http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/105.html
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評論家の東浩紀氏がチェルノブイリ原発見学ツアーを毎年行なっている。
「東浩紀と行く チェルノブイリ産業遺産と歴史都市キエフをめぐる7日間」 (ゲンロンスクール)
http://school.genron.co.jp/chernobyl/
このツアーに今年参加した大山顕氏のリポートがこちらにある。
「原発事故で廃墟になった街に行った」 (大山顕・デイリーポータルZ 2016/12/2)
http://portal.nifty.com/kiji/161202198206_1.htm
「チェルノブイリは『ふつう』だった」 (同 2016/11/18)
http://portal.nifty.com/kiji/161118198099_1.htm
放射能汚染に対する危機意識は皆無、まるで廃墟でも探索するノリで唖然とする。
チェルノブイリが「ふつう」であるわけがない。
放射性物質は見えないから、そんなノー天気なことを言っていられるのだ。
82uSv/hもの汚染がある重機が当たり前のように置かれているような環境なのに、
マスクも手袋もしていない。
何が汚染されているかわからない。むやみにものに触ったり、拾ったりすれば
大量に被ばくする危険がある。
東浩紀氏といえば、ジャーナリストの津田大介氏、社会学者の開沼博氏などと、福島原発の
観光地化計画をぶちあげて、ひんしゅくを買ったことが記憶に新しい[1]。
彼の話を聞くと、すでにチェルノブイリ原発事故は遠い過去のことで、すでに有名な観光地と
なっているかのように錯覚するが、とんでもない。現実は全く異なる。
30年経っても、セシウム137やストロンチウム90の線量はやっと半分。
プルトニウムやウランにいたってはほぼ半永久的に影響が残る。
石棺は内部から強烈な放射線を浴びてボロボロになり、あちこちから放射性物質が外界へ漏れている。
周辺地域では線量が下がるどころか上がっている場所もある。
放射性物質の飛散を防ぐため、今回2000億円近くもかけて石棺を覆うシェルターを建設したが、
それも100年先までの応急対策である[2]。
溶融燃料を取り出して安全に処理し廃炉にする計画は全く目途すら立っていない。
今後内部で崩落などが起きれば、再臨界や再爆発する可能性すらあるのだ。
原発周辺はもちろん、数百キロも離れた村落も半永久的に居住を禁止されている。
昨年は恐れていた大規模な森林火災が起きて、さらに汚染が拡がった。
危険なまま、何一つ問題は解決していないのである。
長く滞在しなければ大丈夫だと思ったら大間違いだ。
一粒でも体内にはいれば、間違いなくがんを引き起こす放射性微粒子(地獄玉)が浮遊している[3][4]。
しかも線量計では検知できない[5]。
だからこそ、巨大なシェルターを建設して飛散を防止するのだ。
放射能汚染が今なお住民に深刻な影響を与えている。
ウクライナでは事故後30年も経っても未だに人口の下落に歯止めがかからない。
見学ツアー参加にあたって、被ばく被害が出ても決して訴えませんという免責事項を含んだ契約書に
署名させられるが、要するに「病気になりますよ。自己責任でお願いします」ということである。
放射能汚染の危険性をよく知っている人間は、むやみに事故を起こした原発には近づかない。
それなりの防護と覚悟が必要だ。
無知な評論家が、無知な参加者を募って物見遊山気分でチェルノブイリ原発を見学する。
しかもこれから子供をつくる若い世代、女性まで参加している。恐ろしいことである。
枝野幸男官房長官(当時)の言うとおり「直ちに健康状態に影響はない」だろうが、5年、10年先はわからない。
あのときの見学が原因だろうと後悔してもあとの祭りだ。
福島第一原発も大勢が見学しているじゃないかだって? 問題外である。
地下深く沈降した溶融燃料が地下水と接触して放射性蒸気を噴き上げている。
1号機もカバーが外されて大量の放射性塵が舞い放題だ。
そんなところに行って全く健康に問題は起きないと考えるほうがおかしい。
病気になったところで、因果関係を証明できないのだから東電は知らんぷりである。
安全デマの流布に利用されるだけで、あとは使い捨てである。
放射能汚染を舐めるととんでもないしっぺ返しをくらう。
健康で長生きしたい人は、何十年たっても事故を起こした原発にはむやみに近づいてはならない。
(関連情報)
[1] 「福島原発の跡地、観光地に 文化人ら構想 (とある原発の溶融貫通(メルトスルー))」
(阿修羅・赤かぶ 2013/2/22)
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/408.html
[2] 「チェルノブイリ原発に新ドーム 石棺ごと100年密封 (朝日新聞)」 (拙稿 2016/11/17)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/791.html
[3] 「ガンダーセン氏 「この粒は80%どころの話ではないよ。ほぼ核燃料100%の粒だ」 (Meg氏ブログ)
(拙稿 2014/5/31)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/492.html
[4] 「謎の放射性粒子を追え!(NHK・Eテレ サイエンスZERO)」 (拙稿 2014/12/22)
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/460.html
[5] 「線量が毎時0.1マイクロシーベルト以下だからと安心してはいけない」 (拙稿 2015/10/9)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/107.html
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