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(回答先: チャイナセンセーション 第3部 国境を越える民/1(その1) 共産党幹部「子どもに日本国籍を」 代理出産で逃避準備 毎日 投稿者 gataro 日時 2016 年 6 月 21 日 10:39:23)
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(回答先: チャイナセンセーション 第3部 国境を越える民/1(その1) 共産党幹部「子どもに日本国籍を」 代理出産で逃避準備 毎日 投稿者 gataro 日時 2016 年 6 月 21 日 10:39:23)
チャイナセンセーション
反腐敗、摘発恐れ
東京・新橋で取材した中国人男性は忘れられない一日を語り始めた。2013年6月9日、夕食を食べ終わったころ、北京市内の自宅の電話が鳴った。党中央の要職に就いたおじからの呼び出しだった。「一族として決断したことがある。今から来られないか」。緊張する男性は妻と一緒におじの自宅へ。おじから告げられたのは思いも寄らない話だった。
「習近平指導部は徹底的に反腐敗闘争(汚職取り締まり)をやるようだ。これまでよりも当局の手の及ばない場所へ我々の資産を逃がしておくしかない。代理出産で日本国籍の子どもをつくる、ある種の亡命システムができたと友人から聞いた。担当者に連絡を取ってほしい」
東京・歌舞伎町で自分の精子と妻の卵子を採取し、在日中国人にその受精卵を移植。14年8月に男児をもうけた。男性は北京でソフト開発に携わっていたが、昨年「技術」の就労ビザを取得して来日。中国に残してきた妻と長男もいずれ呼び寄せるつもりだ。男児は関東地方の託児所に預け、月に2回前後面会している。
おじから代理出産を持ちかけられた時期は、習指導部が反腐敗闘争のヤマ場、周永康・元政治局常務委員=無期懲役刑で服役中=の立件方針を固めたころと重なる。不逮捕特権があるとされる常務委員経験者の立件方針は、習指導部の並々ならぬ決意を示すものだ。男性がおじから聞かされた話も、党中央に衝撃が走ったことをうかがわせる。
男性によると、1990年代、おじの友人が仕事で大きなミスを犯し、それをおじがかばった。その後、党中央で出世した友人は、おじを要職に推薦してくれたという。今回、その友人から「江沢民(元国家主席)派は壊滅状態に追い込まれるだろう。準備を万全にしておくように」と日本での代理出産を促され、おじから男性に指示があったという。
実際、周氏の立件方針を固めた13年夏以降、習指導部は大物容疑者を次々と摘発していく。国外に逃亡する汚職幹部が増えると、連れ戻しにも力を入れ、14年10月以降34カ国・地域から124人の身柄が中国に送還された。起訴され、有罪になれば違法に取得した資産は没収される。
党幹部周辺の富裕層が日本国籍の子どもをもうける最大の動機は、その匿名性だ。中国の捜査当局が苦労して資産の流れを追っても表向き無関係の日本人の口座や会社に行き当たることになる。仮に子どもが中国で成長し、中国当局の捜査対象になっても日本国籍なら国外退去処分で済む可能性もある。
男児を中国に引き取らず、自らも日本に移住した男性は「それだけ(おじが)追い込まれ、一族の日本避難が現実味を帯びてきたためだ」と打ち明けた。
中国政界の内情が外国メディアに明かされるのは珍しい。男性に「(おじとの)関係を証明するものを見せてほしい」と頼むと、男性はスマートフォンを操作して一族の集合写真を示した。中国紙に時々掲載される大幹部のおじの顔と男性本人の顔が確認できた。12年秋におじが党中央の要職に就任した時に身内で祝った時のものという。日本への逃避を考えるまで、要職就任の喜びは1年も続かなかったことになる。
4年で86人誕生
男性を取材した翌日、東京都内で中国人仲介業者が保管する代理出産の記録を閲覧することができた。記録はA4の青いファイル2冊。表紙には「Surrogacy」(代理出産)のラベルが張られている。その「1」は代理出産ビジネスを始めてから4年間の記録。「2」は代理出産の契約書や母子手帳のコピーなどの書類がとじ込まれていた。
「1」をめくると、依頼順に1から番号が振られており、香港で会った女性の名前は35番、東京・新橋で会った男性の名前は43番に記されていた。ほかにも依頼主夫妻の名前▽住所▽生年月日▽職業▽連絡先▽代理母の名前▽生まれた子どもの性別と誕生日▽日本、中国のどちらに滞在しているか−−が手書きで記入されていた。
その記録によると、4年前に始まった代理出産ビジネスで生まれた子どもは計86人。日本の託児所などで預けられている子どもは28人。中国に引き取られた子どもが58人いる。「チャイナ・センセーション 第2部」で2月に取材したボロボロの黒いスニーカーの在日中国人女性にも72番の依頼主夫妻の受精卵が着床し、妊娠したことが記されていた。
さらに各依頼主のページ下部には、ところどころ中国人の名前と肩書がメモされている。「依頼者のバックに誰がいるかが書いてある」と仲介業者。国有企業役員、大学教授……。香港と東京で会った2人のおじの名前もあり、党幹部リストに載る名前と一致した。代理出産で生まれた子どもの母子手帳のコピーを含め、2人の説明と青いファイルの記録は合致していた。
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「ここまで件数が膨らむとは思わなかった」。仲介業者が語る。代理出産ビジネスは本来、不妊に悩む中国人富裕層向けの一種の医療ツーリズムのはずだった。費用1500万円の高額サービスを利用する夫妻がそれほどいるとも予想されていなかった。
だが、闇の代理出産ビジネスは党幹部やその親族の口コミで広がった。日本には代理出産を禁じる法律がない。また、生まれた子どもは日本国籍を得られるため、遺伝上の両親との関係が公的書類からはたどれなくなる。一方、中国の捜査当局の追跡を恐れる一部の党幹部や富裕層にとっては「ある種の亡命システム」として子どもを安全な資産逃避先にできる。代理出産を巡る関連法規のない日本が逃避地として利用されている形だ。
今後も代理出産が逃避システムとして利用される可能性について、仲介業者は「(安全に逃避できる)道具があれば、それを利用しようとする人が現れるのは当然だ。どう利用するかは依頼主の自由。私たちは亡命ビジネスをしているわけではない」と釈明する。
中国共産党は来年秋に党大会を控えており、5年に1度の指導部人事に向けた候補者の絞り込みが始まっている模様だ。敗れれば摘発される恐れもある。中国からの逃避熱はさらに高まり、青いファイルは厚くなっていくだろう。【中国取材班】=つづく