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三代目江戸家猫八さんは、広島・宇品で原爆投下を体験した。
そのときのことを、「キノコ雲から這い出した猫」という本に書いている[1]。
興味深い内容なので、一読をおすすめする。
彼は戦争中召集され、原爆投下当時、宇品の陸軍船舶司令部にいた。
爆心地から数キロ離れており、熱線による被害はなかったものの、強烈な爆風で何メートルも
吹き飛ばされた。
地獄と化した市内にすぐにはいり、救護活動を開始したものの、被ばくで体調を崩してダウン。
一時は危篤状態だったが、何とか回復して終戦後の9月に帰京。
髪が抜け落ち、白血球数も一時は1800まで下がったものの、大病にはならなかった。
しかし異常なだるさ、そして被ばくが原因で死ぬのではないかという不安は、生涯彼を苦しめることになる。
非常に疲れやすく、舞台裏では長椅子に横になったり、舞台のポストやゴミ箱に寄り掛かることもあった。
まわりの人は彼の健康状態を知っていたので、理解があり助けてくれたという。
電車で移動中、二人分の席を占領して寝ていて、起こそうとする乗客に対し、病人だからそっとしておいてと、
そばにいた仲間が言ってくれたそうだ。
(最近は同じような居眠りが多く、もはや日常的な出来事になってしまった感がある)
彼はこう書いている。
「爆発して一旦地上から地面に浸透したウラニウム線が、再び地面から放射されることを、
反射能といっていた。
そのため、あとから来た他の地区の兵隊も地方人たちも、その反射能を身体に受けて、
殆どの人たちが、広島で被爆した人と同じ状態になって、一命を失った犠牲者が続出した。」
もちろん反射能というものは存在せず、大量に降り注いだ放射性物質による外部・内部被ばくが原因だが、
入市被ばくで大きな被害が出たことはよく知っていたようである。
地獄のような被ばく体験は長年トラウマとなり、公の場で話すようになったのは、
戦後35年以上もたってからであった。
NHKの生中継で被ばく体験を5分間話す予定が、当時の悲惨な記憶がよみがえり、
3分で言葉に詰まって話せなくなった。それが多くの視聴者に衝撃と感動を与えたという。
70代になってがんが見つかり大腸を30センチも切除するも回復。
2001年に80歳で心不全により逝去。
被ばくの後遺症に苦しみながらも、芸能界で大活躍した人生であった。
長男の四代目江戸家猫八さんも活躍したが、残念なことに、今年3月に進行性胃がんで亡くなった[2]。
享年66歳。
福島原発事故後、公演で被災地を何度も訪れており、被ばくの影響が強く疑われる[3]。
三代目は原爆で被ばくしたものの80歳まで生き、四代目は66歳で逝去。
何とも皮肉な話であるが、それだけ福島原発事故による被ばくの影響が強いということかもしれない。
(関連情報)
[1] 「キノコ雲から這い出した猫」 (江戸家猫八・著 中央公論社 1995)
[2] 「四代目江戸家猫八さんが死去、66歳 十八番は「ウグイス」の鳴きまね 3月9日に入院、
2週間足らずで急逝」 (産経ニュース 2016/3/31)
http://www.sankei.com/entertainments/news/160331/ent1603310013-n1.html
[3] 「著名人の病気や体調不良・訃報報告wiki 2016年1〜3月 逝去者」
http://dion.wiki.fc2.com/wiki/2016%E5%B9%B41%EF%BD%9E3%E6%9C%88%20%E9%80%9D%E5%8E%BB%E8%80%85
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