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進まない福島原発の廃炉、実験施設を続々と建設(2016/11/9 福島民報)
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Saturday, November 12, 2016 東京江戸川放射線
日本原子力研究開発機構(JAEA)は平成29年度にも、富岡町に東京電力福島第一原発の廃炉実験専用拠点施設(仮称)を整備する。溶融燃料(燃料デブリ)が発生した状況を再現する装置を設け、燃料デブリ取り出しの方法を決定する上で必要となるデータを収集する。稼働すればJAEAが廃炉に向け計画した主要施設がそろう。
■主要研究拠点そろう
廃炉実験専用拠点施設が建設されるのは、JAEAが富岡町に整備中の廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟近くになる予定。性質や形状の調査がほとんど進んでいない燃料デブリの状況を詳しく把握するため、JAEAと国が協議して設置が決まった。文部科学省の平成29年度予算の概算要求に、施設建設と機材などの整備費用として約15億円が盛り込まれた。
燃料デブリの実験装置は高さ4メートルほどで、実際の原子炉圧力容器の形を再現する。実験には原子力発電の燃料として用いられるウランに代わり、溶融温度が近い別の金属を使う。高温のプラズマを照射し、冷却機能が働かず、燃料が溶け落ちた原発事故当時の状況をつくり出す。燃料の溶け方や固まり方などを温度センサーで観測する。金属成分の変化や硬さなども調べ、実際の燃料デブリのおおまかな位置や分布状況を特定する。
政府と東電は来年にも燃料デブリの取り出しについての方針を絞り込み、30年度に手法を確定させる計画で、JAEAは拠点施設で得られた実験データを提供する方針だ。
■各施設で新技術開発に取り組む JAEA
JAEAが双葉郡に整備する廃炉研究の主要施設は【図】の通り。楢葉町の楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)は27年10月に開所し、廃炉作業で必要となるロボット開発などに取り組んでいる。
富岡町の廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟は29年春完成予定で、光ファイバーを使い原子炉内にある燃料デブリの状況を調べる技術などを研究する。29年度に一部で運用を開始する大熊町の大熊分析・研究センターは燃料デブリや放射性物質が付着したがれきの分析、処分法などを検証する。
JAEA福島研究開発部門は「各施設で新たな技術、分析方法を開発し廃炉作業を加速させたい」としている。
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/11/post_14412.html
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