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中国人富裕層の生命力「監獄でも経営」(写真=Thinkstock/Getty Images)
中国人富裕層の生命力「監獄でも経営」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160206-00000011-zuuonline-nb
ZUU online 2016/2/6 20:10
中国の歴史は、夏や殷に起点を置くとおよそ3000年と言われる。その歴史を考慮すると、やはり近年になって世界のビジネスシーンに頭角を現し始めた中国富裕の歴史は非常に浅い。富裕層が巨大化・増加してきたのもここ最近のことだ。ここでは、中国人富裕層の人物像や日本人と違った資産形成のあり方を紹介していく。
■中国人富裕層は若手が多い
現地の富裕層の特徴として、若手、いわゆるサラリーマンから独立を目指す野望に満ちた40代〜50代が先導している。現在中国には2015年末までには296兆人民元(日本円で約5263兆)の資産が流動していることがわかっている。フォーブズ誌によれば、アジア太平洋地区には562人の億万長者が報告されており(2015年3月現在)、富裕層大国である米国の536人をすでに人数では上回っている。
例えば、世界の大富豪ランキングの7番目には香港の不動産王リー・カーシン氏(資産33.3米ドル)、33番目には中国電子商取引最大手の阿里巴巴集団(アリババ)の創設者ジャック・マー氏(22.7億米ドル)などが名を連ねている。
■生命力の強さ、監獄にいても億万長者の座は変わらない
ある中国人起業家の生命力の強さを感じる例を紹介しよう。北京を拠点とし大型家電チェーン、国美電器(GOME)は5年ほど前に創業者の汚職事件で世界のニュースを賑わした。この企業の創始者は、現在監獄暮らしをしている黄光裕氏(ウォン・コンユー)だ。彼は、36歳にして億万長者の座に上り詰め、2005年から米フォーブス誌のRichList入りしている。
この若き起業家の黄氏は事業拡大のため賄賂容疑で法廷に出廷し自身の罪を認め、長期に渡る刑を受けることになった。この黄氏は16歳の時から道端で電器部品を拾ってそれらを売買し、1987年には北京に小さな店を構えた。それが次々と店舗を増やし、たった30年足らずで79店舗を経営する巨大企業にまで成長したのである。
しかも逮捕されたのちも、主要株を保有する黄氏は彼の側近や支持者を通じて母美の経営に影響を与えている。2015年7月に黄氏は新経営陣に氏の保有していた株式を約1700億円で売却した。監獄にいても億万長者の座は変わらない。驚異的な生命力だ。
■中国人富裕層の資産運用のカタチ
中国人富裕層は、日本のタンス預金とは全く違った方法で、自由になる資産を有効に賢く増やしている。国内や中国と特別経済区にあたる香港や欧州のスイスやタックスヘブンのケイマン島やブリティッシュアイランドなどの金融機関やファンドなどに資産を分散しリターンを増やしている。
一般的に富裕層は有形資産と無形資産への投資バランスをプロのアドバーザーの元でそれぞれの資産クラスで利益率のターゲットを決め投資を行う。それらは、不動産や競売によって時には巨額の値段がつけられる名画や年代物のワインなどが有形タイプの資産。
例えば、昨年5月にクリスティーズの競売で落札されたパブロ・ピカソの絵画「アルジェの女たち」(1955年)が芸術作品としては史上最高額となる1億7936万5000ドル(約215億円)で落札された。趣味で自宅に名画を飾る富裕層もいれば、さらに時事性などで価格の上昇を見込み、競売に出される可能性もある。無形資産では、グローバル株式に資産を投じ超短期での投資を行う。
しかし、中国の歴史は、夏や殷に起点を置くとおよそ3000年と言われる。国の歴史を考慮すると、やはり近年になって世界のビジネスシーンに頭角を現し始めた中国の起業家の富裕の歴史は、欧米の富裕層に比べるとあまりにも短いだろう。
■次世代の国際人化
イングランド高等教育資金会議(Hefce:Higher Education Funding Councilof England)のレポートによると、イギリスの大学院に進む中国人の数は全体の23%でほぼイギリス人の26%に並んでいる。
歴史および権威を誇るオックスフォードではおよそ半世紀におよび Chinese Association (中国人クラブ)が存在し、中国本土からの入学などもサポートしている。著名大学では、成績はもちろんのこと、家族構成や紹介状が入学に非常に重要になってくる。
また、リターン組にならなかったとしても、西洋で金融業界などに就職し、中国マネーを海外に投資させ、リターンをあげることで資産を増やす手助けをしている。中国人が資産を増やすのが上手いと言われる由縁は、ただ会社の被雇用者として働くだけでなく、自身で学んだ株投資、家系資産を統合しファミリービジネスとして大型投資を行うなどしているためだ。個人ではなく、家族が一丸となって資産を増やしているところが日本との一番の大きな違いだろう。
プライベートバンクや最近の傾向ではファミリーオフィスという人家族もしくは複数の家族が自身で投資会社を香港やシンガーポールなどファンドには様々な低納税や非課税などでグローバル資産を誘致している国々に設立し、資産投資管理を行っている。様々な国に資産分配していることも資産を増やす成功の理由の一つではないだろうか。
資金を流動させる、寝かさない。中国人は、資金を常に動かし、空気入れをして循環させることで資産を拡大させている。ここは、日本人との大きな違いだ。金融業界では日本の資産額のリサーチをしても真の数字は出ないと嘆いている。(香港在中ジャーナリスト)
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