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(回答先: 中国の行方、期待と不安 安定成長へ構造改革 政府、消費主導へ転換 投稿者 あっしら 日時 2016 年 10 月 05 日 18:11:44)
生産能力の削減 景気と両立狙う
中国の習近平指導部は持続的な安定成長をめざし、過剰な生産設備の削減など5つの構造改革に挑んでいる。改革を進めれば失業者の増加など経済の下押し圧力が高まる恐れがあるが、2016〜20年の平均で年6.5%以上の経済成長の目標を死守する構えだ。改革を進める一方、景気は安定させるという難しいかじ取りを迫られている。
「単純に金融政策と財政政策に頼る経済成長は通用しない」。9月5日、中国・杭州。20カ国・地域(G20)首脳会議の終了後の記者会見で、習国家主席は強調した。構造改革を推し進めるという中国国内向けの宣言にも見えた。
習氏が「供給側(サプライサイド)改革」と呼ぶのは過剰設備、過剰債務、不動産在庫の削減に加え、企業コストの抑制、有効供給の拡大――の5つ。生産能力の削減を最優先し、今後5年で鉄鋼で1億〜1.5億トン、石炭で5億トンを減らす目標を掲げる。
5月には共産党機関紙・人民日報の1面に「権威人士」という匿名の人物のインタビューが掲載され「バラマキで経済にカンフル剤を打つのは避けるべきだ」「高いレバレッジ(借入比率)で市場のリスクが上がっている」「構造改革は負けられない戦争」などと改革優先を訴えた。習氏に極めて近い人物の意向が反映されたとの見方が多い。
習指導部内には「改革を急げば景気が腰折れしかねない」「規制緩和や創業促進をもっと打ち出すべきだ」との意見もあったもようだが、記事が出る少し前に「構造改革優先」で統一したとされる。
春先の公共事業の拡大や銀行融資の急増で、地方の省幹部らの間では「中央による大盤振る舞いがまた始まった」との淡い期待もあった。権威人士の記事には「指導部の意見が『改革優先』で統一されたことを地方指導者に伝える狙いがあった」(北京の外交筋)と受け止められている。
ただ中国景気の変調はいまも続く。特に民間投資の伸び率が月を追って縮小し、1〜8月の累計で前年同期比2.1%増まで失速した。15年通年では前年比10.1%増だったことを考えると急激な落ち込みだ。国有企業による投資を約2割増やし、なんとか全体を支えている状況だ。
指導部内では景気の先行きを不安視する声が再び強まっているようだ。「(先行きの成長率が底ばいとなる)L字型ではなく、さらに落ち込むのではないかとの懸念が出ている」(共産党関係者)という。今後、財政出動の拡大を求める声が強まる可能性がある。
日本は深刻な不良債権問題を抱えた1990年代、改革か景気配慮かで政策の方針が揺れ続けた。中国経済は難局を乗り越え、効率的で持続可能な成長軌道を描けるか。世界が中国の構造改革の行方に注目している。
[日経新聞9月29日朝刊P.34]
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