に円高が進んだ際、04年初頭から為替当局が1日1兆円といわれる介入に乗り出した。
このとき、発行した為券の半額を日銀が購入して非不胎化したので、円安になった経緯もある(この溝口介入の舞台裏については、拙著『日本経済のウソ』ちくま新書、を参照されたい)。
為替介入+日銀為券購入という手は、国会開催中でも行える政策である。一部のヘッジファンドに仕掛けられたのだから、その「倍返し」が必要だろう。この種の対策は、緊急を要するので、速攻で行うべきだ。
* * *
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47911


4. 2016年2月16日 00:29:20 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[1136]
マネタリーベースを腐るほど増やしても元々が低金利状態だから信用創造機能が働かずマネーは思ったように市中を循環せず下々の景気はよくならない。そこから更に自主的に金利を下げるのは上から罠の網をかぶせられていると言えなくもない。「今だけカネだけ自分だけ」の体質の一端を担っているのは金融業界であるからこの先政府の政策にどう誘導されるかによって下々の景気の動向も左右されることになる。

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