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★ あらかじめ御断わりしておきますが、私の投稿文は記紀神話をベースにした発想から「とんでも論」を展開していますので、『おかしいのでは』と思われても、『そこは記紀神話の事ですから』ということで御理解ください。
★ また、私の投稿は、記紀神話を学術的に研究するためではなく、記紀神話の二重性とか多重性とか二元論的な反面性などを指摘して、掲示板でオカルト・スピリチュアル的な「お花畑」として遊ぶ事を目的としています。
@ ところで、「海幸彦と山幸彦の、知られたくない裏面史」」に、ご興味をお持ちでしょうか。実は、鹿児島県は福岡県に支配されて、永い間、服従させられていたのではないか、と想像しています。
まあ、ウソかホントかは分かりませんが、『記紀神話のことですから』と言うことで、ご理解ください。
A 「海幸彦と山幸彦」の物語の、日本書紀の気になる記述。
ア) (日本書紀の神代下・第十段一書・四の一)
『一書曰、兄火酢芹命、得山幸利。弟火折尊、得海幸利、云々。弟愁吟在海濱、時遇鹽筒老翁、老翁問曰「何故愁若此乎。」火折尊對曰、云々。老翁曰「勿復憂、吾將計之。」計曰「海~所乘駿馬者、八尋鰐也。是竪其鰭背而在橘之小戸、吾當與彼者共策。」乃將火折尊、共往而見之。』
(簡略の翻訳)
山幸彦が、兄の海幸彦の釣針を失くした一件で、海辺で泣いているときに、鹽筒老翁(塩土老翁)に出会って事情を説明した。
事情を聞いた塩土老翁は、山幸彦を連れて、(福岡県の)橘之小戸に有る海神の代官(鰐)に相談に行った。
イ) (日本書紀の神代下・第十段一書・四の二)
『是時、鰐魚策之曰「吾者八日以後、方致天孫於海宮。唯我王駿馬、一尋鰐魚、是當一日之內、必奉致焉。故今我歸而使彼出來、宜乘彼入海。入海之時、海中自有可怜小汀、隨其汀而進者、必至我王之宮。宮門井上、當有湯津杜樹。宜就其樹上而居之。」言訖卽入海去矣。故、天孫隨鰐所言留居、相待已八日矣、久之方有一尋鰐來、因乘而入海、毎遵前鰐之教。
(簡略の翻訳)
塩土老翁と山幸彦の相談を受けた海神の代官(鰐)は、早速、海神の宮に報告した。早々に代官(鰐)が帰ってきて、山幸彦を海神の宮に送り届けた。
(後は、海神の宮で、山幸彦と豊玉姫が恋愛して、3年後に、日向の国に帰ってきて、兄の海幸彦をボコボコにする話に繋がります)。
ウ) ここで大事なこと。
1つ目には、山幸彦と塩土老翁の二人が、海神の代官(鰐)が居る「橘之小戸」に行ったということ。
この場合の「橘之小戸」は、(海神の宮が対馬に有ることを考えると)、福岡県の博多湾が想定されることです。
(福岡県の遠賀川の可能性も否定できませんが、福岡県に間違い有りません)。
★ 「橘之小戸」の比定地については、日本書紀・仲哀天皇・即位八年の条に、仲哀天皇が九州に遠征した折に、(遠賀川河口の)岡の県主の祖先の熊鰐が出迎えた話が有ります。
ここから考えても、福岡県に「橘之小戸」が有ったと考えられます。
2つ目に大事なことは、海神の豊玉彦の海軍が、山幸彦を奉じて、日向(鹿児島県)に攻めてきて、海人族の海幸彦の一族郎党を、完膚無きにまでボコボコに叩きのめしたことです。
このため、海幸彦が土下座をして泣きながら、子々孫々に至るまで、山幸彦の家来として臣従すると誓ったのは、周知の通りです。
B 海人族の海幸彦の子孫が、鹿児島県にいたこと。
日本書紀の神代下・第十段本文四では、ホノスソリ(海幸彦)は、「吾田の君の小橋」らの祖先になったと有ります。この吾田は鹿児島県の吾田のことです。
C 記紀神話のウソと、本当の話。(あくまでも記紀神話上での解釈)。
ア) 豊玉姫が子供を産む目的で、日向(鹿児島県)に来たというのは、ウソだと思います。
山幸彦が海神の宮に来て、豊玉姫と恋愛して3年間、同じ布団の中で暮らしていたのですから、直ぐに妊娠して、1年後には、ウガヤフキアエズが生まれており、3年後には、ウガヤフキアエズは2歳になっていたはずです。
(3年後に、山幸彦が鹿児島県に帰ってきたのは、ウガヤフキアエズが2歳になって、乳離れをして安定し、乳児死亡のリスクが少なくなったためだと思います)。
イ) また、豊玉姫は、海神の宮(対馬)の女酋長だったと思います。
つまり、古代は女系相続の時代だったので、土地や人民などの財産や先祖の祭祀は娘の豊玉姫が相続し、政治や軍事権などは父親の豊玉彦が掌握していたのだと思います。
(その意味において)、女酋長の豊玉姫が、国を捨てて、鹿児島に嫁入りなんか、許されない話だったと思います。古代は基本的に「夜這いの妻問い婚」だったから、女は生家を離れません。
★ 対馬には、豊玉姫を主祭神に祭る神社が幾つも有ります。普通の女が主祭神に祭られることは、考えられません。ですから、豊玉姫は女酋長だったと思います。
D 福岡県の海人族が、進駐軍として、鹿児島県を実効支配し続けたこと。
