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株式市場の3日続落
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52774673.html
2016年02月12日 在野のアナリスト
重力波が初観測された、という物理学の大発見がありましたが、株式市場のフリーフォールが今日も観測されました。3日間で2000円以上、日経平均は下落しており、下支え役が見当たらない状況です。しかし売っているのは海外勢ではなく、日系です。日系大手など、この3日で先物だけでも大きな傾きをかけており、多少はオプションや現物株などにヘッジはかけているでしょうが、まるでCTAスジのような、短期売買での値動きをかけることに事実上なってしまっています。
この動きは、この半年つづけてきた取引とは大きく異なる。内情は推測するしかありませんが、もしかしたら水準を次々と下方にブレイクしたため、買いのポジションを整理せざるを得なくなったのかもしれません。元々、今年の市場予想でもかなり高い水準をだし、事あるごとにこの日系に属するエコノミストは、上向きの観測を述べてきた。自分たちでも高いポジションを組んで、そこに誘導するよう運用をはかってきたのなら、買い負けというのが真相かもしれません。
負けた原因ははっきりしていて、昨年のヘッジファンドの運用に関して、多くが芳しくないところが多い。イベントドリブンやリターンリバーサルなどの運用手法は軒並み失敗、唯一成功しているのがトレンドフォロー型です。上昇相場には買い、下落相場には売り、という単純なものですが、この実績が一番いい。多くの投資主体がこのトレンドフォローを踏襲するなら、値動きが荒くなるのではなく、1日の値幅が大きくなる傾向があります。国内勢も昨年の失敗から、このトレンドフォローに移行したのなら、昨今の乱高下とされながら日中の値動きはそれほど荒くない、下げるときはずっと下げる、といった値動きについても、多少の説明がつくことになります。
今の円高、債券高、株安についてリスクオフで、安全資産につく動きと説明されることが多くあります。しかしここには違和感がある。これだけ値動きがでていれば、円だろうと国債だろうと、もう安全とは呼べない。逆に円を買う、国債を買う、というのがリスクを引き受けていることになるのです。つまり今は『安全』というリスクを負って、円や国債を買うのです。ナゼなら、市場が安全資産として買うから、そのトレンドフォローを全員がしているのが、現時点の動きです。円、国債、金、いずれも急に動意したのが、それを端的に示しているのでしょう。
今日は2月のマイナーSQの日でした。下に幻のSQとなり、反発するのを期待した向きは裏切られた。3月のメジャーSQはさらに読み難くなりました。月末のG20などに期待する向きもありますが、これまでもG20が実行性のある対策をうちだしたことはない。G7にしても、この水準で円高対策に協調介入、など誰も賛同はしないでしょう。単独で為替介入をしようにも、安倍政権では外為特会の取り崩しを景気対策に回してきており、タマは少ない。それに米国がいくら急変動だから、といってこの水準での円売りは容認しない。また一番の問題は、戦力の逐次投入はもっとも忌むべきことで、効果が限定される。他国が納得できる防衛ラインを決めて、そこを絶対に死守、という意気込みを示さなければ円高は止まりません。今日は安倍首相と黒田日銀総裁が会談しましたが、そこまで話し合ったかは不明ですし、黒田氏は財務省でも外為にかかわったことはないので、恐らく何をどうすべきかは判断もつきかねるでしょう。何よりマイナス金利導入が今回の相場環境の悪化を招いているぐらいですから、対策の打ちようも思いついていないはずです。
昨日も指摘したように、イエレンFRB議長は「中央銀行が国債を買い占めれば、本来は市場に回るはずの国債利回りによる金融機関の収益を、中央銀行が吸い上げていることになる。短期では国債買取が市場への資金投入になっても、長期では市場の引き締め効果になってしまう。だから付利は正当化される」という論調です。つまりマイナス金利は、実は金融引き締めになる、とFRBは考えているのです。追加緩和だと思っていたら、実は反転引き締めだった。市場がそれを織りこむなら、円高の動きはとても自然なことなのです。日本が陥っているトレンドフォローとしての円高、株安。いくら市場の常識を当てはめて売られ過ぎ、などと言っても、今や常識の通用し難い相場です。異次元の緩和措置が、異次元の市場をつくってしまったのですから、重力波は時空を歪める、とも言われますが、まず市場の歪みから直さないと、出直しのきっかけは得にくい状況なのでしょうね。
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