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トルコ政府はロシア軍機が領空を侵犯したとまた主張して否定されたが、誰がトルコを信じるのか?
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201601310000/
2016.01.31 17:30:03 櫻井ジャーナル
ロシア軍のSu-34戦闘爆撃機が1月29日にトルコ領空を侵犯したとトルコ政府はその翌日に発表した。同政府は29日にロシア大使を召還して抗議、その翌日にはレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がウラジミル・プーチン露大統領に対して話し合いを申し入れたが、ロシア国防省は領空侵犯を否定している。
現時点では実際に何が起こったか不明だが、これまでエルドアン政権は嘘をつき続けてきた。これは同盟関係にあるアメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルなどと同じだ。
トルコ政府の場合、偽情報を発信するだけでなく、自分たちの悪事を明るみに出す行為を国家機密の漏洩にあたるとして弾圧している。例えば、昨年11月24日に同国軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を撃墜した際にもロシア軍機の領空侵犯を主張していたが、それに基づくと侵犯機は1.17マイル(1.88キロメートル)の距離を時速398キロメートルで飛行したことになる。時速1654キロメートルで飛べる航空機にとって異常な低速であり、説得力はない。
西側の嘘にロシアは事実で反撃するというパターンが定着しているが、その撃墜に関してウラジミル・プーチン露大統領は記者会見の際、ロシア側は事前にSu-24の詳しい飛行計画をアメリカ側に通告していた事実を明らかにする。
https://www.youtube.com/watch?v=FwLNDXuU2Zg
この情報がトルコ軍にも流れ、いつ、どこをロシア軍機が飛行してくるかを知っていたということだ。
またアメリカは偵察衛星で監視しているはずで、しかもギリシャを拠点とするアメリカ/NATOのAWACS(早期警戒管制)機、そしてサウジアラビアもAWACS機も飛行していた。言うまでもなくAWACSは警戒のほか、作戦を指揮管制する能力を持っている。アメリカ/NATOはトルコ軍機がロシア軍機を撃墜しようとしていることを知りながら何もしなかったのか、撃墜を指揮していたのか、どちらかだろう。
ロシア側の説明(アメリカやトルコから否定されていない)によると、トルコ軍のF-16は午前8時40分に離陸、9時08分から10時29分まで高度4200メートルで飛行して午前11時に基地へ戻っているのに対し、ロシア軍のSu-24は午前9時40分に離陸、午前9時51分から10時11分まで高度5650メートルで飛行、16分に目標を空爆、24分に撃墜されている。ロシア軍機が離陸する1時間前にトルコ軍機は発進しているわけで、領空侵犯に対するスクランブルではなかった。
内部告発支援グループのWikiLeaksによると、エルドアン大統領がロシア軍機の撃墜を決めたのは10月10日。
https://twitter.com/wikileaks/status/673221504356786176
また、11月24日から25日にかけてトルコのアンカラでトルコ軍幹部とポール・セルバ米統合参謀本部副議長が会談したことも注目されている。状況証拠は撃墜の黒幕がアメリカだったことを示している。
こうした個別の出来事だけでなく、トルコ政府は構造的な嘘もついている。アル・カイダ系武装勢力やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)を編成、戦闘員を訓練した上で武器/弾薬を含む物資を供給、さらにこうした集団が資金源にしている盗掘石油を売りさばく仕事にトルコ政府は協力している。
当初、盗掘石油の輸送はラッカ近くの油田からタンクローリーでシリア北西部へ運び、アザーズからレイハンルへ抜けてトルコのドーチョル港とイスケンデルン港へ運ぶルートが中心だったが、ロシア軍の空爆でこのルートが危険になったことからデリゾールの石油精製施設からイラクのモスルやザホへ運び、そこからトルコのバットマン製油所へ輸送するルートの比重を増やしたとロシア軍参謀本部は説明している。
こうした中、12月の初めにトルコ軍は25台のM-60A3戦車に守られた部隊をイラクの北部、モスルの近くへ侵攻させた。石油密輸の中継地として重要度が高まっている場所と重なる。親サウジアラビアの新聞アル・アラブが1月29日に伝えたところによると、トルコとアメリカの間で結ばれた秘密協定によってトルコ軍はイラク北部に駐留しているのだという。アメリカ政府の承認なしにトルコが動くとは考えにくいわけで、この報道には説得力がある。
その一方、イラク政府はトルコ軍によるイラク侵攻、占領に抗議している。当然の反応ではあるが、イラク政府もアメリカ政府には逆らえない現実がある。内心はロシアへ接近しているイラク政府がどこかの時点でアメリカ政府に反旗を翻す可能性もある。バラク・オバマ政権は危険なことをしていると言えるだろう。
トルコ政府以上にアメリカ支配層と緊密な関係にあると見られてきたイスラエル政府はトルコと違い、アル・カイダ系武装勢力やISへの好意的な見方を隠してこなかった。例えば、2013年9月にはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近で駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンがシリアのバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている。
http://www.jpost.com/Features/Front-Lines/Diplomacy-Obama-passes-the-kishka-test-326570
今年1月19日にはモシェ・ヤーロン国防相がINSS(国家安全保障研究所)で開かれた会議で、イランとISIS(IS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)ならば、ISISを私は選ぶと発言している。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4755215,00.html
ところが、同月26日に同国防相はギリシャでトルコが盗掘石油の購入という形でISに資金を提供していると非難した。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4758140,00.html
そうした取り引きを止めるべきだというのだが、1週間で主張が大きく変化したわけだ。
以前にも本ブログで指摘したことだが、イラク、リビア、シリア、イランなどを敵視、体制転覆を目論んできた勢力、つまりアメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルは同床異夢。アメリカの内部も割れている。ロシアが空爆を始めてアル・カイダ系武装勢力やISが劣勢になってから「異夢」が顕在化したのかもしれない。
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