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(回答先: 米国は反対なのになぜ日本はTPPを推進するのか?=「つまりは大東亜共栄圏」「中国を包囲したいとはっきり言えばいいじゃない 投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 04 日 22:37:20)
TPP交渉は、民主党の菅政権・野田政権そして自民党の安倍政権と推進されてきたが、それは自ら望んだものというより米国政権の指示でやむなくというものであったと言えるだろう。
日本は、TPP参加国の多くと既にEPA(FTA)を締結しており、未締結国は米国・カナダ・NZ(豪州とは15年にEPA締結)である。
これらEPA未締結国は、金融サービスや農産品の対日輸出拡大に利益を見い出していることから厄介な交渉になること(市場が小さいNZとは締結の意義があるかどうかさえ疑問)が見えている。(米国とは政治的力関係から対等な条件で合意することが望めない)
TPPは、確かに、対外進出を果たしている日系グローバル企業のビジネスをやりやすくする。TPP参加国のなかでよりコストが低い国で生産を行い、需要規模の大きい米国に低関税で輸出することができるからである。
そうは言っても自動車など主要製品では日米の棲み分けが終わっており、日本がことさらTPP的枠組みに入る必要はない。マレーシアやベトナムなどグローバル企業の進出国が独自に米国などとFTAを締結してもらえば済む話である。
また、米国はTPPに反対と言ったところで、大統領選対策という側面が見え隠れしており、トランプ対策としてTPP反対を言い始めたクリントン氏も、あくまで現在の合意内容には不満という話であり、公約として明確にTPP反対(議会に承認求めず)を掲げているわけではない。
日本にとって現段階で見通せる厄介な話は、ヒラリー・クリントン氏が大統領になり、TTP参加国で米国に次ぐ市場規模を誇る日本に再交渉を迫ることであろう。
TPPには反対だが、哀しいことに、従米政治家が政治権力を握り続けている限り、日本が米国の意向に逆らうことは困難である。
政治関係で劣位の日本は、米国新政権が再交渉を迫り既存合意よりも不利になることを回避する手段として、署名したTPP協定の国会承認をさっさと済ますことくらいしかないのかもしれない。
クリントン新政権が再交渉を求めてきても、既に議会で承認された国際協定という政治手続き論を盾にして強く拒否することができる。
さらに言えば、TPPは、米国・カナダ・NZとEPAを締結することを意味するほど二国間協定の色合いが濃いものである。
クリントン政権が貿易&投資で日本に譲歩を求めるとしても、TPPではなく、日米二国間の合意として追求する可能性のほうが高いだろう。
これまでも、70年代初頭の繊維交渉からずっと、日米間の貿易及び投資問題は政治的に決着されてきた。
TPPには中国包囲網という側面はほとんどない。なぜなら、米国は、中国との間でTPPレベルを超える金融サービスなどの投資協定を締結しているからである。
米国支配層が中国に期待するのは、中国市場での金融サービス事業の自由拡大である。
(製品貿易レベルでは、米国が中国に輸出できるのは航空機やハイテク製品そして映画など限られたものであり、貿易赤字の元であるコモディティの中国からの輸入は発注主である米国企業の利益でもある)
穿った見方を言えば、米国が日本をTPPに引きずり込んだのは、日本が「東アジア共同体」構想を持ちながら、日中FTAを推進していた日本の動きを阻害するためである。
オバマ政権は、日本をTPPに引き込む一方で、中国とは戦略対話を重ね、抜け駆け的に高度な投資協定を締結したと言えるだろう。
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