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伊方原発1号機廃炉 「小型で老朽」存続厳しく 四国電、採算見通せず
四国電力は10日、伊方原子力発電所1号機(愛媛県)を廃炉にした。運転開始から40年近くたち、安全対策費用がかさむうえ、規模が小さいためだ。一方、同じ伊方原発でも比較的新しく、規模も大きい3号機は7月下旬にも再稼働する見通し。電力会社が採算性を厳しく見極めながら、原発の存続を判断する姿勢が鮮明になっている。
伊方原発1号機(右)は運転開始から40年近くたつ(3月、愛媛県伊方町)
四国電は10日に経済産業相に届け出ている発電設備から伊方1号機を除外し、廃炉とした。
東日本大震災以降、廃炉となる原発は福島の原発をのぞくと伊方1号機で6基目。四国電は今後1年程度をかけ、解体に向けた作業計画をまとめる。放射性廃棄物の処理を伴う原発の廃炉作業は30年程度かかる見通し。すでに廃炉に必要な費用407億円のうち、360億円を引き当てており、残る費用を10年間で分割してまかなう。
2017年に運転開始から40年となる伊方1号機は、最大20年間の延長を申請できた。ただ原子力規制委員会の審査に合格するには、全長数百キロメートルとされる電源ケーブルを燃えにくくするための工事などをしなければならず、1700億円を超える追加投資がかかるとされていた。一般的な原発の出力が100万キロワット規模なのに対し伊方1号機は56万6千キロワット。四国電力は投資負担に見合う収益は得られないと判断、運転継続を断念した。
これに対し、今夏にも再稼働する伊方3号機は運転開始から20年あまりしかたっておらず、1号機ほど追加の工事費用はかからない。出力も89万キロワットと1号機を大きく上回り、再稼働した場合の年間の収益改善効果は400億円近くにのぼる。
昨年春に決まった関西電力の美浜原発1、2号機(福井県)、中国電力の島根原発1号機(島根県)などが廃炉を余儀なくされた理由は伊方1号機と同じ。逆に出力が80万キロワットを超える関西電の高浜原発1、2号機(福井県)は運転開始から40年を超えたが、関電は収益改善効果が大きいとみて、規制委の審査を経たうえで再稼働を目指す。
大手電力は4月の電力小売りの自由化によって、ガスや石油元売りなど異業種との競争にさらされている。地域の電力需要を独占していた時代は電気料金に上乗せする形で投資コストを回収できたが、安易な値上げは難しくなっている。電力各社が投資と利益を比較検討した結果、大型の原発が残り、小型で古い原発が淘汰される傾向が強まりそうだ。
ただ大型で比較的新しい原発でも、再稼働にこぎ着けるのは簡単ではない。規制委の長期にわたる審査に加え、司法判断も壁となる。関西電の高浜3号機は規制委の審査合格を受けて今春再稼働にこぎつけたが、大津地方裁判所の司法判断により、1カ月あまりで再び運転を停止している。四国電の伊方3号機も住民訴訟の対象となっており、目指す7月下旬の再稼働が実現できるかは見通しにくい。
[日経新聞5月10日朝刊P.2]
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