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深刻化する被害に伴い捕獲頭数が増加しているイノシシ。自治体や狩猟者は捕獲後の処分に苦慮している
原発事故でイノシシ急増、処分に苦慮 6割は土に埋設(2017/4/16 福島民友)
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Monday, April 17, 2017 東京江戸川放射線
県内のイノシシ捕獲頭数が急増し、地元自治体や狩猟者が捕獲後の処分に苦慮している現状が、県の調査で分かった。2015(平成27)年度に捕獲したイノシシ1万5467頭のうち、衛生的に最適な焼却処分は全体の37%に当たる約5800頭にとどまる一方、残り約9600頭は土に埋設処分された。東京電力福島第1原発事故で避難指示が出された地域を中心にイノシシ被害が深刻化する中、捕獲後のイノシシを処分する用地の確保や衛生環境整備などが、市町村の大きな負担になっている。
◆◇◇40分かけて解体
「大きいと100キロ近い重さになるイノシシを解体するのは大変。解体が不要な焼却炉があったら楽だな。うちの方にも建たないかな」。伊達地方衛生処理組合の焼却施設でイノシシを焼却するため、1頭当たり30〜40分かけて解体している県猟友会桑折支部長の後藤忠郎さん(62)に徒労感が漂う。
鳥獣の保護および管理ならびに狩猟の適正化に関する法律に基づき、捕獲したイノシシを穴を掘って埋めるのは重労働で、用地確保の問題もある。年間40頭ほど捕獲する後藤さんは「埋める場所がないから、焼却を選んでいる」。しかし、焼却するにも夏場はイノシシが腐りやすく、処理が滞ると悪臭に悩まされる。
◇◆◇専用炉県内1基
後藤さんがうらやむのは、相馬市と新地町でつくる相馬方部衛生組合が同市に建設し、16年4月に稼働したイノシシ専用の焼却炉。イノシシを解体せずに焼却でき、バグフィルターで放射性物質の飛散も防ぐ。稼働後の1年で、冷凍庫に保管されていた15年度捕獲分も含め約830頭を焼却。今後も年間600頭のペースで焼却する計画だ。
捕獲後の処理が問題となり、猟友会の駆除意欲の低下に拍車を掛けていたとする相馬市の担当者は「処分に悩む必要がなくなり、駆除意欲の活性化につながった」と説明する。
解体せずにイノシシを焼却できるのは両市町と、高い焼却能力の施設を持つ福島市のみ。35市町村は事前に解体して一般廃棄物の焼却施設で焼却するか、埋設している。焼却施設を使わず埋設している市町村もある。
◇◇◆捕獲頭数8倍に
県はイノシシによる農業被害や人的被害の未然防止に向け、年間1万7000〜1万8000頭を捕獲、19年度までに生息数を5200頭に減らす目標を掲げる。16年度の実績は集計中だが、目標を上回る2万4000頭が捕獲されたとみられる。捕獲数は11年度の約3千頭の約8倍に膨らむ。
捕獲対策が軌道に乗る一方、多くの市町村が処分に頭を悩ませる。専用の焼却施設や微生物による分解処理装置の導入を検討する市町村も出てきているが、一般的に「迷惑施設」と見られがちな処理施設の建設には住民の理解が必要で、慎重な対応を迫られているのが現状だ。県自然保護課は「出口ベースの処分をどうするか。市町村と一緒に考え、問題解決に汗をかいていきたい」とする。
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170416-164842.php
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