http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/318.html
Tweet |
またしても大幅下方修正で冒頭から陳謝した室町正志社長(撮影:今井康一)
崖っぷちの東芝、目前に迫る「債務超過転落」 NAND価格に不安、銀行頼みで綱渡り
http://toyokeizai.net/articles/-/104005
2016年02月06日 富田 頌子 :東洋経済 記者
「公表から一カ月あまりで大きな修正となりましたことについて深くお詫び申し上げます」。2月4日の会見の冒頭で、東芝の室町正志社長は陳謝した。
下方修正により、2016年3月期は売上高6兆2000億円(前期比6.8%減)、純損失は過去最大となる7100億円に沈む見通しだ。これにより今期末には自己資本はわずか1500億円、自己資本比率は2.6%に落ち込む。債務超過転落目前の崖っぷち。かつて製造業で過去最大の赤字を出した日立製作所が、倒産の危機と言われた当時(2009年3月期)の自己資本比率は11.2%だった。
第3四半期(4〜12月)までの決算は、売上高4兆4216億円(前年同期比6.4%減)、営業利益は前年同期の2017億円の黒字から一転、2295億円の赤字に沈んだ。一連の不適切会計で収益が悪化した部門の構造改革の中身が整ったことで、2015年12月下旬に、2016年3月期の通期業績予想を5500億円の最終赤字を示していた。それからわずか1カ月での修正となった。
修正の主な要因は、電力・社会インフラ部門の中で、市況が悪化している送配電・配電事業で減損を実施したことや、半導体事業で販売の実現性が低くなった在庫の処分や評価減を行ったためだ。加えて、1月末の株価の下落など伴う年金運用の悪化を踏まえて、負債調整を織り込み、自己資本が縮んだ。
■吹けば飛ぶような資本になお不安材料
室町社長は「来年度からのV字回復を図るため、今年度にウミを出し切る」と強調した。また、主力銀行との金融支援についての折衝で、「何としてでもウミを出し切って欲しい」と強い要求があったこと、さらに、融資条件になっているわけではないが、「自己資本はマイナスになっては困る、純資産がマイナスになったらとんでもない」と苦言を呈されたことを打ち明けた。異例の発言はみずほ銀行や三井住友銀行による支援体制を印象づけたかったのだと思われる。
債務超過にならないギリギリの水準を予想数字として示したものの、1500億円の自己資本は東芝の規模では吹けば飛ぶような水準。収益柱のNANDフラッシュメモリは売価が徐々に下落してきており、さらなる悪化も考えられる。急激な円安進行が起きれば、海外生産が約8割の家電事業は大打撃だ。さらなる株価の急落などがあれば年金負債調整額も膨らむ。市場動向次第では下振れの可能性は十分ある。
「ウミを出し切ってV字回復を図る」という室町社長だが綱渡りが続く(撮影:今井康一)
現状、「エクイティーファイナンス(新株発行を伴う資金調達)は、出来ないことはないが、株価が低く、特設注意市場銘柄にいるので難しい」(平田政善最高財務責任者)。事業に滞りなく投資し、収益を確保していくためにも金融機関からの支援は必要不可欠なのだ。
■メディカル売却でしのぐが、資本は綱渡り
銀行頼みとはいえ、東芝自身でも財務立て直しをする。現在、100%子会社の東芝メディカルシステムズの売却を進めており、今期中にも完了する見通しだ。売却額は4000〜5000億円ではないかという憶測が広がっていたが、「報道のレンジよりは少し高め」(室町社長)と言い、高値での売却が期待されている。加えて、赤字が続く家電とPCは、2月末までには売却、統合などの方向性を示す。
売却益が入ってきても、東芝が潜在的に抱えるリスクは大きい。今年1月に行われた米原子力子会社ウエスチングハウスののれん(約3441億円)の減損テストはクリアした。だが、来期には監査法人の変更もあり、いつ減損を迫られるかは分からない。そのためにも、自己資本の増強は欠かせない。特別注意市場銘柄の指定が解消されるのは9月15日以降。その後は、増資も視野に入るだろう。
12月末の発表からわずか1カ月で、債務超過が目の前まで迫ってきている。たとえ、今期を乗り切ったとしても、東芝が柱とする原発は減損リスクを抱え、半導体は浮き沈みが激しいのが特性だ。東芝の綱渡り経営が続く。
東芝の会社概要 は「四季報オンライン」で
http://shikiho.jp/tk/stock/info/6502
・
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民105掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。