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「5年を経た今、食品から放射性セシウムは検出されていない」
(FOOCOM.NET 松永和紀 2016/7/22)
http://www.foocom.net/column/editor/14620/
何度でも、書かねばならない。
もう、国内で生産・販売されている食品の多くから、放射性セシウムは検出されていない。
農水省が先月21日、食品中の放射セシウム濃度の2011年〜15年度の検査結果について発表した。
ここでまとめられているのは、原子力災害対策本部が策定した「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」(ガイドライン)に基づいて、対象の17都県が実施した出荷前の農産物等の検査結果だ。事故後、日々の結果は厚労省から公表され、7月19日現在で第990報に及んでいる。農水省が、5年間の推移を整理した。
検査数は、2011年度は全部で9万3000点あまり、12年度からは毎年20万点を超える検査が行われており、2015年度は約26万点だった。
農水省は、この検査結果を「栽培/飼養管理が可能な品目群」と「栽培/飼養管理が困難な品目群」とに大別した。前者は、米や野菜、果物、肉や卵、栽培された山菜やきのこなど。後者は、イノシシ、シカなど野生鳥獣の肉類、水産物、野生の山菜やきのこなどだ。
●5年間で、確実に下がっている
「栽培/飼養管理が可能な品目群」の推移を示すのが表1。この5年間で濃度が確実に下がったのだなあ、と改めて気付く。
大きな推移を見るために、25Bq/kgという単位で分類してある。その結果、25Bq/kg近いものがぞろぞろあるのに隠されているのでは、と思 う人もしれない。だが、そうではなく、ほとんどが数Bq/kgという検出限界で検査され、「検出できない」という結果だ。そのことは、日々の厚労省の報道 発表を見るとわかる。
ただし、注意が必要なのは、この「管理が可能な群」の約8割を占めるのは肉類であり、その大部分が牛肉であるということ。2015年度は、23万7845点の検査数のうち21万7598点が肉類だ。
牛肉は原発事故からしばらくして、高めの濃度のものが見つかった。原子炉から放出された放射性セシウムが降下(フォールアウト)して、田んぼで干されて いた稲わらなどに付き、それを食べた牛の肉が高めの数値となって騒ぎとなったのだ。その結果、と畜場で事実上の全頭検査が始まった。牛肉は、一部を検査に 費やしてしまっても残る量が多く、検査コストが販売価格に比べて相対的に小さいことなどから、全頭の検査が可能だ。
その後は、フォールアウトはほぼない。汚染されていない輸入飼料を食べさせ、また、国内での牧草栽培においても、放射性セシウムを牧草に吸収させ ない管理がうまく行き、2013年以降は、肉類で100Bq/kgを超過するものはなく、99.9%以上が25Bq/kg以下に止まっている。
●生産者の努力が実を結ぶ
肉類の検査が非常に多いとはいえ、それ以外の米や野菜、果実、原乳、栽培きのこ類の検査点数も毎年度、2万点以上ある。これらの食品は、検査して しまうと試料は食べられなくなってしまうから、全品検査ではなく抜き取り検査になるが、これだけ多い件数だと検査結果の推移を見る価値は十分にある。15 年度は、2万704点を検査し、100Bq/kgを超えたのは米2点、大豆3点。うち米2点、大豆2点は14年度産を15年度に検査したものだった。
カリウム肥料を多めに施し、作物が放射性セシウムを吸収しづらくなるように管理したり、放射性セシウムを栽培環境から除去する除染作業を行ったりした生産者の努力が、実を結んでいる。
●イノシシや野生きのこはまだ、検出される割合が高い
一方、「栽培/飼養管理が困難な群」は、様相が異なる。
こちらも、年々下がっているとはいえ、放射性セシウム濃度は高めだ。放射性セシウムは、土壌中の粘土鉱物には強く保持され離れにくいが、有機物への 吸着力は弱く離れやすい性質を持っている。森林は除染が難しく、そこで雑食しているイノシシやシカなど野生鳥獣は放射性セシウムを体内に取り込みやすく、 山菜やきのこなども、森林表層の有機物の放射性セシウムを吸収しやすいようだ。
ただし、「管理が困難な群」の品目は、多くが出荷規制の対象であるため、検査されても消費者の口には届かない。
●ほかの検査結果も、同じ傾向
これらの検査は、日本全国で行われている検査の一部に過ぎない。福島県で行われている米の全袋検査(検査方法が上記の検査とは異なり、非破壊検 査)や、同県で試験操業されている水産物、各地で行われている給食などの検査等の結果は入っていないし、JAなど民間の自主検査も対象外。全国で実施され ている検査はいったい年間何点に及ぶのだろう。だれも把握していない。だが、どの検査でも、放射性セシウム濃度が大きく下がり、検出されない食品が数多 い、という傾向は一致している。
福島県・米の全量全袋検査
・ふくしま新発売・農林水産物モニタリング情報
・ふくしまの恵み安全対策協議会
・福島県における試験操業の取り組み
国や自治体、JAの検査なんて信用できない、という人もいるかもしれない。日本生活協同組合連合会が、生協組合員の家庭に2日分の食事(6食分と間食)を提供してもらい、測定し続けている。いわゆる陰膳調査だ。各年度、福島県の100世帯が含まれている。2014年度、15年度は、放射性セシウムは検出されていない(検出限界1Bq/kg)。
●リスクの懸念はもうない
では、これらの調査から示される放射性セシウムのリスクはいかほどか?
