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中国住宅、大都市で急騰
「局所バブル」の様相 深圳や上海、緩和マネーが流入
【北京=大越匡洋】中国国家統計局が18日発表した2月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月に比べ上昇したのは47都市と、1月より9つ増えた。多くの地方都市が売れ残った在庫の山にあえぐなか、広東省深圳や上海など一部の大都市の価格は急上昇が目立つ。借入金で膨らんだ投資資金が集中しているためで、「局所バブル」の様相を見せている。
「住宅価格は二極化が大きい」。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日の記者会見でこう指摘した。前月と比べ新築価格が上昇した都市数は拡大したが、1年前との比較では「二極化」が鮮明だ。主要70都市のうち、2月の新築価格が前年同月比で上昇したのは32都市。これに対し、下落は37都市だった。
特に値上がりが顕著なのは、深圳、上海など「一線都市」と呼ばれる大都市だ。深圳の新築価格は2月までの1年間で57.8%上昇した。上海は25.1%、北京は14.2%、広東省広州は11.9%の値上がりだった。
中国の住宅市場は2014年から販売不振に陥り、全国的な住宅価格の下落が景気を下押しした。人民銀は14年秋から利下げなど相次ぐ金融緩和で景気下支えに動いたが、あふれたマネーは、人口流入が続き、住宅の値下がりリスクが小さいと信じられている上海など大都市に流れ込んだ。
問題は、バブルの懸念が色濃いことだ。銀行から住宅ローンを借りる際、頭金まで不動産会社などが融資する「首付貸」という仕組みが広がり、局所的に住宅投資が過熱した。この融資の規模はすでに1兆元(約17兆円)に上るとされる。
近親者らに住宅を高値で売ったようにみせかけ、借り入れた住宅ローンを別の投資に回す行為もあるという。昨春から夏の中国の株価の急上昇と急落は、借り入れをテコに膨らんだ投機的な資金の動きが背景にあった。株式バブルがはじけ、行き場を失ったマネーが大都市の住宅バブルを再燃させようとしている。
一方、大部分の地方都市では売れ残った住宅在庫が重荷だ。2月末時点で全国の不動産在庫面積は7億4千万平方メートル近くに達し、2年間で4割増えた。人民銀の潘功勝副総裁は「在庫の70%が地方都市にある」という。
人民銀は「首付貸」の規制を強化する構えで、深圳や上海などの当局も実態調査に乗り出した。その一方で、習近平指導部は景気浮揚へ「在庫圧縮」を重視しており、人民銀は地方都市を対象に住宅ローン規制を緩めている。
ブレーキとアクセルを同時に踏むような際どい政策運営が続く。
[日経新聞3月19日朝刊P.7]
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