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メディアが報じない原発禍の街の真実 <第4回>イノシシやサルの野生動物園になった故郷
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178949
2016年4月7日 日刊ゲンダイ 文字お越し
あちこちに看板(C)岡邦之
全村避難の飯舘村から伊達市に移り住んで4年、仮設住宅暮らしのAさん(67)は月に2回ほど帰村して、墓参りをしている。
「仮設とはいえ、4年も生活していると、もうすっかり伊達市の住民です。こうして村に帰ると、体がだるくなり、体調が悪くなる。原因? 放射能のせいだろうな」
飯舘村役場前で会ったAさんは、ため息交じりにこう言った。そして、続けた……。
「イノシシやサルに墓も家も荒らされるし、先祖に申し訳ないんだ。イノシシなんか『俺らの村に何しに来た?』といった面で近寄ってくるしね。村は野生動物園になっちまったよ……」
原発禍の街が動物園とは、まったく笑えない話だが、昨年12月9日、南相馬市議会を傍聴した際のこと、農業を営む議員がこう訴えていた。
「女性に噛みつくイノシシやサルもいる。通学路にイノシシが出没する恐れもあり、児童の安全を確保すべきだ。アライグマやハクビシンも増えている。アライグマは狂犬病のウイルスを持っているため危険だ……」
■あちこちに「事故多発 獣と衝突」の看板が…
Aさんと別れ、飯舘村から故郷の南相馬市に戻り、国道6号を車で南下した。福島第1原発から10キロ圏内の浪江町に入ると道路沿いに大きく「減速!」と表示され、南相馬警察署・双葉警察署・磐城国道事務所の連名で「事故多発 牛と衝突」「事故多発 獣と衝突」と書かれた看板が立てられていた。
それを眺めていると、一時帰宅の町民がやって来て、教えてくれた。
「夜になるとイノシシや飼い主を失った離れ牛が出てきて、車に突進するんだ。野生動物園になった? まあ、象はいないけど、大熊町や富岡町ではダチョウも出る。ダチョウ牧場があったからね……」
さらに、車を走らせて帰還困難地域の大熊町に行くと、持参した線量計は基準値の27倍の毎時6.2マイクロシーベルトを計測した。そしてここにも「事故多発 猪と衝突」の立て看板が……。再び停車して外に出ると、叫び声が聞こえた。
「止めないでください!」
振り向くと、福島県警郡山署から派遣されたパトロール中の警察官だ。
「帰還困難地域ですから、外に出ないでください」
そう真顔で注意する若い警察官に私は言った。
「ここは放射能も怖いけど、イノシシなどの獣も襲ってきますよね……」
警察官は黙ってうなずいた。ともあれ、南相馬に戻った私は市役所に出かけて、イノシシ対策について聞いた。すると職員はこう説明した。
「地元の猟友会の協力でイノシシは年間1500頭、サルも200頭近く捕獲しています。捕獲した場合、イノシシなら写真と尻尾、サルは写真を持参すれば1頭につき謝礼2万円を出します」
ワナでイノシシを捕獲している知人は語った。
「原発事故前ならイノシシはボタン鍋で食えたけどね。今は放射線量が2万ベクレル(1キロ当たり)以上あって食えない。サルは拝むマネをするため、猟友会の連中もなかなか撃てないと言ってた……」
南相馬市の街中でも、子連れのイノシシやキツネを見ることができるという。原発禍の街は、本当に野生動物園になってしまったのではないか。
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