http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/408.html
Tweet |
前回、赤いキリンが4号機原子炉ウェルに注水している事実を指摘した[1]。
4号機原子炉では、定期検査期間を利用して、天然ウランに中性子線を当ててプルトニウム239を
生成していた可能性が高い[2]。
今回は、その"謎"の燃料を原子炉からどうやって取り出したかについて検証しよう。
Fig.1 「燃料取り出し作業のイメージ」 [3]
Fig.1は、4号機使用済み燃料プールに保管されている燃料の取り出し作業を説明した図である。
円筒形の輸送容器(キャスク)をプールに沈め、燃料を水中でキャスクに移動し、蓋を閉めて、
クレーンで吊り上げ地上の輸送トラックの荷台へ降ろす。
使用済み燃料の放つ放射線は極めて強いので、遮蔽対策を施した頑丈なキャスクに入れるまでは、
水中で操作する必要がある。燃料が水から顔を出したら作業員は即死してしまう。
燃料をキャスクに移動するのに使われるのが燃料取扱機で、燃料プールの脇に設置されたレール上を
行き来する。
この図では、燃料取扱機が燃料プールの上だけを移動するように描かれているが、
もし原子炉内に燃料が残っていたら、取り出すためにレールを左隣の原子炉まで延長する必要がある。
(この図には示してないが、燃料プールと原子炉ウェルの間には取り外しできる仕切りがあって、
燃料を水に漬けたままで移動できる)
東電は、適当な理由をつけてこのレールを原子炉まで延長するだろうと思っていたら、
案の定、キャスクピット内の制御棒等を原子炉に移動すると発表した。
「今後の使用済み燃料プール内の燃料取り出しの際に、キャスクピット内に保管されている制御棒などを
原子炉底部へ移動することを検討しており、計画立案に資するため原子炉底部のガレキ落下状況を
確認する」[3]
使用済み燃料プールには燃料棒を置くスペースはあるのだから、これは実に苦しい言いわけである。
実際に燃料取扱機のレールは、次の写真の通り、原子炉まで延長して敷設された。
Fig.2 「4号機使用済み燃料プールと原子炉ウェル」 [4]
手前が使用済み燃料プール、左奥角の白く丸い部分はキャスクを置くキャスク・ピット、
その向こうが原子炉ウェルである。
両者を分ける壁の中央に細長い仕切りが見えるが、上で述べた通り、ここを開けて原子炉に燃料を
出し入れする。
燃料取扱機のレールを原子炉まで延長すれば、燃料取り出し用カバーも大きくしなければならず、
それだけ余分に建設費用がかかる。
一銭でもコストを抑えたい東電のことである。
制御棒などを原子炉内で一時保管するためだけに、よけいなお金をかけるわけがない。
原子炉内にどうしても取り出さなければならない燃料があるからこそレールを延長したのだ。
また、この写真の奥の側壁の外では、格納容器が大破した3号機が猛烈な放射線を発している。
4号機での作業員の被ばくを低減するため側壁に遮蔽板を設置したが、十分には防げない[5]。
被ばく量が激増するので、できれば原子炉より向こうへは行きたくない。
大量の被ばく覚悟でレールを延長したのは、原子炉から燃料を取り出す必要があったからだ。
東電は燃料プールから使用済み燃料を取り出す作業に紛れて、原子炉の燃料をキャスクに移動し、
何食わぬ顔で共用プールに移したに違いない。
それで国民をうまくだましたつもりなのだろうが、世の中はそんなに甘くない。
少なくとも阿修羅の目はごまかせない。
原子炉内の発熱体、原子炉への注水、原子炉から盛んに上がっていた蒸気、そして燃料取扱機の
レール延長と、ここまで証拠が揃えば、国民にとても言えない"やましい"ことを東電が4号機で
行なっていたことはもはや否定できないだろう。
東電は4号機に関して、火災・爆発の影像、テレビ会議画像などの資料・データを一切公開せず
頑なに沈黙を守っている。
全く説明も反論もできな東電は、兵器用プルトニウム生成を自ら認めているのに等しい。
4号機の謎は、日本の原子力政策の闇、核武装に直結している。
日本政府が全く採算の合わない原子力発電に異様に執着するのも、兵器用プルトニウム生産を
あきらめたくないからにほかならない。
(関連情報)
[1] 「あれ? 赤いキリンさん、なぜ首を伸ばして4号機原子炉ウェルに注水しているの?」
(拙稿 2017/1/26)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/371.html
[2] 「槌田敦氏 『4号機原子炉で天然ウランに中性子を照射し、軍用プルトニウム239の生成実験をしていた』」
(拙稿 2016/1/29)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/752.html
[3] 「東京電力(株)福島第一原子力発電所 4号機原子炉建屋の健全性について」 (東電 2012/5)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_120516_07-j.pdf
[4] 「4号機内部を公開 『本当の意味で廃炉始まる』(25.11.6)」 (福島第一原事故後の最新情報)
http://www.imart.co.jp/houshasen-level-jyouhou-old25.11.10.html
[5] 「【現状】 遮蔽板で被ばく低減へ 4号機燃料取り出し(25.12.16)」 (福島第一原事故後の最新情報)
http://www.imart.co.jp/houshasen-level-jyouhou-old26-2.1.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素47掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。