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美浜3号機、廃炉も視野 安全対策費、最大2700億円に膨らむ
運転開始から40年近い関西電力の美浜原子力発電所3号機(福井県)が廃炉になる可能性が出てきた。原子力規制委員会の安全審査への対応で耐震工事費が膨らみ、安全対策費用が最大2700億円と当初計画から倍増する見込みとなったためだ。関電は最長60年までの運転延長を目指すが、追加の投資負担は重く、廃炉を含めて年内に結論を出すことになる。
関電は美浜3号機(出力82万6千キロワット)の安全対策費を1290億円とみていた。規制委が昨夏の安全審査で敷地内で起こり得る地震の揺れの大きさを750ガル(ガルは加速度の単位)から993ガルに上げるよう指示したため、必要な対策費が大幅に増えた。
関電は18日までにプラントメーカーや施工会社などに対策費の概要を説明した。2000億円を下回る水準まで対策費を抑えられないか協議を始めたが「必要な対策が多く、ほとんど削れない」(関係者)という。
東日本大震災後に政府は原子炉等規制法で原発の運転を原則40年とした一方、規制委が認めれば最長60年まで運転を延ばせる特例制度を導入した。1976年に稼働した美浜3号機は今年11月末までに規制委の安全審査と運転延長の審査を通らないと再稼働できない。審査は停滞気味で、時間切れで廃炉になる可能性もある。関電は美浜1、2号機について、巨額の費用を投じて運転を延長しても費用対効果を得られないと判断し、昨年3月に廃炉を決めた。
[日経新聞3月18日夕刊P.1]
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