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仏企業の欠陥原発部品と隠ぺい、世界に波紋
フェッセンアイム原発(2013年)
MATTHEW DALTON and INTI LANDAURO, REBECCA SMITH
2016 年 12 月 14 日 17:59 JST
原子力発電業界の重要なサプライヤーで起きた製造上の問題の数十年に及ぶ隠ぺい事件を米国や他国から来た検査官たちが調査している。フランスのある工場で製造された欠陥部品が世界中の原子炉の安全を脅かす懸念があるためだ。
米国、中国など6カ国の検査官たちは今月初め、フランス中部にある仏原子力大手アレバ傘下のメーカー、クルゾ・フォルジュを訪れた。その工場の品質管理体制を調べ、内部記録をくまなくチェックするためだ。
過去の調査における一連の発見が、規模を拡大して調査が再開されるきっかけとなった。まずフランスの調査員たちが、クルゾで製造され、フランス中の原子力発電所で使用されている鋼鉄製のコンポーネントの炭素含有量が基準よりも高く、亀裂が生じやすくなっていることが分かったと発表した。次にその調査員たちは世界中の顧客に販売されてきた数百の部品に関する問題をクルゾの従業員が数十年にわたって隠してきたことを示唆するファイルを発見した。
クルゾによる欠陥隠ぺいの発覚はこの夏、フランスで2基の原子炉の稼働停止につながった。9月には、クルゾが1960年代から製造したすべての原発関連部品を扱った製造ファイル6000冊を手作業でチェックするよう当局がアレバに命じた。
パリ検察当局の報道官によると、12月7日、当局はクルゾの行ってきたことが詐欺的で危険だったかどうかについての予備調査を開始したという。
欠陥コンポーネントの重さは数百トンもあり、非常に強い圧力下で原子炉の熱を蒸気に変える働きをする
https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AS931_FRNUKE_16U_20161212123611.jpg
フランス原子力安全規制当局の副局長、ジュリアン・コレット氏は「クルゾで発覚したことはまったく容認できない」と述べた。
アレバの経営幹部たちは記録の改ざんを認め、クルゾでは数十年前から製造管理体制が崩壊していたと指摘した。同社はその発覚以来、管理を強化しており、規制当局の再調査にも協力しているという。
アレバの経営幹部たちは、クルゾが書類の改ざんをやめたのは、品質管理に対する監視が工場内の部署からサンマルセルにあるアレバの別工場に移った2012年だったと明かした。
フランス以外でも、各国の規制当局がクルゾのコンポーネントを使用している他の原子力施設が安全かどうかを見極めようとしている。先週、クルゾを訪問したフィンランドの検査官たちは、同国南西部にあるオルキルオト島の原子炉に使われる予定のコンポーネントに潜在的な欠陥があるということを知ったと話した。米国では原子力規制委員会(NRC)がクルゾ製の大型コンポーネントを使っている少なくとも9カ所の原子力発電所を特定した。
とはいえNRCの広報担当者のスコット・バーネル氏は、米国の施設に関して「現在までの調査では安全上の懸念は提起されていない」と述べ、「最終結論はまだ出ていない」と付け加えた。
規制当局によって暴かれたクルゾの製造と記録の問題は、業界に対する国民の信頼を低下させるリスクがある。原発業界は、2011年の地震と津波が引き起こした東京電力福島第1原発の事故後、信頼回復に苦戦している。その業界にとってさらに厄介なのは、そうした製造上の違反が原子力技術の主要輸出国であるフランスで見つかったという事実である。
世界の原発業界のサプライチェーンにおいてフランスは重要な位置を占めている。産業革命の幕開けにまで遡る歴史を誇るクルゾは、原発の中心部で使われる巨大の鋼部品を鍛造できる世界でも数少ない製造所の1つである。
当局の高官や専門家らは、クルゾで起きた製造問題のような例は原子力業界では珍しいと指摘する。というのも同業界では、製造・操業規則の厳守こそが原発事故に対する重要なバッファーとなっているからだ。
原子力エネルギーを専門とする独立系コンサルタント、マイケル・シュナイダー氏は「フランスで30年以上働いているが、この国でこのようなことが起き得るとは思っていなかった」と話す。「われわれが目にしたものは氷山の一角である可能性が高い」
フランスの調査員たちによると、彼らが発見した最も重大な安全上の脅威はフランス東部、ドイツとの国境付近にある街、フェッセンアイムの原発に関するものだという。アレバの検査官たちは今年の初め、フェッセンアイム原発の蒸気発生器の保護用ケーシングに欠陥鋼コンポーネントが使われたままになっていることを示す2008年の文書をクルゾで発見した。そのコンポーネントの重さは数百トンもあり、非常に強い圧力下で原子炉の熱を蒸気に変えるという働きをする。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した文書の抜粋には「次の措置を決める過程で監督者に警告しろ」というある従業員の書き込みがあった。
フランスの規制当局やアレバの検査官たちによると、その書類は部外者閲覧禁止ファイル内にあったという。そのファイルには顧客や規制当局に見せてはいけないということを意味する2つのダッシュが記されていた。クルゾが規制当局に提出したその問題にはまったく触れられていない文書を信頼したフェッセンアイム原発はその後、そのコンポーネントを設置してしまった。
今年に入ってクルゾを含むアレバの原子炉事業のほとんどを買収することに合意したフランス電力(EDF)はこの夏、その機密文書の発見を受けてフェッセンアイム原発の稼働を停止した。これまで開示されることがなかったそうしたファイルは今年に入って200冊以上も見つかっており、古くは1960年代にさかのぼるものまであった。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwif_vHcz_PQAhUBWbwKHZjNAqYQFggdMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12639540122206773900404582496252929656934&usg=AFQjCNFbg9VSkeYU9jSt-H4bZQAwm3T_3w
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