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福島第一汚染水(1月5週)―外洋から過去最高の全ベータ―
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2017/01/30(月) 20:00:20 めげ猫「タマ」の日記
福島第一原発汚染水の1月4週(1月23日から29日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
@外洋から過去最高の全ベータ
A港湾内各所で見つかるストロンチウム90
B地下水バイパス井戸のトリチウムが上昇中
C海岸付近で見つかる高濃度汚染地下水
Dサブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
1.外洋から過去最高の全ベータ
以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
※1(4)(5)(6)にて作成
※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(7)
※4 集計期間内の最大値
図―1 福島第一原発の放射性物質濃度
図に示す通り、事故から6年近く経ちましたが確り外洋からは放射性物質が見つかり続けています。このうち南放水口付近の全ベータの1リットル当たり17ベクレルは「過去最高」(新記録)です(8)。以下にT−2地点の今週の全ベータ濃度の推移を示します。
※(6)を集計
図―2 T−2地点の全ベータ濃度
1月23、24日に「南放水口付近」と同じタイ記録の1リットル当たり17ベクレルを記録しています。南放水口付近の採取日は1月23日ですので、この日は外洋の2地点で高い全ベータ濃度を記録しています。1月22日ないしは23日に外洋放射性物質が漏れ汚染しています。
2.港湾内各所で見つかるストロンチウム90
以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
※1 (4)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
※4 SR90はストロンチウム90を示し、採取日は12月19日
図―3 福島第一港湾内の放射性物質濃度
図に示す通り多くの地点でストロンチウム90が見つかっています。1項に記載したように外洋から過去最高の全ベータが見つかりました。以下に港湾口に設置してある海水放射線モニタ計測状況を示します。
※(9)を1月24日に閲覧
図―4 港湾口の海水放射線モニタ計測状況
図に示す通り1月23日前後に全ベータが上昇しています。どこかからストロンチウム90等の全ベータの要因となる放射性物質が漏れ出し港湾口を経由し、外洋を汚染したと考えるのが自然です。
3.地下水バイパス井戸のトリチウムが上昇中
地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(10)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(11)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(12)。以下に放射性物質濃度を示します。
※1 (11)(12)にて作成。
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―5 地下水バイパスと山側(上流井戸)の放射性物質濃度
地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
全ベータ 5ベクレル
トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。この中で気になったのがE-8井戸です。以下に推移を示します。
※(12)を集計
図―6 地下水バイパスNo8井戸のトリチウム濃度
値は低いのですが、急な上昇をしています。この先が心配です。
4.海岸付近で見つかる高濃度汚染地下水
以下に海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況を示します。
※1 (4)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―7 海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況
1リットル当たりでセシウム137の法定限度は90ベクレル、ストロンチウム90は30ベクレルですので(3)、全ベータの半分をストロンチウム90として(7)、全ベータ換算で60ベクレルです。図に示す様に法定限度を大きく超えた汚染地下水が見つかっています。この中で気になったのがNo1−6のトリチウムです。
※1(4)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―8 No0−1井戸のトリチウム濃度
どんどん上昇しています。やがては福島の海に流れ出し汚すことになります。
5.サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇
サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(14)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(15)、13日より排水を開始しました(14)。以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
※(16)を集計
図―9 サブドレン排水のトリチウム濃度
図に示す通りこのところ上昇しています。福島の海をトリチウムで汚すことは間違いありません。
東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(15)、濃度×排出量で累積のトリチウム排出量を求めてみました。
※(15)(16)を集計
図―10 サブドレン累積のトリチウム排出量
どんどん増えています。2017年1月27日時点で累積で約1,334億ベクレルに達しました。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
事故から6年近く経過しますが、福島第一原発の放射能漏れは止まる気配がありません。福島の皆様は不安だと思います。
福島県はイチゴ栽培が盛んだそうです(17)。福島県郡山市でもイチゴ狩りが楽しめます。郡山市のイチゴは美味しいようです(18)。福島県郡山市はイチゴの季節です。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(19)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
※(20)を引用
図―11 福島産イチゴが無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県郡山市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月4週)―事故から5年10ヶ月以上、汚染魚が見つかる福島第一港湾内
(2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(8)2017年1月24日福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(PDF 642KB)
(9)福島第一原子力発電所付近での海水放射線モニタ計測状況|東京電力
(10)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(11)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」
(12)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(14)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(15)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(16)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(17)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(18)郡山いちご園 |福島県郡山市日和田町 いちご狩り
(19)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(20)2017年1月29日(日)発行の鎌倉屋折込チラシ
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