仮に、放射性セシウム137が100Bq/kgの食品を1kg食べた時の被ばく線量は、0.0013mSvだ。食品には、放射性カリウムなど天然由来の 放射性物質も含まれ、日本人は年間に0.99mSvを食事によって自然に被ばくしている。これに上乗せして摂取しても大丈夫な線量について、食品の国際的 な規格・基準を定めているコーデックス委員会(世界保健機関と国連食糧農業機関が設立した機関)は1mSvと定めており、日本も年間1mSvの上乗せを食 品からの許容線量としている。
100 Bq/kgを超えるものがもうほとんどなく、25Bq/kg以下が9割以上なのだから、リスクは非常に小さく懸念はほぼない、と言ってよいだろう。そのことは、厚労省のマーケットバスケット調査の結果などからも言える。
原発事故以前に戻ったわけではない。「環境放射線データベース」で、 昔の食品の数値を調べてみると、たとえば1987年、つまりチェルノブイリ原発事故の翌年の千葉県の「豚肉及び脂身」の測定で、セシウム137が 0.2183Bq/kg。2002年の牛肉及び脂身(佐賀県測定)は、0.037Bq/kg、食パン(東京都測定)は0.029Bq/kgだ。
昔の調査は、試料をたっぷり用いて時間をかけて測定できるため、検出限界が1Bq/kgを大きく下回るような測定が行われていた。事故以降は、検 査数を多くしなければならず、そんな時間はかけられないため、検出限界を数Bq/kgに設定している検査が多い。判断はしにくいが、福島原発事故以前の状 態にはまだ戻っていない。それはたしかだ。しかし、事故以前であっても、放射性セシウムは摂取されていた。そして、事故後の放射性セシウム摂取量は大きく 下がり、次第に以前の状態に近づきつつある。
そうした現状を、どのように消費者に伝えたらよいのか。私は、食品からの放射性セシウムの検出が減っていることを、ウェブで雑誌で、そして各地の生協の広報誌で何十回となく書いているけれど、なかなか伝わらない。
好みで産地を選ぶのはまったく構わない。しかし、「放射性セシウムが含まれていて危ないから」という誤解に基づく消費行動は、その消費者にとっても生 産・流通にかかわる人たちにとっても不幸ではないか。数値を挙げながら、これからも繰り返し説明して行くしかないのだと思っている。
-------(引用ここまで)--------------------
この記事を書いた松永和紀というサイエンス・ライターは、中川恵一、菊池誠、中西準子と言った学者と
共著で本を出版しており、いわゆる御用ライターである[1]。
よくこれだけデタラメが書けるものだ。厚顔無恥もはなはだしい。
国内で生産された食品の大半から放射性セシウムが検出されていないというのは真っ赤なウソだ。
先月だけでも宇都宮の小学校給食で出されたタケノコや沼津産アオザメから大甘な基準すら大幅に超える
セシウムが検出されている[2][3]。氷山の一角である。
検査がいい加減だから汚染が減ったように見えるだけで、まともに検査すれば100Bq/kgを越える食品は、
山のように出てくるだろう。
5年間で濃度が確実に下がり、これからも年々下がると言っているが、半減期2年のセシウム134などの
短寿命核種が減衰しただけで、これからは半減期30年のセシウム137やストロンチウム90が支配的となり、
線量はゆっくりとしか下がらない。
福島原発事故以前の食品汚染は0.01-0.1Bq/kgだったのだ。
数Bq/kgという高い検出限界で検査しても意味がない。サブベクレルで測定できる装置がありながら、
時間がかかることを理由に故意に検出限界を上げて測定するのは、汚染をごまかそうとしていると
批判されてもしかたあるまい。
精密な測定を行なうには1サンプル当たり2時間以上かかる。
たった10秒のスキャンで汚染が検出できるわけがないし、全品検査は不可能である[4]。
それにセシウムの300倍危険だと言われるストロンチウム90は一切測定されていない。
安全だと言える根拠はどこにもない。
もうフォールアウトはないというのもウソである。
毎日のように、1Fからは放射性蒸気が噴き出ているし、汚染水も大量に海に流れ込んでいる。
1Fでちょっとでもガレキを動かせば放射性塵が舞って遠くまで広がって田畑を汚染する。
事実、怪しげな線量のピークが何度も検出されている。
放射性セシウム137が100Bq/kgの食品を1kg食べた時の被ばく線量は0.0013mSvというのも
デタラメである。ベクレルをシーベルトに変換する実効線量係数には何の科学的根拠もない[5]。
