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実証実験を近く始める「仮置き場」の敷地内には黒いフレコンバッグが山積みにされている=福島県南相馬市で2016年6月、土江洋範撮影
放射能汚染土再利用、8000ベクレルまで使用、実験は平均2000ベクレルまで(2017/2/5 毎日新聞)
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Sunday, February 05, 2017 東京江戸川放射線
東京電力福島第1原発事故による汚染土を巡り、環境省は再利用に向けた実証実験を行うが、汚染土1キロ当たりの放射性セシウム濃度8000ベクレルを再利用の上限値としながら、実験では3000ベクレルまでしか使わないことが分かった。実験場となる福島県南相馬市の強い反発を受けたものだが、専門家は「8000ベクレルでの影響を測定しなければ実験の意味は無いに等しい」と疑問視している。
実験は南相馬市にある汚染土の仮置き場で実施し、汚染土入りのフレコンバッグ約1000個を開け、盛り土を作って放射線量を測る。線量が一般人の年間被ばく限度の1ミリシーベルト以下に収まるかなどを確認し、費用は約5億円。結果は来年度以降にまとめる見通し。
環境省は昨年6月、8000ベクレルを上限に公共事業の盛り土などに汚染土を再利用する方針を決めた。一方、南相馬市などは東日本大震災直後から、海岸防災林などの整備のためにコンクリートがれきなどを分別して再利用することを国に要望。環境省は当初、難色を示したが、2011年12月に3000ベクレル以下という基準を決めて認めていた。毎日新聞の情報公開請求では、昨年9月末までに南相馬市と浪江町、楢葉町の1市2町での防災林の造成工事などに約35万トンが使われている。
こうした経緯から、同市の桜井勝延市長は昨年6月に環境省の関荘一郎事務次官(当時)を訪問。「今まで(の3000ベクレル以下という基準)と違うのはどういうことだ」と疑問を示し、同市内での実験では8000ベクレルの汚染土を使わず、3000ベクレル以下での使用を要望したという。
桜井市長は「そうじゃないと整合性が取れない。環境を守るための省庁が、自分たちが作った基準を緩めるというのはつじつまが合わない」と憤る。
環境省は3000ベクレルまでしか使わないことを取材に認め、実験で使う汚染濃度は平均で2000ベクレル程度にするとしている。
実験の意味ない
明治学院大の熊本一規教授(環境政策)の話 実験の意味はないに等しく、まともな実験とは言えないだろう。それでもやるのは、安全性の確認以外に本当の目的があるのではないか。手続きを踏んでいるように見せかけて、基準を緩和しようとしているようだ。処理コストを抑えるために中間貯蔵施設で保管する量を減らしたいのだろう。結論ありきで基準を緩和するなど環境規制として論理が逆さま。科学的でも何でもない。
http://mainichi.jp/articles/20170205/k00/00m/040/111000c
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