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僕が、癌になったのは母さんのせいだ!!
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2016/09/08 11:52 半歩前へU
「僕が、癌になったのは、こんな体に産んだお母さんのせいだ。僕は、どうせ長生きできないんだから、もう放射能の話なんてしないで」―。福島県の親子の慟哭をつづった記事が「女性自身」に載った。
少年が癌にかかったのは母のせいではない。大地震が起きたら危険だと知っていながら「コストがかかる」と言って、原発の安全対策を放置した東電のせいだ。責任はすべて東電にある。
それが、なぜ、穏やかに暮らしていた親子が原発の罪を背負わなければならないのか。余りにも、余りにも理不尽だ。惨(むご)い。この子の未来を奪った責任をどう償うのか。
福島にはもう一つの癌が見つかった。それは東電原発による放射能被害を極力抑え込もうとする「福島県立医大」という癌である。この医大は原発爆発直後からいろいろウワサが絶えない“謎の病院”である。内情を知る人がいたら教えてほしい。
「女性自身」は語った。
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2013年春、福島県郡山市内に住む川向アキさん(仮名・52)は、次男の隆くん(仮名・事故当時中2)に夜通し泣きながら責められた。
「だから私、隆に言ったんです。『お母さんのせいで、アンタが癌になったんだったら、死ぬときは、お母さんも一緒に死ぬべ。ぜったいにアンタ一人では死なせねぇ』って」。
隆くんは甲状腺検査で、癌と診断され、甲状腺の片側を切除する手術を受けた。14歳の子どもが”癌”と宣告され、病と向き合う恐怖はいかばかりか。また、見守る親の心情は……。
川向さんが、今回、本誌に胸の内を語ろうと思ったのは、治療を受けている県立医大や福島県の対応が、あまりにも患者の心を踏みにじるようなひどいものだったので、「誰かが訴えなくては」と考えた。
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僕が、癌になったのは母さんのせいだ!! 2
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2016/09/08 11:51 半歩前へU
福島県では原発事故以降、子どもの甲状腺癌が多発している。福島県の検査で、甲状腺癌の”悪性”ないし”悪性疑い”と診断された子どもは166人。手術の結果、隆くんのように悪性癌と確定した子どもは116人にものぼった。
津田敏秀氏(岡山大学大学院環境生命科学研究科教授)は、「もともと小児甲状腺癌の発症率は、全国平均で年間100万人当たり約3人。ところが福島県では、全国平均の約30倍だ」と訴える。
小児甲状腺癌は、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のあと、ロシアやウクライナ、ベラルーシなどで多発。原子力を推進するIAEA(国際原子力機関)でさえ、被ばくとの因果関係を認めざるをえなくなった唯一の病だ。
しかし、これまで国や福島県は、これほど福島で小児甲状腺癌が増えているにもかかわらず、多発を認めていなかった。
冒頭の川向さんや他の患者の親の話を聞いていると、福島県から委託されて甲状腺癌の検査や治療、分析まで一手に引き受けている、福島県立医大の対応のマズさ、ずさんさが見えてきた。
「息子の目の前で、あなたは癌ですよ、と伝えられたときはものすごくショックでした。息子は顔面蒼白になって、イスにも座っていられないような状態でしたから。私自身も、目の前が真っ暗になって……。気が遠くなりましたね。息子も、その後数日間は、かなりふさぎ込んでいました」。
そう話すのは事故当時10代だった息子の父親。癌の告知も含め、医師からの説明は、わずか10分足らず。いまや常識となっているセカンドオピニオンの説明もなかったという。
「思春期の子どもに対して、あの告知の仕方はないんじゃないかな……」父親はそうもらした。
今回、つらい心情を語ってくれた川向さんの場合も、告知のされ方はひどいものだった。「私たちが診察室に入ると、先生は、しばらくパソコンの画面やエコー画像を眺めて『う―ん』とうなっていたんですが、いきなり「乳頭癌ですね、手術しましょう」と言われました」
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僕が、癌になったのは母さんのせいだ!! 3
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2016/09/08 11:49 半歩前へU
川向さんの次男、隆君も顔面蒼白になり、親子共々、なにも言葉を発せなかったという。通常は行われるエコー画像を見せての詳しい病状の説明もなく、次の検査の予約をとっておきます、と告げられ、10分ほどで終了。
通常は、病院の対応が気に入らなければ、病院を変えればすむ。しかし、福島県内には甲状腺の専門医が少ないうえ、国や福島県は、原発事故による被ばくの影響を調べるために、すべての検査データを県立医大に集約しようとしている。
さらに、県が実施している検査の枠組みから外れると、受診しづらいという事情があるのだ。実際に、患者が一般の病院を受診しようとしても、拒否されるケースがあった。
記者が取材した別の母親は、子どもが県で受けた甲状腺検査でB判定(二次検査が必要)の通知が送られてきたので、県立医大に「二次検査はいつ受けられますか?」と問い合わせたが、「いつできるかわからない」との回答を受けた。
「早く二次検査を受けて安心したい」と思った母親は、県内の別の医療機関で検査の予約をとり、子どもを連れて行くことに。
しかし、検査当日に病院に行くと、医師から、「うちでは診られません。県立医大に行ってください。これからずっと医大で診てもらうようになるんだから、個人の病院で検査することはできないんです」と言って帰されたという。
結局、県立医大で二次検査を受けられたのは、B判定の通知が送られてから約半年後。その間、母親も子どもも、「癌だったら、どうしよう」と、不安な日々を過ごした。結果は、癌。リンパ節にも転移が見られた。
「検査を待たされている間に、もっと進行していたら、と思うと、今考えてもおそろしい」と、母親は振り返る。
川向さんが主治医に「どうして、うちの子は甲状腺癌になったのでしょうか。やっぱり、放射能の影響なんでしょうか」と尋ねたら、主治医は、頭ごなしに、こう言った。
「そんなのは(癌は)前々からあったんだ!」
川向さんは、「私のせいだ」と、自分を責めた。
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福島・見捨てられた甲状腺がん患者の怒り(女性自身)
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