http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/404.html
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http://31634308.at.webry.info/201603/article_28.html
2016/03/30 21:49
原発の事故処理費が、もう総額が12兆円である。
内訳は、被害者への損害賠償6兆1681億円▽放射性物質に汚染された地域の除染2兆6321億円▽汚染廃棄物の処理7156億円▽汚染土を保管する中間貯蔵施設整備3293億円▽廃炉・汚染水対策2兆2048億円−−で、総額12兆499億円ということだ。
この膨大なお金はどこから出ているのか、国民はわかっているだろうか?
ほとんど100%に近い国民は知らないだろう。事故直後に政府に救済を求め、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて、国から資金交付を受け続けているのだ。東電は建前上、国に返済しなければならない。被害者への賠償費用は、東電に加え、原発を抱える全国の電力会社が、事故後に値上げした電気料金に上乗せするなどして少しずつ返している。
つまり、原子力損害賠償等の支援機構から借りているのだ。この金は、どこからか湧いてくるものではない。
得体のしれない機構が貸していると言っているものの、国民の税金から出ている。さらに言えば、一部は全国の電力会社が消費者から集めたお金の一部から支払われている。
12兆円も金を使いながら、今や東電は黒字を計上している。これだけの借金をしておきながら、黒字である。要するに、このお金は、東電は口にこそ出さないが、返す気がないとしか思えない。返す気があれば、黒字などは計上出来ないはずである。
シャープは赤字で台湾企業に3888億円で買収された。東芝も不正経理をして、大赤字で1万人以上の従業員をリストラしている。しかし東電では、そんな話は聞いたことがない。この落差は何か?今回の原発事故が、如何に政府の庇護の下に守られているかわかる。
記事の結論にあるように、『 原賠法が掲げる事業者の無限責任の原則は事実上崩れている。東電と国は国民に大きな費用負担を強いている現状を明らかにし、原発が抱える事故処理のリスクを見つめ直すべきだ。』
東日本大震災5年 原発事故処理費=関谷俊介(東京社会部)
http://mainichi.jp/articles/20160330/ddm/005/070/003000c
国民負担、説明尽くせ
東京電力福島第1原発事故の処理費用はいくらで、誰が負担しているのか。検証記事を2月21日朝刊に掲載した。総額は12兆円を超え、多くが電気料金や税金で賄われているのに、ツケ回しの実態が国民には見えにくい。30〜40年続く事故処理で、国民にどれだけしわ寄せがくるのか、東電と国は毎年その仕組みや金額について丁寧な説明を尽くすべきではないか。事故の深刻な結果を忘れないために必要なことだと私は思う。
処理費用は、被害者への損害賠償6兆1681億円▽放射性物質に汚染された地域の除染2兆6321億円▽汚染廃棄物の処理7156億円▽汚染土を保管する中間貯蔵施設整備3293億円▽廃炉・汚染水対策2兆2048億円−−で、総額12兆499億円。だが、中間貯蔵施設は国の試算で最終的に1兆1000億円と見込まれ、廃炉も技術的に難しい作業を伴うのでどこまで膨らむか見通せない。資金の流れも東電や各省庁にまたがって複雑で、全体像と最終的な費用負担の主体を把握するのは容易でない。
それでもなぜ知ることが必要か。事故当時、私は福岡で勤務していた。福島に何度か出張する機会があったが、福岡に戻るたびに現地との意識の差を感じた。福島では放射線量を示すモニタリングポストが目につき、カーラジオからも各地の放射線量の値が流れてくる。同じ毎日新聞でも東京本社版と西部本社版では福島に関する記事の量が違う。そんな中でも、例えば九州で暮らしていても電力会社に毎月支払う電気料金に処理費用の原資が含まれていると知れば、原発事故を身近なこととして考えるきっかけになるのではないかと思う。
全国の電気料金、賠償の原資に
原子力損害賠償法は事故を起こした原子力事業者が無限に賠償責任を負うと定めている。だから制度上は東電が負担しているように見せかけている。だが、実態は違う。
巨額の賠償金を自前で払い切れない東電は、事故直後に政府に救済を求め、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて国から資金交付を受け続けている。東電は建前上、国に返済しなければならない。被害者への賠償費用は、東電に加え原発を抱える全国の電力会社が、事故後に値上げした電気料金に上乗せするなどして少しずつ返している。
一方、除染や中間貯蔵施設の費用は、事業主体となる環境省がいったん肩代わりした上で実施後に東電に請求する。東電にはその支払い資金も国から交付されている上、政府はこの資金の返済についても2013年に仕組みを変えた。除染費用は、政府が1兆円を投じて同機構が保有した東電株が将来値上がりすると見込み、その売却益で返済することにした。本来なら国民に還元されるはずの利益だ。中間貯蔵施設の費用に至っては、約30年間にわたって年350億円ずつ税金が投じられることになった。
実質は東電の負担でなく、私たちの電気料金や税金が原資となっていると思うと、その使い道についても関心が強まるのではないだろうか。
除染費の支払い、消極的な東電
東電は国の手厚い保護を受けながら、環境省が請求する費用の支払いには消極的だ。
除染や帰還の方針が示されてこなかった放射線量が特に高い「帰還困難区域」について、政府は今夏にも方針を示す。同区域の除染費用に関しては、井上信治・副環境相が3月、「東電に支払いを求める」と国会で答弁した。だが、東電は環境省から既に一部請求されている同区域の除染費用について支払いに応じる姿勢を見せていない。
今後、株価が伸び悩んだり除染費用が大きく膨らんだりすれば、売却益で返済するのは困難となる。その場合は賠償費用に加え除染費用も電気料金などから払わなければならないが、電力小売り全面自由化のもと他社との競争が激しくなっている。このため、「経営を安定させたい東電は除染費用の支払いをできるだけ抑えたい」(経済産業省関係者)とされる。さらに、13年に税金投入を決めた自民議員や関係官僚も「経営が危うくなり人材が流出すれば廃炉作業もうまくいかなくなる」と危惧するなど、東電の立場を代弁する声も聞く。
確かに廃炉を着実に進めるには税金投入もやむを得ない。だが一方で、東電が新潟県の柏崎刈羽原発を再稼働させようとしていることには強い違和感を覚える。事故処理すら自力でできず、税金も投入してもらっている会社に原発を動かす資格があるのか。
原賠法が掲げる事業者の無限責任の原則は事実上崩れている。東電と国は国民に大きな費用負担を強いている現状を明らかにし、原発が抱える事故処理のリスクを見つめ直すべきだ。
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