http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/454.html
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1986年、チェルノブイリ原発事故が起きると、ソ連政府は住民の不安を抑え、また避難・移住者数を少なくするため、
御用学者のL・A・イリインらを動員して、悪名高い「生涯35レム(350ミリシーベルト)安全説」をうち出した[1][2][3]。
これは生涯を70年とすれば年間5ミリシーベルトに相当し、原子力施設作業員の基準である。
しかも年間の被ばく量の制限はないから、1年に100ミリシーベルト被ばくしても累積量が超えなければ問題なしとされた。
実際に、事故収束作業員だけでなく周辺住民も、事故後数週間で100ミリ、200ミリの被ばくをした人はざらにいた。
ソ連政府上層部はさっさと汚染地帯から避難したが、一般住民には避難・移住を認めず、無汚染の食材の配給も行なわず、
汚染地域の住民は被ばくでバタバタと倒れ、死んでいった。
こうして共産党政府は住民の激しい憎悪の対象になり、一気に支持を失いソ連崩壊につながった。
その後、悲惨な健康被害状況を鑑みて年間1ミリシーベルトに規制を変更し、多くの村を廃村にして、
住民を汚染の少ない地へ移住させた。
(文献[1]は絶版で[4]で引用が読める。文末にいくつか35レム関連のツイートを引用する)
さて日本では、年間20ミリ、いや100ミリシーベルトまで安全だと政府と御用学者が主張しているが、
この35レム安全説にくらべれば、その4倍から20倍であり、とんでもない線量だということがわかる。
数々の原発訴訟で国・電力会社側の弁護に立ち、デタラメを述べてきた御用学者の小佐古敏荘教授ですら、
そんなに子供に浴びせられないと泣き出す始末だ。
そもそも有害物質に関する安全基準を何の科学的根拠もなく安易に緩和してよいわけがない。
例えば一酸化炭素は1時間の曝露では500ppmで中毒症状が出始め1500ppmで死亡する。
そのため、事務所等の室内における濃度は50ppm以下に規制されている。
これらは過去の事故の教訓や実験などにより、科学的に決められた値である。
この規制値をいきなり20倍、あるいは100倍に緩めたらどうなるか。中毒患者、死者が続出するだろう。
そんなことは絶対にしてはいけないのは子供でもわかる。
ところが原子力の世界では、政府や電力会社のご都合だけで、当たり前のように安全基準を勝手に緩めてしまう。
信じられないことである。
一酸化炭素濃度が1000ppmもある部屋にだまして人を入れ、その結果中毒死させたらまちがいなく犯罪に問われる。
しかし年間20ミリシーベルトもの被ばくをする汚染地帯に人間を帰還させ、病死させても全く罪に問われない。
これは殺人行為にほかならない。旧ソ連政府以上に悪質だ。
なぜ原子力だけ、こんなデタラメ、やりたい放題、治外法権が許されるのか。
われわれは平気で極悪非道を行なう政府に対して、もっと激しく怒りと抗議の声をあげるべきだろう。
(関連情報)
[1] 「チェルノブイリ極秘--隠された事故報告」 (アラ・ヤロシンスカヤ・著 和田あき子・訳 平凡社 1994)
[2] 「チェルノブイリの犯罪 上・下巻」 (ヴラディミール・チェルトコフ著 緑風出版 2015)
[3] 「ベラルーシにおける法的取り組みと影響研究の概要」 (ウラジーミル・P・マツコ,*今中哲二)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Mtk95-J.html
[4] 「チェルノブイリ極秘」 ツイッター
https://twitter.com/AYaroshinskaya
------(引用ここから)---------
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/592947660169973760
35レム「しきい値」基準 ー それは「しきい値」なし説に対する解毒剤であり、
一種の心理的代用物である。「しきい値」なし説は、人的犠牲は
許されないということから出発している。
0:05 - 2015年4月28日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/637460380537610240
住民に情報を隠したことやデマ情報に対して
【共和国やかつての指導者たちの責任追及問題を提起すること】
【まちがった「70年35レム」説を断罪すること】
【チェルノブイリ原発の閉鎖を提起すること】
20:02 - 2015年8月28日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/674991252442484737
本書より・・ もし人々を汚染地に残し、28年間(Cs137の半減期)
必要なすべてを彼らに保障するとすると、安全な場所に人々を
移住させるよりも国家には2倍半高くつくというものであった。
この事実は重ねて35レムという考えの経済性の破綻をも立証している。
8:37 - 2015年12月10日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/678919767021846528
本書より・・・ 私は6歳になる息子の健康にとって35レムの被曝が
どういうものかを知りたい突きとめたいと思っている<ただの人>である。
長年私たちを騙し、「子どもの健康なにも心配ない」と書いておきながら、
事故4年目に数十の村を即時強制移住させた人たちの言葉を
信じていないからである。
4:47 - 2015年12月21日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/680027869574111232
事故から数年たって、白ロシアやウクライナの学者たちや、
ソ連邦最高会議の専門家たちが拒否した、
有名な「70年35レム(=350mSv)」説の父であるアカデミー会員
L・A・イリインでさえも、議会公聴会で発言し、
次のように認めざるを得なかった。
「もしも35年間7レムまで下げるとすれば
6:10 - 2015年12月24日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/680028756153466880
一般的に困難な状況の中でいま避難が想定される人は、
16万6000人ではなく、その場合には、この数字を約10倍に
増やさなければならない。つまり 150万人以上の移住が問題になるのだ。…
社会は、このような措置がもたらす、「全てのリスクと利得」を
天秤にかけなければならない」と。
6:14 - 2015年12月24日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/680034125718237184
本書より・・ 大惨事の当初から中央省庁によって実施された
これらの政策の基礎には、1987年末からは「生涯線量35レム説」が
置かれていたが、この説の使命は、次のような課題を解決することにあった。
6:35 - 2015年12月24日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/680034368643936256
本書より・・ つまり一般世論を落ち着かせること、
事故処理の責任を党と国家の機関や具体的個人から解除すること、
多く損害を被った被災者と汚染地区の住民への補償を
できるだけ少なく済ますこと、それに人々の生命と健康に対する危惧が
根拠の無いものと思わせること。
6:36 - 2015年12月24日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/680035135085936640
本書より・・ WHOの専門家たちは、イリイン説を逐一
繰り返さんばかりの結論を出し、70年35レム(=350mSv)は
「生涯のうちに起こる他のリスクと比べれば、健康にとって
取るに足らないリスクである」ことに同調した。
6:39 - 2015年12月24日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/680035509100363776
本書より・・ 外国の専門家たちは、ソビエト人を安心させるために
「生涯線量の許容値を確定するように依頼されれば、
70年35レムを2倍、3倍に上げた値を選んでも良い」と説明した。
新聞やテレビは、ホッとしてそうした発言をすべて報道した。
6:41 - 2015年12月24日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/713355778308988928
本書より・・ 人間に対する許容線量を決める際には、
住民がすでに受けた最初の放射能の『直撃』を必ず考慮するべきである。
このことに医学者たちは注意を払っていない。
6:24 - 2016年3月25日
https://twitter.com/AYaroshinskaya/status/713357041570480128
(チェルノブイリ極秘)
本書より・・ それがいかに苦いものであろうとも市民に言うべきであった。
大惨事に直面したとき、国家がいかに無力であったかについての真実を。
35レム説によって放射能恐怖症のせいにすることによって、
被災者の健康は問題がない心配の理由はないという説得によって
覆い隠すべきではなかった。
6:29 - 2016年3月25日
------(引用ここまで)---------
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