記紀神話では伏せられていますが、豊玉姫と豊玉彦が、山幸彦を「錦の御旗」に掲げて、鹿児島県を実効支配したと云う事です。
(よく考えて頂きたいのですが)、山幸彦は、海幸彦との主導権争いに敗北して、体ひとつで、豊玉姫と豊玉彦の所に転がり込んだのです。
その後、豊玉彦の海軍の支援を受けて、海幸彦に勝利して、鹿児島の主導権を握りました。
そうすると、当然、豊玉彦に報償を与えなければなりませんし、鹿児島を支配するための軍事力や警察権は、豊玉姫と豊玉彦から借りなければなりません。
ですから、福岡県の海人族が、進駐軍として、鹿児島県を実効支配し続けたことは、容易に想像がつくと言うものです。
E (解けないし、よく分からない)、豊玉姫の呪文。
日本書紀・神代下・第十段一書四の五(抜粋)
『先是、豐玉姬、出來當産時、請皇孫曰、云々。皇孫不從、豐玉姬大恨之曰「不用吾言、令我屈辱。故自今以往、妾奴婢至君處者、勿復放還。君奴婢至妾處者、亦勿復還。』
(簡略の翻訳)
豊玉姫が、ウガヤフキアエズを産むときに、山幸彦に見られたので、『私の願いを無視して、私の出産を覗き見して、私に恥をかかせた。だから、これより以降は、私が、君の所に奴婢を送ったなら、返さなくても良い。(反対に)、君が私の所に奴婢を送った場合にも返さなくても良い。』・・・
(解釈が難しい)。
一般的に、喧嘩別れをして離婚をした場合には、お互いの財産は返還するのが常識ですが、上記の文章では、今までに送った豊玉姫の奴婢を返せとは書かれていません。
それには触れず、『今後、相手方に送ったものは、お互いに返さなくても良い』としています。
(逆説的に考えると)、お互いに「結界」を張って、『君(山幸彦)は、北九州や対馬には二度と来るな。鹿児島で生きていけ。』と遠回しに言っているのかも知れません。
さらに、鹿児島に進駐している福岡の海軍や玉依姫付きの侍女たちにも、『お前たちは、今後は福岡に帰ってくる必要は無いから、ウガヤフキアエズと玉依姫の2人を護り、主君と仰いで、鹿児島に土着して生きていけ。』という解釈も出来そうですが、どうでしょうか。
F 神武東征は、豊玉彦(綿津身)の支援があった。
山幸彦の孫の神武天皇(崇神天皇イニエ)が、「神武東征」を行いましたが、なぜか、福岡県の遠賀川河口の「岡の水門(港)」に立ち寄っています。
(常識的に考えると)、日向から北上して奈良に入るのなら、大分県から右折して瀬戸内海に入れば良いはずです。
ところが、なぜか、関門海峡を抜けて福岡県に入っています。不思議です。
福岡県の綿津身に、「東征」の援軍を求めたのではないかと、想像します。
G (余談として)、鹿児島の海軍の「重層構造」。
余談として、鹿児島の海人族の成り立ちを考えてみたいと、思います。
初めに、鹿児島には、ポリネシア系・チアム系・長江系とかの海人族が居たと思いますが、やがて、北九州・朝鮮半島との交流を通じて、徐々に変質していったと思います。
そして、ニニギが、福岡の海軍を率いて「天孫降臨」して、鹿児島を実効支配した。さらに、山幸彦が、海幸彦の率いるニニギの後継海軍を、上書きした。
後になると、景行天皇の遠征によって、大和王権に組み込まれたし、後世には、国司の派遣・荘園支配・守護地頭の設置などで、複雑に「上書き」されたと、思います。
H ★ ところが、本当のことは、分かりません。
記紀神話は「ウソの羅列」です。
たとえば、先代旧事本紀に、『火折尊(山幸彦)と豊玉姫が、彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊を生んだ』。また別に、『火折尊(山幸彦)と玉依姫が、武位起(タケ・クライオキ)を生んだ』とあります。
(★ つまり、山幸彦は、豊玉姫との間にウガヤフキアエズを生み、玉依姫との間にも(尾張氏のルーツとか(「神武東征」に貢献した「椎根津彦」のルーツといわれる)武位起を生んだことになります。
すると、玉依姫は、山幸彦の妻になって子供を産み、さらにウガヤフキアエズの妻にもなっても子供を産んだことになります。
★ 古代には、父親の妻を、子供が犯す事例が時折り登場しますが、どうなんでしょうか。
I ★ 反記紀神話的な解釈(想像)。
山幸彦は、天孫降臨した主家の御曹司であり、海神の豊玉彦は臣下の家系であり、主従の関係は千年経っても変らない。
鹿児島での海幸彦との主導権争いに破れて、北九州に落ち延びた主人の山幸彦が、北九州の豊玉彦に対して、軍勢を率いた出陣命令を下し、海幸彦をボコボコにした。
そして、
『大儀であった』と謝意を述べて、さらに、娘の豊玉姫と玉依姫を「妾奉公」に差し出させた。豊玉姫が子供を産んだが、気性が激しいのを嫌って、暇を出して国許に帰らせた、という想像も成り立ちそうです。
結局、分からないから、どんな解釈でも成り立ちますが、『記紀神話の事ですから』。
★ どう思われますか。
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