http://www.asyura2.com/16/asia20/msg/330.html
Tweet |
フィリピン次期政権、閣僚に共産党員起用案 ゲリラ抑え込む狙い
【マニラ=佐竹実】フィリピンの次期大統領に就任するミンダナオ島ダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ氏は16日に同市内で記者会見し、次期政権の主要閣僚案を発表した。閣僚経験者を置くほか、フィリピン共産党から労働雇用相など4人を迎える。共産党ゲリラを抑え込んで同島の治安を改善させ、投資を呼び込むためとみられるが、海外からは中国寄りとの印象を強めかねない。
ドゥテルテ氏は6月30日の就任に向けて閣僚人事などの準備を本格化しており、会見では労働雇用相、環境天然資源相、農地改革相、社会福祉開発相をフィリピン共産党から起用する案を明らかにした。ドゥテルテ氏は「労働や社会福祉について最も注意深くやってくれるのは彼らだ」と述べた。
フィリピン共産党の入閣は過去にほとんどない。同党の軍事組織で、反政府の共産ゲリラの「新人民軍(NPA)」の活動を抑え込む狙いがあるとみられる。ミンダナオ島で誘拐事件を起こすNPAが活動をやめれば、同島の治安は改善し、投資や開発につながる可能性があるものの、一方で、軍や治安当局の反発が予想されている。
フィリピン共産党は中国と資金面などでのつながりが指摘されており、共産党員の入閣が実現すれば、政権全体としては中国寄りのイメージを持たれるリスクもある。
財務相には、1980年代のコラソン・アキノ政権で農相を務め、地元ダバオ市でホテルチェーンを経営するカルロス・ドミンゲス氏を招く。国防相にも閣僚経験者を充て、自身の国政での経験不足を補う考えだ。
ドゥテルテ氏陣営は、アキノ政権のマクロ経済政策を引き継ぐ考えを示しており、現政権からの入閣も検討されている。
共産党入閣による治安改善、投資誘致という手法はもろ刃の剣だ。フィリピンは高い英語力や人口の増加に裏付けられた労働賃金の安さが着目されて、日本などの製造業の進出が増えている。雇用労働相が最低賃金の上昇を打ち出せば、外資の進出のペースが鈍りかねない。
ドゥテルテ氏は会見で、中国と領有権を争うスカボロー礁(中国名・黄岩島)について「我々の排他的経済水域(EEZ)に属する。なぜ実効支配されているのか」と従来の主張を繰り返した。
[日経新聞5月17日朝刊P.7]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。