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習近平主席と李克強首相の対立激化 次期首相は習氏腹心か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160529-00000008-pseven-cn
NEWS ポストセブン 5月29日(日)7時0分配信
中国共産党の序列ナンバー1の習近平国家主席と、序列ナンバー2李克強首相との対立が激化しつつあるとの見方が広がりつつある。そんななか、来年秋の中国共産党の第19回党大会の最高幹部人事で、李氏は党政治局常務委員を解任されるか、あるいは再任されても、翌年春の全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)で首相の職務を解かれ、全人代委員長に横滑りする可能性が出ていることが分かった。
その後任として、習氏の信頼が厚い腹心で、経済政策全般を任されている劉鶴・党中央財経工作指導小組(グループ)弁公室主任が首相のダークホースとして急浮上しているという。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が伝えた。
習氏と李氏の対立は以前からも伝えられていたが、2人の険悪な関係が明るみに出たのは今年3月初旬の全人代の冒頭、李氏が政府活動報告を終えた後、ひな壇に戻ってきた李氏に隣席の習氏は握手すらせず会話を交わすこともなく、一顧だにしないという異様な光景が衆人環視の中で展開されてからだ。
さらに、2人の政策が明らかに対立していることが分かったのが5月9日付の党機関紙「人民日報」の報道からだ。同紙は「権威人士」なる最高幹部かあるいは最高幹部に連なるブレーンとみられる匿名の人物への長文のインタビューを掲載した。
その内容は中国の経済情勢や経済政策に関する見方で、権威人士のインタビュー内容は李氏ら政府高官の立場と明らかに食い違っていた。まず、経済の現状認識について、政府高官は今後はV字型、あるいはW字型と成長率は今後も上昇するとの見方だが、権威人士はL字型と、低迷が長引くとして、政府の発表とは全く異なった見方を披露した。
このほか、今後の個別の金融・経済政策や将来的な構造改革の方法などもことごとく食い違っており、「権威人士」は李氏と対立する習氏本人か、あるいは習氏の腹心との憶測が広がっていった。
このような中、博聞新聞網は「権威人士は習主席腹心の劉鶴主任」としたうえで、「次期首相のダークホースに急浮上しつつある」と報じた。
その理由として、同新聞網は「習近平氏が2013年5月にオバマ大統領と会った際、ドニロン米大統領補佐官に傍らの劉氏を指して『あの背の高い男は劉鶴といいます。非常に重要な人物です』と称賛したほか、劉氏は常に習氏の視察に随行し、経済政策でアドバイスしている」と伝えている。
これについて、『習近平の正体』(小学館)の著書もあり、中国情勢に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は「現状で党政治局員でもない劉氏が首相に昇格することが難しいが、習氏が劉氏を信頼していることは確かであり、習氏は今後、李氏の経済政策よりも、劉氏のそれを採用する可能性が高いのは間違いない」と指摘する。
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