内部被ばくは局所的であり、簡単にシーベルト換算できない。
25Bq/kg以下が9割以上なのだから、リスクは非常に小さく懸念はほぼないという主張も噴飯ものだ。
原子力推進団体ICRPの体内蓄積曲線でも、毎日10Bqの摂取で体内に蓄積されて1500Bqに
達することが示されている[6]。これは心臓に回復不能なダメージを与えるレベルである。
本来、100Bq/kg以上の汚染物は黄色いドラム缶に入れて厳重保管しなければならない。
東電・柏崎刈羽原発では100Bq/kg以下のゴミも厳重に保管している[7]。それだけ危険だということだ。
100Bq/kgという危険極まりない大甘な基準のため、事故前の数百から数千倍も汚染されている食品を
日本人は食べさせられており、その結果、心筋梗塞、脳卒中、白血病、がんで亡くなる人が
老若男女を問わず激増している。
そういった厳しい悲惨な現実を見ぬふりをして、もう食品汚染の心配はないとどうして言えるのか。
御用ライターでなければとてもできない主張である。
チェルノブイリ事故から30年近く経っても、未だに欧州の野生動物から深刻な汚染が見つかり、
また輸入食品の汚染がひどく、積戻しや廃棄処分になっている[8][9][10]。
30年後の日本も、食品の汚染はほとんど下がらず、全く同じ問題を抱えたままだろう。
いずれ健康被害が深刻になり、食品汚染の問題は無視できなくなる。
こういった安全デマを流した御用連中は、厳しくその責任を問われることになるだろう。
(関連情報)
[1] 「松永和紀」 (ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%B0%B8%E5%92%8C%E7%B4%80
[2] 「≪致命的≫宇都宮市の小学校で食後に基準値超の放射能が発覚!
事故後からずっと食後に数値が判明する体制に・・・」 (阿修羅・赤かぶ 2016/6/13)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/834.html
[3] 「沼津産アオザメからセシウム134/137合算で707ベクレル/kg検出!」 (拙稿 2016/6/10)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/817.html
[4] 「<放射性物質>福島産米 基準超ゼロ (河北新報)」 (拙稿 2016/1/17)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/698.html
[5] 「放射能と人体(10)安全デマのキモ−実効線量係数とは(250万アクセス)」 (院長の独り言 2012/1/13)
http://onodekita.sblo.jp/article/53082228.html
[6] 「原子力推進団体ICRPの体内蓄積曲線からも100ベクレル/kgの食品汚染基準が危険なのは明らかだ」
(拙稿 2016/4/14)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/482.html
[7] 「東電・柏崎刈羽原発では100ベクレル/kg以下の廃棄物も厳重管理している」 (拙稿 2016/7/1)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/127.html
[8] 「イノシシ肉から基準値7倍超のセシウム オーストリア『森の生態系に影響』 (産経ニュース) 」
(拙稿 2016/4/28)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/579.html
[9] 「イタリアから輸入したジャムからセシウムが検出。チェルノブイリ原発事故の影響が
いまだ大きいことを示しています…」 (阿修羅・赤かぶ 2013/10/20)
http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/314.html
[10] 「ブルガリア産ブルーベリー 同じ商品3つが全て基準値100ベクレル超え〈週刊朝日〉」
(阿修羅・赤かぶ 2013/10/16)
http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/250.html
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