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【フクシマ見聞録】3.11後、彼は日本政府がとったあまりにも統制的な被曝対応に憤り ※26回目の紹介
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/35fb6e5bb68af6bcbcf1f23a9b48400f
2016-11-02 22:05:00 | 【フクシマ見聞録】 原発問題
1876to1945さんのツイート(2013年10月01日〜)を順に紹介します。26回目の紹介
【フクシマ見聞録】
3.11後、彼は日本政府がとったあまりにも統制的な被曝対応に憤り
Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年10月31日のツイートから
福島行−主催の闊達な女性がやってくる。
”今日はどうもありがとうございました。大変な状況のなか、
貴重な活動をされていると思います。
安心して食べられる、というのはほんとうにいいものだと確認しました。”
自分は声をかけた。「もう帰るのかい」女性は言った。「ええ。−
−”実は、自分はこんなものを作っています”絵本を差し出す。
”福島で、たまたま伺った被害を、自分で実際に確かめたものを
キャラクターにして描いています。そして、東京で話して伝えているんです。
この本の後半には、福島市の一般人女性の証言が匿名で書かれています”
女性は「そうですか」言う。−
−”この絵本の売上は、その福島市の女性が必要としている
ふくしま共同診療所へ寄付することにしています。
それは自分の気持ちとしてでもあるんですが、政治的な問題で
ここはいろいろと言われていますね。
自分は、政治的には何の組織にも所属していません。
ただその診療所が必要なことを−
−”していると思ってやっているんです。その必要なことを、
銀河のほとりさんもされていると感じています。
いずれ、−これは実現するかはわかりませんが、福島市、他の市の現状を
伝える絵本も制作してゆきたいと思っているのです。
それぞれの市の活動で、金が必要なところに絵本を通じて金を回して−
−”ゆければと思い、あちこち足を運んで話を聞いています。
また、こちらへ伺って色々と話を聞かせていただけませんでしょうか”
自分が言うと女性は「どうぞどうぞ。」気さくに言った。
”ありがとうございます。−それで昨日の郡山駅前行動で聞いたのですが、
先天異常が出ている、と聞きました”−
−”このあたりは、ここでも聞かれることなのでしょうか”自分は聞いた。
「−ぽつぽつそういう話を聞きますね。私たちもあちこちでお母さん達に
話を聞いたりするんですけど、最近、ここ(須賀川市)はないんですけど、
郡山の方で。」女性は言った。”そうですか。匿名でもかまわないんです。−
−”ただ実際になにが起きてるのか、東京の人間は、私もそうですが、
ほとんど知らないんです。3.11が何をもたらしたのか、わからない。
むずかしい問題ですが。ぜひ、また話を聞かせてください。”
「わかりました。」女性は言った。その挨拶を潮に、じぶんはその場所を辞した。−
−車に乗ると、携帯に着信が入っていた。中核派の男の番号だった。
関西に住むその男は久しく福島に来ておらず、翌日に控えていた
ふくしま共同診療所報告会の半年を経過した段階での報告会に
参加するのだと言っていた。
自分とあって話をしたい、と言っていた。
自分が以前つぶやきに書いた−
−中核派なる組織の性格について、あらためて説明したいのだと言う。
電話をかけると郡山に着いた、と言った。
自分は今須賀川にいることを伝え、郡山駅前で落ち合うことにした。
30分ほど車を走らせ、レンタカー屋に車を戻し電話をかけると、
しばらくして男が現れた。−
−「いやあ久しぶりですね」彼は言った。
「しばらく来てなかったんですが、なんていうか、
3.11後すぐは毎月のように福島に来てたんですが、福島の空気を吸いたい、
と思ってたんです。
べつに何をするというのもでないんですが。
それを言ったら福島市のひとから怒られましたよ。」−
−きさくに言った。「車返したんですか」
”ええ、必要な場所でのやりとりは一応終えたのでね”
「どこかへ行きたいな。」”どこか”
彼は郡山界隈の場所を自分に話す。
どれも行き、その場所の性格を把握した場所だった。
代案で出してくる場所は、あまりにも遠かった。
自分は色よい顔を終始見せなかった−
−そこは郡山だった。前述したような中核派をめぐる立ち位置に関して言えば、
福島市とはちがう。異教徒としてくくられてしまう場所だった。
加えて、彼は公安警察がまるで競馬のパドックをのぞくように
蝟集していた労働集会で、自分に「おれの10mあとをついてきてください。」
と言った男だった。−
−顔を覚えられているのだった。慎重にならざるを得ない。
自分は彼との同行を最低限にとどめたかった。
三角形の頂点にいて、ただ被曝診療というキーワードで
彼と通じている危うさを感じる。危うさ−。
この少し前、ある男性からの転送メールが自分のもとに届いた。
同じ危うさに直面した困窮が−
−書かれていた。以前のつぶやきに登場したこの男性は、ドイツに住んでいた。
ドイツで環境問題について活動されていた。
3.11後、彼は日本政府がとったあまりにも統制的な被曝対応に憤り、
またその中でほぼ唯一良心的な被曝診療を行うことを
目的としたふくしま共同診療所の必要性を−
−感じ、ドイツ、オーストリア、フランス、スイスで講演を行い、
自分と同じように診療所への資金カンパを求めていた。
欧州からのまとまった額のカンパを集め、さらにその支援を求める講演会を
リトアニアなどに足を広げて行うと息巻いていたのだった。
自分の絵本を手に取り、いたく感動した彼は−
−その欧州講演で自分の絵を紹介するのだと言ってくれていた。
その男性が困窮のメールをよこした。いわく、ドイツ国内で
日本各地で展開されている被曝防護団体の出自が議論され、
日本で過激派として認定され、
共産主義団体でもある中核派がからむ診療所に対する
不審の念が興っているのだ、という。−
−自分はあらゆる政治団体とは離れて、ただ現在に
必要なことをしている場所に力を貸したいだけだ。
過激派とくくられているような暴力団体ではないことを弁明して欲しい、
とメールに書いてあった。
被曝防護と、政治。彼もまた、三角形の頂点に危うく立った状態で、
交通していたのだった。−
−このままでは講演ができない、懇願するような
そのメールに対しての応答もこちらに流れてきて、
そこには困窮した彼を納得させることは書かれていなかった。
中核派の男とホテルの喫茶店に入る。
入口から奥の喫煙席には自分と彼以外、誰もいなかった。−
※次回に続く
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